eスポーツ市場規模|日本は161億円・推移と企業の参入判断

eスポーツ市場規模|日本は161億円・推移と企業の参入判断 スポーツビジネス

「eスポーツは伸びているらしい」。そう聞いて調べ始めたものの、60億円、161億円、3,000億円と、資料ごとに桁の違う数字が出てきて手が止まる。協賛や新規事業の検討で、よくある場面です。

結論から言うと、日本のeスポーツ市場規模は2024年に推計約161億円で、前年から9.9%伸びています。2026年には200億円を超える予測です。この記事では、年ごとの推移、内訳、世界との違いを同じ定義でそろえて整理し、企業が参入を判断するときの見方までまとめます。

日本のeスポーツ市場規模は2024年に約161億円

日本のeスポーツ市場規模の推移グラフ(2020年〜2026年予測)

日本のeスポーツ市場は、2024年に推計約161億円まで広がりました。日本eスポーツ協会(JESU)が2026年3月に発表した「日本eスポーツ白書2025」の数字で、前年からの伸びは9.9%です。

同じ白書によると、2020年以降の市場は年平均10%前後で安定して成長しています。試合の観戦や配信の視聴を経験したファンは2024年におよそ967万人で、そのうち約419万人が自分でも競技をする人です。

この数字は、角川アスキー総合研究所のユーザー調査と、関連企業の決算などの公開情報をもとにした推計です。ゲームソフトそのものの売上は含まれず、大会やチームの運営にかかわるお金を集計しています。スポーツ産業全体の中での位置づけは、スポーツ業界の課題と構造を整理した記事とあわせて読むとつかみやすくなります。

(参考)データ年鑑『日本eスポーツ白書2025』発売(2026年3月26日) – 一般社団法人日本eスポーツ協会

Q. 日本のeスポーツ市場規模はいくらですか?

2024年は推計で約161億円です。日本eスポーツ協会が発表した「日本eスポーツ白書2025」によると、前年から9.9%伸びました。2020年以降は年平均10%前後で成長が続いています。

eスポーツ市場規模の推移は4年で約1.9倍

市場規模は2020年の約84億円から2024年の約161億円へ、4年で約1.9倍になりました。白書2025に掲載されたグラフの数値を、年ごとに並べます。

年 市場規模 ファン数
2020年 83.54億円 685.9万人
2021年 98.68億円 743.4万人
2022年 125.36億円 775.9万人
2023年 146.85億円 856.0万人
2024年 161.46億円 967.3万人
2025年(予測) 182.87億円 1,242.5万人
2026年(予測) 209.63億円 1,492.3万人

日本のeスポーツ市場規模とファン数の推移(出典:日本eスポーツ白書2025/角川アスキー総合研究所。百万円・千人単位のグラフ数値をHuman Soarが億円・万人に換算)

2022年に100億円を超えて伸び率は落ち着いてきた

市場が100億円を超えたのは2022年です。上の表から前年比を計算すると、2022年は約27%増、2023年は約17%増、2024年は約10%増で、伸び方はゆるやかになっています。

2022年の伸びが大きいのは、この年の白書から「イベント運営」が集計に加わった影響もあります。当時の発表は、このカテゴリが全体のおよそ3割にあたると説明していました。伸び率だけを取り出して「急成長」と読むのは避けたほうが安全です。

(参考)2022年の国内eスポーツ市場規模が100億円を突破「日本eスポーツ白書2023」の内容を先行公開(2023年12月25日) – 一般社団法人日本eスポーツ連合

古い資料の数字はいまの数字と分けて扱う

過去の市場規模は、あとから発表された白書で数字が変わっています。たとえば2021年は、2022年10月の発表では78.4億円でしたが、白書2025のグラフでは98.68億円です。

社内資料をつくるときは、発表年の違う数字を同じ表に混ぜないでください。経済産業省が2024年12月の研究会で示した資料も、2018年48.31億円、2021年78.42億円という当時の系列を使っています。こうした古い発表の数字は、参考値として分けて扱うのが確実です。

(参考)2021年の国内eスポーツ市場規模は78.4億円 11月刊行予定の「日本eスポーツ白書2022」の内容を先行公開(2022年10月26日) – 一般社団法人日本eスポーツ連合

(参考)業界の現状及びアクションプラン(案)について【ゲーム】(第2回エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会 資料4-3、2024年12月19日) – 経済産業省

予測は下振れした実績がある

予測の数字は、そのまま事業計画に入れないほうが無難です。1年前の白書2024は2024年を172.68億円と見込んでいましたが、実績は161.46億円でした。

白書2025は2026年に200億円を超え、ファン数は約1,500万人に迫ると予測しています。方向としては成長が続く見立てですが、計画に使うなら実績の伸び率(直近で約10%)を基準に置き、予測値は上振れのケースとして扱うと現実的です。

(参考)データ年鑑『日本eスポーツ白書2024』発売(2025年3月31日) – 一般社団法人日本eスポーツ連合

Q. eスポーツの市場規模は今後どうなりますか?

日本では2026年に200億円を超えると予測されています。同じ白書は、ファン数も2024年のおよそ967万人から、2026年には約1,500万人に迫ると見込んでいます。ただし2024年の実績は前年の予測を下回っており、予測どおりに進むとは限りません。

市場の内訳はイベント運営とスポンサーで7割を超える

日本のeスポーツ市場は、企業が出すお金に支えられています。白書2025によると、2024年の内訳はイベント運営が37.3%、スポンサーが36.3%で、この2つを合わせると73.6%です。

残りは放映権9.7%、アイテム課金・賞金7.4%、ストリーミング6.2%と続きます。観客が直接払うチケットは1.9%、グッズは0.8%にとどまっています。

ファンが直接払うお金は、まだ市場の小さな部分にとどまっているということです。協賛を検討する企業にとっては、存在感を出しやすい反面、景気や企業の方針で市場全体が揺れやすい構造だと読めます。協賛の費用対効果の考え方は、スポーツ協賛に取り組む企業の比較記事が参考になります。

(参考)eスポーツの市場と推移 – 一般社団法人日本eスポーツ協会

世界のeスポーツ市場規模は定義で3倍以上変わる

世界の市場規模は、調査会社が何を数えるかで大きく変わります。代表的な2つの数字を、定義と一緒に確認しておきましょう。

ひとつは調査会社Newzooの数字です。2022年の無料版レポートでは、世界のeスポーツの売上を2021年11億3,650万ドル、2022年13億8,400万ドルとし、2025年には18億6,620万ドルになると予測していました。賞金、選手の給与、賭け(ベッティング)、ゲーム本体の売上は含めていません。

もうひとつはStatistaの数字で、2026年の世界売上を49.1億ドルと見込んでいます。こちらは賭けを含んでおり、賭けだけで28.0億ドルと最大の区分です。日本の白書とは比べられない数字なので、資料に引用するときは定義を必ず書き添えてください。

国や地域別では、Newzooは2022年の売上をアジア太平洋5億9,020万ドル、北米3億4,970万ドル、欧州3億4,530万ドルと示し、中国が世界のほぼ3分の1を占めるとしていました。Statistaは2026年に最も売上が大きい国を米国(13.6億ドル)と見込んでいます。国別の順位表は、無料で確認できる一次資料では見つかりませんでした。世界市場に絞った分析は、eスポーツ世界市場規模と企業参入の判断軸の記事で扱っています。

(参考)Global Esports & Live Streaming Market Report 2022(Free Version) – Newzoo

(参考)Esports – Worldwide(Statista Market Insights) – Statista

Q. 世界のeスポーツ市場規模はどのくらいですか?

調査会社の定義によって3倍以上の差があります。賭けや賞金を除くNewzooの集計では2022年が約13.8億ドル、賭けを含むStatistaの見込みでは2026年が49.1億ドルです。数字を比べるときは、何を市場に含めているかを先に確認してください。

国の目標600〜700億円と実績の差を前提に計画する

事業計画では、国の目標値ではなく実績の伸びを基準にしてください。目標と実績の間には、3倍以上の開きがあるためです。

経済産業省の委託事業として2020年3月にまとまった検討会の報告書は、大会やチーム運営などの「直接市場」について、2025年に600〜700億円という長期目標を掲げました。周辺産業への波及まで含めた全体では、2,850〜3,250億円としています。

これに対して白書2025の2025年予測は182.87億円です。両者の定義は同じではありませんが、当時描いた規模にはまだ届いていません。「3,000億円市場」といった表現を見かけたら、それは波及効果を含む目標だったと読み替えるのが正確です。

追い風になる出来事もあります。スポーツ庁の研究会がまとめた提言によると、日本eスポーツ連合は2024年に日本オリンピック委員会(JOC)の準加盟団体として承認され、国民スポーツ大会にあわせて「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」が毎年開かれています。2026年9〜10月の第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)では、eスポーツが正式なメダル競技となり、11種目13タイトルの実施が決まりました(競技日程は9月23日〜10月2日)。一方、国際オリンピック委員会(IOC)のオリンピック・eスポーツ・ゲームズは、2025年10月にサウジアラビア側との協力終了が発表され、第1回の開催時期と開催地は決まっていません。大きな大会を前提にした計画は、公式発表を確かめてから組むのが安全です。

(参考)日本のeスポーツの発展に向けて~更なる市場成長、社会的意義の観点から~(令和2年3月) – eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会(経済産業省委託事業)

(参考)バーチャルスポーツ、eスポーツの推進にあたっての考え方(提言) – スポーツ庁 バーチャルスポーツ(eスポーツ)とまちづくり研究会

(参考)第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)eスポーツ競技 – 一般社団法人日本eスポーツ協会

(参考)IOC statement on the Olympic Esports Games(2025年10月30日) – International Olympic Committee

企業のeスポーツ参入は4つの型で考える

企業のeスポーツ市場への参入を費用と運営主体で4つの型に分けた図

企業の関わり方は、かける費用と、自社で運営するかどうかで4つに分けられます。上の図は、各社の公式発表をもとにHuman Soarが整理したものです。以下の事例はいずれも発表時点の内容で、現在の状況までは確認していません。

協賛型|チームや団体のスポンサーになる

最も始めやすいのが協賛です。KDDIは2017年3月、プロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」を運営する企業とのスポンサー契約を発表し、2018年8月には日本eスポーツ連合とオフィシャルスポンサー契約を結びました。

自社の商品と結びつける例もあります。ソニーマーケティングは2023年6月、プロチーム「REJECT」と、ゲーミングヘッドセットに関するオフィシャルスポンサー契約を発表しました。同じチームは2023年4月に、ロート製薬とのスポンサーシップ契約も発表しています。

市場の36.3%をスポンサーが占める構造なので、受け入れ側の選択肢は豊富です。目的を「若い世代との接点」「商品の使用場面づくり」などに絞ってから相手を選ぶと、成果を測りやすくなります。

あわせて読みたい企業のスポーツ協賛|効果測定で単年契約を脱する共創プラン›

(参考)KDDIとSun-Genceによるプロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」へのスポンサー契約締結について(2017年3月24日) – KDDI株式会社

(参考)日本有数のプロeスポーツチーム”REJECT”とのスポンサー契約について(2023年6月1日) – ソニーマーケティング株式会社

主催型|リーグや大会を自社で開く

自社でリーグを立ち上げる方法もあります。NTTドコモは2021年1月、eスポーツ事業への参入と、国内リーグブランド「X-MOMENT」の設立を発表しました。同年2月と3月に2つのタイトルでリーグを始めるという内容です。

主催は露出を自社で設計できる反面、運営費と人手がかかります。市場の37.3%を占める「イベント運営」に自ら踏み込む形なので、通信や配信など本業の強みを生かせる企業に向いた型です。

(参考)(お知らせ)国内eスポーツリーグブランド「X-MOMENT」設立(2021年1月23日) – 株式会社NTTドコモ

施設型|遊休スペースをeスポーツの拠点にする

場所を持つ企業は、施設として関わることができます。JR東日本スポーツは2021年1月、JR松戸駅の改札前に、JR東日本エキナカ初の常設eスポーツ施設を開業すると発表しました。東京メトロも2021年に、南北線赤羽岩淵駅の出入口横でeスポーツのトレーニングジムを始めると発表しています。

駅や商業施設の空きスペースを生かせる点が利点です。常設施設は営業の形によって法律上の扱いが変わりうるため、計画の段階で専門家と確認しておくと安心です。

あわせて読みたいスポーツ業界の業界研究|経営者が使う5つの視点›

(参考)JR東日本エキナカ初の常設eスポーツ施設「ジェクサー・eスポーツ ステーション」が松戸駅に誕生します!(2021年1月14日) – JR東日本スポーツ株式会社

新会社型|事業として専門会社を立ち上げる

最も踏み込んだ形が、専門会社の設立です。NTT東日本は2020年1月、NTT西日本やスカパーJSAT、タイトーなどとの共同出資で「株式会社NTTe-Sports」を設立すると発表しました。資本金は3.0億円です。

投資額が大きいぶん、通信環境の提供や施設運営、人材育成まで事業の幅を持てます。市場全体がまだ160億円規模であることを踏まえると、単体の収益だけでなく、本業への波及をどう測るかを先に決めておく必要があります。

(参考)eスポーツ分野における新会社の設立について〜ICT×eスポーツによる地域社会への貢献をめざして〜(2020年1月21日) – 東日本電信電話株式会社

参入前に賞金と参加料のルールを確かめる

大会にかかわる前に、賞金と参加料の扱いを確認してください。形式によって、法律上の整理が変わるためです。

賞金については、景品表示法との関係が議論されてきました。日本eスポーツ連合(当時)は2019年9月、消費者庁への照会結果を踏まえた整理を公表しています。賞金の提供先をプロライセンス選手に限る大会や、参加者が限定され、高い技術のプレーを多くの観客や視聴者に見せる大会では、賞金は「仕事の報酬等」と認められ、景品表示法に違反しないという内容です。

参加料については、賞金がスポンサーなど第三者から出される場合や、参加料が会場費などの運営費だけに使われる場合は徴収が認められる、という見解が同じ報告で示されました。2020年9月には、参加料を取る大会が風営適正化法上のゲームセンター等営業にあたらない範囲を示すガイドラインも制定されています。

これらは団体による整理であり、個別の大会の適法性を保証するものではありません。自社で大会を開く、あるいは賞金を出す立場になる場合は、企画の段階で法務部門や専門家に確認することをおすすめします。

(参考)eスポーツに関する法的課題への取組み状況のご報告(2019年9月12日) – 一般社団法人日本eスポーツ連合

(参考)「JeSU参加料徴収型大会ガイドライン」を制定 ~風営適正化法上の「ゲームセンター等営業」に該当しない参加料徴収型大会の範囲を明確化~(2020年9月24日) – 一般社団法人日本eスポーツ連合

Q. eスポーツ大会の賞金は10万円までしか出せないのですか?

一律に10万円までと決まっているわけではありません。日本eスポーツ連合(当時)は2019年、消費者庁への照会結果を踏まえ、賞金が「仕事の報酬等」と認められる大会では景品表示法に違反しないと整理しています。観戦も配信もない販促目的の大会は別の扱いになる可能性があるため、形式ごとの確認が必要です。

まとめ|eスポーツ市場規模は実績の伸び率で読む

eスポーツの市場規模は、どの資料の、どの定義の数字かを確かめてから使うことが大切です。要点を振り返ります。

  • 日本の市場規模は2024年に推計約161億円(前年比9.9%増)、2026年に200億円超の予測
  • 2020年の約84億円から4年で約1.9倍。直近の伸び率は約10%まで落ち着いている
  • 内訳はイベント運営37.3%とスポンサー36.3%で7割超。チケットとグッズは合わせて2.7%
  • 世界の数字は賭けを含むかどうかで3倍以上変わる
  • 企業の参入は協賛・主催・施設・新会社の4つの型で、費用と運営の負担から選ぶ

まずは自社の目的に合う型をひとつ選び、小さな協賛や社内イベントから数字を取り始めてみてください。実績の伸び率を基準にした計画なら、社内の説明にも耐えやすくなります。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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