スポーツ発コンディショニング用品|主要3社の強み

リカバリー・コンディショニング用品業界の主要3社を比較 スポーツビジネス

練習後のロッカールームだけでなく、残業明けのオフィスでも「回復ウェア」に着替える人が増えています。TENTIALやVENEXはウェアで、MTGのSIXPADはデバイスで体を整えるアプローチを競い合っており、選び方は使う場面と目的で変わります。公式情報から3社の強みの違いを整理します。

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「リカバリー・コンディショニング用品」とはどんな業種か

リカバリー・コンディショニング用品とは、着圧や発熱素材を使ったウェア、EMS(電気的筋肉刺激)を使ったトレーニング・回復デバイス、睡眠環境を整える寝具など、運動後や日常の疲労回復を目的に設計された製品群を指します。もともとはアスリート向けの用具でしたが、いまはオフィスワーカーや高齢者まで対象を広げ、「回復」を一つの製品カテゴリーとして扱うメーカーが増えています。

矢野経済研究所によれば、国内スポーツ用品市場(メーカー出荷金額ベース)は2025年に前年比103.1%の1兆7,313億1,000万円になる見込みで、2026年も102.6%の1兆7,761億8,000万円へ拡大すると予測されています。同調査ではアスレチックウエアやスポーツシューズなど17分野を対象にしており、リカバリー・コンディショニング用品はこの成長するスポーツ用品市場の中で、ライフスタイル需要と結びつきながら拡大している領域の一つです。

(参考)スポーツ用品市場に関する調査を実施(2026年) – 株式会社矢野経済研究所

Q. リカバリー・コンディショニング用品とはどのような製品を指しますか?

着圧ウェアやEMSデバイス、睡眠改善寝具など、運動後や日常生活での疲労回復を目的に設計された製品の総称です。もとはアスリート向けの用具でしたが、現在は一般消費者や企業の福利厚生向けにも展開が広がっています。

主要3社に見るリカバリー・コンディショニング用品ビジネスの実像

この業界を代表する企業として、リカバリーウェアの「TENTIAL」「VENEX」、EMSデバイスの「MTG(SIXPAD)」を、各社の公式サイトで確認できる範囲で整理します。3社は創業時期も得意とする製品形態も異なり、比較することで業界の広がりが見えてきます。

企業名 主な製品形態 特徴
株式会社TENTIAL リカバリーウェア・寝具 「BAKUNE」を軸に睡眠領域を強化、大学・スポーツ団体との共同研究が多い
株式会社ベネクス(VENEX) リカバリーウェア専業 2005年創業のリカバリーウェア市場の先駆者、医療機器製造販売業許可を保有
株式会社MTG EMSデバイス・リカバリーウェア 「SIXPAD」でトレーニング、「ReD」でリカバリーウェアと両輪展開

各社の公式サイト掲載情報をもとに作成(2026年8月時点)

株式会社TENTIAL|「BAKUNE」で睡眠を軸にしたコンディショニング

TENTIALは2018年設立で、「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す」をミッションに掲げるコンディショニングブランドです。公式サイトでは「SLEEP」「WORK」「FOOT」の3領域で製品を展開しており、疲労回復パジャマ「BAKUNE」シリーズは累計100万セット超の実績があると公表されています。

特徴的なのは大学・スポーツ団体との共同研究に積極的な点です。東京科学大学との共同研究の検討や、スタンフォード大学野球部とのコンディショニングサポート契約、Jリーグ選抜へのセミナー実施など、科学的根拠づくりに継続的に投資している姿勢が公式発表から読み取れます。

(参考)株式会社TENTIAL コーポレートサイト – 株式会社TENTIAL

株式会社ベネクス(VENEX)|2005年創業のリカバリーウェア専業

VENEXは2005年9月設立、神奈川県厚木市に本社を置くリカバリーウェアの専業メーカーです。公式サイトによれば、介護用の床ずれ解消製品の開発から始まり、「人間が本来持っている自己回復力を最大限に発揮させること」をコンセプトにリカバリーウェアを開発したという経緯があります。

第三種医療機器製造販売業の許可を持ち、日本・欧州・韓国・中国・米国で特許を取得していることも公式サイトで確認できます。3社の中でもっとも創業が古く、リカバリーウェアというカテゴリー自体を切り拓いてきた企業と位置づけられます。

(参考)会社概要 – 株式会社ベネクス

株式会社MTG|EMSデバイスとウェアの両輪で攻める

MTGは名古屋市に本社を置く「ブランド開発カンパニー」で、公式サイトのブランド一覧では、EMSトレーニングブランド「SIXPAD」と、リカバリーウェアブランド「ReD」の両方をウェルネス領域のブランドとして掲載しています。SIXPADは家庭用・業務用のEMS機器を幅広く展開しており、能動的に筋肉を動かして整えるアプローチが特徴です。

ReDでは血行を促すリカバリーウェアを扱っており、同じ「コンディショニング」というテーマでも、鍛える(SIXPAD)と休める(ReD)という異なる方向から製品ラインナップを構成している点が、他の2社との違いといえます。

(参考)ブランド – 株式会社MTG

Q. TENTIALとVENEXの違いは何ですか?

VENEXは2005年創業でリカバリーウェア専業として市場を切り拓いてきた老舗、TENTIALは2018年設立でSLEEP・WORK・FOOTの3領域に製品を広げ、大学やスポーツ団体との共同研究に力を入れている点が異なります。

リカバリー用品は3つのアプローチに分けて理解する

3社の製品を比較すると、リカバリー・コンディショニング用品は大きく3つのアプローチに分けて理解できます。どれが優れているというより、使う場面や目的によって向き不向きがある、という前提で整理します。

ウェア型着るだけで血行促進を狙う。VENEX・TENTIAL BAKUNEが代表例
デバイス型EMS等で能動的に筋肉へ働きかける。SIXPADが代表例
複合型睡眠環境やルーティン全体を設計する。TENTIALのSLEEP領域が代表例

各社公式サイトの製品情報をもとにHuman Soarが分類(2026年8月時点)

ウェア型|着るだけで血行を促す

ウェア型は、特殊繊維が発する遠赤外線などによって血行を促進し、着ているだけで回復を助けるという考え方です。VENEXのリカバリーウェアや、TENTIALの「BAKUNE」シリーズがこれにあたります。運動直後や睡眠時など、能動的に体を動かせない場面でも使えるのが利点です。

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デバイス型|EMSなど能動的に鍛えながら整える

デバイス型は、EMS(電気的筋肉刺激)などで筋肉に直接働きかけ、鍛えることと整えることを同時に狙うアプローチです。MTGの「SIXPAD」が代表例で、家庭用の腹筋・脚用モデルから業務用の機器まで幅広く展開されています。ウェア型と違い、使用中は一定時間デバイスを装着して能動的に取り組む必要があります。

複合型|睡眠環境やルーティン全体を設計する

複合型は、単一の製品ではなく睡眠環境や生活リズム全体を「整える」対象として捉えるアプローチです。TENTIALが寝具の「BAKUNE COMFORTER」やキッズ向け睡眠シリーズまで展開しているのはこの発想に近く、製品単体の効果よりも生活全体の設計を重視します。

Q. ウェア型とデバイス型はどちらを選ぶべきですか?

運動直後や就寝時など受け身で回復したい場面ではウェア型、トレーニングと並行して筋肉に働きかけたい場面ではデバイス型が向いています。両方を目的別に使い分ける企業・個人も増えています。

企業がコンディショニング用品を導入・活用する視点

この業界の製品は個人利用だけでなく、企業の健康経営・福利厚生施策としても導入が進んでいます。特にオフィスワーカーの疲労蓄積や睡眠不足は生産性低下につながるため、リカバリーウェアや睡眠改善グッズを福利厚生として支給する企業が出てきています。

導入にあたっては、効果を検証するための計測(睡眠の質・日中のパフォーマンス等)を併用し、支給して終わりにしないことがポイントです。TENTIALがNTT東日本と共同で実施した検証実験のように、メーカー側が効果測定の仕組みを提供しているケースもあるため、導入前に確認するとよいでしょう。

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Q. 企業が福利厚生としてコンディショニング用品を導入する際の注意点は?

支給して終わりにせず、睡眠の質や体調の変化を簡単なアンケートやデバイスで計測し、効果を確認しながら継続するかを判断することが重要です。全員に同じ製品を配るより、ウェア型・デバイス型など目的に応じて選べる形にすると定着しやすくなります。

まとめ

リカバリー・コンディショニング用品業界は、TENTIAL・VENEXのようなウェア型の専業メーカーと、MTGのようにデバイスとウェアを両輪で展開する企業が併存する市場です。要点を振り返ります。

  • 国内スポーツ用品市場は2025年に1兆7,313億円規模と推計され、2026年も拡大が見込まれている(矢野経済研究所)
  • VENEXは2005年創業のリカバリーウェア専業、TENTIALは2018年設立でSLEEP・WORK・FOOTへ展開、MTGはSIXPADとReDの両輪という違いがある
  • 製品は「ウェア型」「デバイス型」「複合型」の3つのアプローチに分けて理解できる
  • 企業導入では支給だけで終わらせず、効果測定とセットで運用することが定着のポイントになる
  • 個人・企業いずれの導入でも、使う場面と目的に合わせてアプローチを選ぶことが重要

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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