レノファ山口のスポンサー308社|ユニクロは載っていない、スタジアム名は福岡の会社

レノファ山口のスポンサー308社|ユニクロは載っていない、スタジアム名は福岡の会社 スポーツビジネス

「レノファ山口 スポンサー」と調べると、検索候補に「ユニクロ」が出てきます。山口県が発祥の企業ですから、自然な連想です。

ただ、2026シーズンの一覧を最後まで見ても、ユニクロもファーストリテイリングも載っていませんでした。代わりに出てきたのは、2つの一覧に並ぶ308社と、担架にまでロゴを出せるメニューです。

レノファ山口のスポンサー・パートナーは、2つの一覧で延べ309枠・実数308社

レノファ山口FCの区分別の掲載枠数

クラブ公式サイトの2つの一覧を2026年9月24日に取得して集計しました。レノファ山口FCは協賛企業を「パートナー」と呼び、「オフィシャルパートナー」と「クラブサポーター」の2本立てで掲載しています。

オフィシャルパートナー2026は120枠。内訳はオフィシャルトップパートナー7、オフィシャルプレミアムパートナー22、オフィシャルパートナー90、ユニフォームサプライヤー1です。

クラブサポーター2026は189枠。ダイヤモンド1、プラチナ14、ゴールド9、シルバー44、ブロンズ121。合わせて延べ309枠になります。

重ねて確認できた重複は1件だけでした。住福燃料株式会社が、クラブサポーターのシルバーとブロンズの両方に載っています。したがって実数は308社です。

Q. 2つの一覧をまたぐ重複は確認できたのですか。

部分的にです。オフィシャルパートナー側のページには企業名のテキストがなく、ロゴ画像が並ぶだけでした。そこでリンク先ドメインで照合しています。120枠のうち113枠はドメインが取れ、クラブサポーター側との重複はありませんでした。残り7枠は照合できていません。なおドメインが重なった2組は個別に確認し、いずれも別法人と判断しました(c-able.ne.jpはケーブルテレビの共有ドメイン、防予フェリーと周防大島松山フェリーは共同サイトを持つ別会社)。

(参考)オフィシャルパートナー2026 – レノファ山口FC 公式サイト

トップパートナー7社のうち6社が山口県内に本社を置く

区分ごとの枠数と顔ぶれです。

レノファ山口FCの区分別掲載枠と顔ぶれ(2026シーズン)
一覧 区分 枠数 掲載企業
オフィシャルパートナー オフィシャルトップパートナー 7 不二輸送機工業/山口マツダ/ユーピーアール/UBE/インバースネット/山口銀行/富士商グループホールディングス
同 オフィシャルプレミアムパートナー 22 山口県民生活協同組合/明治安田生命/トクヤマ/カンロ/共英製鋼/近畿日本ツーリスト ほか
同 オフィシャルパートナー 90 県内の製造・建設・サービス業が中心。山口市も含まれる
同 ユニフォームサプライヤー 1 フィンタジャパン
クラブサポーター ダイヤモンド/プラチナ 15 小田内科クリニック/山口トラベル/宮本鉄工/山田石油 ほか(ロゴ掲載)
同 ゴールド/シルバー/ブロンズ 174 永山本家酒造場/中電工 山口統括支社/山口市商店街連合会/防予フェリー ほか(社名テキスト掲載)

出典:レノファ山口FC「オフィシャルパートナー2026」「クラブサポーター2026」(2026年9月24日取得)より筆者集計。オフィシャルパートナー側の企業名はロゴのリンク先ドメインから判別したもの

トップパートナー7社の本社所在地を並べると、山陽小野田市(不二輸送機工業、富士商グループホールディングス)、山口市(山口マツダ)、宇部市(ユーピーアール、UBE)、下関市(山口銀行)。7社中6社が山口県内で、県外はインバースネット(横浜市)だけです。

しかも市がばらけています。この連載では、ファジアーノ岡山やツエーゲン金沢のように県庁所在地の企業が上位に集まるクラブが多く、山口は県内各市に分散しているのが特徴です。

クラブサポーター側は、上位2区分(ダイヤモンド・プラチナ)がロゴ掲載、下の3区分(ゴールド・シルバー・ブロンズ)が社名テキストという作りです。ブロンズ121枠には、理容室、設計事務所、病院、建設会社といった小規模な事業者が並びます。

Q. ユニフォームに名前が出るのはどの企業ですか。

クラブが2024年1月に発表したユニフォームパートナーは、ユーピーアール、山口マツダ、不二輸送機工業、山口銀行、インバースネット、UBE、マックスバリュ西日本、そしてサプライヤーのフィンタジャパンでした。2026シーズンのトップパートナー7社とほぼ重なります。なおマックスバリュ西日本は2026のトップパートナーには入っておらず、代わりに富士商グループホールディングスが入っています。

(参考)クラブサポーター2026 – レノファ山口FC 公式サイト

ユニクロとファーストリテイリングは、一覧に載っていない

冒頭で触れた話に戻ります。

ユニクロを展開するファーストリテイリングは、山口市に本社を置く企業です。柳井正氏の出身も山口県。そのため「レノファ山口のスポンサーではないか」という連想が働きます。

そこで2つの一覧のHTML全文を検索しました。結果は「uniqlo」「fastretailing」「ユニクロ」「ファーストリテイリング」のいずれも0件。2026年9月24日時点で、オフィシャルパートナー2026にもクラブサポーター2026にも掲載はありません。

ネット上には、ユニクロがレノファ山口を支援しているという記述も見かけます。ただしクラブの公式一覧には出てこないため、この記事では「掲載されていない」という事実だけを書きます。過去のシーズンや、一覧に載らない形での関わりがあるかどうかまでは確認できていません。

もうひとつ、山口県を代表する企業として名前が挙がりやすいのがUBE(旧・宇部興産)です。こちらはオフィシャルトップパートナーとして掲載されています。宇部本社は山口県宇部市大字小串。県内発祥の大企業では、こちらが最上位区分に入っている形です。

Q. 一覧に載らない支援というのはありえますか。

この連載では何度か見てきました。名古屋グランパスの「出資会社」20社は株主であって協賛一覧とは別枠でしたし、島根スサノオマジックの親会社グループは最下位のBRONZE PARTNERSに載っていました。資本関係、物品提供、イベント協力などは、広告枠の一覧には出ないことがあります。ただし推測で書くことはできないので、確認できた範囲にとどめます。

(参考)オフィシャルパートナー2026 – レノファ山口FC 公式サイト

メニューに「担架」がある

協賛の金額は公表されていません。代わりに、メニューの一例が公開されています。

レノファ山口FCが公開しているパートナーメニュー(一例)
メニュー 内容
ユニホーム Jリーグおよび天皇杯などの公式戦で着用するユニフォームに社名または商品名を掲出
アップウエア 練習中やベンチで着用するアップウェアにロゴを貼付
センターサークル センターサークルに広告を掲出
ピッチ看板 ホームゲーム会場にロゴの看板を設置
バックスタンド幕 バックスタンドの観客席前に横断幕を設置
担架 試合会場で使用する担架にロゴを貼付。「会場の注目が集まりやすい場面ですので、高い露出効果が見込めます」
団体観戦 15名以上で通常価格より割安。席種ごとに受け入れ上限あり
支援自販機 店舗・企業・土地所有者を対象に応援自販機の設置を募集

出典:レノファ山口FC「オフィシャルパートナーのご案内」より筆者作成

ユニフォームやピッチ看板は、どのクラブにもあるメニューです。目を引くのは担架でした。選手が運ばれる場面で会場の視線が集まる、という説明つきです。この連載でこの枠を売っているクラブは、ほかにありませんでした。

クラブはパートナー向けの試合当日スケジュールも公開しています。キックオフ1時間前にスタジアム案内、45分前にウォーミングアップ見学、そのあと試合観戦。契約後に何が起きるかが、契約前に分かる作りです。

金額については記載がありません。この連載では、京都サンガF.C.(10万円から)、信州ブレイブウォリアーズ(10万円から)、バンビシャス奈良(電柱広告 年33,000円)が価格を公開していました。山口は問い合わせが前提です。

Q. 協賛金は経費としてどう扱われますか。

国税庁は、不特定多数への宣伝的効果を意図した費用は広告宣伝費、特定の取引先などを接待・供応する費用は交際費等にあたるという区分を示しています。このメニューはユニフォーム、看板、横断幕、担架と掲出系で統一されていて、接待の要素が入っていません。区分の判断はしやすいほうです。団体観戦チケットを取引先に配る場合は扱いが変わりうるので、顧問税理士に確認してください。

(参考)オフィシャルパートナーのご案内 – レノファ山口FC 公式サイト

(参考)No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁

決算は売上13億8500万円。当期純利益はぎりぎり100万円だった

Jリーグが公表している決算を、J2平均と並べます。

レノファ山口FCの2025年度決算とJ2平均
項目 レノファ山口FC J2平均
売上高 13億8500万円 23億3400万円
スポンサー収入 6億7000万円 11億9300万円
入場料収入 2億200万円 3億3100万円
物販収入 1億3200万円 1億9400万円
Jリーグ配分金 1億1700万円 1億1600万円
アカデミー関連収入 5300万円 6500万円
女子チーム関連収入 1500万円 —
トップチーム人件費 4億7100万円 7億8000万円
アカデミー関連経費 1億3900万円 —
販売費および一般管理費 3億6600万円 5億4700万円
営業利益 ▲1700万円 ▲3000万円
当期純利益 100万円 5700万円

出典:公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度 J2 クラブ決算一覧」より筆者作成。対象期間は2025年2月から2026年1月。J2平均は20クラブの平均。金額は万円未満を四捨五入

売上高13億8500万円はJ2平均の59.3%で、20クラブ中15番目。営業損失▲1700万円ですが、営業外収益1900万円が乗って経常利益100万円、当期純利益100万円。かろうじて黒字で着地しています。

項目を見ていくと、Jリーグ配分金だけがJ2平均とほぼ同じ(100.9%)です。配分金は成績とカテゴリーで決まるので当然ですが、それ以外の収入がすべて6割前後に沈んでいることが、この比較ではっきりします。

もうひとつ目を引くのが、育成への支出です。アカデミー関連は収入5300万円に対して経費1億3900万円で、8600万円の持ち出し。さらに女子チーム関連も収入1500万円・経費3500万円で2000万円のマイナス。合わせて1億600万円を、トップチーム以外に投じています。

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Q. 財務の余裕はどのくらいありますか。

純資産は2億4100万円。資本金1億円、資本剰余金等9200万円、利益剰余金4900万円の合計です。流動資産3億8700万円に対して流動負債2億2300万円。J2で純資産が薄いクラブにはV・ファーレン長崎の3300万円、ブラウブリッツ秋田の2400万円がありますから、山口は中位の水準にあります。債務超過ではありません。

(参考)2025年度 J2 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

配分金だけが平均どおり。ほかは6割前後にそろっている

レノファ山口FCの各項目がJ2平均に対して何パーセントか

J2平均を100としたときの位置を並べると、きれいにそろいます。

配分金100.9%を別にすると、アカデミー関連収入81.5%、物販68.0%、販管費66.9%、入場料61.0%、その他61.9%、トップチーム人件費60.4%、売上高59.3%、スポンサー収入56.2%。ほとんどが6割前後の帯に収まっています。

この連載で見てきたクラブには、どこかが突出する形が多くありました。信州ブレイブウォリアーズはその他収入が突出し、京都サンガF.C.は物販だけが極端に低く、名古屋グランパスは販管費が突出していました。山口は全体が一様に小さいという点で、むしろ珍しい形です。

スポンサー依存度は48.4%。J2平均は51.1%ですから、ほぼ平均どおりです。収入の構成比という意味では、規模が小さいだけで偏りはありません。

Q. 協賛を検討する企業にとって、この決算はどう見えますか。

規模は小さいが、崩れてはいない相手です。当期純利益100万円は薄いものの黒字で、純資産2億4100万円。費用側もトップチーム人件費がJ2平均の60.4%、販管費が66.9%と、収入に見合った水準に抑えられています。無理をしていないという読み方ができます。一方で価格は非公表なので、条件は問い合わせて確かめることになります。

(参考)2025年度 J2 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

スポンサー1社あたりは約218万円

本連載で調べたクラブのスポンサー1社あたり単純平均

スポンサー収入6億7000万円を実数308社で割ると、単純平均で1社あたり約218万円です。

この連載で調べた33クラブのなかでは20番目。信州ブレイブウォリアーズの約238万円と滋賀レイクスの約184万円のあいだに入ります。

注目したいのは308社という数のほうです。売上13億8500万円のクラブとしては多く、売上21億2677万円の島根スサノオマジック(185社)、売上44億3500万円の京都サンガF.C.(554社)と並べると、規模に対する社数の多さが分かります。

クラブサポーターのブロンズが121枠あることが、この数を支えています。小さく広く集める形で、バンビシャス奈良(278社・1社あたり約70万円)と同じ系統です。ただし山口のほうが1社あたりは3倍以上あります。

Q. 協賛を検討するなら、どこから入れますか。

価格が出ていないので、まずは問い合わせになります。窓口は株式会社レノファ山口のパートナー営業部です。掲出を最小限にしたいならクラブサポーターのブロンズ(121枠あり、社名テキストでの掲載)、露出を取りにいくならオフィシャルパートナーという建て付けに見えます。自販機の設置場所を出せる企業や、15名以上で団体観戦を使える企業なら、そこから関係を作る手もあります。

(参考)オフィシャルパートナーのご案内 – レノファ山口FC 公式サイト

スタジアム名の命名権者は福岡の会社。2023年までは年1,200万円

ホームスタジアムは維新みらいふスタジアム(維新百年記念公園陸上競技場)。山口県が契約内容を公開しています。

維新みらいふスタジアムのネーミングライツ
項目 内容
施設名 維新百年記念公園陸上競技場(山口県)
愛称 維新みらいふスタジアム
命名権者 株式会社みらいふ(福岡県久留米市/サッシ・ガラスの販売および工事)
契約金額 年額12,000,000円(税抜)/5年間で総額6,000万円
契約期間 2018年1月12日から2023年1月11日までの5年間(契約金額はこの期間のもの)

出典:山口県「ネーミングライツ・協定締結式」より筆者作成。その後も契約は更新されているが、更新後の契約金額は同ページに記載がない

2023年1月までの契約の年額1,200万円という水準は、この連載で確認してきた自治体の命名権のなかでは低いほうです。メルカリスタジアム(茨城県・年1億5000万円)、サンガスタジアム by KYOCERA(京都府・年1億円)、パロマ瑞穂スポーツパーク(名古屋市・年6000万円)、ロート奈良鴻ノ池パーク(奈良市・年1800万円)、バンダイナムコアリーナ松江(松江市・年1000万円)と並べると、松江市の1つ上にあたります。

そして命名権者の株式会社みらいふは、福岡県久留米市の企業です。山口県の施設に、県外の会社が名前を入れていることになります。

ただし山口県とのつながりはあります。みらいふの山口県内のグループ会社である三田工業株式会社(防府市)が、レノファ山口FCのオフィシャルパートナーに入っています。グループとして、施設名とクラブの両方に関わっている形です。

なお山口県がネーミングライツを導入している施設は、この維新百年記念公園陸上競技場だけです。

Q. 命名権料はクラブの収入になりますか。

なりません。命名権料は施設を持つ山口県に入るもので、クラブの決算には計上されません。この連載でもたびたび確認してきた点です。例外的だったのが島根スサノオマジックで、こちらはクラブの運営会社自身が命名権者になり、年1,000万円を松江市に支払っていました。山口は一般的な形で、命名権と協賛は別の取引です。

(参考)ネーミングライツ・協定締結式 – 山口県

顔ぶれから見えること

最後に、308社の顔ぶれから読めることを3つ書きます。

本社が県内各市にばらけている

トップパートナー7社の本社は、山陽小野田市2社、宇部市2社、山口市、下関市、そして横浜市。県庁所在地に集中していません。この連載では、地元の看板企業が県庁所在地に集まるクラブが多く見られました。山口県は下関・宇部・山口・周南と主要都市が分散しているため、その構造がそのままパートナーの顔ぶれに出ています。

山口市がオフィシャルパートナーに入っている

オフィシャルパートナー90枠には山口市が含まれます。この連載では、バンビシャス奈良のシルバーパートナーに奈良県が入っていた例がありました。自治体が広告区分に並ぶのは少数派で、ホームタウン協定や包括連携協定という別枠で扱うクラブのほうが多数です。

金融機関は山口銀行1行

トップパートナーに山口銀行が入っています。ほかに山口県民生活協同組合と明治安田生命がプレミアムパートナーに入るものの、銀行は1行だけ。ファジアーノ岡山や徳島ヴォルティスが地銀3行を上位に並べていたのとは対照的です。

Q. 結局、レノファ山口の協賛構造はどう見ればよいですか。

小さく広く集めるクラブです。2つの一覧で延べ309枠・実数308社。売上13億8500万円に対して社数は多く、クラブサポーターのブロンズ121枠が裾野を支えています。1社あたりは約218万円で33クラブ中20位。価格は非公表で、メニューはユニフォームから担架まで掲出系でそろっています。決算は全項目がJ2平均の6割前後にそろい、当期純利益100万円で薄いながら黒字。そして検索でよく並ぶユニクロは、2026シーズンの一覧には載っていません。

(参考)オフィシャルパートナー2026 – レノファ山口FC 公式サイト

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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