社内運動会の企画を任されたものの、会場設営も進行台本も何から手をつければいいか分からないまま本番を迎え、参加者がバラバラに立ち尽くす時間ができてしまった——そんな経験はないでしょうか。結論からいうと、この悩みは自社で抱え込まず、実績のある運営受託会社に任せることで解決します。本記事では、国内でスポーツイベントの企画・運営を受託している11社を比較し、担当者が自社に合う1社を選べるように整理しました。
- スポーツイベント運営受託とは|企業が外部委託を選ぶ理由
- 主要な11社の比較表|対応領域と特徴
- セレスポ|年間13,000件超を手がける総合イベント制作会社
- ROOTS SPORTS JAPAN|サイクリング・ランニングで地域を動かす企画運営
- アールビーズスポーツ財団|マラソン大会運営とランキング作成の専業
- 運動会屋(UNDOKAI)|企業の社内運動会に特化した専門会社
- BOOST|マラソンから社内運動会まで幅広く手がけるスポーツマーケティング会社
- ケン&スタッフ|設立45年超の会場運営・誘導警備のプロフェッショナル
- SPORTS Edge|電通グループの一員として大型スポーツイベントを実施運営
- スポーツビズ|アスリートマネジメントとイベント運営を掛け合わせる会社
- シミズオクト|創業90年超のイベント警備・設備管理のスペシャリスト集団
- テツコーポレーション|30年超のプロスポーツ運営サポート実績
- JTBコミュニケーションデザイン|JTBグループの法人スポーツイベント企画力
- 対応領域の広さ×イベント性質で見る11社のポジショニング
- 委託までの4ステップ|要件定義から振り返りまで
- 費用相場と契約形態で気をつけたいポイント
- まとめ|自社のイベント性質に合う受託会社を選ぶ
スポーツイベント運営受託とは|企業が外部委託を選ぶ理由
スポーツイベント運営受託とは、企業や自治体が主催するスポーツイベント(社内運動会、マラソン大会、スポンサード試合など)の企画・会場設営・進行・警備・撤収までを外部の専門会社に任せることです。自社に専門人材がいなくても、当日の運営品質を保てるのが最大のメリットです。
この分野が拡大している背景には、国の政策方針もあります。スポーツ庁は第3期スポーツ基本計画のなかで、スポーツ市場を拡大し、その収益をスポーツ環境の改善に還元してスポーツ人口を増やすという好循環を政策目標に掲げています。具体的には、スタジアム・アリーナの整備や、スポーツ団体と他産業のオープンイノベーションによる新しいビジネスモデルの創出を支援する方針です。
企業にとっても、社内運動会は健康経営やチームビルディングの一環として、マラソン大会はスポンサー協賛による広告効果として、いずれも「自社で内製すべきか、外部委託すべきか」の判断が必要になっています。専門会社に委託すれば、保険手配や警備員の確保といった実務上のリスク管理も含めて任せられます。
Q. スポーツイベント運営受託とは何ですか?
企業や自治体が主催するスポーツイベントの企画・会場設営・進行・警備・撤収を、外部の専門会社に委託することです。社内運動会からプロスポーツの興行まで対応範囲は会社ごとに異なります。
(参考)スポーツの成長産業化(第3期スポーツ基本計画) – スポーツ庁
主要な11社の比較表|対応領域と特徴
今回は、公式サイトで事業内容が確認でき、スポーツイベントの企画・運営受託を主要事業または明記した事業として掲げている企業のうち、対応領域(参加型イベント・プロスポーツ運営・警備設備など)が異なる11社を選定しました。表で全体像をつかんだうえで、各社の特徴をH3で個別に解説します。
| 社名 | 得意領域 | 特徴 |
|---|---|---|
| セレスポ | 総合イベント制作 | 年間13,000件超の実績・東証スタンダード市場上場 |
| ROOTS SPORTS JAPAN | 市民参加型スポーツイベント | サイクリング・ランニング×地域活性化 |
| アールビーズスポーツ財団 | マラソン・ランニング大会 | ランナーズアワード運営・全国ランキング作成 |
| 運動会屋(UNDOKAI) | 企業向け社内運動会 | 全国4拠点・備品約5,000点を保有 |
| BOOST | 参加型スポーツイベント全般 | マラソンから社内運動会・アスリートマネジメントも兼業 |
| ケン&スタッフ | 会場運営・誘導警備 | 設立45年超・大型イベント警備に強み |
| SPORTS Edge | プロスポーツの実施運営 | 電通グループ・従業員187名体制(2024年1月時点) |
| スポーツビズ | アスリート活用イベント | マーケティングとマネジメントの二軸で展開 |
| シミズオクト | 警備・設備・空間デザイン | 創業90年超・プロ野球やJリーグの実績 |
| テツコーポレーション | プロスポーツの運営サポート | 30年超の実績・店舗運営まで対応 |
| JTBコミュニケーションデザイン | 法人向けスポーツイベント企画 | JTBグループ・パラスポーツ体験企画にも強み |
各社公式サイトの公開情報をもとにHuman Soarが作成(2026年9月確認)。
セレスポ|年間13,000件超を手がける総合イベント制作会社
セレスポは東京都豊島区に本社を置き、東京証券取引所スタンダード市場に上場している総合イベント制作会社です。年間13,000件以上のイベントに関わっており、企画・設計から会場設営・進行までをワンストップで請け負える体制が強みです。
セレモニーやフェスティバルも扱うため、スポーツイベント単体の専門会社よりも案件の引き出しが多く、複数のイベントを同時に企画したい企業には相談先の選択肢になります。
ROOTS SPORTS JAPAN|サイクリング・ランニングで地域を動かす企画運営
株式会社ルーツ・スポーツ・ジャパンは2009年に設立され、自転車やランニングなど一般公道や街全体を舞台とした市民参加型スポーツイベントの企画・運営を主軸にしています。
「スポーツツーリズム×地域活性化」を事業領域に掲げ、都市部や海外から地方へ人を動かす仕組みづくりに強みがあります。地域と連携したイベントを企画したい企業に向いています。
アールビーズスポーツ財団|マラソン大会運営とランキング作成の専業
一般財団法人アールビーズスポーツ財団は2010年に設立され、長年ランニングの普及・振興に取り組んできたランナーズグループの事業を引き継ぎました。「ランナーズアワード」の運営や「全日本マラソンランキング」の作成を担っています。
マラソン・ハーフマラソン大会の運営実務に特化しているため、ランニングイベントの記録管理やランキング活用まで一括で相談したい主催者に適しています。
運動会屋(UNDOKAI)|企業の社内運動会に特化した専門会社
株式会社運動会屋は「社会を運動会のように楽しくする」という考え方のもと、企業・団体向けの社内運動会の企画・運営に特化しています。本社は渋谷区で、横浜・名古屋・大阪にも拠点を持ち、千葉の倉庫には約5,000点のスポーツ用品を保有しています。
社内コミュニケーションの活性化やチームビルディングを目的にした運動会を数多く手がけており、健康経営の一環として運動会を検討する企業の相談先として実績があります。
BOOST|マラソンから社内運動会まで幅広く手がけるスポーツマーケティング会社
株式会社ブーストは2017年設立、東京都世田谷区に本社を置くスポーツマーケティング会社です。マラソン大会やリレーマラソン、社内運動会、フットサル大会、ヨガイベントなど多様な形式の参加型スポーツイベントを全国で企画・運営しています。
イベント運営だけでなくアスリート・タレントのマネジメント事業も手がけているため、著名なアスリートをゲストに招いたイベントを企画したい場合に相談しやすい会社です。
ケン&スタッフ|設立45年超の会場運営・誘導警備のプロフェッショナル
株式会社ケン・スタッフは1980年の設立以来40年以上にわたり、イベント運営における「安全」「安心」「円滑」を最優先に、誘導・会場運営・警備・事務活動を提供しています。展覧会や博覧会、コンサート、フェスティバル、企業イベントなど規模の大小を問わず手がけてきた実績があります。
企画そのものよりも当日の会場運営・警備体制の実務を重視したい主催者にとって、経験値の高い委託先候補になります。
SPORTS Edge|電通グループの一員として大型スポーツイベントを実施運営
株式会社SPORTS Edgeは2005年設立、東京都港区に本社を置き、2024年1月時点で187名の従業員を抱える電通グループの企業です。サッカー・ゴルフ・ラグビー・バスケットボール・マラソン・トライアスロンなど、多様な競技のイベント実施・運営・プロデュースを手がけています。
広告代理店グループならではのスポンサー営業やメディア展開との連携力が強みで、協賛企業を集めながら大型のスポーツイベントを実施したい場合に検討したい会社です。
スポーツビズ|アスリートマネジメントとイベント運営を掛け合わせる会社
株式会社スポーツビズは東京都中央区銀座に本社を置き、フランス・シャモニーにも拠点を持つ企業です。アスリート・著名人のマネジメント事業と、競技大会・イベント・テレビ番組の企画制作・運営事業の二軸で展開しています。
放映権・協賛権・肖像権など権利関係の調整実務にも対応しているため、大会そのものの興行化を視野に入れる主催者に向いています。
シミズオクト|創業90年超のイベント警備・設備管理のスペシャリスト集団
シミズオクトは1932年の創業以来90年以上にわたり、コンサートやスポーツをはじめとするさまざまなイベントの快適性・安全性を支えてきた企業です。舞台美術や空間デザイン、警備・運営、施設管理業務まで、イベントに携わる多様な専門職を社内に抱えています。
プロ野球やJリーグの公式戦、国際スポーツ大会など大規模な興行案件の実績が豊富で、大人数を安全にさばく運営体制を重視する主催者に適しています。
テツコーポレーション|30年超のプロスポーツ運営サポート実績
株式会社テツコーポレーションは30年以上にわたり、プロスポーツのマネジメント・サポートから各種イベントの運営・管理まで幅広く対応してきたプロフェッショナル集団です。プロスポーツのイベント運営や進行、会場設営に加え、マラソンなどの大規模イベント、さらには文化施設の店舗運営まで手がけています。
スポーツ興行だけでなく、施設運営という周辺業務まで一括で任せられる点が他社との違いです。
JTBコミュニケーションデザイン|JTBグループの法人スポーツイベント企画力
株式会社JTBコミュニケーションデザイン(JCD)はJTBグループの一員で、スポーツ営業局を持ち、各種スポーツイベントの企画・運営や、スポーツ大会を活用したプロモーション提案を行っています。地域×スポーツやパラスポーツ体験を趣旨としたイベントの企画制作にも取り組んでいます。
旅行業を母体とするグループならではの宿泊・輸送手配との連携力があり、遠征を伴う大会や合宿型のイベントを企画したい企業に向いています。
Q. 費用相場はどのくらいですか?
イベントの規模・警備人数・会場の有無によって大きく変動するため、一律の相場は示しにくいのが実情です。小規模な社内運動会であれば数十万円台から、警備員を多数配置する大型大会は数百万円規模になることもあります。複数社から見積もりを取り、内訳(企画費・人件費・機材費)を比較することが重要です。
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対応領域の広さ×イベント性質で見る11社のポジショニング
11社は「参加型イベントか、プロ・興行イベントか」「企画から警備まで総合対応するか、特定領域に特化するか」という2つの軸で整理すると、自社の依頼内容に近い会社を絞り込みやすくなります。

たとえば社内運動会のような参加型イベントを一括で任せたいなら「総合対応×参加型」の運動会屋やBOOSTが候補になり、プロスポーツの興行運営を警備・設備まで含めて任せたいなら「総合対応×プロ興行」のセレスポやシミズオクトが候補になります。逆に、大会そのものは自社で企画済みで、警備や誘導だけを頼みたい場合は「特化領域×プロ興行」のケン&スタッフのような会社が向いています。
Q. 参加型イベントとプロ・興行イベントの違いは何ですか?
参加型イベントは社内運動会や市民マラソンのように、参加者自身が体を動かすことが目的のイベントです。プロ・興行イベントはプロスポーツの試合や大会のように、観客に見せることが目的のイベントで、警備・放映・協賛の実務比重が大きくなります。
委託までの4ステップ|要件定義から振り返りまで
運営受託会社への依頼は、いきなり見積もりを取るのではなく、社内で目的・規模を整理してから進めると比較検討がスムーズになります。ここでは基本となる4つのステップを説明します。

①要件定義|目的・規模・予算を社内で整理する
まず「何のためのイベントか」(健康経営の一環か、スポンサー協賛による広告収益化か)を明確にし、想定参加人数・会場の候補・予算の上限を社内で決めておきます。この段階が曖昧なままだと、複数社から見積もりを取っても比較の軸がぶれてしまいます。
②候補企業への相談・見積もり比較|対応領域の異なる2〜3社に打診する
前述のポジショニングマップを参考に、自社のイベント性質に近い会社を2〜3社選び、同じ条件(人数・会場・実施日)で見積もりを依頼します。金額だけでなく、警備人員の配置計画や雨天時の対応方針まで確認すると、当日のトラブルを避けやすくなります。
③契約・実施体制の確認|保険・警備体制を書面で確認する
契約時には、イベント保険の加入有無、警備員の配置人数と資格、天候急変時のキャンセル・延期規定を必ず書面で確認します。特にプロスポーツの興行や大規模な参加型イベントでは、万一の事故に備えた保険内容の確認が欠かせません。
④実施後の振り返りと次回への引き継ぎ|記録を残して次回の判断材料にする
イベント終了後は、参加者アンケートや当日の運営記録を委託先と共有してもらい、次回開催の判断材料として社内に残します。単発の委託で終わらせず、継続開催を見据えるなら、この振り返り記録が次回の会社選定・予算策定の根拠になります。
Q. 委託の準備期間はどれくらい必要ですか?
小規模な社内運動会であれば2〜3か月前の相談でも間に合うことが多いですが、警備・会場確保が必要な大規模イベントは半年〜1年前から動く主催者が一般的です。会場の抽選や許認可の申請期間を考慮して早めに相談することをおすすめします。
費用相場と契約形態で気をつけたいポイント
結論として、契約前に「業務委託契約」「人材派遣契約」「請負契約」のどの形態になるかを確認しておくことが、トラブル回避の近道です。契約形態によって、当日の指揮命令系統や責任の所在が変わります。
業務委託契約では企画・運営そのものを委託先の裁量で進めてもらう一方、当日の細かな指示は原則できません。人材派遣契約では警備・誘導スタッフを自社の指揮下で動かせますが、企画立案までは含まれないことが一般的です。自社がどこまで主体的に関わりたいかを整理したうえで、契約形態を選ぶことが重要です。
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Q. 少人数の社内イベントでも受託を依頼できますか?
依頼できます。運動会屋やBOOSTのように参加型イベントに特化した会社は、数十人規模の社内イベントにも対応しています。規模が小さいほど自社対応との費用差が縮まるため、まずは見積もりを取って内製との比較材料にすることをおすすめします。
まとめ|自社のイベント性質に合う受託会社を選ぶ
スポーツイベントの運営受託は、日本スポーツ業界が抱える人材不足や専門ノウハウの偏りを補う手段として、今後も需要が広がっていくと考えられます。詳しい業界全体の課題は日本スポーツ業界の8つの課題|15兆円市場とDX動向でも解説しています。市場全体の動向はスポーツ業界の市場規模2026年版|成長分野・ビジネストレンドと将来予測で、施設運営の外部委託についてはグラウンド整備10社比較|施設担当者が失敗しない選び方もあわせて参考にしてください。
- スポーツイベント運営受託は、企画・設営・進行・警備・撤収を専門会社に任せて品質とリスク管理を確保する手段
- 国内には対応領域の異なる11社があり、参加型かプロ興行か、総合対応か特化型かで選ぶ会社が変わる
- 委託は「要件定義→候補企業への相談→契約・体制確認→振り返り」の4ステップで進めるとスムーズ
- 契約形態(業務委託・人材派遣・請負)によって当日の指揮命令系統が変わるため事前確認が必須
- 小規模な社内イベントでも依頼可能で、内製との費用比較材料として見積もりを取るのがおすすめ
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