新潟県の最低賃金は、2026年10月1日から1,108円になります。これに連動して、県内企業が使える助成金のうち1つは9月30日が申請期限です。
この記事では、期限が迫っている国の制度、新潟県独自の補助金、県の研修事業、支援機関の窓口を、それぞれの公式ページで確認して整理します。金額・期限・対象は、すべて発表元の表記をそのまま使っています。
新潟県の最低賃金は10月1日から1,108円になる
新潟労働局の発表によると、令和8年10月1日から新潟県の最低賃金は1,108円です。令和8年9月30日までは1,050円なので、引上げ額は58円になります。
| 区分 | 時間額 | 適用期間 |
|---|---|---|
| 改定前 | 1,050円 | 令和8年9月30日まで |
| 改定後 | 1,108円 | 令和8年10月1日から |
出典:新潟労働局「新潟県最低賃金関係」
この金額は、新潟県内の事業場で働くすべての労働者に適用されます。産業や職種、雇用形態は問いません。
特定(産業別)最低賃金についても確認が必要です。新潟県には「電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業」「自動車(新車)、自動車部分品・附属品小売業」「各種商品小売業」の区分がありますが、労働局は令和8年度の特定最低賃金額は改定されなかったと明記しています。つまり、この3つの業種でも新潟県最低賃金の1,108円が適用され、効力発生日は同じ令和8年10月1日です。
特定最低賃金が地域別より高い県では業種ごとに金額が分かれますが、今年の新潟では一本化して考えて差し支えないことになります。国・県・支援機関という3層で制度を整理する見方は、どの県でも共通して使えます。
Q. 新潟県の最低賃金はいくらですか?
令和8年10月1日から1,108円です。9月30日までは1,050円なので、58円の引上げになります。特定(産業別)最低賃金は令和8年度は改定されなかったため、対象3業種でも1,108円が適用されます。
業務改善助成金の申請期限は9月30日

賃上げに合わせて設備投資をする企業向けの制度が、国の業務改善助成金です。令和8年度分は令和8年9月1日に受付が始まりました。
厚生労働省は申請期間を「令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日まで」と定めています。新潟県の発効日は10月1日なので、その前日である9月30日が申請期限です。11月30日より前なので、新潟県の企業に11月末までの猶予はありません。
制度の中身は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備の導入やコンサルティングなど)を行い、あわせて事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、設備投資にかかった費用の一部が助成されるというものです。助成額は、設備投資額に助成率をかけた金額と助成上限額を比べて、安いほうになります。
注意点が2つあります。ひとつは、賃金の引上げも設備投資もこれから実施するものが対象であることです。すでに導入した設備は対象になりません。もうひとつは、労働者がいない事業場は対象外であることです。
事業完了期限にも決まりがあります。導入機器の納品日、支払完了日、賃金引上げ日のいずれか遅い日が事業完了日となり、令和8年度の申請分は交付決定の属する年度の1月31日までに、納品・支払完了・賃金引上げをすべて済ませる必要があります。やむを得ない理由がある場合は、あらかじめ理由書を出せば3月31日まで延長される場合があります。
Q. 業務改善助成金はいつまでに申請すればよいですか?
新潟県の事業場は9月30日までです。申請期間は令和8年9月1日から、地域別最低賃金の発効日の前日または11月30日のいずれか早い日までと定められており、新潟県の発効日が10月1日のため前日が期限になります。
事業場内最低賃金が1,049円以下なら上限額が広がる

業務改善助成金には「特例事業者」という枠があり、該当すると助成上限額が拡大されます。要件は2つで、どちらかに当てはまれば対象です。
ひとつめは賃金要件です。事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場に係る申請を行う事業者が対象になります。新潟県の改定前の最低賃金がちょうど1,050円なので、改定前の時点で事業場内最低賃金が1,049円以下だった事業場が該当することになります。該当すると、助成上限額の区分が「10人以上」に拡大されます。
ふたつめは物価高騰等要件です。原材料費の高騰など外的要因により、申請前最近6か月平均の利益率(売上高総利益率または売上高営業利益率)が前年同期に比べて3%ポイント以上低下しているような場合が対象です。こちらに該当すると、上限額の拡大に加えて助成対象経費も広がり、通常は認められないパソコン・スマートフォン・タブレット等の端末と周辺機器の新規導入も対象になります。
ここで使われる「事業場内最低賃金」は、事業場で最も低い時間給のことです。ただし業務改善助成金では、雇用保険被保険者で雇入れ後6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げる必要がある点に注意が必要です。手当の扱いによって計算が変わるため、算出が難しい場合は管轄の労働局に相談する形になります。
Q. 業務改善助成金の特例事業者とは何ですか?
事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場に係る申請を行う事業者(賃金要件)か、申請前最近6か月平均の利益率が前年同期比で3%ポイント以上低下している事業者など(物価高騰等要件)が該当します。助成上限額が拡大され、物価高騰等要件ではパソコン等の端末の新規導入も助成対象になります。
新潟県独自の補助金は外国人材の受入環境整備
新潟県が企業向けに用意している補助金のひとつが「新潟県外国人材受入環境整備事業費補助金」です。外国人材の受入促進を図るため、受入環境の整備にかかる経費を予算の範囲内で補助します。
交付対象事業は2つに分かれています。「外国人労働者日本語学習支援事業」と「外国人材受入・定着支援事業」です。前者は雇用している外国人労働者の日本語学習、後者は受入と定着のための取り組みが想定されています。
令和8年度実施分の申請受付期間は、令和8年4月1日から令和9年1月29日までです。交付申請があった都度、内容を審査して予算の範囲内で順次交付決定される方式なので、期間内であっても予算の上限に達した時点で受付が締め切られます。
もっとも重要な注意点は、県の交付決定前に実施した事業は補助対象にならないことです。日本語研修を先に始めてから申請しても対象外になります。手続きは新潟県電子申請システムから行い、交付申請書・実施計画書・経費積算書・振込口座登録様式・チェックリストの提出が必要です。
Q. 新潟県独自の企業向け補助金はありますか?
「新潟県外国人材受入環境整備事業費補助金」があります。外国人労働者の日本語学習支援と、外国人材の受入・定着支援が対象事業です。令和8年度実施分の受付は令和8年4月1日から令和9年1月29日までで、交付決定前に実施した事業は対象になりません。
(参考)新潟県外国人材受入環境整備事業費補助金のご案内 – 新潟県
県のリスキリング事業は受講料2,900円で10コース
新潟県は「新潟県デジタル人材リスキリング支援事業」として、オンラインとeラーニングによる講座を用意しています。受講料は2,900円です。
| コース群 | 受講方法・期間 | 内容 |
|---|---|---|
| ITスキルアップコース | オンライン+eラーニング/1か月(32時間程度) | Excel・Word基礎習得/SNSビジネス活用/Googleツール活用/Webデザイン/Notionで学ぶデジタル仕事術 |
| デジタル技術基礎コース | eラーニング/1か月(12時間程度) | 生成AI基礎/Excelから始めるDX入門/SNS活用術/Pythonで行うデータ分析/マーケティング戦略 |
出典:新潟県「新潟県デジタル人材リスキリング支援事業」(2026年6月11日更新)
両方あわせて10の講座が並びます。生成AIの基礎やPythonによるデータ分析まで含まれていて、内容としては民間のオンライン講座と同等です。
ただし対象者の記載には注意が必要です。県はこの事業の対象者を「主に非正規労働者または求職者」と書いています。正社員の研修費用を会社が負担して受けさせる用途を想定した制度ではありません。自社の非正規社員に案内する、あるいは採用候補者の学び直しの選択肢として知っておく、という使い方になります。
正社員の研修に助成を使いたい場合は、後述する国の人材開発支援助成金のほうが本筋です。研修そのものの設計については、管理職研修を3ステップで組み立てる方法も参考になります。
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Q. 新潟県のリスキリング事業は社員研修に使えますか?
県は対象者を「主に非正規労働者または求職者」としています。受講料は2,900円で、ITスキルアップコースとデジタル技術基礎コースにそれぞれ5講座、合わせて10講座が用意されています。正社員の研修費用を補助する制度ではありません。
11月19日には採用・人材活用のセミナーがある
県は「明日からの採用・人材活用に効く!課題別オンラインセミナー」を全3回で開催しています。人材不足やミドル・シニア社員の活躍が主なテーマです。
第1回「明日からできるSNS戦略~なぜ応募が来て定着するのか?発信の極意~」は令和8年7月24日、第2回「人材不足解消のカギ~ミドル・シニア人材を採用するという選択肢~」は令和8年8月26日に実施済みです。
残っているのは第3回で、「ミドル・シニア社員のモチベーション向上と指導の仕方」を令和8年11月19日(木曜日)13時00分から14時00分に開催します。現場で活かせる実践的なポイントの紹介に加えて、参加企業同士の意見交換会も予定されています。
1時間のオンラインセミナーで、気になるテーマを選んでの参加も可能とされています。事務局は「にいがたアクティ部事務局」(受託事業者は株式会社エム・エスオフィス)です。
Q. 新潟県の企業向けセミナーで参加できるものはありますか?
「明日からの採用・人材活用に効く!課題別オンラインセミナー」の第3回が、令和8年11月19日13時から14時に開催されます。テーマは「ミドル・シニア社員のモチベーション向上と指導の仕方」で、参加企業同士の意見交換会も実施されます。
(参考)「明日からの採用・人材活用に効く!課題別オンラインセミナー」を開催します – 新潟県
NICOの窓口は計画づくりから使える

助成金の申請でつまずきやすいのは、金額ではなく計画の書き方です。新潟県には、にいがた産業創造機構(NICO)という支援機関があり、相談と専門家派遣の窓口が整理されています。
令和8年度の専門家派遣事業は、一般枠・小規模企業枠に加えて、電力・ガス・食料品等価格高騰枠、価格交渉促進枠が設けられ、いずれも申込受付中です。原材料やエネルギーのコスト上昇に対応する枠が別立てになっているのが特徴です。
2026年4月1日には、新潟県よろず支援拠点に「生産性向上支援センター」が新設されました。現場の「ムダ・ムリ・ムラ」を専門家と一緒に根本から見直す窓口という位置づけです。業務改善助成金は生産性向上のための設備投資が前提になるため、何に投資すべきかが固まっていない段階では、この窓口が入口になります。
助成金としては「令和8年度:支援機関連携DXセミナー開催事業費助成金」が公開されており、申込締切は2026年12月25日です。ほかに、よろず支援拠点の無料経営相談会(新潟・長岡)、税務・労務・法務の無料相談会、DX総合相談窓口などが随時受付になっています。
Q. 助成金の計画づくりを相談できる窓口はありますか?
にいがた産業創造機構(NICO)が専門家派遣事業とよろず支援拠点を運営しています。2026年4月1日には「生産性向上支援センター」が新設され、現場のムダ・ムリ・ムラの見直しを専門家と進められます。よろず支援拠点の相談は無料です。
(参考)専門家等に相談 – にいがた産業創造機構(NICO)
(参考)お知らせ一覧[受付中] – にいがた産業創造機構(NICO)
目的別に、どこから当たるか
制度は目的別に見たほうが早く決まります。新潟県の企業が9月下旬の時点で取れる選択肢を並べます。
賃上げと設備投資をセットで進めたいなら、業務改善助成金です。ただし期限は9月30日で、設備投資も賃上げもこれから実施するものが対象です。間に合わない場合は、来年度の受付を前提に計画を組み直すことになります。
社員の研修費用を抑えたいなら、国の人材開発支援助成金です。人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースが用意されています。訓練の開始前に計画を届け出る必要があるため、研修を決めてから調べるのでは間に合いません。
非正規社員の正社員化や処遇改善を考えているなら、キャリアアップ助成金です。こちらも取り組みの前に計画の認定を受ける必要があります。
外国人材の受入を進めるなら、新潟県の補助金です。受付は令和9年1月29日までありますが、予算の範囲内で順次交付決定される方式なので、早いほうが確実です。
何から手をつけるか決まっていないなら、NICOのよろず支援拠点です。相談は無料で、生産性向上支援センターも使えます。なお県によっては独自の上乗せ制度があり、山形県のように県単独で50万円を出す枠を持つ例もあります。
いずれの制度にも共通するのは、実施してからでは使えないという点です。設備を買ってから、研修を始めてから、日本語学習を始めてからでは、どれも対象外になります。制度の名前より先に、自社が次に何をするかの予定を決めておくことが、結果的にいちばん早い順路になります。
Q. 助成金はいつ調べ始めればよいですか?
設備投資や研修を実施する前です。業務改善助成金も人材開発支援助成金もキャリアアップ助成金も新潟県の補助金も、いずれも実施前の申請や計画届出が要件になっており、着手後に申請しても対象になりません。
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