オフィスのウォーターサーバーは、ボトル宅配と水道直結のどちらかを、社員数と置き場所で選びます。人は1日に約2.5Lの水分を失い、飲み水で約1.2Lを補う必要があるとされます。スポーツの水分補給の考え方を使うと、置くだけで終わらない運用になります。
夏の暑さ対策で水分をとるよう呼びかけているのに、社員は自販機まで買いに行くか、我慢している。ウォーターサーバーを置けば解決しそうだが、どの方式がよいのか、本当に必要なのかが分からない。導入を決める前に整理したい点があります。
この記事では、法律の決まり、導入の方式、スポーツに学ぶ水分補給、飲んでもらう工夫、費用を順に整理します。
多量の汗をかく作業場では飲料水を備えることが事業者の義務になる
作業の内容によっては、飲み物の用意は福利厚生ではなく法律の義務です。労働安全衛生規則第617条は、多量の発汗を伴う作業場では、塩と飲料水を備えなければならないと定めています。秋田労働局の資料は、労働者任せにすると法令違反になると説明しています。
厚生労働省のガイドラインは、飲料水、スポーツドリンク、経口補水液、塩飴などの備え付けに触れています。詳しくは職場の熱中症対策の義務の記事で整理しています。冷房の効いたオフィスでも、水分が足りているとは限りません。厚生労働省の資料によると、人は1日に2.5Lの水分を失い、飲み水などで補う量は1.2Lです。
(参考)職場における熱中症防止のためのガイドライン – 厚生労働省
Q. オフィスにウォーターサーバーは義務ですか?
ウォーターサーバーそのものの設置は義務ではありません。ただし多量の発汗を伴う作業場には、労働安全衛生規則で塩と飲料水を備える義務があります。一般のオフィスでも、社員が水分をとりやすい環境を整えると、体調管理に役立ちます。
オフィスのウォーターサーバーは3つの方式で手間と費用が変わる
方式の違いは、水の運び方と手間です。次の表は本記事の整理で、料金や条件は会社ごとに違うので、複数社に同じ条件で見積もりを取ります。
| 方式 | 向いている職場 | 確かめること |
|---|---|---|
| ボトル宅配 | 水道の位置に縛られたくない | ボトルの保管場所、交換する人 |
| 水道直結 | 飲む量が多い | 配管の工事、賃貸の可否 |
| 給茶機・ドリンクサーバー | お茶なども飲みたい | 粉の補充、清掃の頻度 |
出典:本記事の整理。
ボトル宅配は置き場所を選ばない
ボトルが届く方式で、水道から離れた場所にも置けます。重いボトルの交換と保管が負担になるので、誰が交換するかを決めます。市場の統計は新しいものを確認できませんでしたが、2014年の報道によると、業界団体の推定で2013年の顧客数は327万4,000台、市場規模は1,207億1,800万円でした。
(参考)宅配水の業界統計の報道(2014年6月9日) – データ・マックス
水道直結は補充の手間を減らせる
水道につないでろ過する方式で、ボトルの交換がいりません。飲む人が多い職場では、月額が固定なら1杯あたりの費用も見えやすくなります。賃貸のオフィスでは、工事の可否を管理会社に確かめます。
給茶機やドリンクサーバーは飲み物の種類を増やせる
お茶やコーヒーも飲める方式です。味の選択肢があると飲む機会が増えます。一方で、砂糖の入った飲み物が中心になると別の課題が生まれるので、水やお茶を基本にします。コーヒーの選び方はオフィスコーヒーの記事で整理しています。
スポーツの水分補給は喉が渇く前にこまめに飲むことを基本にする

スポーツの現場では、水分補給は計画して行うものです。日本スポーツ振興センターの資料は、こまめな水分補給を原則とし、汗で塩分も失うので0.1〜0.2%程度の食塩水がよいとしています。運動の前後に体重を測ると、補給が足りているかが分かります。体重の3%以上の水分が失われると、体温調節に影響するとされています。
職場に当てはめると、すべての社員に塩分が必要なわけではありません。座り仕事が中心なら水やお茶、暑い現場で汗をかく人にはスポーツドリンクや塩分も用意します。厚生労働省のガイドラインは、塩分をとるときの例として、0.1〜0.2%の食塩水やナトリウム40〜80mg/100mlのスポーツドリンクなどを20〜30分ごとにカップ1〜2杯としています。
あわせて読みたい経口補水液7製品を比較|企業のスポーツ熱中症対策と備蓄›
(参考)熱中症予防の原則 – 独立行政法人日本スポーツ振興センター
(参考)職場における熱中症防止のためのガイドライン – 厚生労働省
Q. オフィスワーカーはスポーツドリンクを飲むべきですか?
座り仕事が中心で汗をあまりかかないなら、水やお茶が基本です。スポーツドリンクは、暑い場所での作業や運動で汗を多くかくときに役立ちます。糖分も含むので、日常的に飲むなら量に気をつけてください。
置くだけで終わらせず飲むきっかけを3つ作る

サーバーを置いても、飲む習慣がなければ水分は増えません。スポーツの現場が休憩と補給を組み合わせるように、仕事の流れの中に飲む機会を入れます。順番は本記事の提案です。
通りやすい場所に置く
会議室の近くやコピー機の近くなど、社員がよく通る場所に置きます。遠い休憩室に置くと、忙しいときほど足が遠のきます。軽食も一緒に置くなら次の記事が参考になります。
あわせて読みたいオフィスコンビニ8サービス比較|スポーツ栄養の補食で企業が選ぶ›
自分の水筒を使ってもらう
紙コップより水筒やタンブラーのほうが、デスクでこまめに飲めます。ごみも減らせます。選び方はスポーツボトルの比較の記事が参考になります。
暑い日と長い会議の前に呼びかける
暑さ指数が高い日や長い会議の前に、社内チャットで水分補給を呼びかけます。監督者が声をかけると、飲みにくい雰囲気も減ります。
費用は全社員が使える形なら福利厚生費として考えられる
全社員が使えるサーバーの費用は、福利厚生費として説明しやすくなります。国税庁は交際費等と福利厚生費の区分を示しています。扱いは会社の状況で変わるので、税理士に確認してください。熱中症対策として現場に用意する飲料は、安全衛生の費用として別に管理している会社もあります。
費用を比べるときは、月額に加えて電気代、ボトルの追加代、解約金を入れます。社員の健康施策の全体はウェルビーイングの施策の考え方で説明しています。
(参考)No.5261 交際費等と福利厚生費との区分 – 国税庁
Q. オフィスのウォーターサーバーの費用はいくらですか?
方式、人数、飲む量で変わり、公開された統一の相場は確認できませんでした。月額に加えて、電気代、ボトルの追加代、解約金を含めて比べます。水道直結は工事の費用がかかる場合もあるので、同じ条件で複数社に見積もりを取ってください。
オフィスのウォーターサーバーの要点
- 多量の汗をかく作業場では、飲料水を備えることが事業者の義務
- 方式はボトル宅配、水道直結、給茶機などから選ぶ
- スポーツの考え方どおり、喉が渇く前にこまめに飲んでもらう
- 座り仕事は水やお茶、暑い現場は塩分も用意する
- 置き場所と呼びかけで飲む機会をつくる
まずは職場を歩いて、一番人が通る場所と電源の位置を確かめてみてください。
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