営業の属人化を解消したい企業へ|サッカーに学ぶ共通原則づくり

営業の属人化を解消したい企業へ|サッカーに学ぶ共通原則づくり ソリューション
SOLUTION|営業組織 × 人材育成

トップセールスの勝ち方が、本人の頭の中だけにありませんか。日本サッカー協会が全国の関係者と共有している「プレーの原則」の考え方で、営業の局面ごとに守る原則と共通の言葉を決め、誰が担当しても崩れない営業組織をつくります。

営業組織属人化の解消人材育成組織開発

このプログラムについて相談する

対象となるお客さま

  • 売上の多くを一部の営業担当者が占めている企業の経営者・営業責任者
  • 中途採用や異動で、営業担当者の入れ替わりが多い企業の営業管理職
  • 営業職の育て方を見直したい人事・人材開発の担当者

よくあるお悩み

  • トップセールスが辞めたら、顧客と売上がどうなるか読めない
  • 同行させても「見て覚えて」で終わり、若手に伝わらない
  • 同じ商品なのに、担当者によって提案の質と受注率が大きく違う
ISSUE

課題|トップセールスの勝ち方が、本人の頭の中にしかない

営業原則共有プログラム|営業が属人化した組織で起きる流れと、人材育成の問題点の内訳

成果が一部の担当者に偏っていても、売上が出ているうちは問題に見えません。困るのは、その人が辞める、異動する、長く休むときです。顧客との関係も、商談の進め方も、本人と一緒に抜けていきます。

もう1つは、残った担当者の成果がそろわないことです。同行や引き継ぎで教えようとしても、勝ち方が言葉になっていなければ、伝わるのは動きだけです。同じ商品を売っていても、提案の質と受注率に差が残ります。

教える側の余裕も足りていません。厚生労働省の令和6年度「能力開発基本調査」(常用労働者30人以上の事業所が対象)では、能力開発や人材育成に何らかの問題があるとする事業所が79.9%でした。その内訳は「指導する人材が不足している」59.5%、「人材を育成しても辞めてしまう」54.7%、「人材育成を行う時間がない」47.4%です(複数回答)。トップセールスに教える役まで背負わせる形は、続きにくいのです。

(参考)令和6年度「能力開発基本調査」の結果を公表します – 厚生労働省

CAUSE

原因|勝ち方が言葉になっておらず、共通の基準がない

営業原則共有プログラム|営業が属人化する3つの原因と、技能・ノウハウを文書化している事業所の割合

担当者の能力や意欲の問題ではありません。原因は次の3つです。

  • 局面を分けていない:「営業力」をひとまとめに見ているため、初回の接点、課題の確認、提案、合意のどこで差がついているのかが分かりません。
  • 判断の基準が言葉になっていない:トップセールスが何を基準に次の一手を決めているかが書かれていないため、同行しても見えるのは動きだけです。
  • 言葉の意味がそろっていない:「見込みが高い」「提案済み」の意味が人によって違うと、営業会議で状況を話し合っても、かみ合いません。

ノウハウを言葉にして残す取り組みは、まだ少数です。同じ能力開発基本調査で、技能継承に取り組む事業所に内容を聞いたところ、伝えるべき技能・ノウハウを「文書化、データベース化、マニュアル化している」のは19.0%でした。最も多いのは「中途採用を増やしている」56.4%です(複数回答)。職種を限らない数字ですが、人を足すことで補い、ノウハウは人に残したままという形が多いことが分かります。

(参考)令和6年度「能力開発基本調査」の結果を公表します – 厚生労働省

SPORTS INSIGHT

スポーツ知見|日本サッカーは、共通の原則の上に各チームのやり方を置く

営業原則共有プログラム|日本サッカー協会のプレービジョンとプレーの原則の関係と、職場への置き換え

日本サッカー協会(JFA)は2022年7月に「ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan’s Way」を策定し、全国のサッカー関係者と共有するビジョンとして発信しました。2025年12月には一部を改訂した第2版を作っています。JFAは代表強化・ユース育成・指導者養成の「三位一体」に普及を加えて進めており、Japan’s Wayはその先の「ありたき姿」に至る道筋とされています。

その中にあるのが「プレーの原則」です。攻撃、守備、その切り替えという局面ごとに、選手にとっても指導者にとっても基本的な戦略を理解しやすくまとめたもので、攻撃は「突破」「サポート」「幅&深さ」「モビリティ」「創造性」、守備は「プレス」「遅らせる」「コンパクト」「バランス」「コントロール」という短い言葉で示されています。

注目したいのは、日本サッカーが向かう方向を示す「プレービジョン」を、各クラブや監督が持つ「プレーモデル」とは別のものとして位置づけている点です。JFAは、皆が同じようなサッカーをするのではなく、基準となるプレービジョンから、それぞれが多様性を持って発展させるべきだとしています。共通の原則と、各チームのやり方を分けて持つ。属人化した営業組織に足りないのは、この分け方です。

(参考)ナショナル・フットボール・フィロソフィーとしてのJapan’s Way – 公益財団法人日本サッカー協会

ただし、試合と仕事は同じではありません。試合は全員が同じピッチに立ち、結果もその場で出ます。営業は担当者が一人で顧客に向かい、上司も同僚も商談を見ていないうえ、結果が出るまで数か月かかることもあります。そのため、原則は商談のあとに自分で照らし合わせられる短い言葉にし、商談の記録も原則に沿った数項目だけにします。

SOLUTION

解決策|営業の局面ごとに、守る原則を3つまで決める

営業原則共有プログラム|営業の原則をつくる4つの要素と、それぞれで決めること

新しい営業手法を足すのではなく、いまの営業を「全員が守る原則」と「各自に任せるやり方」に分けて書き出します。

  • 局面を区切る:初回の接点、課題の確認、提案、合意と契約、契約後のフォローなど、自社の営業を4〜5の局面に分ける
  • 局面ごとの原則:トップセールスへの聞き取りと、受注・失注した商談の記録から、局面ごとに守る原則を3つまで決める
  • 共通の言葉:「見込みが高い」「提案済み」など、商談の状態を表す言葉の定義をそろえる
  • 任せる範囲:話し方や資料の作り方など、原則の外側は各自に任せると明記する

いちばん大事なのは4つ目です。全員を同じやり方にそろえると、トップセールスの強みまで消えてしまいます。原則は「外してはいけない線」で、その内側でどう動くかは担当者に任せます。原則を3つまでに絞るのは、商談の直後に思い出して照らし合わせられる数にするためです。

APPROACH

進め方|1チームで原則を試してから、営業部門全体に広げる

営業原則共有プログラム|診断・設計と試行・定着の3つのフェーズで、やること・役割分担・期間の目安

最初から全員に原則を配ると、現場の実感と合わないまま形だけになりがちです。まず1チームで使ってみて、言葉を直してから広げます。

診断では、直近の受注・失注した商談と担当者ごとの成果の差を一緒に整理し、どの局面で差がついているかを洗い出します。あわせてトップセールス2〜3人に聞き取りを行い、本人が意識せずに守っている基準を言葉にします。設計・試行では、1チームで局面ごとの原則と共通の言葉を決め、3か月使います。定着では他のチームにも広げ、四半期ごとに原則を見直す会議を社内で回せるようにします。

期間は目安です。診断だけ、1チームだけといった始め方もご提案します。Human Soarは聞き取り、原則と定義の文書化、見直し会議の進行を担い、御社には商談の記録の共有、試すチームの決定、トップセールスの聞き取り時間の確保をお願いします。

OUTPUT

成果物|原則と言葉をそろえ、見直し続けるための4つの道具

営業原則共有プログラム|4つの成果物のつながりと、いつ誰が使うか

成果物は、ひな形を渡して終わりにはしません。どれも御社の実際の商談をもとに、一緒に作ります。

最初にできるのが「営業の局面マップ」です。自社の営業をいくつの局面に分け、それぞれ何がそろえば次へ進むかを1枚にまとめたもので、新しく入った担当者が最初に読む資料になります。次に、局面ごとに守る原則と、各自に任せる範囲を書いた「営業原則シート」を作ります。管理職は商談の相談を受けるとき、このシートの言葉で助言します。

あわせて「商談の状態の定義集」で、「見込みが高い」などの言葉の意味をそろえます。営業会議や営業支援システムへの入力で、同じ言葉が同じ意味で使われるようにするためです。最後に、原則が現場に合っているかを確かめる「原則の見直し手順」を整えます。四半期ごとの会議で、受注・失注の記録をもとに原則を直す流れを、支援が終わった後も社内だけで回せるようにします。

VALUE

期待できる効果|誰が担当しても、商談の進め方が崩れなくなる

営業原則共有プログラム|共通の原則と任せる範囲で見た営業組織の4つの状態と、立場ごとの変化

経営にとっては、一部の担当者が抜けても商談の進め方が残るため、売上の見通しを立てやすくなります。営業管理職は、部下と同じ言葉で商談の状況を話せるので、どの局面で止まっているかがすぐ分かります。担当者は、外してはいけない線が分かったうえで、自分のやり方を試せます。トップセールスにとっても、同行ですべてを見せなくてよくなり、教える負担が軽くなります。

見る数字は、営業部門全体の売上ではなく「担当者ごとの受注率の差」です。差が縮まっていれば、原則が現場で使われています。もう1つ「トップセールス以外が受注した件数の割合」を見ると、成果が一部に偏った状態から抜け出せているかが分かります。

COMMENT

Human Soarからのコメント

日本サッカーは、全員を同じプレーにそろえるのではなく、共通の原則の上でそれぞれのやり方を伸ばす道を示しました。営業も同じで、トップセールスのまねを全員にさせる必要はありません。外してはいけない線だけを共有し、その内側は一人ひとりに任せる。御社の商談の実際から、その線を一緒に引きます。

FAQ

よくあるご質問

Q. トップセールスが自分のやり方を出したがらない場合はどうしますか?

出してもらうのは手の内のすべてではなく、局面ごとに外さない基準だけです。聞き取りはHuman Soarが行い、話し方や資料などの持ち味は「各自に任せる範囲」に残します。同行で教える時間が減り、本人の負担が軽くなることもあわせてお伝えします。

Q. 営業マニュアルや営業支援システムとは何が違いますか?

マニュアルが手順を細かく決めるのに対し、このプログラムは局面ごとに守る原則を3つまでに絞り、その外側は担当者に任せます。営業支援システムをお使いの場合は、商談の状態の定義をそろえることで、入力される情報の意味がそろい、会議で使いやすくなります。システムの導入は前提にしません。

Q. 営業担当者が数人の会社でも依頼できますか?

できます。少人数の場合は、局面マップと営業原則シートだけを作り、社長や営業責任者が見直しを担う形もご提案できます。担当者が少ないほど1人が抜けたときの影響が大きいため、早めに原則を言葉にしておく意味があります。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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