失注分析のやり方|スポーツのパフォーマンス分析を商談に活かす

失注分析のやり方|スポーツのパフォーマンス分析を商談に活かす ソリューション
SOLUTION|営業 × スポーツのパフォーマンス分析

失注の理由が「価格」「タイミング」で止まり、次の商談で何を変えるかが決まらない。スポーツのパフォーマンス分析の手順で、何を記録するかを先に定義し、商談の過程の出来事を数え、次の商談の準備に返します。失注分析を、理由を入力して終わる作業から、次の商談を変える仕組みにします。

失注分析営業管理商談準備営業企画

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対象となるお客さま

  • 失注の振り返りを次の商談に生かしたい営業部門長
  • 営業管理ツールの失注理由を集計している営業企画の担当者
  • 受注が取れない原因を、製品・営業・価格に分けて確かめたい経営者

よくあるお悩み

  • 失注理由の欄が「価格」と「タイミング」ばかりになる
  • 同じような失注でも、担当者によって書く理由が違う
  • 集計はしても、次の商談で何を変えるかが決まらない
ISSUE

課題|「価格で負けた」の一言では、次の商談で変えることが決まらない

失注要因分析プログラム|小規模事業者の経営課題と、失注の記録をこれまでとこれからで比べた図

失注分析は、受注できなかった商談の記録から原因を調べ、次の商談を変える作業です。ところが理由の欄が「価格」で止まると、次に何をすればよいかが決まりません。値引きをするのか、提案を変えるのか、決裁者に早く会うのかで、やることはまったく違います。

受注を増やすことは、事業者の大きな課題です。中小企業庁の2025年版小規模企業白書によると、中規模企業、小規模事業者とも、現在取り組んでいる経営課題で「受注・販売の拡大」の割合が最も高くなっています。小規模事業者では、他の課題が2割以下のなか、これだけが約4割です。

同じ白書では、新規顧客や販路の開拓で効果を感じた取組として、市場・顧客ニーズの情報収集・調査分析の割合が最も高くなっています。失注した商談は、選ばれなかった理由を相手から直接聞ける機会です。記録の残し方で、その価値が変わります。

(参考)2025年版 小規模企業白書(HTML版) 第1節 小規模事業者の経営力の向上 – 中小企業庁

CAUSE

原因|理由を1つ選ぶだけで、定義も過程の記録も比べる相手もない

失注要因分析プログラム|売上が横ばい・低下した理由の順位と、失注分析が形だけになる3つの原因

担当者の努力が足りないからではありません。失注の記録の仕組みに、次の3つが欠けています。

  • 理由の定義がない:「価格」のなかに、予算を超えた、競合より高かった、価値が伝わらなかった、が混ざります。原因が違うのに、同じ1件として数えられます。
  • 結果しか残らない:商談が終わってから、記憶をもとに理由を1つ選びます。決裁者に会えたか、競合をいつ知ったかといった過程が残りません。
  • 比べる相手と確かめる人がいない:失注だけを集めても、受注した商談で同じことが起きていなかったかが分かりません。担当者1人の判断を、別の人が確かめることもありません。

大きな分類だけでは次の行動を決められないことは、公的な調査からも読み取れます。中小企業基盤整備機構が2017年に中小企業1,004社に聞いた調査では、売上が横ばいか下がったと答えた698社の理由(複数回答)は、顧客数・取引先数の減少が304社、販売・受注単価の減少が211社、営業・PRの不足が170社でした。計算すると、それぞれ約44%、約30%、約24%です。ただ、どの商談のどの局面で何が起きたのかは、社内の記録を見なければ分かりません。

(参考)中小企業の「売上」に関するアンケート調査報告(平成29年8月1日) – 独立行政法人 中小企業基盤整備機構

SPORTS INSIGHT

スポーツ知見|パフォーマンス分析は、記録する項目を先に定義し、過程を数える

失注要因分析プログラム|記述分析の流れと、記憶・記録の一致度・計画への活用を示す研究の数字

スポーツには、試合の出来事を記録して指導に生かす「パフォーマンス分析」という分野があります。その基本となる記述分析(notational analysis)では、どの動きが競技場のどこで何回起きたかを記録し、頻度として集計します。得点だけでは分からない、試合の過程を数える方法です。

何を記録するかは、先に定義します。Sarmentoらが2014年にJournal of Sports Sciencesに発表した成人男子サッカーの試合分析の系統的レビューは、2,732件から53件の研究を精査しました。今後の研究には、変数の明確な定義と分類の統一、会場、相手の強さ、試合の状況、前後半といった状況の考慮が必要だとまとめています。HughesとBartlettは2002年の同誌の論文で、データを読み解くには比較が欠かせないと述べています。

記憶だけでは足りないことも確かめられています。LairdとWatersの2008年の研究では、資格と経験のあるサッカーの指導者がメモを取りながら45分間試合を見ても、重要な出来事を正しく思い出せた確率は59.2%でした。

別の人が記録しても同じになるかも問われます。Hughesらは2002年に、記述分析の論文72本のうち70%が信頼性の研究を報告していなかったと指摘し、個々の誤りが合計では打ち消し合い、実際より正しく見える問題も取り上げました。Liuらの2013年の研究では、熟練した記録者の2組がスペインリーグの1試合を別々に記録し、一致の度合いを示すカッパ係数(1に近いほど一致)は、チームの出来事で0.92と0.94でした。十分に訓練された記録者であれば信頼できる、というのが結論です。

記録は次の準備に返します。Wrightらが2012年にプロとセミプロの指導者46人を調べた調査では、68%が対戦相手の映像を用意するのに分析の道具を使い、93%が分析の情報を短期の計画に使っていました。

(参考)Match analysis in football: a systematic review(Sarmento et al., 2014) – Journal of Sports Sciences

(参考)The use of performance indicators in performance analysis(Hughes & Bartlett, 2002) – Journal of Sports Sciences

(参考)Eyewitness Recollection of Sport Coaches(Laird & Waters, 2008) – International Journal of Performance Analysis in Sport

(参考)Analysis procedures for non-parametric data from performance analysis(Hughes et al., 2002) – International Journal of Performance Analysis in Sport

(参考)Inter-operator reliability of live football match statistics from OPTA Sportsdata(Liu et al., 2013) – International Journal of Performance Analysis in Sport

(参考)An analysis of elite coaches’ engagement with performance analysis services(Wright et al., 2012) – International Journal of Performance Analysis in Sport

ただし、試合と仕事は同じではありません。これらの研究の対象は競技の記録者や指導者で、会社員で確かめたものではありません。また、試合は映像を見直せますが、商談は記録が残らないことが多く、相手が話す理由が本当の理由とは限りません。結果が出るまでの期間も長く、件数も多くありません。そのため、商談の直後に短く記録し、相手への聞き取りは商談の担当者以外が行い、件数が少ない間は割合ではなく事例として読みます。

SOLUTION

解決策|理由の定義、過程の記録、2人の確認、商談前の見直しをそろえる

失注要因分析プログラム|失注理由の定義集、商談過程の記録、2人の分類確認、商談前の見直しの4つの仕組み

理由の選択肢を増やすだけでは変わりません。次の商談で変えることにつながる分け方にし、記録から準備までをつなげます。

  • 失注理由の定義集:「価格」を予算超過、競合より高い、価値が伝わらない、などに分け、自社の商談の例で示す
  • 商談過程の記録:決裁者に会えたか、課題を相手の言葉で確かめたか、競合を知った時期、次回の約束を商談の直後に書く。受注した商談も同じ様式で残す
  • 2人で分類を確認:毎月同じ案件を2人が別々に分類し、ずれた定義を直す
  • 商談前の見直し:似た業種や規模の失注の記録を開き、次の商談で確かめることを決める

省かれやすいのが最後の見直しです。集計を会議で報告するだけでは、次の商談は変わりません。商談の準備で開く資料にしておくことで、記録が使われ続けます。受注確度や売上の見通しは別の仕組みで扱い、このプログラムでは、受注できなかった商談から次に変えることを見つける部分を担います。

APPROACH

進め方|過去の商談を読み直してから、1チームで試す

失注要因分析プログラム|診断・設計と試行・定着の3つのフェーズで、やること・役割分担・期間の目安

最初から全営業部門に様式を広げると、入力の手間だけが増えます。まず今の記録で何が分かるのかを確かめ、1チームで続くかを試します。

診断では、過去の受注と失注の商談を一緒に読み直し、理由の偏りと記録の抜けを調べます。設計・試行では1チームで定義集と記録票を使い、2人の確認と商談前の見直しを試します。商談の結果が出るまで時間がかかるため、試行は2四半期を目安にします。定着では営業部門全体に広げ、月次レビューの手順にして運用します。

期間は目安です。診断だけ、1チームだけといった始め方もご提案します。Human Soarは様式の用意・聞き取り・集計・月次レビューの進行を担い、御社には商談記録の共有、試すチームの決定、商談の記録と見直しの実施をお願いします。

OUTPUT

成果物|定義集から商談前シートまで、社内で回せる4つの道具

失注要因分析プログラム|失注理由の定義集・商談過程の記録票・分類の確認シート・商談前レビューシートをいつ誰がどう使うか

成果物は、ひな形を渡して終わりにはしません。どれも御社の商談記録をもとに一緒に作り、今お使いの営業管理ツールや表計算ソフトの項目に組み込みます。

最初に作るのが「失注理由の定義集」です。営業担当者が失注を記録するときに開き、例を見ながら理由を選びます。次の「商談過程の記録票」は、商談の直後に決裁者や競合に関する出来事を残すものです。

「分類の確認シート」は、営業企画と営業部門長が毎月、同じ案件を別々に分類して比べるために使います。最後の「商談前レビューシート」は、営業担当者と上司が次の商談の準備で開き、似た失注を見て確かめることを決めます。支援が終わった後も、この4つで失注分析を社内だけで回せます。

VALUE

期待できる効果|失注の話が、次の商談で変えることの話になる

失注要因分析プログラム|経営・営業部門長・営業企画・営業担当者の変化と、失注分析を見直す時期かを確かめるセルフチェック

経営にとっては、製品、営業、価格のどこを見直すかを失注の内訳で話せるようになります。営業部門長は、担当者を問わず同じ物差しで商談を振り返れます。営業企画は、集計した結果を次の商談の準備に返せます。営業担当者は、次の商談で確かめることが具体的になります。

見る数字は2つです。「分類の一致率」(2人が同じ案件を同じ理由に分類した割合)で記録の質を、「商談前の見直しの実施率」で記録が使われているかを確かめます。受注率は製品や市況でも動くため、仕組みの数字とは分けて長い期間で見ます。スライド下のセルフチェックで2つ以上当てはまれば、失注分析を見直す時期です。

COMMENT

Human Soarからのコメント

パフォーマンス分析の研究では、「何を記録するか」を先に決めることと、「別の人が記録しても同じになるか」を確かめることが繰り返し問われています。「相手が強かった」で終わらせず、過程の出来事を数えて次の試合の準備に返すためです。失注も同じです。「価格で負けた」の先にある出来事を残し、次の商談で変えることを決める仕組みを、御社の商談に合わせて一緒につくります。

FAQ

よくあるご質問

Q. 失注分析のフレームワークは何を使えばいいですか?

決まった型から始めるより、「理由」「局面」「相手」の3つで記録を分ける形をおすすめします。理由は定義集で分け、局面は商談のどこで起きたかを書き、相手は業種や案件の規模などを書きます。この3つがそろうと、どの商談で何を変えるかを話せるようになります。

Q. 失注の理由は、お客さまにどう聞けばいいですか?

「今後の提案を良くするために」と目的を伝え、選ぶときに比べた点と、決め手になった点を聞きます。商談の担当者以外が聞くと、断った相手も答えやすくなります。答えがそのまま本当の理由とは限らないので、商談の記録と突き合わせて判断します。

Q. エクセルでもできますか?商談の数が少なくても意味はありますか?

エクセルでも始められます。営業管理ツールがある場合は、選択項目に定義集の分類を組み込みます。商談の数が少ない間は割合で判断せず、1件ずつの事例として読み直し、件数がたまってから四半期ごとに集計します。

元気な社員が、いちばんのマーケティングになる。

社員のウェルビーイングを高め、
その元気が自然と外に伝わる仕組みをつくります。

インナーマーケティングを知る →

About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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