解約率を改善する4つの手順|スポーツマーケティングの離脱研究

解約率を改善する4つの手順|スポーツマーケティングの離脱研究 ソリューション
SOLUTION|戦略・営業 × スポーツマーケティング

定期契約やサブスクの解約が減らないのに、やめた理由が分からない。シーズンチケット会員の離脱を調べたスポーツマーケティングの研究を使い、解約者の聞き取り、離脱の前兆の一覧、更新前の連絡、月次レビューの4つを御社のデータに合わせて整えます。

解約率サブスク定期契約顧客維持

このプログラムについて相談する

対象となるお客さま

  • 定期契約やサブスクの解約率に悩む経営者・事業責任者
  • 解約の理由をつかめずにいる営業・カスタマーサクセスの責任者
  • 解約データを集計しているが、改善につなげられないマーケティング担当者

よくあるお悩み

  • 解約の理由が「使わなくなった」「その他」で止まっている
  • 解約の申し出があってから引き止めるしかない
  • 新規の獲得で穴を埋め続けて、解約が減らない
ISSUE

課題|解約率が見えていても、理由が分からなければ次の手が決まらない

解約率改善プログラム|月次報告で分かることと分からないこと、解約が繰り返される流れ

解約率(チャーンレートとも呼びます)は、一定の期間に契約をやめた顧客の割合です。月次の報告で解約率を見ていても、なぜやめたのかが分からなければ、次に何を直せばよいかは決まりません。

解約手続きの選択肢で集めた理由が「使わなくなった」「その他」で終わっていると、商品を直すべきなのか、使い始めの支援を厚くすべきなのか、やめる顧客を見送るべきなのかを判断できません。そのまま値引きや引き止めの連絡を足しても、効いたのかどうかも確かめられません。

解約が減らないまま新規の獲得で埋め続けると、営業の負担だけが増えていきます。必要なのは、解約の数字を追うことに加えて、理由と前兆を社内で読める状態にすることです。

CAUSE

原因|聞き方・見る順番・動く時期の3つがずれている

解約率改善プログラム|解約の理由が分からなくなる3つの原因

営業やカスタマーサポートの努力が足りないわけではありません。原因は次の3つです。

  • 理由を1つだけ選んでもらっている:解約の背景が複数あっても、選択肢が1つなら1つしか残りません。いちばん答えやすい理由に集まり、本当の順番が見えなくなります。
  • 満足度から見ている:満足度が高ければ続けてもらえると考えると、満足度調査の結果だけを追うことになります。契約の長さや利用の度合いといった、すでに社内にあるデータが後回しになります。
  • 解約が決まってから動いている:解約の申し出を受けてから引き止めると、顧客の判断はほぼ固まっています。前兆を決めていないので、更新の前に誰へ連絡すればよいかも分かりません。

この3つは別々の問題に見えますが、つながっています。理由の聞き方が粗いと前兆を決められず、前兆が決まらないと更新の前に動けません。

SPORTS INSIGHT

スポーツ知見|スポーツマーケティングの研究では、解約者の多くは不満より生活の変化で離れていた

解約率改善プログラム|シーズンチケット会員の離脱研究が示した理由の内訳と、加入年数・来場数による非更新率の差

スポーツマーケティングでは、シーズンチケット会員の離脱が研究されています。McDonald と Stavros の論文(Sport Marketing Quarterly、2007年)は、オーストラリアのプロクラブ5つ(AFL 4、NRL 1)で、更新しなかった元会員に調査票を送り、1,011人の回答を分析しました。理由を1つ選ばせるのではなく、当てはまる理由に合計100点を配ってもらう聞き方です。

配点が最も多かったのは「今年は他の予定で来場できない」の33.1%、次が「家族構成の変化で来場が難しい」の30.4%で、「一緒に行く人が行かなくなった」の7.0%とあわせて約7割がクラブの外の事情でした。「会員の価値が低い」は14.3%、「来季も勝てないと思った」は6.2%です。満足度は10点満点の5.87で不満を示す値ではなく、再入会の意向との相関も弱いものでした(r=0.234)。

McDonald の論文(Journal of Sport Management、2010年)は、2クラブの4,500人超について調査票と実際の入場記録、翌年の更新記録を突き合わせました。更新を分けたのは主に加入年数と来場数です。1クラブの分析では、加入の浅い来場の少ない層の27%が更新しなかったのに対し、加入が長く来場の多い層は5%でした。初年度の会員の非更新率は33%を超えます。苦情対応の評価による更新率の差は見られませんでした。

組織の側にも課題がありました。2007年の論文で調べた2クラブは、離脱しそうな会員を特定しておらず、更新しなかった会員に電話しても再入会は10%未満でした。2010年の論文は、加入が浅く来場の少ない会員はチケットの受け取りや問い合わせへの対応など目に見える点で評価し、長く続ける会員は関わっている実感を重く見ると報告し、来場を増やすための特典は効きにくい可能性を指摘しています。

(参考)A Defection Analysis of Lapsed Season Ticket Holders: A Consumer and Organizational Study(2007年) – Sport Marketing Quarterly(機関リポジトリ公開版:Swinburne University of Technology)

(参考)The Factors Influencing Churn Rates Among Season Ticket Holders: An Empirical Analysis(2010年) – Journal of Sport Management(機関リポジトリ公開版:Swinburne University of Technology)

ただし、試合と仕事は同じではありません。研究の対象はオーストラリアのプロクラブの会員で、企業の顧客で確かめたものではありません。2007年の論文は、ファンが応援するチームをほとんど変えないことも前提にしています。企業の顧客は他社へ移りますし、法人契約では使う人と決める人が違います。また来場数は、離脱の原因ではなく結果の表れかもしれないと2010年の論文も断っています。そこで聞き取りには移った先と決裁の経緯を加え、前兆は御社の過去の解約データで当たっているかを確かめてから使います。

SOLUTION

解決策|解約者の聞き取りから月次レビューまで、4つの手順を順につなぐ

解約率改善プログラム|解約者の聞き取り、前兆の一覧、更新前の連絡、月次レビューの4つの手順

新しい顧客管理システムは前提にしません。いまある契約データと利用データを使い、次の4つを順につなぎます。

  • 解約者の聞き取り:解約から間もない顧客に聞きます。当てはまる理由に合計100点を配ってもらい、御社が変えられる理由と変えられない理由に分けます。
  • 前兆の一覧:顧客を契約の長さと利用の度合いで4つに分け、過去の解約と照らして、どの動きが解約の前に出ていたかを一覧にします。
  • 更新前の連絡:前兆が出た顧客に、更新日から逆算して連絡します。使い始めの顧客には手続きや使い方のつまずきを、長く使っている顧客には担当者の交代や使い方の変化を確かめます。値引きの提案は最後です。
  • 月次レビュー:理由の配点、前兆、連絡の結果を毎月見て、商品・営業・サポートのどこが何を直すかを決めます。

更新前の連絡が効くかどうかは、研究では確かめられていません。そのため試行では、連絡した顧客としなかった顧客の更新率を比べます。また解約の手続きを分かりにくくする方法は取りません。消費者向けの通信販売では、解除を妨げるために事実と違うことを告げる行為が禁じられています(特定商取引法第13条の2)。営業のための契約には適用されない場合もあるので、個別の判断は弁護士などの専門家にご確認ください。

(参考)通信販売 – 消費者庁 特定商取引法ガイド

APPROACH

進め方|1つの商品で更新の1周期を試してから広げる

解約率改善プログラム|診断・設計と試行・定着の3つのフェーズで、やること・役割分担・期間の目安

全商品で一度に始めると、どの変更が効いたのか分からなくなります。解約の件数がまとまっている商品を1つ選び、更新の1周期を試してから広げます。

診断では、過去の解約リストと契約データ、利用データを整理し、解約した顧客に聞き取りを行います。設計・試行では、前兆の一覧と連絡の手順を作り、対象の顧客に連絡して、連絡しなかった顧客と比べます。定着では、ほかの商品に広げ、月次レビューを社内で回せるようにします。

期間は目安です。診断だけ、1商品だけといった始め方もご提案します。Human Soarは聞き取りの設計と実施、データの整理、手順の文書化を担い、御社にはデータの共有、聞き取り先の選定、試す商品の決定をお願いします。顧客情報の扱いは、御社の規程の範囲で決めます。

OUTPUT

成果物|支援が終わっても社内で回せる4つの手順と様式

解約率改善プログラム|プロジェクトの4つの成果物と活用場面

成果物は、ひな形を渡して終わりにはしません。どれも御社の解約データと聞き取りの結果をもとに、一緒に作ります。

最初にできるのが「解約者の聞き取り表」です。解約の窓口やサポートの担当者が、解約から間もない顧客に使います。質問の順番、100点の付け方、移った先の聞き方を決めているので、担当者が替わっても同じ形で記録が残ります。次に、顧客担当者が毎月確かめる「離脱の前兆の一覧」を作ります。契約の長さと利用の度合いごとに、どの動きが出たら連絡するかを書いたものです。

前兆が出た顧客には「更新前の連絡手順」を使います。誰が、更新日のいつごろ、何を確かめるかを顧客の区分ごとに決めています。最後の「月次レビューの手順」は、責任者が毎月の会議で使います。見る数字と議題、直す部門の決め方を1枚にまとめ、社内だけで見直しを続けられるようにします。

VALUE

期待できる効果|経営・顧客担当・商品担当の3つが変わる

解約率改善プログラム|経営・顧客担当・商品担当の3つの効果と、解約の見直しが必要かを確かめるセルフチェック

経営にとっては、解約の数字に理由が付き、獲得と維持のどちらに手を打つかを判断しやすくなります。顧客担当は、解約の申し出を受けてから慌てるのではなく、更新の前に連絡する相手を絞れます。商品担当は、変えられる理由だけが点数で見えるので、直す順番を決めやすくなります。

見る数字は「契約1年目の顧客の更新率」です。解約率の全体だけを見ると、長く続く顧客に隠れて変化が見えにくくなるためです。もう1つ「前兆が出た顧客のうち、更新前に連絡できた割合」を見ると、手順が動いているかが分かります。スライド下のセルフチェックで2つ以上当てはまれば、解約の見直しを始める時期です。

COMMENT

Human Soarからのコメント

解約の理由を聞いても、すべてを防げるわけではありません。変えられない理由が多いと分かれば、それも大事な答えです。その見極めがつくと、限られた人手をどの顧客に向けるかを決められます。御社の解約データを一緒に読み解き、更新の前に動ける形を作ります。

FAQ

よくあるご質問

Q. 解約率の目安はありますか?

決まった目安は置きません。月額か年額か、人数で数えるか金額で数えるかで、同じ解約率でも意味が変わるためです。まず御社の数字を契約の長さと利用の度合いで分け、どこの解約が多いのかを確かめます。

Q. 解約した顧客が聞き取りに応じてくれないときはどうしますか?

短い質問票と電話を組み合わせます。応じてくれる顧客に偏りが出るので、答えだけで判断せず、契約データや利用データと合わせて読みます。件数が少ない商品では、1件ずつの聞き取りを積み上げて傾向を見ます。

Q. 解約の手続きを分かりにくくすれば、解約率は下がりますか?

そのやり方はご提案しません。一時的に数字が下がっても、解約の理由は残ったままです。消費者向けの通信販売では、解除を妨げるために事実と違うことを告げる行為が特定商取引法で禁じられています。個別の判断は弁護士などの専門家にご確認ください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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