ジョコビッチのトレーニング|ジムの外と柔軟性を重視する理由

ジョコビッチのトレーニングを解説する記事のアイキャッチ。テニスのイメージ写真に柔軟性とジムの外の文字 スポーツアスリート

年齢を重ねるほど、昔と同じ追い込み方では体がついてこなくなります。ジムにこもる時間を増やすべきなのか、休むべきなのか。38歳でも世界の上位で戦うジョコビッチのトレーニングは、その悩みを考える材料になります。

本人の発言でたどると、軸はジムの外での運動と柔軟性です。2014年のインタビューでは「できるだけジムの外でやるようにしています」という趣旨を語り、毎日違う部位に焦点を当てて、ストレッチに多くの時間を使うと説明しました。この記事では2014年から2026年までの4時点の発言を並べ、メニュー、ウェイト、体幹、メンタルの順に整理します。

ジョコビッチのトレーニングメニュー|4時点の発言で比較

ジョコビッチのトレーニングメニューは、種目と回数の一覧ではなく、考え方の形で語られています。4つの時点を比べると、柔軟性と心身の両面を重視する姿勢が12年間続いていることが分かります。

時点 年齢の目安 テーマ 確認できる内容
2014年 26歳 日々の練習 1日4〜5時間の練習、ジムの外での運動、ストレッチ
2020年2月 32歳 心身の訓練 氷水の川に1分45秒入る呼吸法の実践
2023年12月 36歳 柔軟性 ストレッチの場面から柔軟性チャレンジを開始
2026年1月 38歳 長く続ける 体と心を全体で整える考え方

出典:Aspetar Sports Medicine Journal(2014年)、SPREAD(2020年)、Tennis.com(2023年)、LBC(2026年)をもとに本記事で作成。年齢は計算によるものを含みます。

2014年は1日4〜5時間の練習とストレッチを語った

医学誌Aspetar Sports Medicine Journalのインタビューで、本人はトップ選手の毎日について「毎日4〜5時間の練習」と説明しました。その上で「体力トレーニング、ジム、ランニング、氷風呂、管理された食事は、そのほんの一部にすぎません」と語っています(英語の発言を本記事で訳出)。

助言を求められたときの最初の答えは「選手はそれぞれ違い、唯一のルールや助言はありません」でした。メニューをそのまま写しても意味がない、という本人の前提は押さえておきたいところです。

(参考)Interview with Novak Djokovic(Volume 3, Issue 1・2014年) – Aspetar Sports Medicine Journal

2020年は氷水の川で呼吸法を実践した

SPREADの2020年2月21日の記事によると、本人はインスタグラムに川へ入る動画を投稿し、「私とコンスタンティンはこの渓流で1分45秒生き延びた。マインドセットが全てだ」と書きました(記事内の日本語訳)。

同じ記事では、呼吸法を使って過酷な状況に対応する訓練だと説明されています。ただし記事自身が、ガイドラインを守らなければかなり危険だと注意しています。自己流でまねしないでください。

(参考)ジョコビッチの氷水チャレンジに関する記事(2020年2月21日) – SPREAD

2023年はストレッチの場面から柔軟性チャレンジを始めた

Tennis.comの2023年12月16日の記事によると、米CBSの番組「60 Minutes」でジムでストレッチをする場面に反響があり、本人は「『ノバク・ジョコビッチ柔軟性チャレンジを始めてみてはどうか』と思ったんです」と語りました(本記事で訳出)。

柔軟性を、裏方の準備ではなく自分の特徴として打ち出している場面です。2014年の発言とも筋が通っています。

(参考)Novak Djokovic launches challenge for the brave(2023年12月16日) – Tennis.com

2026年は38歳でも全体を整える考え方を語った

LBCの2026年1月21日の記事は、本人がTennis.comに語った言葉として「すべてを全体的に、さまざまな分野の視点で扱うことがとても重要です」と紹介しています(本記事で訳出)。

全豪オープンのコートでも、「早く燃え尽きないこと、体と心をケアし、できるだけ長いキャリアを送ること」を早い時期に教わったと話しました(本記事で訳出)。回復の具体策はジョコビッチのリカバリー方法でも確認できます。

(参考)Novak Djokovic’s insane workout to stay at the top at 38(2026年1月21日) – LBC

Q. ジョコビッチのトレーニングメニューは公開されていますか?

種目と回数の全容を本人が公開した資料は確認できていません。本人が語っているのは、ジムの外での運動、毎日部位を変えること、ストレッチに多くの時間を使うことです。本人も「唯一のルールはない」という趣旨を語っています。

ジョコビッチのウェイトはジムの外の運動と組み合わせる

ジョコビッチのトレーニングをジムの中と外に分けたベン図。ジムの中の体力トレーニングと外の自転車や水泳が、毎日部位を変える考え方で重なる

ジョコビッチのトレーニングでウェイトは一部にとどまり、本人は屋外での運動を優先すると語っています。2014年のインタビューでは、チームで自然の中にいるのが好きなので「できるだけジムの外でやるようにしています」と説明しました(本記事で訳出)。

具体的には「自転車に乗り、泳ぎ、走り、サッカーやバスケットボールをします」と続けています(本記事で訳出)。テニスだけでは使わない動きを、別の競技で補う形です。

ただし「ジムに行かない」という意味ではなく、体力トレーニングとジムは日課に入っています。重さや回数は公開されていないので、数字を知りたい場合でも推測で埋めないことが大切です。

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(参考)Interview with Novak Djokovic(Volume 3, Issue 1・2014年) – Aspetar Sports Medicine Journal

ジョコビッチの柔軟性と体幹は毎日部位を変えて全身を見る

ジョコビッチが行うストレッチや屋外の運動、氷水の訓練と、その中身と狙いを対応させた3列の図解

本人が自分の強みとして挙げるのが柔軟性です。「私の強みは柔軟性です。筋肉に弾力があり、ストレッチに多くの時間を使っています。ケガを防ぎ、体を新鮮に保つからです」と語っています(2014年のインタビューを本記事で訳出)。

体幹については、専用の種目や回数を語った発言は確認できていません。確認できるのは、「毎日、体の違う部分に焦点を当てています」という言葉までです(本記事で訳出)。腹筋だけを取り出すのではなく、全身を日替わりで見ていく組み立てと読めます。

柔軟性の高め方は、羽生結弦のストレッチの記事や内村航平のストレッチルーティンとも比べてみると、競技ごとの違いが見えてきます。

(参考)Interview with Novak Djokovic(Volume 3, Issue 1・2014年) – Aspetar Sports Medicine Journal

Q. ジョコビッチの体幹トレーニングは何をしていますか?

体幹専用の種目や回数を本人が語った発言は確認できていません。確認できるのは、毎日体の違う部分に焦点を当て、ストレッチに多くの時間を使っているという内容です。体幹だけを切り離さず、全身の流れで考えると参考にしやすくなります。

ジョコビッチのメンタルは体の訓練と切り離さない

ジョコビッチは、心の強さを体の訓練と同じ流れで語っています。SPREADの記事では「氷水に浸かる練習はクレイジーに見えるが、心と身体の訓練に役立つんだ」という発言を紹介しています。

2014年のインタビューでも、「大切なのは適切なバランスを見つけ、自分の体の本当の限界を理解することです」と話しました(本記事で訳出)。限界を試すことと、限界を知ることをセットで考えているのが特徴です。

試合前の心の整え方に関心があるときは、カリーのメンタルルーティンも参考になります。全体の考え方は一流アスリートのコンディショニング完全ガイドにまとめています。

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(参考)ジョコビッチの氷水チャレンジに関する記事(2020年2月21日) – SPREAD

(参考)Interview with Novak Djokovic(Volume 3, Issue 1・2014年) – Aspetar Sports Medicine Journal

ジョコビッチのトレーニングから現場で試したい3つのこと

取り入れやすいのは、種目ではなく次の3つの習慣です。どれも短い時間から試せて、年齢を問わず始められます。

週に1回は別の運動を入れる

同じ動きの繰り返しは、同じ部位に負担を集めます。週に1回、自転車や水泳など普段と違う運動を入れるだけでも、ジョコビッチの「ジムの外」に近い形になります。

ストレッチを予定に書く

ストレッチは時間が余ったらやるもの、と考えると後回しになります。運動の前後や就業後に5分でも枠を取り、予定として先に確保するのがコツです。

体のサインを記録する

本人は、体が出すサインを理解して応じるようにしていると語っています。眠気、張り、集中の続き方を短くメモするだけでも、休むべきタイミングを判断しやすくなります。氷水や冷水の訓練は、持病の有無にかかわらず自己流で行わないでください。

Q. ジョコビッチのように氷水に入るトレーニングをまねしてもいいですか?

自己流でまねするのは避けてください。SPREADの記事も、ガイドラインに従わなければかなり危険だと注意しています。取り入れるなら、ストレッチや別の運動を増やすなど、危険の少ない習慣から始めるのがおすすめです。

ジョコビッチのトレーニングのまとめ

ジョコビッチのトレーニングで押さえたい点は次の5つです。

  • 本人は、できるだけジムの外で運動し、自転車や水泳、球技も取り入れると語った
  • 自分の強みは柔軟性で、ストレッチに多くの時間を使っている
  • 毎日体の違う部分に焦点を当てており、体幹だけを切り離した発言は確認できない
  • 氷水の訓練は心身の訓練と位置づけるが、自己流でまねするのは危険
  • 38歳になっても、体と心を全体で整える考え方を続けている

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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