月経周期を測るアプリ3選|女性アスリートの健康管理

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「今日はなんだか体が重いのに、理由が分からない」——女性アスリートやチームのコンディション担当者から、よくそんな声を聞きます。実は月経周期を記録するだけで、不調の原因とタイミングが事前に見えてきます。この記事ではルナルナ・Flo・Clueという3つのアプリを比較し、目的別の選び方とチームのコンディション管理への活かし方を解説します。

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月経周期を測るとは|アプリでわかることと注目される理由

月経周期を測るとは、生理開始日や基礎体温、体調の変化をアプリに記録し、次の生理日や体調の波を予測できるようにすることです。単なるカレンダー管理ではなく、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンの増減にともなうコンディションの変化を、可視化して先読みする行為だといえます。

スマートフォンで手軽に記録できるようになったことで、月経管理アプリは生理日の予測だけでなく、PMS(月経前症候群)の予兆や、トレーニングボリュームを上げやすいタイミングの把握にも使われるようになっています。特にスポーツの現場では、選手本人だけでなく指導者やチームスタッフが体調変化の背景を理解する手がかりとしても注目されています。

Q. 月経管理アプリを使うと何がわかりますか?

次の生理日やPMSの兆候、コンディションが良くなりやすい時期を予測できます。基礎体温や症状を記録するほど予測精度が上がり、トレーニング計画の調整に活用しやすくなります。

女性アスリートのコンディションは月経周期に左右される

月経周期がコンディションに影響することは、複数の調査データが示しています。体調の変化を自覚する女性アスリートは決して少数派ではありません。この事実を数字で把握しておくことが、アプリ活用の前提になります。

早稲田大学の女性アスリート研究プロジェクトが紹介している調査によれば、主観的なコンディションの良し悪しを問うと85%のアスリートが月経周期に伴うコンディションの変化を自覚しており、コンディションの良い時期は「月経終了直後から月経後数日」とする回答が大部分を占めます。一方で、コンディション調整を目的とした月経移動について「考えたこともなかった」と回答した日本のトップアスリートは66%にのぼり、月経とコンディションの関係を知る機会自体がまだ少ないことがうかがえます。

また、国立スポーツ科学センター(JISS)がオリンピアンを含む女性アスリート630人に行った調査でも、月経周期によってコンディションの変化を「感じる」と答えた人は全体の91%にのぼると報告されています。これらの数字は、月経周期の記録がコンディション管理の基礎データになり得ることを裏付けています。

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Q. 月経周期はどのくらいの割合の女性アスリートに影響しますか?

国立スポーツ科学センター(JISS)の調査では、オリンピアンを含む女性アスリート630人のうち91%が月経周期によるコンディションの変化を感じると回答しています。早稲田大学の資料でも85%が同様の自覚を報告しています。

(参考)月経状況の調節(女性アスリートの諸問題) – 早稲田大学 女性アスリート研究プロジェクト

月経周期を測るアプリ3選|機能を比較する

月経周期を測るアプリは数多くありますが、この記事では公式サイトで事業内容・利用実績を確認できた3製品「ルナルナ」「Flo」「Clue」を取り上げます。まず全体像を表で比較し、それぞれの特徴をH3で個別に解説します。

アプリ名 提供元 利用実績 特徴
ルナルナ 株式会社エムティーアイ 累計2,200万ダウンロード(2025年6月時点) 国内最大級。自治体・産婦人科向けサービスとも連携
Flo Flo Health, Inc. 累計4億2,000万ダウンロード、月間アクティブ利用者7,700万人 100名超の医師・専門家が監修。22言語に対応
Clue Biowink GmbH(ドイツ・ベルリン) 累計1億ダウンロード超、190カ国以上で利用 オックスフォード大学等と研究連携。EUの厳格なデータ規制に準拠

各社公式サイトの公表情報(2026年8月確認)をもとにHuman Soarが作成

ルナルナ|国内2,200万DLの実績と自治体連携

ルナルナは株式会社エムティーアイが提供する国内最大級のウィメンズヘルスケアサービスで、サービス開始から25年以上の歴史があります。生理日・体調管理から妊活、妊娠・出産、更年期まで、女性のライフステージ全体をカバーするアプリ群を展開している点が特徴です。

自治体との連携協定を各地で締結しており、2026年に入ってからも岐阜県・山口県・石川県などと女性の健康管理支援に関する協定を結んでいます。日本語でのサポートが手厚く、国内利用を前提とするなら選びやすい選択肢です。

(参考)ルナルナ|ウィメンズヘルスケアサービス 公式サイト – 株式会社エムティーアイ

Flo|世界4億2,000万DLの医師監修アプリ

Floは「世界で最も普及している女性向け健康アプリ」を掲げ、公式サイトによれば累計4億2,000万ダウンロード、月間アクティブ利用者は7,700万人にのぼります。100名を超える医師・科学者・医療専門家のチームが、アプリ内で共有される医療情報をすべて確認している点が強みです。

マヨクリニックと提携し80万人分の周期データを分析するなど、研究機関との連携にも積極的です。多言語対応でグローバルに使われているため、海外拠点を持つ組織での導入検討にも向いています。

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(参考)About Us(Flo公式サイト) – Flo Health, Inc.

Clue|研究機関連携とデータ保護を重視する設計

Clueはドイツ・ベルリンのBiowink GmbHが開発する、女性が創業した周期記録アプリです。公式サイトによれば累計1億ダウンロード超、190カ国以上で利用されており、オックスフォード大学・カリフォルニア大学バークレー校・MITなど複数の研究機関と協力して女性の健康研究を進めている点が特徴です。

データはドイツおよびEUの厳格なプライバシー基準のもとで保護され、健康データを第三者や広告主に販売しないことを明言しています。医学的な裏付けを重視したい人や、記録データを産婦人科への相談材料として使いたい人に向いています。

(参考)Period & Cycle Tracker for iOS and Android(Clue公式サイト) – Biowink GmbH

Q. ルナルナ・Flo・Clueは無料で使えますか?

3製品とも基本的な周期記録・予測機能は無料で利用できます。詳細な分析やパートナー共有などの拡張機能は有料プランで提供されており、料金は変更される可能性があるため利用前に各公式サイトで確認するのが確実です。

目的で選ぶ月経管理アプリの分類軸

3製品はいずれも周期記録という基本機能は共通していますが、「どこまでシンプルに使いたいか」と「誰と情報を共有したいか」という2つの軸で見ると、向いている使い方の違いが見えてきます。Human Soarではこの2軸で製品の使い分けを整理しました。

月経管理アプリを記録のしやすさと共有範囲で分類したマトリクス図

横軸は「シンプルに記録したいか、医学的根拠を重視したいか」、縦軸は「個人の体調管理が中心か、パートナーや医療者と共有したいか」を表しています。日本語での手軽さを求めるならルナルナ、研究データの裏付けを重視するならClue、家族やパートナーとの共有機能を重視するならFloの共有機能、というように目的に応じて選択肢を絞り込めます。

Q. チームで選手の月経状況を共有する場合、どのアプリが向いていますか?

パートナー・第三者との共有機能があるFloや、記録データを外部に出力しやすいClueが候補になります。ただし共有は必ず選手本人の同意のもとで行い、共有範囲を選手自身が管理できる設定になっているか事前に確認することが重要です。

月経管理アプリ導入前に確認したいポイント

アプリを選ぶ際は、機能の豊富さだけでなくデータの扱い方も含めて確認しておくと、後からのトラブルを避けられます。特にチームや組織単位で導入を検討する場合は、個人のプライバシーに関わる情報を扱うことを踏まえた確認が欠かせません。

月経管理アプリ導入前に確認したいポイントのチェックリスト図

特に見落とされがちなのが、共有範囲の管理主体です。チームで導入する場合であっても、体調データの共有可否を最終的に決めるのは選手本人であるべきで、指導者やスタッフが一方的に閲覧できる設計は避けるべきです。この点は各アプリの設定画面や公式サイトのプライバシーポリシーで事前に確認しておくことをおすすめします。

女性アスリートの健康管理を組織のコンディション管理に活かす

月経周期のデータは、個人の体調管理にとどまらず、チームや組織全体のコンディション管理にも活かせます。重要なのは選手個人にデータ入力を任せきりにせず、組織としてどう向き合うかを設計することです。

すでに従業員の睡眠改善を企業が支援する取り組み睡眠計測アプリ・デバイスの活用に取り組む組織は増えていますが、月経周期データはそれらと組み合わせることで、コンディション不良の原因をより立体的に把握できます。例えば活動量計で運動負荷を記録しながら周期データを重ねれば、「なぜこの時期だけパフォーマンスが落ちるのか」という問いに、データに基づいて答えられるようになります。

一方で、月経周期は極めてセンシティブな個人情報です。健康経営やウェルビーイング施策として導入する場合も、データの取得・共有は必ず本人の同意を前提とし、人事評価や起用判断に直接結びつけない運用ルールをあらかじめ定めておくことが欠かせません。

Q. 組織で月経管理アプリを導入する際、最も注意すべきことは何ですか?

最も注意すべきは、データの取得・共有を必ず本人の同意のもとで行うことです。月経周期はセンシティブな個人情報であるため、人事評価や起用判断に直接結びつけない運用ルールを事前に定めておく必要があります。

まとめ

月経周期を測るアプリは、ルナルナ・Flo・Clueのいずれも周期記録という基本機能は共通していますが、重視するポイントによって向き不向きがあります。最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 月経周期の記録は、次の生理日やPMSの予兆、コンディションが上がりやすい時期の予測に役立つ
  • JISSの調査では女性アスリートの91%が月経周期によるコンディション変化を自覚している
  • ルナルナは国内実績と日本語サポート、Floは医師監修と共有機能、Clueは研究連携とデータ保護がそれぞれの強み
  • アプリ選定では機能だけでなく、データの保存先やプライバシーポリシーも必ず確認する
  • 組織で活用する場合は本人同意を前提とし、人事評価に直結させない運用ルールが不可欠

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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