「予約の電話対応に追われて、レッスンの準備が後回しになる」——多くのフィットネス施設・スポーツクラブの現場で聞かれる悩みです。結論から言うと、予約受付と会員請求を1つのシステムに集約するほど、値上げに頼らずに収益を守りやすくなります。人手を増やさずに営業時間を延ばせるうえ、会費の未払いフォローまで自動化できるためです。
- 予約・会員管理システムがいま施設経営者に選ばれる理由
- 予約・会員管理システムの3タイプ|自社に合う仕組みの見極め方
- 主要12社比較|料金・強み・向いている施設タイプ
- hacomono|業種別ソリューションで店舗DXを一括支援
- RESERVA予約|35万社が導入する汎用予約システムの最大手
- Airリザーブ|Airレジ・Airペイと連携するコスパ重視の予約システム
- STORES予約|グループ予約や振替対応に強い店舗運営プラットフォーム
- SelectType|月額1,500円から使える予約フォーム特化型
- Smart Hello|1,750施設超が導入する会員制施設向けクラウド
- PeGasus|業界40年の実績を持つ総合スポーツクラブシステム
- トレスル|ジムの完全無人化に特化した顧客管理システム
- SLIM|カスタマイズ開発に対応する総合会員管理システム
- CLUB NET|20年の実績を持つフィットネスクラブ向けシステム
- Physics Cloud|体組成計・血圧計と連携するメディカル対応
- スポカンプラス|初期費用0円で始めるクラウド型会員管理
- 12社の料金相場を独自集計|月額1,500円〜40,000円の内訳
- 無人ジムと会員自己完結化がもたらす経営効果
- 導入を成功させる4つのステップ
- まとめ|自社に合う予約・会員管理システムを選ぶために
予約・会員管理システムがいま施設経営者に選ばれる理由
フィットネス市場は右肩上がりですが、その裏側で運営コストの高騰と価格競争が同時に進んでいます。株式会社帝国データバンクが2025年5月に公表した業界動向調査によると、2024年度のフィットネス市場は7,100億円前後に達して過去最高を更新し、店舗数も10年前の2.3倍にあたる6,500店舗前後まで拡大する見通しです。
その一方で、業績が判明した約80社のうち48.8%が黒字を確保したものの、減益15.9%・赤字31.7%を合わせた47.6%が業績悪化となり、二極化が鮮明になっています。建設費や人件費の高騰に加え、低価格帯の「コンビニジム」台頭で顧客獲得競争が激しくなり、有人・無人を問わず売上とコスト管理のバランスが課題になっているのです。
会費の値上げが難しい状況で収益を確保するには、フロント業務を自動化し、少ない人員で施設を回す仕組みが欠かせません。その中核を担うのが、本記事で紹介する予約・会員管理システムです。全体像はスポーツDXとは|3階層構造・事例・課題を解説でも整理していますので、あわせて押さえておくと選定の軸がぶれません。
(参考)「フィットネスクラブ・スポーツジム」業界動向調査(2024年度) – 株式会社帝国データバンク
予約・会員管理システムの3タイプ|自社に合う仕組みの見極め方
ひとくちに予約・会員管理システムといっても、カバーする業務範囲は製品によって大きく異なります。まずは機能の重心で3つのタイプに分けて整理すると、自社にとって過不足のない製品を選びやすくなります。

①予約受付特化型|低コストでスモールスタートできる
カレンダー形式の予約受付とオンライン決済に機能を絞ったタイプです。月額数千円台から利用でき、無料プランを用意している製品も多いため、開業初期や店舗数が少ないうちに導入しやすいのが特徴です。会員数が増えて業務が複雑になった段階で、上位プランや総合型への乗り換えを検討する流れが一般的です。
②総合会員管理型|入会から会費請求まで一括対応
Web入会、会費の自動引き落とし、スクール管理、顧客カルテまでを1つのシステムでカバーするタイプです。複数店舗を展開する施設や、月謝制のスクール・レッスンを運営する施設に向いています。会員の継続率を高めたい場合は、システム導入と合わせて会員定着率を高める行動科学×フィットネスクラブ運営プランのような行動科学の知見を組み合わせると効果が出やすくなります。
③無人化特化型|スマートロック連携で24時間営業に対応
入会手続きから解錠、トレーニング指導までをアプリ内で完結させ、トレーナーの常駐を前提としない運営を実現するタイプです。24時間ジムのように省人化を突き詰めたい施設に向いており、スマートロックや顔認証との連携機能が標準で用意されています。
Q. 予約システムと会員管理システムの違いは何ですか?
予約システムは空き状況の確認とオンライン予約受付に特化した仕組みで、会員管理システムは会費請求や入退館管理まで含む総合的な仕組みです。多くのサービスは予約機能を土台に会員管理機能を追加できる設計になっており、施設の規模や運営形態に応じて必要な範囲を選べます。
Q. 小規模なパーソナルジムでも導入できますか?
導入できます。SelectTypeやAirリザーブのように月額1,500円〜5,000円程度で始められる予約特化型のサービスがあり、店舗数が少ないうちはこうした低コストのシステムからスモールスタートするのが一般的です。
主要12社比較|料金・強み・向いている施設タイプ
ここでは、予約受付から会員管理までをカバーする主要12社を独自に一覧化しました。各社の公式サイトで確認できる料金・機能をもとに、向いている施設タイプ別に整理しています。国内で確認できた主要な予約・会員管理システムのうち、公式サイトで料金・機能を確認できた12社を掲載条件としています。
| 会社名 | タイプ | 月額目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| hacomono | 総合会員管理型 | 40,000円〜/店舗 | 業種別ソリューションで店舗DXを一括支援 |
| RESERVA予約 | 予約受付特化型 | 12,000円 | 累計35万社導入の最大手・無人運営にも対応 |
| Airリザーブ | 予約受付特化型 | 5,000円 | Airレジ・Airペイと連携するコスパ重視型 |
| STORES予約 | 総合会員管理型 | 17,900円 | グループ予約・振替対応に強い店舗運営基盤 |
| SelectType | 予約受付特化型 | 1,500円 | 170以上のテンプレートを持つ予約フォーム特化型 |
| Smart Hello | 総合会員管理型 | 25,000円 | 1,750施設超が導入する会員制施設向けクラウド |
| PeGasus | 総合会員管理型 | 30,000円〜 | 業界40年の実績を持つ総合スポーツクラブシステム |
| トレスル | 無人化特化型 | 20,000円〜/店舗 | ジムの完全無人化に特化した顧客管理システム |
| SLIM | 総合会員管理型 | 30,000円〜 | 要望に応じたカスタマイズ開発に対応 |
| CLUB NET | 総合会員管理型 | 要問い合わせ | 20年の実績を持つフィットネスクラブ向けシステム |
| Physics Cloud | 総合会員管理型 | 要問い合わせ | 体組成計・血圧計と連携するメディカル対応 |
| スポカンプラス | 総合会員管理型 | 13,200円 | 初期費用0円で始めるクラウド型・多店舗連携 |
各社公式サイトの公開情報をもとにHuman Soarが独自に集計・作成(2026年9月時点)
hacomono|業種別ソリューションで店舗DXを一括支援
株式会社hacomonoが提供する統合型の会員管理・予約・決済システムです。会員管理からスクール管理・在庫管理、予約・決済までを1つのシステムでカバーし、体験申し込みから入会手続きまでスマホで完結できます。「パーソナルジム向け」「運動スクール向け」など業種別にソリューションを細分化しているのが特徴で、月謝制スクール向けの専用パッケージも用意されています。料金は月額40,000円/店舗〜(クレジットカード決済オプション利用時)、初期費用15万円です。
クラブ・チームの運営管理まで含めてDXを進めたい場合は、あわせて読みたいスポーツチーム管理SaaS11選|経営者が選ぶ運営DX›のようなチーム運営SaaSと役割分担を整理しておくと、二重投資を避けられます。
(参考)会員管理・予約・決済システム「hacomono」 – 株式会社hacomono
RESERVA予約|35万社が導入する汎用予約システムの最大手
株式会社コントロールテクノロジーが運営する予約システムで、累計導入社数は35万社以上にのぼります。予約受付から決済、顧客管理、集客までを自動化でき、「通い放題」「月4回」など柔軟な条件を設定できるサブスク機能を備えています。Zoomを使ったオンラインレッスンや、スマートロックを使った無人運営にも対応しており、フリープランから始められる点も導入しやすさにつながっています。料金は月額12,000円(ゴールドプラン・年払い)です。
(参考)予約システム「RESERVA」 – 株式会社コントロールテクノロジー
Airリザーブ|Airレジ・Airペイと連携するコスパ重視の予約システム
株式会社リクルートが提供する予約管理システムです。電話予約とネット予約を一元管理でき、Googleカレンダーとの連携でスマホからスケジュールを確認できます。Airレジ・Airペイなど周辺サービスとのシームレスな連携が強みで、フリープランでも簡易な予約・顧客管理とオンライン決済が可能です。料金は月額5,000円(ベーシックプラン)です。
STORES予約|グループ予約や振替対応に強い店舗運営プラットフォーム
STORES株式会社が提供する予約システムで、決済・レジからEC・予約・会員管理までを幅広くカバーします。トレーナー指名や2〜100人までのグループ予約、定期レッスン向けの振替予約に対応しており、予約受付と同時に顧客カルテが自動作成される点が特徴です。未払い会員への自動フォロー機能を備えた月額課金にも対応しています。料金は月額17,900円(チームプラン・年払い)です。
SelectType|月額1,500円から使える予約フォーム特化型
株式会社セレクトタイプが運営する予約フォーム作成サービスです。170以上のテンプレートから選ぶだけで予約システムを構築でき、体験レッスンなど誰でも予約できる「オープン予約」と、会員限定の「クローズド予約」を使い分けられます。受け付けた顧客情報は自動でデータベース化され、メルマガ配信にも活用できます。料金は月額1,500円(ベーシックプラン)からです。
(参考)SelectType フィットネス向け予約システム – 株式会社セレクトタイプ
Smart Hello|1,750施設超が導入する会員制施設向けクラウド
株式会社システムディが提供する会員管理システムで、1,750以上のフィットネス施設に導入されています。顔認証やQRコードなど多様なチェックイン方式、混雑状況の表示、日割り計算を含む複雑な会費管理の自動化まで幅広くカバーします。料金は月額25,000円(ライトフィットネスプラン)〜、初期費用15万円です。
(参考)クラウド型会員管理システム「Smart Hello」 – 株式会社システムディ
PeGasus|業界40年の実績を持つ総合スポーツクラブシステム
株式会社ネスティが提供する、スポーツクラブ・スクール運営に特化したオールインワンシステムです。スタジオ予約に加え、振替が発生するスクール管理やバス運行管理、進級テスト、在庫管理まで施設運営に必要な機能を網羅しています。料金は会員数に左右されない店舗単位のサブスクリプション制で、月額30,000円〜です。
(参考)総合スポーツクラブシステム「PeGasus」 – 株式会社ネスティ
トレスル|ジムの完全無人化に特化した顧客管理システム
エーイーシー株式会社が提供する、ジム業界に特化した顧客管理システムです。トレーニング管理や食事管理、体成分分析装置と連携した健康管理など専門性の高い機能に加え、解錠キーの発行やセルフチェックイン、トレーニングメニューの自動生成まで、ジムの完全無人化を実現する機能が充実しています。料金は月額20,000円〜/店舗、初期費用12万円です。
SLIM|カスタマイズ開発に対応する総合会員管理システム
株式会社アイ・エス・アイソフトウェアーが提供する総合会員管理システムです。Web入会から会員・会費・スクール管理までをワンストップでサポートし、入退館管理やLINE連携などのオプションに加えて、希望に応じたカスタマイズ開発も請け負っています。料金は月額30,000円〜、初期費用15万円〜です。
(参考)会員管理システム「SLIM」 – 株式会社アイ・エス・アイソフトウェアー
CLUB NET|20年の実績を持つフィットネスクラブ向けシステム
株式会社フィットコムが提供する会員管理システムで、20年以上のノウハウを反映し全国で多数の導入実績があります。入会手続きやレッスン予約、チェックイン・アウト管理、運動処方・測定管理まで機能をワンストップで提供しています。料金は要問い合わせです。
(参考)会員管理システム「CLUB NET」 – 株式会社フィットコム
Physics Cloud|体組成計・血圧計と連携するメディカル対応
株式会社ニューロテクノロジーが提供するクラウド型会員管理システムです。会員管理・予約管理・体力測定・マイページなどの基本パッケージに加え、TANITAやInbodyの体組成計と連携するオプションを備え、フィットネスクラブからメディカルフィットネスまで幅広い施設に対応します。タブレット1台から運用でき、初期経費を抑えられる点も特徴です。料金は要問い合わせです。
(参考)フィットネスジム会員管理システム「フィジックス」 – 株式会社ニューロテクノロジー
スポカンプラス|初期費用0円で始めるクラウド型会員管理
株式会社リブライズが運営するクラウド型の会員管理システムです。個人情報管理や在館者表示、入退館履歴、請求売上の管理に加え、動向分析や経営情報の閲覧機能を備えています。スマホでの入館やWeb入会・決済にも対応し、初期導入費0円で利用を開始できます。料金は月額13,200円からで、オプションでスマートロックや多店舗連携も選べます。
(参考)会員管理システム・クラウド型ツール「スポカンプラス」 – 株式会社リブライズ
12社の料金相場を独自集計|月額1,500円〜40,000円の内訳
公式サイトで月額基本料金を確認できた10社のデータをHuman Soarで独自に集計したところ、最も安い帯はSelectTypeの月額1,500円、最も高い帯はhacomonoの月額40,000円で、その差は約27倍にのぼりました。10社を安い順に並べた際の中央値は18,950円で、月額2万円前後を境に「予約受付特化型」と「総合会員管理型」の価格帯が分かれる傾向が見えます。
| 価格帯 | 月額の目安 | 該当する製品 |
|---|---|---|
| エントリー帯 | 1,500円〜5,000円 | SelectType、Airリザーブ |
| スタンダード帯 | 12,000円〜17,900円 | RESERVA予約、スポカンプラス、STORES予約 |
| 総合型帯 | 20,000円〜30,000円 | トレスル、Smart Hello、PeGasus、SLIM |
| ハイエンド帯 | 40,000円〜 | hacomono |
公式サイトで月額基本料金を公開している10社をHuman Soarが集計(2026年9月時点・初期費用は別途)
ただし、この月額料金には初期費用や決済手数料が含まれていない点に注意が必要です。総合会員管理型の多くは初期費用12万〜15万円前後が別途かかるため、比較検討では月額だけでなく初年度の総コストで見積もることをおすすめします。
Q. 会員管理システムの料金は何で決まりますか?
主に「機能の範囲」と「店舗数」で決まります。予約受付だけの機能なら月額数千円ですが、会費の自動請求・入退館管理・スクール管理まで含む総合型は月額20,000円〜40,000円台になり、初期費用も12万〜15万円前後かかることが多いです。
無人ジムと会員自己完結化がもたらす経営効果
無人化・自己完結化がもたらす最大の効果は、トレーナーやフロントスタッフの人件費を増やさずに営業時間を延ばせることです。前述のとおりフィットネス業界は建設費・人件費の高騰と価格競争が同時に進んでおり、業務の自動化は数少ない打ち手のひとつになっています。

無人ジムの運営では、入退館時の本人確認や不正利用の防止も課題になります。映像解析・トラッキングとは|主要10社の技術で紹介しているような映像解析技術と組み合わせることで、スタッフが不在の時間帯でも施設内の状況を把握しやすくなり、安全性とコスト削減を両立できます。
Q. 無人ジムの会員管理システムに必要な機能は何ですか?
スマートロック連携によるセルフチェックイン、オンラインでの入会・退会手続き、会費の自動引き落としの3つが基本です。トレスルやSmart Helloのようにこれらを標準機能として備えたサービスを選ぶことで、トレーナーが常駐しない時間帯でも安全に運営できます。
導入を成功させる4つのステップ
予約・会員管理システムは一度導入すると乗り換えのコストが大きいため、比較検討の段階で手順を踏むことが重要です。ここでは、選定から定着までの流れを4つのステップに整理します。
①課題の言語化|フロント業務のどこにコストがかかっているか
電話予約の応対時間、会費未納の督促、キャンセル対応など、現状のフロント業務でどこに人手がかかっているかを棚卸しします。課題が明確でないまま高機能な製品を選ぶと、使わない機能に料金を払い続けることになりがちです。
②要件定義|必須機能とオプション機能を切り分ける
「オンライン予約」「会費の自動引き落とし」など必須の機能と、「顔認証」「体組成計連携」のようにあれば望ましいオプション機能を分けて整理します。必須機能だけで要件を満たせるなら、無理に総合型を選ばずコストを抑えられます。
③比較検討・トライアル|複数社の無料プランで操作性を確認
RESERVA予約やAirリザーブのように無料プランを用意している製品であれば、実際に予約フォームを作成して操作性を確認できます。中小企業がDXツールを導入する際の進め方はあわせて読みたい中小企業のスポーツDX導入事例に学ぶ実践ポイント›でも紹介しているとおり、小さく試してから広げるアプローチが失敗を防ぎます。
④運用定着|会員への告知とスタッフ研修
システムを切り替える際は、会員への告知期間を十分に確保し、特に会費の引き落とし方式が変わる場合は個別の説明を用意します。フロントスタッフには操作研修を行い、問い合わせが増える導入直後の1〜2か月は、旧システムと並行して稼働できる体制を整えておくと安心です。
Q. システムを乗り換える際に注意すべき点は何ですか?
既存の会員データと決済履歴の移行方法を事前に確認することが最も重要です。乗り換え時に会費の引き落とし方式が変わると会員への周知が必要になるため、移行スケジュールに余裕を持たせ、比較検討の段階でデータ移行サポートの有無を確認しておくと安心です。
まとめ|自社に合う予約・会員管理システムを選ぶために
- フィットネス市場は7,100億円規模まで拡大する一方、47.6%の企業が減益・赤字となる二極化が進んでいる
- 予約・会員管理システムは「予約受付特化型」「総合会員管理型」「無人化特化型」の3タイプに分けて選ぶと過不足がない
- 月額料金は1,500円〜40,000円と幅が広く、機能の範囲と店舗数によって適正価格が大きく変わる
- 無人化・自己完結化は人件費を増やさずに営業時間を延ばせる有力な打ち手になる
- 導入は「課題の言語化→要件定義→比較検討・トライアル→運用定着」の順で進めると失敗を防げる
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