転倒予防・バランス測定アプリ11選|介護施設の選び方

転倒予防・バランス測定サービス11選の比較記事アイキャッチ スポーツDX

転倒予防・バランス測定サービスは、月額440円のセンサーから月額2,500円のAIカメラまで価格帯が幅広く、選ぶ基準は価格そのものではありません。「転倒を未然に防ぐ予防型」か「転倒発生後にすぐ気づく検知型」か、目的の違いで選ぶのが実務上のポイントです。本記事では実際に確認できた11製品を比較し、介護施設や健康経営の担当者が導入前に押さえておきたい視点を整理します。

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  1. 転倒予防・バランス測定サービスとは|施設が向き合う数字
  2. 転倒予防・バランス測定サービス11選|検知型から予防型まで比較
    1. mirAI-EYE(グローリー)|赤外線3Dセンサーと骨格認識でプライバシーに配慮
    2. ヤモリン転倒検知システム(mtes Neural Networks)|月額2,500円から導入できるAIカメラ
    3. まもあい(mamoAI)|転倒前の兆候動作を検知する
    4. Wearable Connect(NTT東日本)|スマートウォッチで転倒と熱中症を同時管理
    5. バルテック AI転倒検知・徘徊検知(VALTEC)|顔認証で徘徊も同時に防ぐ
    6. センティネア2(ミオ・コーポレーション/AltumView)|棒人間変換でプライバシーを守る
    7. e-遠隔見守り 転倒検知Ver3.0(e-セレス)|専用機器不要でスマホだけで始められる
    8. BTTK2 転倒センサー(エクサイト)|個人でも導入しやすい腰装着型センサー
    9. 重心動揺計 グラビコーダシリーズ(アニマ株式会社)|バランス機能を数値で評価する
    10. みんチャレ フレイル予防(A10 Lab)|仲間との習慣化で転倒しにくい体をつくる
    11. ONE TAP SPORTS高齢者版(ユーフォリア)|アスリート向けツールを高齢者の体調管理に応用
  3. 検知型か予防型か|Human Soarが整理した4象限の見分け方
  4. 導入前に比較すべき3つの視点|価格・設置環境・法人契約
    1. 視点①|価格帯で選ぶ
    2. 視点②|設置環境で選ぶ
    3. 視点③|法人契約・保守体制で選ぶ
  5. 導入までの実務フロー|相談から本稼働までの4ステップ
    1. ①現状の転倒リスクを洗い出す
    2. ②検知型か予防型かを選ぶ
    3. ③無料トライアルで現場検証
    4. ④本導入・運用ルールを整備
  6. 今日から始められること|自社に合うサービスの選び方
  7. まとめ|転倒予防・バランス測定サービス選びの要点

転倒予防・バランス測定サービスとは|施設が向き合う数字

転倒予防・バランス測定サービスとは、AIカメラやウェアラブル端末で転倒の発生を検知する「検知型」と、バランス機能を測定・訓練して転倒そのものを起きにくくする「予防型」の総称です。介護施設や健康経営の担当者がこの領域に投資する背景には、看過できない事故データがあります。

消費者庁によると、65歳以上の高齢者が自宅で転倒したという事故情報は5年間で275件寄せられており、後期高齢者は前期高齢者の2.2倍にのぼります。また8割以上が通院や入院が必要なけがを負っており、骨折をした場合は入院となる高齢者が76%に達するなど、転倒事故は軽視できない深刻さを伴います。

一方でスポーツ庁の体力・運動能力調査では、高齢者への運動・スポーツの効果として「筋量・筋力の維持、転倒防止」が挙げられており、運動習慣がある人とない人の二極化が課題として指摘されています。つまり転倒対策は、事故が起きてから気づく仕組みだけでなく、日常的な運動によって未然に防ぐ仕組みとセットで考える必要があるということです。

(参考)10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう! – 消費者庁

(参考)体力・運動能力調査-結果の概要 – スポーツ庁

Q. 転倒はなぜ企業や施設が対策すべき経営課題なのですか?

転倒事故は入院を伴う重症化リスクが高く、施設の人員体制やご家族への説明責任に直結するためです。消費者庁の調査では、高齢者の自宅内転倒のうち骨折を伴うケースの76%が入院となっており、発見の遅れが重症化につながることが分かっています。企業や施設にとっては、事故対応コストと安全管理体制の両面から向き合うべき課題です。

転倒予防・バランス測定サービス11選|検知型から予防型まで比較

ここでは、施設向けのAI見守りセンサーから個人向けの転倒検知端末、バランス測定機器、運動継続アプリまで、製品公式サイトで機能・提供元を確認できた11製品を紹介します。選定条件は「製品自体の公式サイト・公式ページで機能と提供元を確認できたもの」です。上位4製品は事業モデル・強みまで踏み込み、残りは要点を絞って紹介します。

製品名 提供元 主な機能 対象
mirAI-EYE グローリー 赤外線3Dセンサー+骨格認識で転倒動作を検知 施設向け
ヤモリン転倒検知システム mtes Neural Networks AIカメラがLINE/Slackへ転倒通知 施設向け
まもあい(mamoAI) CACコーポレーション 転倒前の姿勢(起き上がり等)を事前検知 施設向け
Wearable Connect NTT東日本 スマートウォッチで転倒・熱中症・位置情報を管理 法人向け
バルテック AI転倒検知・徘徊検知 バルテック(VALTEC) AIカメラ+顔認証で転倒と徘徊を同時監視 施設向け
センティネア2 ミオ・コーポレーション(AltumView) 棒人間変換によるプライバシー配慮型の転倒検知 施設・個人向け
e-遠隔見守り 転倒検知Ver3.0 e-セレス スマホの加速度センサーで転倒を検知・通知 個人・施設向け
BTTK2 転倒センサー エクサイト(mamore) 腰装着型センサーが電話・メール・SMSで自動通報 個人向け
重心動揺計 グラビコーダシリーズ アニマ株式会社 直立姿勢の重心の揺れを測定しバランス機能を評価 施設向け(医療・リハビリ)
みんチャレ フレイル予防 A10 Lab 5人1組のグループで運動習慣を継続 自治体・個人向け
ONE TAP SPORTS高齢者版 ユーフォリア アスリート向け体調管理ツールを高齢者の健康モニタリングに応用 自治体・個人向け

各社公式サイト・プレスリリースをもとにHuman Soarが作成(2026年9月確認)

mirAI-EYE(グローリー)|赤外線3Dセンサーと骨格認識でプライバシーに配慮

mirAI-EYEは、赤外線3次元センサーと骨格認識技術によって、入居者の転倒だけでなく転倒につながる可能性のある動作まで検知するシステムです。人物を立体・骨格の両方で捉えることで、お辞儀や物を拾う動作など紛らわしい動きでの誤検知を減らしている点が特徴です。

撮影データはモザイク表示に切り替えられるためプライバシーへの配慮があり、見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」と連携すればスタッフのモバイル端末でリアルタイムに検知状況を把握できます。パーキンソン病専門施設の全60室への導入事例も公表されています。

あわせて読みたい姿勢・動作分析アプリの比較記事

(参考)mirAI-EYE(ミライアイ) – 株式会社グローリー

ヤモリン転倒検知システム(mtes Neural Networks)|月額2,500円から導入できるAIカメラ

ヤモリン転倒検知システムは、AIカメラ1台あたり月額2,500円というサブスクリプション型の価格設定が特徴です。半径10メートル・約120度の範囲を画像分析し、転倒を検知するとLINEやSlackへプッシュ通知します。

エッジAIが画像処理を行うためクラウドサーバーへの常時接続が不要で、運用コストを抑えられる設計です。有料老人ホームでの実証試験を経て2020年6月に販売を開始しています。

(参考)AIの目が高齢者を見守る「ヤモリン転倒検知システム」の販売開始 – mtes Neural Networks株式会社

まもあい(mamoAI)|転倒前の兆候動作を検知する

まもあいは、転倒が起きた後ではなく「転倒につながりやすい姿勢」を事前に検知する点に特徴があるAI活用の見守りシステムです。現時点で「起き上がり」「ベッド端に座る」「転倒」「離床」の4種類の姿勢を検知でき、入居者ごとのリスクレベルに応じてアラートの出し方を調整できます。

検知時には画像つきでスタッフのモバイル端末に通知され、転倒に関する行動を自動的に記録することで、事故報告書のエビデンスとしても活用できます。

(参考)AIを活用した転倒検知システム『まもあい(mamoAI)』 – 株式会社CACコーポレーション

Wearable Connect(NTT東日本)|スマートウォッチで転倒と熱中症を同時管理

Wearable Connectは、従業員や利用者が装着するスマートウォッチ型のウェアラブルデバイスとクラウドを組み合わせ、転倒・転落の検知に加えて熱中症の予兆検知や屋内外の位置測位までを一体で管理できるサービスです。スマートフォンを持たせられない作業現場でも運用できる点が強みです。

導入はヒアリングに基づく機器構成の提案から始まり、無料トライアルを経て契約する流れが用意されています。転倒対策を単体の課題として捉えず、安全管理全体のDXの一部として設計したい企業に向いています。

あわせて読みたいスポーツDXとは|3階層構造・事例・課題を解説

(参考)Wearable Connect(ウェアラブルコネクト) – NTT東日本

バルテック AI転倒検知・徘徊検知(VALTEC)|顔認証で徘徊も同時に防ぐ

バルテックのAIセキュリティシステムは、転倒検知に加えて顔認証による徘徊・無断外出の防止を1つのカメラシステムでまとめて対応できる点が特徴です。検知するとスタッフのスマートフォンへ着信アラートで通知される仕組みで、モニターの前にいなくても異常に気づけます。

2024年度の介護報酬改定では、見守りセンサーの導入によって夜間の配置人員数の基準が緩和される規定が設けられており、こうした制度変更も導入検討の後押しとなっています。導入までは相談からシステム選定、見積り、設置工事という流れで、通常2〜4週間程度としています。

(参考)高齢者施設のAI転倒検知・徘徊検知システム – 株式会社バルテック

センティネア2(ミオ・コーポレーション/AltumView)|棒人間変換でプライバシーを守る

センティネア2は、カナダのAltumView Systems社が開発し、日本ではミオ・コーポレーションが総代理店として展開するAI見守りセンサーです。最大の特徴は、撮影した人の姿を内蔵AIチップが即座に「棒人間」に変換してからクラウドへ送信する仕組みで、実際の映像データを残さずにプライバシーへ配慮しています。

転倒検知に加えて、立ち入り禁止区域を設定して起き上がりや離床を検知する機能、手を振るとSOSと認識する機能も備えています。在宅介護の個人利用から介護施設・工場の安全管理まで、幅広い現場で活用実績があります。

(参考)AI見守りセンサー センティネア2 – 株式会社ミオ・コーポレーション

e-遠隔見守り 転倒検知Ver3.0(e-セレス)|専用機器不要でスマホだけで始められる

e-遠隔見守り(転倒検知Ver3.0)は、専用のセンサー機器を新たに購入する必要がなく、Androidスマートフォンをポケット等に装着するだけで利用できる点が特徴です。加速度センサーの値やスマートフォンの向きの変化から転倒の可能性を判定し、電話・メール・SMSで家族や管理者に知らせます。

装着位置や利用者の動きに応じて検知レベルを細かく調整できるほか、Google Playからのダウンロードで無料評価期間を試せるため、法人利用の前に現場での動作確認をしやすい設計になっています。

(参考)e-遠隔見守り 転倒検知 Ver3.0 – 株式会社e-セレス

BTTK2 転倒センサー(エクサイト)|個人でも導入しやすい腰装着型センサー

BTTK2は、腰につけたセンサーが転倒を検知すると、スマートフォンから大音量ブザーを鳴らしつつ電話・メール・SMSの3方法で自動通報する個人向けの転倒センサーです。本体価格は税込39,800円、月額基本料金は税込440円で、通報1件ごとに従量課金が発生する料金体系です。

GPS機能と組み合わせて位置情報も確認できるため、見守る側は駆けつけ先を把握しやすくなっています。1か月のお試しレンタルも用意されており、本格導入前に試しやすい点も特徴です。

(参考)高齢者・患者の安全を守る自動緊急通報システム|転倒検知センサー BTTK2 – 株式会社エクサイト

重心動揺計 グラビコーダシリーズ(アニマ株式会社)|バランス機能を数値で評価する

重心動揺計は、直立姿勢に現れる身体の揺れを記録・解析し、平衡(バランス)機能を検査する医療用の評価機器です。視覚系・内耳系・体性感覚系・中枢神経系の働きを総合的に反映するため、加齢による脊髄反射障害やめまいなど、バランス機能に影響する疾患の早期発見にも活用されています。

ここまで紹介した製品の多くが「転倒が起きたことを検知する」仕組みであるのに対し、重心動揺計は「転倒しやすい身体状態そのものを数値で把握する」予防的なアセスメント機器である点が対照的です。健常者の年齢別基準値と比較して評価する仕組みのため、施設でのリハビリテーション計画や運動プログラムの設計に活用できます。

(参考)重心動揺検査結果の読み方 – アニマ株式会社

みんチャレ フレイル予防(A10 Lab)|仲間との習慣化で転倒しにくい体をつくる

みんチャレ フレイル予防は、5人1組のグループで励まし合いながら運動習慣を継続する自治体向けアプリです。厚生労働省の「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第3版」でICTの活用が推奨されていることを背景に、全国50以上の自治体・団体で事業化されています。

スマホ操作の習得とオンラインでの健康づくりを一体化させている点が特徴で、東京都府中市の事例では歩数の増加が確認され、厚生労働省の「健康寿命を伸ばそうアワード」で優良賞を受賞しています。転倒予防を「機器の導入」ではなく「継続する仕組みづくり」として捉えたい場合の選択肢です。

(参考)みんチャレフレイル予防 – みんチャレ(A10 Lab)

ONE TAP SPORTS高齢者版(ユーフォリア)|アスリート向けツールを高齢者の体調管理に応用

ONE TAP SPORTSは、ラグビー日本代表をはじめとするトップアスリートのコンディション管理に約10年間使われてきたデータ管理ツールです。株式会社ユーフォリアはこのノウハウを応用し、富山市が進める「いきいきシニアライフ!プログラム」において、高齢者の介護予防・フレイル予防プログラムの健康モニタリングツールとして提供を開始しました。

アスリートの故障予防で培われたコンディション管理の考え方を、そのまま高齢者の転倒予防・フレイル予防に転用している点が、他の製品にはないユニークな立ち位置です。

(参考)ONE TAP SPORTSのユーフォリア、富山市在住高齢者の介護予防・フレイル予防プログラムをIT支援 – 株式会社ユーフォリア

検知型か予防型か|Human Soarが整理した4象限の見分け方

11製品を並べると、価格や見た目だけでは選びにくいことが分かります。そこでHuman Soarでは「予防か検知か」「個人向けか施設向けか」という2つの軸で分類し、各製品がどの立ち位置にあるのかを整理しました。

転倒予防・バランス測定サービスを予防と検知、個人向けと施設向けの2軸4象限で分類したマトリクス図

この整理から分かるのは、①と③の「予防型」は事故そのものを起きにくくする投資である一方、②と④の「検知型」は事故発生後の対応スピードを上げる投資であり、目的が異なるということです。すでに検知型を導入している施設が「事故が減らない」と感じる場合、まず①③の予防型が抜け落ちていないかを確認する価値があります。

Q. 転倒検知サービスと転倒予防サービス、どちらを先に導入すべきですか?

転倒事故そのものを減らしたい場合は、まず予防型(運動継続アプリやバランス測定機器)を優先し、その上で検知型を組み合わせるのが基本的な考え方です。検知型は発生後の対応を早めるものであり、転倒の発生自体を抑える効果は限定的なためです。すでに検知型のみを導入している施設は、予防型が抜け落ちていないか見直すとよいでしょう。

導入前に比較すべき3つの視点|価格・設置環境・法人契約

11製品はいずれも価格・設置環境・法人契約の条件が大きく異なります。導入担当者が比較検討する際は、以下の3つの視点で自社・自施設の状況と照らし合わせることをおすすめします。

視点①|価格帯で選ぶ

今回確認できた範囲では、個人向けセンサー(BTTK2)が本体39,800円・月額440円、法人向けAIカメラ(ヤモリン)が月額2,500円からと、価格帯には大きな幅があります。多くの製品が公式サイト上で具体的な金額を公開しておらず、個別見積りが前提になっている点にも注意が必要です。台数が増えるほど月額費用が積み上がるカメラ型と、利用者1人あたりで完結するアプリ型では、コストの積み上がり方が根本的に異なります。

視点②|設置環境で選ぶ

カメラ型(mirAI-EYE、ヤモリン、まもあい、バルテック、センティネア2)は工事や設置調整が必要な一方、居室全体を面で見守れます。ウェアラブル型(Wearable Connect、BTTK2)やスマホ活用型(e-遠隔見守り)は設置工事が不要な代わりに、装着を本人任せにできない高齢者では運用が難しくなる場合があります。アプリ型(みんチャレ、ONE TAP SPORTS)は機器の設置自体が不要ですが、スマホ操作に慣れてもらう導入コストがかかります。

視点③|法人契約・保守体制で選ぶ

Wearable Connectやバルテックのように、コンサルティングから見積り、無料トライアル、契約という導入フローが明示されているサービスは、法人としての意思決定がしやすい一方、個人向け寄りのBTTK2やe-遠隔見守りは、法人利用の相談窓口はあるものの個人契約が主軸です。障害時のリモートサポートや現地対応の有無、契約後の保守体制も、施設利用では価格と同じくらい重要な比較軸になります。

Q. 転倒検知センサーの価格相場はどのくらいですか?

個人向けセンサーは本体3〜4万円台・月額数百円程度、法人向けAIカメラはカメラ1台あたり月額2,500円程度からが目安です。ただし多くの製品は台数・機能範囲に応じた個別見積りが前提のため、正確な金額は各社への問い合わせが必要です。価格だけでなく、月額に保守・サポートが含まれるかどうかも比較の対象になります。

導入までの実務フロー|相談から本稼働までの4ステップ

今回紹介した11製品の多くは、いきなり本契約するのではなく、無料相談やトライアルを経て段階的に導入する流れを用意しています。ここでは各社の導入フローに共通する4段階を整理します。

転倒予防・バランス測定サービス導入までの現状把握から本導入までの4ステップの流れ図

①現状の転倒リスクを洗い出す

まず、施設内・自社内でどこに転倒リスクが集中しているか(居室、共用部、夜間帯など)を洗い出します。バルテックやWearable Connectのように、初回のヒアリングで課題を整理するところから始めるサービスが多く、この段階を省略すると台数・機種選定の精度が下がります。

②検知型か予防型かを選ぶ

前述の4象限を参考に、事故対応のスピードを上げたいのか、転倒そのものを減らしたいのかを明確にします。両方が必要な場合も、まずどちらを優先するかを決めることで、比較検討する製品の数を絞り込めます。

③無料トライアルで現場検証

Wearable Connectの1週間〜10日間の無償貸出、BTTK2の1か月お試しレンタル、e-遠隔見守りの無料評価期間など、多くの製品が本契約前の現場検証を用意しています。誤検知の起きやすさや装着・設置のしやすさは、実際の利用者・現場でしか分からないため、この工程を省略しないことが重要です。

④本導入・運用ルールを整備

本導入後は、誰が通知を受け取り、誰が駆けつけるかという運用ルールを整備します。特にカメラ型は録画データの取り扱いやプライバシーへの配慮、ウェアラブル型は充電・装着忘れへの対応など、機器の特性に応じた運用設計が定着のカギになります。

今日から始められること|自社に合うサービスの選び方

ここまでの比較を踏まえ、実際に着手する際の考え方を整理します。前段のステップ論とは異なり、ここでは「どの切り口から検討を始めるか」という判断基準に絞って解説します。

すでに映像解析・トラッキング技術を使ったスポーツDXに関心がある企業であれば、映像解析・トラッキングとは|主要10社の技術で紹介している骨格認識の技術動向を踏まえると、mirAI-EYEやセンティネア2のようなカメラ型サービスの仕組みを理解しやすくなります。

健康経営の一環として位置づけたい場合は、オンライン診療アプリ10選|健康経営担当者向け比較ガイドで紹介しているような他のヘルステックサービスとあわせて、従業員・入居者の健康管理施策全体の中に転倒予防を位置づけると、単発の機器導入で終わらせずに済みます。

また、自社に蓄積されたデータを活用したいのであれば、スポーツデータ分析とは|主要10社と活用段階で解説している活用段階の考え方は、重心動揺計やアニマの評価データを施設内でどう活かすかを検討する際にも応用できます。

大切なのは、11製品のうち1つを選んで終わりにしないことです。予防型と検知型を両輪で捉え、価格・設置環境・法人契約の3視点で自社の状況と照らし合わせながら、段階的に体制を整えていく姿勢が、転倒事故を減らす近道になります。

Q. 個人で使える転倒検知サービスはありますか?

はい。BTTK2やe-遠隔見守り 転倒検知Ver3.0は個人利用を前提に設計されており、法人契約なしで導入できます。BTTK2は本体を購入して月額利用料を支払う形式、e-遠隔見守りはAndroidスマートフォンに無料でアプリをインストールして評価できる形式です。センティネア2も在宅介護向けの個人利用に対応しています。

まとめ|転倒予防・バランス測定サービス選びの要点

  • 転倒予防・バランス測定サービスは「予防型」と「検知型」の2種類があり、目的に応じて使い分ける
  • 今回確認できた11製品は、施設向けAIカメラ5製品、個人向け端末3製品、バランス測定機器1製品、運動継続アプリ2製品に分かれる
  • 価格は個人向けで月額440円程度、法人向けカメラで月額2,500円程度からと幅があり、多くは個別見積りが前提
  • 導入は現状把握→検知/予防の選定→無料トライアル→本導入・運用ルール整備という4ステップで進めると失敗が少ない
  • すでに検知型を導入している場合は、予防型(運動継続・バランス測定)が抜け落ちていないか見直す価値がある

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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