青森県で研修の費用を助成金でまかなおうとすると、他県と少し勝手が違います。県が公開している補助金の一覧に、研修費そのものを対象にした汎用の補助金が載っていないからです。
ただし「何も無い」わけではありません。県と青森市が出しているのは業種と資格を限った補助で、そのほかに受講料が無料の講座が用意されています。お金を配る形ではなく、講座そのものを配る形です。
この記事では、青森県で研修費の面倒を見てもらう方法を、県・青森市・国の順に確認します。あわせて、「青森県 助成金」で検索すると出てくるのに自社では使えない制度——スポーツ関連の助成金がその代表です——も切り分けます。使えるものを探す時間と同じくらい、使えないものを早く外す時間が要るからです。
青森県で使える制度の一覧(令和8年度)
先に一覧を置きます。金額と期限だけを比べたい場合は、この表で足ります。個別の要件は、それぞれの見出しで確認してください。
| 制度 | 出どころ | 補助率 | 上限 | 期限・受付 |
|---|---|---|---|---|
| DXスキルアップ講座・DX入門セミナー | 青森県 | ― | 無料(受講料なし) | 第1期8月17日〜10月31日/第2期11月2日〜令和9年1月31日(各期200名) |
| トラック運送事業者人材確保対策支援事業費補助金 | 青森県 | 2分の1 | 大型最大285,000円/中型70,000円/牽引50,000円 | 令和8年5月26日〜令和9年3月1日 |
| 青森圏域除雪オペレーター担い手育成支援事業補助金 | 青森市 | 2分の1(国・県の補助額を差し引いた残り) | 上限1人20,000円・事業者は5人分まで | ― |
| 持続的賃上げ環境整備促進事業費補助金 | 青森県 | ― | ― | 令和8年9月1日で公募終了 |
| 業務改善助成金 | 国(厚生労働省) | ― | ― | 10月28日まで |
| 人材開発支援助成金 | 国(厚生労働省) | ― | ― | 訓練開始前に計画届 |
| スポーツ振興くじ助成 | 日本スポーツ振興センター | ― | ― | 自治体・スポーツ団体が対象 |
| スポーツエールカンパニー | スポーツ庁 | ― | 認定のみ(現金なし) | 11月2日まで |
出典:青森県・青森市・厚生労働省・日本スポーツ振興センター・スポーツ庁の各制度ページ(令和8年度)
この表に並ぶ制度は、呼び名が「助成金」「補助金」「支援金」「奨励金」「応援金」とばらばらです。国の制度は助成金、県や市町村の制度は補助金と呼ぶことが多いものの、例外もあります。名前から要件や金額を推測することはできないので、必ず制度ごとの要綱を見てください。
手続きの形は、どれもおおむね同じです。①事前相談または計画届 → ②交付申請 → ③交付決定 → ④実施 → ⑤実績報告 → ⑥額の確定と入金。重要なのは④の前に②③を済ませることで、研修を受けてから、設備を買ってから、広告を出してから申請しても対象になりません。入金は⑤の実績報告を出したあとなので、費用はいったん自社で立て替える前提で資金を用意しておく必要があります。
Q. 個人事業主でも助成金は使えますか?
制度ごとに書き方が違います。たとえば仙台市生産性向上・賃金引上げ応援金と福島県業務改善応援補助金は対象に個人事業主を明記し、青森市の除雪オペレーター補助は事業者と個人の両方を対象にしています。一方「中小企業者等」「事業者」とだけ書かれている制度では、個人事業主が含まれるかを要綱で確認する必要があります。
(参考)「中小企業・小規模事業者等が活用できる主な補助金等」のご案内 – 青森県
青森県に、どんな研修でも使える補助金はない
まず結論から確認します。青森県が公開している「令和8年度 中小企業・小規模事業者等が活用できる主な補助金等」(令和8年9月1日時点)に並ぶのは、設備投資・販路開拓・GX・物価高対策の制度です。研修費を対象にした汎用の補助金は、この一覧に載っていません。
なぜ載っていないのか。県の看板制度である持続的賃上げ環境整備促進事業費補助金の対象経費を見ると分かります。書かれているのは「建物費、機械装置・工具器具備品・システム導入費、設計費」。人ではなく設備に出す設計です。同じく県のAX企業成長推進事業費補助金も、対象は専門家謝金・機械装置・備品費・システム構築費で、従業員の研修費は入っていません。

だから青森県では、探す順番が他県と逆になります。「県の補助金を探す→無ければ国」ではなく、「無料の講座で足りるか→業種が合う補助があるか→それでも足りなければ国」の順です。以下、その順に見ていきます。
Q. 青森県に研修費を補助する制度はありますか?
令和8年9月1日時点の一覧で確認できる状態です。制度は年度ごとに組み替えられるため、今後追加される可能性はあります。最新の公募状況は、一覧を公開している県経済産業部地域企業支援課(017-734-9373)またはホームページで確認してください。
(参考)「中小企業・小規模事業者等が活用できる主な補助金等」のご案内 – 青森県
研修費に出るのは、免許と資格に限られる
県の一覧のなかで、人に関わる唯一の制度がトラック運送事業者人材確保対策支援事業費補助金です。従業員の免許取得費用を事業者が負担した場合に、その一部を補助します。補助率は2分の1、受付は令和8年5月26日から令和9年3月1日までです。
| 免許の種別 | 対象者 | 1人あたりの上限 |
|---|---|---|
| 大型 | 19歳以上21歳未満の者 | 285,000円 |
| 大型 | 21歳以上36歳未満、かつ普通免許等の保有期間が3年未満の者 | 263,000円 |
| 大型 | 上記以外の者 | 170,000円 |
| 中型 | ― | 70,000円 |
| 牽引 | ― | 50,000円 |
出典:青森県「令和8年度 中小企業・小規模事業者等が活用できる主な補助金等一覧」(令和8年9月1日時点)
区分は年齢と普通免許等の保有期間で決まります。もっとも高いのが19歳以上21歳未満の285,000円で、年齢が上がるほど下がる形です。制度の名前が「人材確保対策支援」であることも含めて、若い運転者を増やすほうに重みが置かれた設計だと読み取れます。
ここで押さえておきたいのは、この制度が「研修」ではなく「免許取得」に出ていることです。対象経費は「従業員の免許取得に係る経費」と定められていて、マナー研修やマネジメント研修には使えません。そうした研修を組むなら、デジタル分野は県の無料講座、それ以外は国の人材開発支援助成金が受け皿になります。申請の窓口も県庁ではなく公益社団法人青森県トラック協会の免許補助金係(017-729-2000)です。
Q. トラック運送業以外でも県の資格取得補助は使えますか?
この制度はトラック運送事業者が対象と定められています。ほかの業種で資格取得費用を補助する県の制度があるかどうかは、上の一覧と各所管課で確認してください。なお、業種を問わず使える国の制度としては人材開発支援助成金があります。
(参考)令和8年度 青森県トラック運送事業者人材確保対策支援事業費補助金 – 公益社団法人青森県トラック協会
青森市は、除雪講習の受講料を半分持つ
市町村まで下りると、青森市に青森圏域除雪オペレーター担い手育成支援事業補助金があります。除雪機械を動かせる人を増やすための制度で、講習の受講料と教材費が対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 青森圏域の市町村の道路除排雪作業委託業務を受託していた事業者、またはその事業者に雇用されている・雇用される見込みがある個人 |
| 対象となる講習 | 小型車両系建設機械運転特別教育/労働安全衛生法別表第18第31号の車両系建設機械運転技能講習/日本建設機械施工協会東北支部主催の道路除雪関連講習 |
| 対象経費 | 受講料および教材費 |
| 補助額 | 対象経費から国・県等の補助金額を減じた額の2分の1。1人あたり上限20,000円 |
| 人数の上限 | 事業者の場合、雇用者5人分まで |
| 問い合わせ | 青森市都市整備部道路維持課(017-752-8584) |
出典:青森市「令和8年度青森圏域除雪オペレーター担い手育成支援事業補助金」
注目したいのは補助額の計算式です。「対象経費から国・県等の補助金額を減じた額」に2分の1を掛ける、と書かれています。国や県の助成を先に受けた場合、市が見るのはその残りだけ、という意味です。同じ受講料に二重で公費が出ない設計になっています。
この考え方は青森市に限りません。国の研修助成金を使うときも、ほかの補助を受けた部分は経費から差し引くのが原則です。「市と国の両方からもらえば実質ゼロになる」とは考えないほうが安全ということになります。
Q. 青森市の除雪講習補助は国の助成金と同時に使えますか?
市の補助額は「対象経費から国・県等の補助金額を減じた額の2分の1」と定められているため、国の助成を受けた分は差し引かれます。申請の可否と差引きの扱いは、事前に青森市都市整備部道路維持課へ確認してください。
(参考)令和8年度青森圏域除雪オペレーター担い手育成支援事業補助金 – 青森市
県が出しているのは、お金ではなく講座そのもの
ここが青森県のいちばんの特徴です。県は研修費を補助する代わりに、受講料が無料の講座を自前で用意しています。令和8年度の「産業DX推進事業」がそれです。
| メニュー | 内容 | 対象 | 費用 |
|---|---|---|---|
| DXスキルアップ講座・交流会 | デジタル化の推進方法や基礎知識を学べるオンライン講座。初心者・非IT職向け業務効率化コースと、推進担当・管理者向け業務改善コースの2コース | 県内事業所で事業を営む方または勤務している方 | 無料 |
| 企業のためのDX入門セミナー | 生成AIの活用方法や県内企業のDX事例を紹介するオンラインセミナー。全8回 | 県内事業者 | 無料 |
| DX支援力強化研修 | 県内IT企業・コンサルティング企業の実務担当者向けのプロジェクトマネージャー育成研修(令和8年度の受講者募集は終了) | システム導入・業務改善の現場経験がある実務担当者 | ― |
出典:青森県「令和8年度「産業DX推進事業」一覧」
DXスキルアップ講座は約400名を想定し、第1期が8月17日から10月31日まで、第2期が11月2日から令和9年1月31日まで。各期の定員は200名で、定員に達し次第締め切られます。DX入門セミナーは全8回で、10月27日が「生成AIを活用した業務効率化」、11月17日が「AIエージェント入門」です。
なぜ県はお金ではなく講座を出すのか。補助金は、申請書を書き、採択を待ち、実施して、精算するという工程が要ります。人手の少ない事業者ほど、この工程そのものが負担になります。受講料を最初から無料にしてしまえば、その工程が丸ごと消える——現物で配る形には、そういう合理性があります。
裏を返せば、県が用意したテーマ以外は選べません。デジタル以外の研修、たとえば接客や技能の研修を自社で組みたい場合は、次の国の制度に進むことになります。
Q. 青森県の無料講座を受けても国の助成金は申請できますか?
人材開発支援助成金は訓練経費と訓練中の賃金に対して支給される制度なので、受講料が無料なら経費助成の対象になる経費はありません。自社で費用を負担して訓練を実施する場合に検討する制度です。詳しい要件は厚生労働省のページで確認してください。
(参考)【企業等のDXやデジタル人材の確保を支援します】令和8年度「産業DX推進事業」一覧 – 青森県
汎用の研修費は国へ。ただし県の補助金と重なると二択になる
テーマを自社で決めて研修を組むなら、使えるのは国の人材開発支援助成金です。訓練経費と訓練中の賃金に助成が出て、業種の限定はありません。計画届の提出期間など、制度の中身は別の記事にまとめてあります。
青森県で注意が要るのは、県の持続的賃上げ環境整備促進事業費補助金と国の助成金が、場面によって二択になることです。

県の案内では、同一の事業所で同等の設備を対象にする場合は、どちらか一方しか選べないとされています。さらに設備が違っていても、賃上げの対象者と賃上げの日が同一なら、業務改善助成金は使えません。この場合は、県の補助金だけで通すか、賃上げの対象者か実施日をずらして設計するかのどちらかになります。
なぜここまで細かく切られるのか。理由は制度の目的が重なっているからです。どちらも「賃上げをした事業者を支える」ことを狙っているため、同じ賃上げに二回お金が出る形を避ける必要があります。設備ではなく賃上げという行為を単位にして重複を見ているので、設備を分けても逃げられません。
逆にいえば、研修だけを実施する場合はこの二択に入りません。県の補助金の対象経費は建物費・機械装置・システム導入費・設計費であり、研修費はそもそも含まれていないからです。
Q. 県の賃上げ補助を受けると研修助成金も使えなくなりますか?
県が併用できないとしているのは業務改善助成金との関係です。人材開発支援助成金について同様の制限は示されていません。ただし同じ経費を二重に申請することはできないため、対象経費が重ならないかを申請前に両方の窓口で確認してください。
(参考)「持続的賃上げ環境整備促進事業費補助金」実施のお知らせ – 青森県
賃上げと同時に動かすなら、期限は10月28日
研修と賃上げを同じタイミングで進めるなら、業務改善助成金の期限が先に来ます。青森県は10月28日です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改定後の最低賃金 | 1,090円 |
| 改定前 | 1,029円 |
| 引上額 | 61円 |
| 発効日 | 令和8年10月29日 |
| 業務改善助成金の申請期限 | 令和8年10月28日 |
| 同額で並ぶ県 | 岩手県・秋田県(北東北3県が同額) |
出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申状況」
なぜ発効日の前日が期限になるのか。業務改善助成金は事業場内最低賃金を引き上げる前に申請する制度だからです。10月29日に地域別最低賃金が1,090円へ上がると、それ以下だった賃金は自動的に引き上げざるを得ません。引き上げてしまった後では「自主的な引上げ」として申請できない——だから前日が実務上の締切になります。
青森県の発効日10月29日は全国でも遅いほうで、同じ制度でも県によって期限が1か月以上ずれます。47都道府県の期限は上のリンク先に一覧でまとめてあります。
Q. 研修だけなら10月28日の期限は関係ありますか?
人材開発支援助成金に地域別の申請期限はありません。期限が県ごとに違うのは、賃金引上げを要件とする業務改善助成金のほうです。研修だけであれば、訓練開始日から逆算した計画届の提出期限を見てください。
スポーツ関連の助成金は、申請先ではなく発注先として読む
「青森県 助成金」を調べると、桁の大きいスポーツ関連の助成が混ざります。結論から書くと、企業が直接申請する枠ではありません。ここで判断を済ませて、検討の時間を切り上げてください。そのうえで、この一覧には企業にとって別の使い道があります。
混ざってくるのはスポーツ振興くじ(toto・BIG)の売上を原資とする助成金です。日本スポーツ振興センター(JSC)が配分し、誰にいくら出たかは助成事例データベースで都道府県別に公開されています。令和8年度の青森県分は13件・合計109,456,000円。金額は大きい一方、受け手は自治体とスポーツ団体に限られます。
| 助成区分 | 件数 | 金額 |
|---|---|---|
| 地域スポーツ施設整備助成 | 4件 | 79,518,000円 |
| 地方公共団体スポーツ活動助成 | 4件 | 18,582,000円 |
| スポーツ団体スポーツ活動助成 | 3件 | 5,160,000円 |
| 将来性を有する競技者の発掘及び育成活動助成 | 1件 | 3,871,000円 |
| 総合型地域スポーツクラブ活動助成 | 1件 | 2,325,000円 |
| 合計 | 13件 | 109,456,000円 |
出典:日本スポーツ振興センター「助成事例データベース」令和8年度・青森県
13件の内訳を見ると、10件が青森県と県内7市町(青森市・弘前市・八戸市・十和田市・藤崎町・板柳町・五戸町)、残る3件が一般社団法人です。企業は1社も入っていません。
紛らわしいのは事業名に「講習会」が出てくることです。たとえば一般社団法人HachinoheClubの「アイスホッケー体験会・スキルアップ講習会」には1,108,000円が出ています。ただしこれはアイスホッケーの競技スキルを対象にした講習であって、従業員研修ではありません。言葉が同じでも中身が違うため、研修の助成金を探している人が最初に迷いやすい場所になっています。
この一覧には別の読み方があります。並んでいるのは工事と備品の話だからです。五戸町ひばり野西人工芝多目的グラウンドの人工芝生化に38,400,000円、十和田市高森山球技場の天然芝生化に24,000,000円、藤崎町のアリーナ改修に10,666,000円、板柳町の体育館LED改修に6,452,000円、八戸市東陸上競技場の速報表示器設置に4,800,000円。助成が決まった事業には、必ず施工や納入の相手が要ります。自社の商材が当てはまるなら、申請する側ではなく受注する側として、実施する自治体の公告を追うほうが現実的です。
地域のクラブや大会と組みたい場合も同じです。助成を受け取るのはクラブや実行委員会の側なので、協賛や共催を持ちかけるなら、相手が助成を申請する時期に合わせると話が進めやすくなります。
助成を受けられる団体は、助成区分ごとにJSCが定めています。自社や関係する団体が対象になるかどうかは、募集内容と交付要綱・実施要領で助成区分ごとに確認してください。
Q. 青森県のスポーツ振興くじ助成は企業も対象になりますか?
対象となる団体は助成区分ごとにJSCの交付要綱・実施要領で定められているため、申請を検討する場合はそちらで確認してください。令和8年度の青森県分13件の受け手は、県・市町と一般社団法人でした。
従業員の運動に助成金は出ない。費用ゼロの認定を採用で使う
従業員が体を動かす取組そのものに出る国の助成金は、調べたかぎり見当たりません。名前の近い人材確保等支援助成金の「健康づくり制度」も、公式の定義は人間ドックの受診制度で、運動は含まれていません。この方向の検索は、ここで打ち切って差し支えありません。
予算が付かない代わりに、費用をかけずに取れる認定があります。取ったところで現金は入りませんが、採用の場面だけは使えるので、そこを目的にするなら申請する価値があります。
代わりにあるのがスポーツ庁のスポーツエールカンパニーです。現金は出ませんが費用もかからず、次回の申請は11月2日まで。2026年の認定1,635団体のうち青森県は5団体で全国42位にとどまります。
認定で得られるものは3つだけです。スポーツ庁ホームページでの団体名の公表、認定証と認定マーク、そして2022年6月にハローワークの求人票等に表示できるPRロゴマークへ追加されたこと。助成金の加点も、優遇措置もありません。
企業にとって実利があるのは、この3つのうちハローワークの求人票等に表示できるPRロゴマークです。採用広告を出す予定があるなら、そこに間に合わせるのが使いどころになります。逆に、助成金の審査で加点されることはありません。
なぜ現金が出ないのか。募集要項に理由が書かれています。スポーツ庁はこの制度の狙いを「認定された団体の取組を広く周知することで、従業員や大学生等の健康管理を考え戦略的に取り組んでいる団体の社会的評価の向上を図る」ことだとしています。カネではなく評判で動かす設計なので、そもそも支給という仕組みを持っていません。

厚生労働省の研修助成金と守備範囲が逆になるのも、目的が違うからです。人材開発支援助成金は「職務に関連した」専門的な知識や技能を習得させる訓練への助成で、根拠は労働者の職業能力開発にあります。一方スポーツエールカンパニーが見ているのは「成人の週1回以上のスポーツ実施率は51.7%にとどまり、とくに20代から50代が低い」という健康課題で、働き盛り世代が一日の大半を過ごす職場をきっかけの場にしようとしています。
だから一方で対象になるものが、他方では対象外になります。制度として重なるのは求人票という出口だけです。求人を出すときにロゴを載せられる、という関係になります。
Q. スポーツエールカンパニーの認定で助成金は有利になりますか?
募集要項に記載されている認定団体のメリットは、スポーツ庁ホームページでの団体名の公表、認定証・認定マークの交付、ハローワークの求人票等に表示できるPRロゴマークの3つです。助成金の加点や優遇措置は示されていません。
(参考)「スポーツエールカンパニー2027」の申請受付について – スポーツ庁
目的別に、どこから当たるか
最後に、目的から逆に引けるように整理します。デジタル分野の研修なら、まず県の無料講座。受講料がゼロなので、申請も精算も要りません。トラックの免許や除雪の講習なら、県と青森市の補助。どちらも業種と資格が限定されている代わりに、手続きが軽く済みます。
自社でテーマを決めて研修を組むなら、国の人材開発支援助成金。これが汎用の受け皿です。賃上げと同時に動かすなら、10月28日の期限が先に来ます。そして県の賃上げ補助を使う予定があるなら、業務改善助成金とは二択になる場面があることを先に確認してください。
スポーツ関連の助成金は、いま探している対象とは別の制度です。くじ助成の受け手は自治体とスポーツ団体、スポーツ庁の認定は現金の出ない仕組み。どちらも企業の研修費の答えにはなりません。ここを早めに外しておくと、残りの時間を実際に使える制度に回せます。
Q. 青森県で研修の助成金はどこから探せばいいですか?
県の無料講座で足りるかどうかです。デジタル分野であれば受講料がかからないため、補助金の申請そのものが不要になります。テーマが合わない場合に、業種限定の補助(トラック免許・除雪講習)と国の人材開発支援助成金を順に見ていく形になります。
Q. 業務改善助成金と人材開発支援助成金はどちらが先ですか?
目的が違います。業務改善助成金は事業場内最低賃金の引上げと設備投資等を要件とする制度で、青森県の申請期限は10月28日です。人材開発支援助成金は訓練そのものに対する助成で、地域別の期限はありません。賃上げの予定があるかどうかで先に見る制度が変わります。
Q. 助成金の申請は自分でできますか?社労士に頼むべきですか?
どちらでも申請できます。費用をかけずに進めたい場合は各制度の窓口が相談に応じており、秋田県は相談先として社会保険労務士会・行政書士会を案内し、福島県は社労士報酬の4分の3(上限100,000円)を補助する制度を用意しています。書類の量と期限までの日数を見て決めるのが現実的です。
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