研修に使える助成金|人材開発支援助成金とスポーツ研修・47都道府県

研修に使える助成金|人材開発支援助成金7コース スポーツ研修

従業員に研修を受けさせたとき、その費用の一部が戻る国の制度が人材開発支援助成金です。経費助成率は30%から100%、賃金助成は1人1時間あたり最大1,000円。1事業所あたりの上限は年1,000万円あります。

ただし「研修なら何でも対象」ではありません。意識改革研修、マナー講習、時局講演会、ビジネス交流会は対象外とはっきり定められています。この記事では、7コースの中身、助成率と上限額、対象にならない訓練、講師の要件、そして都道府県ごとの独自制度を、厚生労働省の公式資料で確認して整理します。

研修費用の何割が戻るのか|経費助成率は30〜75%が基本

最初に押さえるべきは、助成が3種類あることです。研修にかかった費用に対する「経費助成」、訓練を受けている時間の賃金に対する「賃金助成」、OJTを行った場合の「OJT実施助成」。この3つは重ねて受けられます。

いちばん使われるのが人材育成支援コースで、4つの訓練メニューがあります。

人材育成支援コースの助成率・助成額(令和8年度)
訓練メニュー 経費助成率 賃金助成(1人1時間) OJT実施助成(1人1コース)
①人材育成訓練
(正規雇用労働者等)
45%(30%)
+15%(+15%)
800円(400円)
+200円(+100円)
—
①人材育成訓練
(有期契約労働者等)
70%
+15%
—
②認定実習併用職業訓練 45%(30%)
+15%(+15%)
20万円(11万円)
+5万円(3万円)
③有期実習型訓練 75%
+25%
10万円(9万円)
+3万円(3万円)
④中高年齢者実習型訓練
(令和8年度に新設)
60%(45%)
+15%(+15%)
10万円(9万円)
+3万円(3万円)

出典:厚生労働省「令和8年度版 人材育成支援コースのご案内」。( )内は大企業。下段は賃金要件・資格等手当要件を満たす場合の加算

読み方のこつは2つあります。

ひとつは、非正規のほうが手厚いこと。同じ人材育成訓練でも、正規雇用労働者等が45%なのに対し、有期契約労働者等は70%です。さらに正社員等へ転換する有期実習型訓練なら75%。制度の設計思想が、非正規の底上げに寄っていることがわかります。

もうひとつが加算です。訓練修了後に受講者の賃金が5%以上上がった場合、または資格等手当を就業規則等に規定して支払い賃金が3%以上上がった場合、経費助成率に15%(有期実習型訓練は25%)が上乗せされます。賃金助成も1時間あたり200円増えます。研修と賃上げをセットで設計すると、率が跳ね上がる構造です。

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Q. 人材開発支援助成金は研修費用の何割が戻りますか?

中小企業の人材育成訓練なら経費の45%、有期契約労働者等への訓練なら70%、正社員転換を目指す有期実習型訓練なら75%です。訓練修了後に賃金が5%以上上がるなどの要件を満たすと、それぞれ15%(有期実習型は25%)が加算されます。あわせて訓練時間中の賃金も1人1時間あたり800円が助成されます。

(参考)人材開発支援助成金 – 厚生労働省

上限は「1訓練あたり」と「年1,000万円」の二重

人材開発支援助成金の経費助成限度額は訓練時間で3段階

助成率がわかっても、そのまま全額が出るわけではありません。上限が2段階かかります。

1つめが1労働者1訓練あたりの経費助成限度額で、実訓練時間数によって3段階に分かれます。中小企業の場合、10時間以上100時間未満が15万円、100時間以上200時間未満が30万円、200時間以上が50万円。大企業はそれぞれ10万円・20万円・30万円です。

つまり経費助成率が70%でも、20時間の研修に50万円かけた場合、70%の35万円ではなく限度額の15万円が上限になります。短い研修に高額を払う設計は、助成の面では効率が悪いということです。

なお、eラーニングと通信制による訓練は、標準学習時間が定められているものを除き一律「10時間以上100時間未満」の区分になります。専門実践教育訓練の指定講座は、逆に一律「200時間以上」の区分です。

2つめが1事業所・1事業主団体等の一の年度あたりの支給限度額で、1,000万円です。人材育成支援コースの助成額を合計した限度額で、加算分の追加申請や、共同事業主として申請する場合も含めて適用されます。

回数の制限もあります。1労働者の一の年度あたりの支給申請は3回まで。有期実習型訓練だけは、同一の事業主が同一の労働者に対して(年度に関わらず)1回までです。

賃金助成の対象時間数にも上限があり、1労働者1訓練あたり通常1,200時間、専門実践教育訓練は1,600時間です。賃金助成の対象になるのは実訓練時間数のうち所定労働時間に受講した時間だけなので、休日や時間外に行う研修は賃金助成が付きません。

Q. 人材開発支援助成金の上限額はいくらですか?

2段階あります。1労働者1訓練あたりの経費助成限度額は、中小企業で10時間以上100時間未満が15万円、100時間以上200時間未満が30万円、200時間以上が50万円です。さらに1事業所あたりの年度の支給限度額が1,000万円で、1労働者の年度あたりの申請回数は3回までです。

(参考)令和8年度版 人材育成支援コースのご案内 – 厚生労働省

7コースのうち、多くの企業が使うのは3つ

人材開発支援助成金には7つのコースがあります。ただし建設業向けの2コースと障害者向けの1コースは対象が限られるため、業種を問わず検討できるのは実質4つです。

人材開発支援助成金の7コース
コース どんなときに使うか
人材育成支援コース 職務に関連した知識・技能を習得させる10時間以上の訓練を行うとき。最も基本のコース
教育訓練休暇等付与コース 有給教育訓練等制度を導入し、労働者がその休暇を取得して訓練を受けたとき
人への投資促進コース デジタル人材育成、高度デジタル人材訓練、定額制訓練(サブスク型)、自発的職業能力開発、長期教育訓練休暇等制度など。令和8年4月8日に新規採用助成・職務代行助成が追加
事業展開等リスキリング支援コース 新規事業立ち上げなどの事業展開にあわせた訓練。令和8年4月8日に設備投資加算が新設
建設労働者認定訓練コース 建設業の認定訓練
建設労働者技能実習コース 建設業の技能実習
障害者職業能力開発コース 障害者の職業能力開発訓練施設の設置・運営

出典:厚生労働省「人材開発支援助成金」コース一覧

迷ったら人材育成支援コースから見るのが早道です。外部研修に社員を送る、社内で集合研修を開く、といった一般的なケースはここに入ります。

制度そのものを作るなら教育訓練休暇等付与コース。訓練を受けるための有給休暇制度を導入した事業主が対象で、訓練費用ではなく制度導入に対して定額が支給される設計です。

サブスク型の研修サービスを契約している企業は人への投資促進コースの定額制訓練を確認してください。年間契約の研修プラットフォームが対象になる枠です。

令和8年度は改正が続いています。人材育成支援コースに中高年齢者実習型訓練が新設され(4月8日)、人への投資促進コースに新規採用助成・職務代行助成が追加(4月8日)、事業展開等リスキリング支援コースに設備投資加算が新設(4月8日)、そして8月3日にも変更がありました。申請時は必ず最新の支給要領を確認してください。

Q. 人材開発支援助成金のどのコースを使えばよいですか?

外部研修や社内集合研修なら人材育成支援コース、有給の教育訓練休暇制度を導入するなら教育訓練休暇等付与コース、サブスク型の研修サービスなら人への投資促進コースの定額制訓練、新規事業に伴う訓練なら事業展開等リスキリング支援コースです。ほかに建設業向け2コースと障害者職業能力開発コースがあります。

(参考)人材開発支援助成金 – 厚生労働省

対象にならない訓練が8パターン定められている

ここが最も見落とされます。厚生労働省は助成対象とならないOFF-JTを8つの類型で明示しています。カリキュラムの一部に含まれる場合も、その時間は実訓練時間数から除外しなければなりません。

助成対象とならないOFF-JTの実施目的
類型 例
①職務に間接的に必要な知識・技能 普通自動車・自動二輪車運転免許の取得のための講習
②職業人として共通して必要なもの 接遇・マナー講習など社会人としての基礎的なスキル
③趣味教養を身につけるもの 日常会話程度の語学の習得のみを目的とする講習、話し方教室
④通常の事業活動として遂行されるもの 経営改善の指導、マニュアル作成、自社の経営方針・業績報告会、社内制度の説明、QCサークル活動、自社製品の説明、入札手続きの説明
⑤職業能力開発に直接関連しないもの 時局講演会、研究会、座談会、大会、学会、研究発表会、博覧会、見本市、見学会、視察旅行、ビジネス交流会、オンラインサロン
⑥法令で事業主に実施が義務付けられているもの 労働安全衛生法に基づく特別教育、道路交通法に基づく法定講習、派遣法第30条の2の教育訓練
⑦職業・職務の知識技能の習得が目的でないもの 意識改革研修、モラール向上研修
⑧資格試験・適性検査 講習を受講しなくても単独で受験して資格を得られるもの

出典:厚生労働省「令和8年度版 人材育成支援コースのご案内」(令和8年8月3日版)38ページ

実務でつまずくのは⑤と⑦です。外部から講師を招いた講演会、社員の意識を変えるための意識改革研修、モチベーション向上を目的とした研修は、内容がどれだけ良くても対象になりません。「職務に関連した専門的な知識及び技能の習得」が制度の目的だからです。

逆に、厚生労働省は職務関連訓練と判断される例も挙げています。営業企画の担当者へのWebマーケティング訓練、人事・労務管理担当者への労働関係法の訓練、社内DXのプロジェクトリーダーへのリーダーシップ・コミュニケーション訓練など。これらは事業内容を問わず職務関連と判断される例とされています。同じテーマでも、受講者の職務と結びついているかどうかで扱いが変わるということです。

②については例外があり、OFF-JTの実訓練時間数に占める時間数が半分未満なら助成対象になります。訓練コースが認定職業訓練である場合も対象です。

Q. 講演会や意識改革研修は人材開発支援助成金の対象になりますか?

なりません。厚生労働省は助成対象とならないOFF-JTとして、時局講演会・研究会・座談会・ビジネス交流会など「職業能力開発に直接関連しないもの」と、意識改革研修・モラール向上研修など「職業又は職務に関する知識・技能の習得を目的としていないもの」を明示しています。カリキュラムの一部に含まれる場合も、その時間は実訓練時間数から除外します。

(参考)令和8年度版 人材育成支援コースのご案内 – 厚生労働省

講師にも要件がある|社外講師は経験年数で判定される

人材開発支援助成金の社外講師は経験年数などで要件が決まる

自社で企画・主催する研修は事業内訓練にあたり、講師にも要件がかかります。社外の会場を借りても、外部の講師を呼んでも、企画・主催が自社なら事業内訓練です。教育訓練機関が企画・主催している訓練に社員を送る場合が事業外訓練になります。

事業内訓練の講師要件は、次のいずれかに該当する必要があります。

部外講師(社外の人)の場合は、公共職業能力開発施設・職業能力開発総合大学校・認定職業訓練施設・大学等に所属する指導員等、訓練内容に直接関係する職種の職業訓練指導員免許を持つ者、同職種の1級技能検定合格者、当該分野の職務にかかる指導員・講師経験が3年以上の者、当該分野の職務にかかる実務経験が10年以上(講師経験は含まない)の者、のいずれか。

部内講師(自社の役員・従業員)の場合は、職業訓練指導員免許、1級技能検定合格、実務経験10年以上のいずれか。「講師経験3年以上」は部内講師には使えません。

なお部内講師とは、申請事業主の役員等または雇用されている者で、訓練実施日の出勤状況・出退勤時刻を確認できる者を指します。出退勤が確認できないと講師として認められません。

事業内訓練は通学制と同時双方向型の通信訓練に限り助成されます。eラーニングと通信制は対象外です。申請事業主が自ら運営する認定職業訓練の場合は、講師要件が免除されます。

実訓練時間数が10時間以上であることも必須です。通学制・同時双方向型は計画届の提出日時点と支給申請書の提出日時点の実訓練時間数で、eラーニング・通信制は標準学習時間(標準学習期間)で判断します。

Q. 社内研修の講師は誰でもよいのですか?

要件があります。社外講師は、職業訓練指導員免許、1級技能検定合格、当該分野の指導員・講師経験3年以上、当該分野の実務経験10年以上のいずれかに該当する必要があります。社内講師の場合は講師経験3年以上が使えず、免許・1級技能検定・実務経験10年以上のいずれかになります。

(参考)令和8年度版 人材育成支援コースのご案内 – 厚生労働省

計画届は訓練開始の6か月前から1か月前まで

手続きで最も多い失敗が計画届の出し忘れです。職業訓練実施計画届は、訓練開始日から起算して6か月前から1か月前までの間に労働局へ提出しなければなりません。この期間に出していない訓練は、内容が要件を満たしていても支給されません。

支給されない主なケースとして、厚生労働省は次を挙げています。計画届を期間内に提出していない場合、訓練計画の変更時に期日までに変更届を提出していない場合、訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に支給申請を行わない場合、事業主が訓練にかかる経費を全額負担していない場合、所定労働時間外や休日に実施された時間の賃金助成・OJT実施助成、実訓練時間数が10時間未満の場合。

訓練中の調査もあります。労働局の職員が事前連絡の有無に関わらず訓練の実施場所を訪問し、実施状況を確認することがあり、必要に応じて対象労働者に聴取します。調査に協力しない場合は不支給です。

不正受給への対応も厳しくなっています。令和8年8月3日から公表に関する特例が設けられ、支給申請を行った事業主に不正が認められた場合、支給決定前であっても、自主申告をしていなければ原則として公表対象になります。事業外訓練では訓練実施者(訓練機関)に支給申請承諾書の提出を求める仕組みもあり、訓練実施者が不正受給に関与していた場合は、申請事業主と連帯して債務を負い、名称が公表され、5年間その訓練実施者の訓練は助成対象外になります。

令和8年5月14日の支給要領改正により、受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)の提出も必要になりました。訓練計画届の提出時期を問わず、令和8年5月14日時点で支給申請が行われていないもの、または支給申請済みで支給決定・不支給決定がされていないものが対象です。

Q. 研修を実施したあとから申請できますか?

できません。職業訓練実施計画届を訓練開始日の6か月前から1か月前までに労働局へ提出する必要があります。この期間に提出していない訓練は支給対象外です。支給申請は訓練終了日の翌日から2か月以内に行います。

(参考)令和8年度版 人材育成支援コースのご案内 – 厚生労働省

都道府県ごとに、独自の研修支援がある

人材開発支援助成金は全国共通の制度ですが、都道府県が独自に用意している研修支援は地域によってまったく違います。国の助成金と重ねて使えるものもあります。

都道府県の研修支援の例(当メディアが公式情報で確認したもの)
都道府県 独自の研修支援
岩手県 いわて産業振興センターの研修。県の研修に国の助成金を重ねる使い方ができる
栃木県 県の研修38講座
新潟県 リスキリング事業。受講料2,900円で10コース
千葉県 デジタル研修が3段階。伴走の仕組みもある
福井県 「人への投資」支援事業補助金で研修費用が戻る
山形県 県独自の50万円
秋田県 相談先に社会保険労務士会・行政書士会まで並べ、代理申請の記載例を公開
福島県 申請にかかった社会保険労務士の報酬の3/4(上限10万円)を補助

出典:各都道府県の公式ページをもとに当メディアが整理。都道府県別の記事を順次公開しています

傾向として、3つの型があります。

県が研修そのものを安く提供する型。栃木の38講座、新潟の受講料2,900円、千葉の3段階デジタル研修がこれにあたります。国の助成金を使うより手続きが軽く、少人数から試せます。

県が費用を補助する型。福井の「人への投資」支援事業補助金、山形の50万円。国の助成金と対象経費が重なる場合があるため、併用の可否は事前に確認が必要です。

県が申請の手間を肩代わりする型。福島の社労士報酬補助、秋田の士業ネットワークがこれです。制度が複雑で申請できないという問題そのものに手を当てている点で、ほかとは性質が違います。

申請先はいずれの場合も事業所の所在地を管轄する都道府県労働局です(国の助成金の場合)。県独自の制度は県庁の担当課や委託事務局になります。

Q. 都道府県の研修支援と国の助成金は併用できますか?

制度によります。岩手県のように県の研修に国の助成金を重ねられる例がある一方、対象経費が重なると併用できない場合もあります。国の助成金は労働局、県の制度は県庁の担当課や委託事務局と、窓口が分かれているため、両方に確認するのが確実です。

(参考)都道府県労働局の所在地一覧 – 厚生労働省

(参考)福島県 業務改善応援補助金(受付中) – 福島県

スポーツ関連の助成金は、厚生労働省の外側にある

スポーツを取り入れた企業研修は増えていますが、人材開発支援助成金の対象になるかはテーマではなく設計で決まります。先に見た対象外の類型に「意識改革研修、モラール向上研修」と「時局講演会、研究会、座談会、ビジネス交流会」が明記されているためです。アスリートを招いた講演会や、一体感の醸成を目的としたマインドセット研修は、ここに当たる可能性があります。

一方で厚生労働省は、事業内容を問わず職務関連と判断される例として「社内DXのプロジェクトリーダーに、リーダーシップやコミュニケーションなどプロジェクト推進力を身につけさせるための訓練」を挙げています。同じテーマでも、受講者の職務と結びついているかで扱いが変わるということです。個別の可否は管轄の労働局が判断するため、管理職研修などにスポーツの手法を使う場合は、計画届の提出前に確認してください。

では従業員が体を動かす取組そのものはどうか。厚生労働省の雇用関係助成金には見当たりません。名前が近い人材確保等支援助成金の「健康づくり制度」は、公式定義が人間ドックの受診制度で運動を含まず、「職場活性化制度」もメンター制度・エンゲージメントサーベイ・1on1ミーティングの3つです。

ただしスポーツ関連の助成金がないわけではありません。厚生労働省の外側に、規模の大きい制度があります。

スポーツ関連の助成は「誰が受け取れるか」で系統が分かれる
出し手・制度 受け手 規模
厚生労働省
人材開発支援助成金
労働者を雇用する事業主 経費の45〜75%(職務関連訓練に限る)
JKA
競輪・オートレースの補助事業
NPO法人、財団法人・社団法人、社会福祉法人、商工会・商工会議所、学校法人ほか。自転車・モーターサイクル支援は企業も対象 障がい者スポーツは補助率9/10・上限1億5,000万円
日本スポーツ振興センター
スポーツ振興くじ助成
都道府県・市町村、スポーツ団体 施設整備は1件数千万円規模
スポーツ庁
スポーツエールカンパニー
従業員のスポーツ活動を支援する団体 認定のみ。現金は出ない
都道府県・市区町村 地域により異なる 合宿誘致、大会開催、施設整備など地域ごと

出典:厚生労働省、公益財団法人JKA「2027年度補助方針」、日本スポーツ振興センター、スポーツ庁の各公式情報をもとに当メディアが整理

見落とされやすいのがJKAです。自転車競技法・小型自動車競走法に基づいて競輪・オートレースの収益を配分する仕組みで、「機械振興補助事業」と「公益事業振興補助事業」に分かれています。公益事業振興補助事業には「スポーツ(障がい者スポーツを含む)」という区分があり、施設の建築・補修も対象です。

金額の桁が違います。機械振興補助事業の振興事業補助のうち「自転車・モーターサイクル・障がい者スポーツ」は補助率9/10、補助金上限額1億5,000万円。2027年度の申請は、機械振興・公益事業振興・施設の建築補修が2026年9月11日で締め切られ、福祉機器・福祉車両は9月30日から10月30日、研究補助は9月24日から10月30日が受付期間です。

対象者もJSCのくじ助成とは違います。公益事業振興補助事業はNPO法人・財団法人・社団法人・社会福祉法人・商工会・商工会議所・学校法人などが対象で、機械振興補助事業のうち自転車・モーターサイクルの支援に資する事業は「日本国内に法人格を有する企業」も対象です。JKAは都道府県別の補助事業一覧も公開しています。

そして都道府県・市区町村にも、スポーツ系の補助金があります。合宿誘致、大会開催、施設整備、地域クラブ支援など内容は地域ごとに異なるため、都道府県別の記事でその地域のものを確認してください。

Q. スポーツ関連の助成金にはどんなものがありますか?

受け手によって系統が分かれます。企業が研修として受けるなら厚生労働省の人材開発支援助成金(職務関連訓練に限る)、NPO法人や財団法人・社団法人などが受けるならJKAの補助事業(障がい者スポーツは補助率9/10・上限1億5,000万円)、自治体やスポーツ団体なら日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ助成です。スポーツ庁のスポーツエールカンパニーは認定のみで現金は出ません。

(参考)補助事業要望申請について – 公益財団法人JKA

(参考)スポーツ振興くじ助成 – 日本スポーツ振興センター

賃上げとセットなら、ほかの助成金も見ておく

研修と賃上げで使える国の助成金は目的別に分かれる

研修だけでなく賃上げも考えているなら、人材開発支援助成金の外側にも選択肢があります。厚生労働省は「賃上げ支援助成金パッケージ」として複数の制度を並べています。

非正規雇用労働者の賃金を上げるなら、キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)です。基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、その規定を適用させた場合に助成されます。中小企業なら1人あたり、3%以上4%未満で4万円、4%以上5%未満で5万円、5%以上6%未満で6.5万円、6%以上で7万円。原則として事業所内すべての非正規雇用労働者の賃金規定等を改定する必要があります。

設備投資とセットで最低賃金を上げるなら、業務改善助成金です。事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合が対象で、最大600万円。申請期限は都道府県ごとに20通りに分かれます。人材育成・教育訓練も助成対象経費に含まれるため、研修との相性もあります。

離職率を下げる取組なら、人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)。賃金規定制度・諸手当等制度・人事評価制度が各50万円、職場活性化制度と健康づくり制度が各25万円、作業負担を軽減する機器等が導入経費の62.5%または75%で、複数導入して賃上げを行った場合は最大325万円です。

労働時間の削減とセットなら、働き方改革推進支援助成金。労働時間短縮・年休促進支援コースが25〜200万円、勤務間インターバル導入コースが50〜150万円、建設業向けの業種別課題対応コースが25〜550万円です。

使い分けの軸はシンプルです。研修そのものが目的なら人材開発支援助成金、賃上げが目的で設備投資を伴うなら業務改善助成金、非正規の処遇改善ならキャリアアップ助成金。どれも計画の事前提出が前提で、実施してからでは使えません。

Q. 人材開発支援助成金とほかの助成金の違いは何ですか?

目的が違います。人材開発支援助成金は研修そのものへの助成、業務改善助成金は事業場内最低賃金の引上げと設備投資への助成、キャリアアップ助成金は非正規雇用労働者の処遇改善への助成です。人材確保等支援助成金は雇用管理制度の導入、働き方改革推進支援助成金は労働時間の削減が対象になります。

(参考)「賃上げ」支援助成金パッケージ – 厚生労働省

(参考)キャリアアップ助成金 – 厚生労働省

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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