【2026年最新版】北海道の助成金|研修50万円と札幌市の求人15万円

北海道の助成金|研修50万円と札幌市の求人15万円 スポーツ研修

北海道の企業が研修や人材確保に使える制度は、国・道・市の3層に分かれています。道には研修費用を補助する制度が2本あり、それぞれ50万円。札幌市にも人材確保と賃上げで別々の補助があります。

そしていちばん急ぐのは道の人材確保支援事業です。11月15日まで期間が延長されましたが、予算に対する申請が9月19日時点で94.7%に達しています。この記事では3層それぞれの中身と期限に加えて、検索すると出てくるのに自社では使えない制度——スポーツ関連の助成金がその代表です——も切り分けて示します。使える制度を探す時間と同じくらい、使えない制度を早く外す時間が要るからです。

北海道で使える制度の一覧(令和8年度)

先に一覧を置きます。金額と期限だけを比べたい場合は、この表で足ります。個別の要件は、それぞれの見出しで確認してください。

北海道の企業が使える人材・賃上げ関連の制度(令和8年度)
制度 出どころ 補助率 上限 期限・受付
産業人材育成支援事業【派遣】 北海道 2分の1 上限1人500,000円 ―
産業人材育成支援事業【招へい】 北海道 2分の1 上限500,000円 ―
人材確保支援事業 北海道 ― 就労者100,000円+事業者100,000円 11月15日まで(予算の94.7%が申請済み)
求人情報発信補助金 札幌市 2分の1 上限150,000円 掲載前後に専門家派遣2回が必須
賃上げ応援補助金 札幌市 5分の1 上限1,200,000円 業務改善助成金の交付額確定後
業務改善助成金 国(厚生労働省) ― ― 9月30日まで
人材開発支援助成金 国(厚生労働省) 経費の45〜75% ― 訓練開始の6か月前〜1か月前に計画届
スポーツ振興くじ助成 日本スポーツ振興センター ― ― 令和9年度分は11月頃に募集(自治体・スポーツ団体が対象)
スポーツエールカンパニー スポーツ庁 ― 認定のみ(現金なし) 11月2日まで

出典:北海道・札幌市・厚生労働省・日本スポーツ振興センター・スポーツ庁の各制度ページ(令和8年度)

この表に並ぶ制度は、呼び名が「助成金」「補助金」「支援金」「奨励金」「応援金」とばらばらです。国の制度は助成金、県や市町村の制度は補助金と呼ぶことが多いものの、例外もあります。名前から要件や金額を推測することはできないので、必ず制度ごとの要綱を見てください。

手続きの形は、どれもおおむね同じです。①事前相談または計画届 → ②交付申請 → ③交付決定 → ④実施 → ⑤実績報告 → ⑥額の確定と入金。重要なのは④の前に②③を済ませることで、研修を受けてから、設備を買ってから、広告を出してから申請しても対象になりません。入金は⑤の実績報告を出したあとなので、費用はいったん自社で立て替える前提で資金を用意しておく必要があります。

Q. 個人事業主でも助成金は使えますか?

制度ごとに書き方が違います。たとえば仙台市生産性向上・賃金引上げ応援金と福島県業務改善応援補助金は対象に個人事業主を明記し、青森市の除雪オペレーター補助は事業者と個人の両方を対象にしています。一方「中小企業者等」「事業者」とだけ書かれている制度では、個人事業主が含まれるかを要綱で確認する必要があります。

(参考)北海道

道の研修支援は「派遣」と「招へい」で各50万円

北海道には、研修費用そのものを補助する制度が2本あります。どちらも公益財団法人北海道中小企業総合支援センターが窓口で、道内の中小企業者等が対象です。

北海道 産業人材育成支援事業の2本
項目 【派遣】 【招へい】
何に使うか 先進企業、研修機関等、専門職大学院、社会人向け大学院等へ従業員を送る 講師を招いて研修会等を開く
対象経費 滞在費、往復の交通費、入学料、授業料 授業料、会場借上費、滞在費、往復の交通費
補助率 対象経費の2分の1以内
補助限度額 50万円(1人当たり) 50万円
テーマの条件 新分野・新市場への進出等に資する人材養成 脱炭素社会の実現、デジタル社会の形成等に対応し、競争力の強化に向けた重要な課題に取り組むもの

出典:公益財団法人北海道中小企業総合支援センター「産業人材育成支援事業【派遣】【招へい】」

使い分けははっきりしています。【派遣】は1人当たり50万円なので、少数を外部に送る場合に効きます。大学院の入学料と授業料が対象経費に入っているのが特徴で、社会人大学院への派遣まで射程に入ります。

【招へい】は1件50万円で、会場借上費まで対象です。自社に講師を呼んで複数人に受けさせるなら、こちらのほうが1人あたりの負担は軽くなります。

ただし【招へい】にはテーマの条件があります。「脱炭素社会の実現、デジタル社会の形成等の社会経済情勢の変化に対応するなど、競争力の強化に向けた重要な課題」に取り組むための研修会であることが求められます。テーマが合うかどうかは、申請前にセンターへ確認してください。

この2本は国の人材開発支援助成金とは別の制度です。国が経費の45〜75%を助成するのに対し、道は2分の1。対象経費の範囲も違うため、どちらが有利かは研修の中身で変わります。併用の可否は、センターと労働局の両方に確認するのが確実です。

これらは中小企業競争力強化促進事業の枠組みで公募されており、令和8年度は1次募集が5月7日から6月19日、2次募集が8月19日から9月16日でした。問い合わせは同センター企業振興部企業振興グループ(011-232-2403)です。

Q. 北海道に研修費用の補助はありますか?

産業人材育成支援事業が2本あります。従業員を外部へ送る【派遣】が補助率2分の1・1人当たり50万円、講師を招いて研修会を開く【招へい】が補助率2分の1・50万円です。どちらも道内の中小企業者等が対象で、窓口は北海道中小企業総合支援センター(011-232-2403)です。

(参考)産業人材育成支援事業【派遣】 – 北海道中小企業総合支援センター

人材確保支援事業は予算の94.7%が埋まっている

北海道の人材確保支援事業は予算の94.7%が申請済み

研修より先に人を採るなら、道の人材確保奨励金・支援金があります。ただし残り枠がほとんどありません。

仕組みは、離職期間が1か月以上ある求職者が、人手不足が深刻な職種の道内事業所で31日以上在職した場合に、就労者へ奨励金10万円、事業者へ支援金10万円を支給するものです。離職期間が1年以上だった場合は、就労者にさらに奨励加算金10万円が追加されます。

期間は令和8年11月15日まで延長されました。勤務初日が令和8年4月16日から10月16日までの間、審査申請の受付は12月15日までです。申請期限は勤務初日から2か月以内と決まっています。

問題は予算です。道は申請受付状況を公表しており、令和8年9月19日時点で予算に対する申請が94.7%に達しています。要綱には「予算の範囲で支給するので、申請が予算の範囲を超えた場合は申請いただいても奨励金等は支給しません」と明記されています。期間が残っていても、枠が尽きれば終わりです。

対象職種は厚生労働省編職業分類の中分類で19種。建築・土木・測量技術者、医療技術者、保健医療関係助手、保育士・幼稚園教員、営業の職業、福祉・介護の専門的職業、施設介護、訪問介護、飲食物調理、警備員、製品製造・加工処理工(金属製品)、機械整備・修理工、貨物自動車運転、バス運転、乗用車運転、建設躯体工事、建設の職業、土木の職業、電気・通信工事です。

事業者側の要件も確認が要ります。道内に本店・主たる事務所または事業所があること、労働関係法令を遵守していること、令和8年2月20日以降に対象職種で新規求人をハローワークまたは求人広告に掲載していること、その就労者を直接雇用していること。雇入れ数に制限はありませんが、支援金の支給は1社1回限りです。

Q. 北海道の人材確保支援事業はまだ間に合いますか?

期間は令和8年11月15日まで延長されていますが、令和8年9月19日時点で予算に対する申請が94.7%に達しています。予算の範囲を超えた場合は支給されないと明記されているため、残り枠は限られます。事業者には支援金10万円、就労者には奨励金10万円が支給され、支援金は1社1回限りです。

(参考)人材確保奨励金・支援金(人材確保支援事業)について – 北海道

札幌市は人材確保と賃上げに、別々の補助を出す

札幌市には市内の中小企業向けに2本の補助があります。採用にかける広告費に出るものと、賃上げに出るものです。窓口はどちらも札幌市働き方改革・人材確保サポートセンター(愛称:はたサポ)で、札幌市北区北24条西5丁目の札幌サンプラザ1階にあります(011-219-1331)。

札幌市の中小企業向け補助(令和8年度)
項目 求人情報発信補助金(専門家派遣付) 賃上げ応援補助金
補助額 2分の1・上限15万円 国の業務改善助成金の5分の1・上限120万円
対象経費 広告媒体への求人情報掲載料(有料掲載に限る) 業務改善助成金の対象となった設備投資等の経費
特有の条件 市が定める人手不足15職種の求人であること/求人掲載の前と後に専門家派遣を2回受けること 令和8年9月1日以降に国の交付額確定(支給決定)通知を受けていること
期限 第2期は令和8年11月30日までに掲載、12月31日までに事業完了 令和9年2月26日(金)必着
申請方法 はたサポへ はたサポへ郵送または電話予約のうえ持参(メール不可)

出典:札幌市働き方改革・人材確保サポートセンター「補助金について」、札幌市「札幌市賃上げ応援補助金」

求人情報発信補助金で注意が要るのは専門家派遣が必須だという点です。求人を出す前と出したあとに2回受ける必要があり、申請時点ですでに掲載済み・掲載中のものは対象外。先に広告を出してしまうと使えません。過去にこの補助金の交付を受けた事業者も対象外です。

対象は市が定める人手不足15職種に限られます。建築・土木・測量技術者、保育士・幼稚園教員、学童保育等指導員、福祉・介護の専門的職業、施設介護、訪問介護、飲食物調理、警備員、その他の保安、機械整備・修理工、貨物自動車運転、バス運転、乗用車運転、その他の自動車運転、土木の職業です。道の人材確保支援事業と職種の範囲が近いので、両方の要件を見比べる価値があります。

賃上げ応援補助金のほうは、国の業務改善助成金を受けたあとに申請する上乗せです。国の助成額が600万円を超えると上限120万円で頭打ちになります。提出書類は国に出した書類の写しが中心で、北海道労働局へ提出した書類は返却されないため、実績報告の前にコピーを取っておく必要があります。

研修そのものについては、札幌市産業振興センターが新入社員・若手、中堅、管理職、経営層・経営幹部の4階層に分けた研修プログラムを実施しています。補助ではなく研修の提供なので、自社で企画する手間がかかりません。

Q. 札幌市の求人広告に使える補助金はありますか?

求人情報発信補助金(専門家派遣付)があります。広告媒体への求人情報掲載料の2分の1、上限15万円です。ただし市が定める人手不足15職種の求人であることと、掲載の前後に専門家派遣を2回受けることが条件で、すでに掲載済み・掲載中のものは対象外です。

(参考)補助金について – 札幌市働き方改革・人材確保サポートセンター(はたサポ)

賃上げ側は9月30日が期限。鉄鋼業だけ引上げ幅が0円になる

10月1日に必要になる引上げ幅は業種で分かれる

北海道最低賃金は令和8年10月1日から1,131円になります。改定前は1,075円で、引上げ額は56円。これに連動して、国の業務改善助成金の申請期限は前日の9月30日です。9月30日が期限になるのは全国15都道府県で、北海道はその一つです。

ただし必要な引上げ幅は業種で分かれます。北海道には特定(産業別)最低賃金が4つあり、地域別との大小関係で変わるからです。

3つは地域別に飲み込まれます。処理牛乳・乳飲料、乳製品、砂糖・でんぷん糖類製造業の1,113円、電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業の1,116円、船舶製造・修理業、船体ブロック製造業の1,105円は、いずれも1,131円を下回るためです。

残る1つが鉄鋼業です。北海道鉄鋼業最低賃金は1,165円で、令和7年12月1日から適用されています。1,131円より高いため、10月1日以降も1,165円が適用され続け、この10月1日は金額の変わらない改定になります。ただし鉄鋼業は令和7年12月1日に1,100円から1,165円へ65円引き上げており、負担を10か月早く済ませているという順序の違いです。

引上げ幅を並べると、一般の事業場が56円、船舶製造・修理業が26円、処理牛乳等が18円、電子部品等が15円、鉄鋼業が0円。鉄鋼業を除いても必要になる原資は業種で3.7倍の開きがあります。派遣労働者には派遣先の地域(産業)に適用される最低賃金が適用される点も変わりません。

Q. 北海道の最低賃金と特定最低賃金はどうなりますか?

北海道最低賃金は令和8年10月1日から1,131円です。特定最低賃金4つのうち、処理牛乳等の1,113円、電子部品等の1,116円、船舶製造等の1,105円は1,131円を下回るため地域別が適用されます。鉄鋼業だけは1,165円で上回るため、10月1日以降も1,165円が適用されます。

(参考)最低賃金について – 北海道労働局

道の補助金は3本とも今年度の募集が終わっている

研修と人材確保には使える制度が残っている一方、設備投資や販路開拓に使う道の補助金は、令和8年度の募集が3本とも終了しています。

北海道の令和8年度 中小企業向け補助金の状況(2026年9月時点)
補助金 規模 状況
中小・小規模企業賃上げ環境整備等支援事業費補助金 上限200万円または300万円、補助率2分の1以内または4分の3以内 予算上限に達し受付終了(2026年8月10日)
中小・小規模企業新事業展開・販売促進支援補助金 新事業展開と販売促進 募集終了(2026年7月31日)
中小・小規模企業デジタル技術導入等緊急支援事業費補助金 デジタル技術の導入等 募集終了(2026年7月17日)

出典:北海道 経済部地域経済局中小企業課「補助金・助成金・支援金」

賃上げ環境整備等支援事業費補助金が期間満了ではなく予算上限で閉じた点が示唆的です。募集開始の直後に動いた事業者が取ったということなので、来年度を狙うなら冬のうちに見積もりと計画を用意しておくのが現実的です。道の補助金は春先に募集が始まる傾向があります。

Q. 北海道の設備投資向け補助金はまだ申請できますか?

令和8年度は3本とも終了しています。中小・小規模企業賃上げ環境整備等支援事業費補助金は予算上限に達して2026年8月10日に受付終了、新事業展開・販売促進支援補助金は7月31日、デジタル技術導入等緊急支援事業費補助金は7月17日に募集終了です。いま動けるのは産業人材育成支援事業と人材確保支援事業です。

(参考)補助金・助成金・支援金 – 北海道 経済部地域経済局中小企業課

道の力点は補助金より「価格転嫁」にあり、相談は出張窓口で受けられる

補助金の枠が閉じている一方で、道が通年で前面に出しているのが価格転嫁です。中小企業課に専用ポータルを設け、中小企業庁の価格交渉ハンドブック、価格転嫁検討ツール、労務費の転嫁指針などをまとめています。

パートナーシップ構築宣言の優遇も具体的です。道の優遇措置は、低利な道制度融資の対象、補助金審査での加点、経済部のプロポーザル方式による契約での加点、官公需における優先発注の4つ。登録は無料で、2026年9月10日9時現在で全国106,803社が宣言し、うち北海道は6,204社です。

相談窓口も札幌に集中しています。北海道よろず支援拠点は札幌市中央区北1条西2丁目の北海道経済センタービル9階、公益財団法人北海道中小企業総合支援センター内にあり、事前予約制です。ただし広い道内をカバーするため、旭川商工会議所(毎月第2金曜13時〜17時)、富良野商工会議所(毎月1回)、網走商工会議所(毎月木曜)、斜里町商工会(年8回程度)、北海道知財総合支援窓口の5か所で定期出張相談会があります。取引上のトラブルは取引かけこみ寺(011-232-2408、全国窓口0120-418-618)です。

Q. 札幌まで行かずに相談できますか?

できます。北海道よろず支援拠点は旭川商工会議所(毎月第2金曜13時〜17時)、富良野商工会議所(毎月1回)、網走商工会議所(毎月木曜)、斜里町商工会(年8回程度)、北海道知財総合支援窓口の5か所で定期出張相談会を開いています。取引上のトラブルは取引かけこみ寺(011-232-2408)が電話で受け付けています。

(参考)価格転嫁・取引適正化ポータルサイト – 北海道

スポーツ関連の助成金は、申請先ではなく発注先として読む

「北海道 助成金」を調べると、桁の大きいスポーツ関連の助成が混ざります。結論から書くと、企業が直接申請する枠ではありません。ここで判断を済ませて、検討の時間を切り上げてください。そのうえで、この一覧には企業にとって別の使い道があります。

混ざってくるのはスポーツ振興くじ(toto・BIG)の売上を原資とする助成金です。日本スポーツ振興センター(JSC)が配分し、誰にいくら出たかは助成事例データベースで都道府県別に公開されています。金額は大きい一方、受け手は自治体とスポーツ団体に限られます。

令和8年度の北海道分を数えると、87件・合計6億3,582万円でした。宮城県の18件・8,214万円、青森県の13件・1億945万円と比べて、件数で5倍前後、金額で6倍前後という規模です。

令和8年度 スポーツ振興くじ助成の北海道分(助成区分別)
助成区分 件数 助成額 構成比
地域スポーツ施設整備助成 15件 4億1,629万円 65.5%
地方公共団体スポーツ活動助成 42件 1億4,906万円 23.4%
スポーツ団体スポーツ活動助成 17件 4,637万円 7.3%
総合型地域スポーツクラブ活動助成 11件 1,616万円 2.5%
将来性を有する競技者の発掘及び育成活動助成 2件 794万円 1.2%

出典:日本スポーツ振興センター「助成事例データベース」をもとに当メディアが集計

3分の2を施設整備が占め、金額も大きい。8,000万円が3件——士別市陸上競技場改修、遠軽町えんがる球場大規模改修、新ひだか町静内温水プール大規模改修です。次いで2,400万円が4件で、札幌市東雁来公園サッカー場、函館市函館フットボールパーク、千歳市青葉公園庭球場、東川町ゆめ公園サッカー場の芝生化改設が並びます。

企業にとって重要なのは、自治体以外の法人が24件・5,917万円(全体の9.3%)を受けていることです。公益財団法人北海道サッカー協会が全道市町村サッカー・フットサル大会に7,588,000円、公益社団法人日本パークゴルフ協会が広報紙発行に5,725,000円、公益財団法人石狩市スポーツ協会が市民スポーツまつりに545万円。一般社団法人NHスポーツ振興連盟のように、小学生のアイスホッケー・ミニバスケットボール・少年野球の3大会でそれぞれ助成を受けている団体もあります。クラブへの協賛とは別の枠組みで、地域の競技普及に資金が回っている形です。

この一覧には別の読み方があります。並んでいるのは工事と備品の話だからです。施設整備だけで15件・416,294,000円が動いていて、士別市陸上競技場改修、遠軽町えんがる球場大規模改修、新ひだか町静内温水プール大規模改修が各8,000万円。助成が決まった事業には、必ず施工や納入の相手が要ります。自社の商材が当てはまるなら、申請する側ではなく受注する側として、実施する自治体の公告を追うほうが現実的です。

地域のクラブや大会と組みたい場合も同じです。助成を受け取るのはクラブや実行委員会の側なので、協賛や共催を持ちかけるなら、相手が助成を申請する時期に合わせると話が進めやすくなります。令和9年度の募集は11月頃からです。

助成を受けられる団体はJSCが助成区分ごとに定めています。自社や関係する団体が対象になるかどうかは、募集内容と交付要綱・実施要領で確認してください。令和9年度は11月頃に募集が始まる予定で、スポーツコンプレックスをはじめとした大規模施設整備に対応する新メニューの検討も進んでいます。

Q. 北海道ではスポーツ振興くじの助成金がどこに出ていますか?

令和8年度は87件・6億3,582万円で、3分の2を施設整備が占めます。8,000万円が3件、2,400万円の芝生化改設が4件です。自治体以外の法人には24件・5,917万円が出ており、全体の9.3%にあたります。対象となる団体は助成区分ごとにJSCの交付要綱・実施要領で定められています。

(参考)助成事例データベース – 日本スポーツ振興センター

従業員の運動に助成金は出ない。費用ゼロの認定を採用で使う

従業員が体を動かす取組そのものに出る国の助成金は、調べたかぎり見当たりません。名前の近い人材確保等支援助成金の「健康づくり制度」も、公式の定義は人間ドックの受診制度で、運動は含まれていません。この方向の検索は、ここで打ち切って差し支えありません。

予算が付かない代わりに、費用をかけずに取れる認定があります。取ったところで現金は入りませんが、採用の場面だけは使えるので、そこを目的にするなら申請する価値があります。

代わりにあるのがスポーツ庁のスポーツエールカンパニーです。現金は出ませんが費用もかからず、申請は11月2日まで。2026年の認定1,635団体のうち北海道は34団体で全国8位タイです。ただしクラブへの協賛や従業員の観戦支援は対象外で、認定されるのは従業員自身が体を動かす取組だけです。

認定で得られるものは3つだけです。スポーツ庁ホームページでの団体名の公表、認定証と認定マーク、そして2022年6月にハローワークの求人票等に表示できるPRロゴマークへ追加されたこと。助成金の加点も、優遇措置もありません。パートナーシップ構築宣言に道の制度融資や補助金審査の加点が付くのとは、そこが違います。

企業にとって実利があるのは、この3つのうちハローワークの求人票等に表示できるPRロゴマークです。採用広告を出す予定があるなら、そこに間に合わせるのが使いどころになります。逆に、助成金の審査で加点されることはありません。

なぜ現金が出ないのか。募集要項に理由が書かれています。スポーツ庁はこの制度の狙いを「認定された団体の取組を広く周知することで、従業員や大学生等の健康管理を考え戦略的に取り組んでいる団体の社会的評価の向上を図る」ことだとしています。カネではなく評判で動かす設計なので、そもそも支給という仕組みを持っていません。

厚生労働省の研修助成金と守備範囲が逆になるのも、目的が違うからです。人材開発支援助成金は「事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等」への助成で、根拠は労働者の職業能力開発にあります。一方スポーツエールカンパニーが見ているのは「成人の週1回以上のスポーツ実施率は51.7%にとどまり、とくに20代から50代が低い」という健康課題で、働き盛り世代が一日の大半を過ごす職場をきっかけの場にしようとしています。

だから一方で対象になるものが、他方では対象外になります。体操・ストレッチや徒歩通勤の奨励は、職務に関連しないという理由で研修助成金の対象外。逆に職務に直結する専門研修は、従業員が体を動かす取組ではないのでスポーツエールカンパニーの対象外です。両方を狙うなら、別々に設計するしかありません。

認定には段階もあり、従業員の週1回以上のスポーツ実施率が70%以上なら「+(プラス)」、通算の認定回数が5〜6回でBronze、7〜9回でSilver、10回以上でGoldの認定マークが付きます。制度として重なるのは求人票という出口だけです。道の人材確保支援事業や札幌市の求人情報発信補助金で求人を出すなら、そこにロゴを載せられる、という関係になります。

Q. クラブへの協賛はスポーツエールカンパニーの対象になりますか?

なりません。スポーツ庁は、従業員のスポーツ観戦を支援する取組や、スポーツ団体・アスリート・大会を支援する取組は対象にならないと明記しています。認定されるのは、体操やストレッチ、徒歩・自転車通勤の奨励など、従業員自身がスポーツを実践する取組です。制度の狙いが「働き盛り世代が職場でスポーツに親しむきっかけをつくること」にあるためで、厚生労働省の研修助成金とは目的も対象も別系統です。申請は2026年11月2日までです。

(参考)「スポーツエールカンパニー2027」の申請受付について – スポーツ庁

目的別に、どこから当たるか

北海道の企業が使える制度は国・道・市の3層に分かれる

北海道の企業が9月下旬の時点で取れる選択肢を、目的別に並べます。

人を採りたいなら、道の人材確保支援事業がいちばん急ぎます。予算の94.7%が埋まっており、枠が尽きれば期間内でも終わります。事業者に10万円、就労者に10万円。札幌市内なら求人広告費に市の補助(2分の1・上限15万円)も使えますが、掲載前に専門家派遣を受ける必要があるので、広告を出す前に相談してください。

研修費用を抑えたいなら、道の産業人材育成支援事業です。外部に送るなら【派遣】で1人50万円、講師を呼ぶなら【招へい】で50万円。いずれも補助率2分の1です。国の人材開発支援助成金は経費の45〜75%が戻りますが、訓練開始の6か月前から1か月前までに計画届を出す必要があります。

賃上げと設備投資を進めるなら、国の業務改善助成金です。期限は9月30日。札幌市内なら交付額の確定後に市の賃上げ応援補助金で5分の1(上限120万円)が上乗せされます。

道の設備投資向け補助金は3本とも終わっています。来年度に向けて、春先の募集開始に備えて準備しておく制度です。今年度に動かすなら、募集が続いている国の業務改善助成金と人材開発支援助成金のほうを先に見てください。

自社が鉄鋼業なら、10月1日の改定で金額は動きません。1,165円が引き続き適用されます。ただし特定最低賃金の改定は例年12月なので、この冬の動きは見ておく必要があります。

値上げ交渉が根本の課題なら、よろず支援拠点とパートナーシップ構築宣言です。宣言は無料で、道の制度融資・補助金審査・プロポーザル・官公需の4つで優遇が付きます。札幌まで行けない場合は、旭川・富良野・網走・斜里の出張相談会が使えます。

地域のスポーツ団体と組んでいるなら、スポーツ振興くじ助成です。令和9年度の募集は11月頃。対象となる団体は助成区分ごとに定められているので、JSCの交付要綱・実施要領で確認してください。

従業員の運動習慣づくりに取り組んでいるなら、スポーツエールカンパニー2027です。現金は出ませんが費用もかからず、11月2日まで申請できます。

どの制度も、実施してからでは使えないものがほとんどです。広告を出してから、設備を買ってから、研修を受けてから申請しても対象になりません。この「事前申請が原則」という構造は他県でも共通です。制度名を調べるより先に、自社が次の半年で何をするかを決めるほうが結果的に早く進みます。

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Q. 札幌市以外の市町村にも独自の制度はありますか?

この記事で確認できたのは札幌市の2制度です。市町村独自の制度は各自治体が個別に設けるため、事業場のある市町村の公式サイトで最新の情報を確認してください。道全体で使える制度としては、産業人材育成支援事業と人材確保支援事業があります。

(参考)札幌市賃上げ応援補助金 – 札幌市

Q. 助成金の申請は自分でできますか?社労士に頼むべきですか?

どちらでも申請できます。費用をかけずに進めたい場合は各制度の窓口が相談に応じており、秋田県は相談先として社会保険労務士会・行政書士会を案内し、福島県は社労士報酬の4分の3(上限100,000円)を補助する制度を用意しています。書類の量と期限までの日数を見て決めるのが現実的です。

(参考)人材開発支援助成金 – 厚生労働省

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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