健康経営のスポーツ補助金|国の20億円要求と企業の備え

健康経営のスポーツ補助金|国の20億円要求と企業の備え スポーツウェルビーイング

来年度の健康づくりの予算を組もうとして、「スポーツ庁が企業の運動施策に20億円」という話を耳にする。それなら自社も申請できるのか、いくら出るのか、いつから動けばよいのか。資料を探しても、申請の窓口も金額も見つからず、手が止まってしまいます。

スポーツ庁が2027年度の概算要求に入れた20.0億円は、企業が国に直接申請する補助金ではなく、国が都道府県と政令指定都市に補助し、その自治体が地元の企業を支援する2段階の仕組みです。しかも、いまは概算要求の段階で、予算は成立していません。採択の件数、企業の要件、公募の時期は、どの資料にもまだ書かれていません。

この記事では、スポーツ庁と財務省、厚生労働省の公表資料をもとに、健康経営でスポーツや運動に使える補助金と認定を整理します。内容は2026年10月10日の時点のものです。政府の予算案の決定や公募の開始で変わるため、申請の前に必ず各制度の公式のページを確かめてください。

健康経営のスポーツ補助金と認定を一覧で確かめる

従業員の運動を後押しする国の支援は、スポーツ庁、厚生労働省、経済産業省に分かれています。企業に直接お金が出るのは厚生労働省の補助金だけで、ほかは自治体への補助と、お金の出ない認定です。

制度 種類 企業の申請先 企業が受け取る額 2026年10月10日時点の状態
運動・スポーツを活用した企業人材等の健康インフラ整備支援事業(スポーツ庁) 自治体への補助(その先で企業を支援) 都道府県・政令指定都市(開始後。未定) 未公表 概算要求の段階。予算は未成立
エイジフレンドリー補助金(厚生労働省) 企業への補助金 エイジフレンドリー補助金事務センター 運動指導は補助率2分の1、上限100万円(消費税を除く) 受付中。2026年11月20日まで
スポーツエールカンパニー2027(スポーツ庁) 認定 WEBの申請フォーム なし(認定) 受付中。2026年11月2日まで
健康経営優良法人2027(経済産業省の制度) 認定 専用の申請サイト なし(中小規模法人部門は申請料が税込16,500円) 中小規模法人部門のみ2026年10月16日17時まで

従業員の運動に関わる国の補助金と認定(出典:スポーツ庁「令和9年度 概算要求主要事項」、厚生労働省「エイジフレンドリー補助金」、スポーツ庁「スポーツエールカンパニー2027の申請受付について」、ACTION!健康経営「中小規模法人部門の申請」。2026年10月10日に確認)

表のいちばん上が、2027年度に向けて新しく要求された事業です。企業が受け取る額も申請先も決まっておらず、いま申し込めるものではありません。今年度のうちに動けるのは、下の3つです。

制度の呼び名は補助金、助成金、支援事業とさまざまですが、呼び名から要件や金額を推測することはできません。対象になるかどうかは、制度ごとの要領で確かめます。これまでの健康経営の支援制度は、スポーツ・運動施策に使える健康経営の補助金の記事でも扱っています。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

(参考)エイジフレンドリー補助金 – 厚生労働省

(参考)「スポーツエールカンパニー2027」の申請受付について – スポーツ庁

(参考)中小規模法人部門の申請 – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定制度ポータルサイト)

Q. 健康経営でスポーツに使える補助金はありますか?

企業が国に直接申請できるものとして、厚生労働省のエイジフレンドリー補助金があります。対象は60歳以上の労働者が常時1名以上いる中小企業事業者で、運動指導は転倒や腰痛を防ぐ目的に限られ、補助率は2分の1、上限は100万円(消費税を除く)です。スポーツ庁が2027年度の概算要求に入れた20.0億円の新規事業は、都道府県と政令指定都市への補助で、2026年10月10日の時点では予算が成立していません。

運動・スポーツを活用した企業人材等の健康インフラ整備支援事業は自治体への補助

健康経営のスポーツ補助金として要求された新規事業の関係図。スポーツ庁の補助とノウハウは都道府県・政令指定都市に入り、そこから域内の企業への支援や周辺企業への事例の提供が出る

この事業でお金を受け取るのは、まず都道府県と政令指定都市です。企業は、その自治体から支援を受ける側に置かれています。スポーツ庁が2026年8月に公表した「令和9年度 概算要求主要事項」から、仕組みを読み取ります。

要求額は20.0億円で交付先は都道府県と政令指定都市

スポーツ庁は、2027年度(令和9年度)の概算要求に、新規事業として「運動・スポーツを活用した企業人材等の健康インフラ整備支援事業」を盛り込みました。要求額は2,000,000千円、つまり20.0億円です。スポーツ庁全体の要求額は578億円で、2026年度の予算額368億円から210億円の増となっています。

資料には、補助期間が「3~5年程度」、補助率が「定額」、交付先が「都道府県、政令指定都市」と書かれています。担当はスポーツ庁の健康スポーツ課です。資料の事業イメージの図でも、スポーツ庁から都道府県・政令指定都市へ「事業費補助・ノウハウ提供」の矢印が伸び、そこから「域内企業等」へ「支援」の矢印が伸びています。

事業名にある「健康インフラ」は、ジムや運動場といった設備のことではありません。資料の注は、運動・スポーツの心身の健康増進という効果を生かして、人材の定着、継続的な能力発揮、生産性の維持向上、就労期間の延伸などを図るための基盤だと説明しています。

この形は、急に出てきたものではありません。スポーツ庁が2026年4月9日付で出した資料の時点で、企業の取組を支援する仕組みをつくる都道府県等に対して、国(スポーツ庁)が補助を行うと書かれていました。企業に直接配る案は、確かめた資料のどの段階にも出てきません。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

(参考)令和9年度 スポーツ庁概算要求 – スポーツ庁

(参考)運動・スポーツを活用した成長戦略人材の健康インフラ構築に向けて(令和8年4月9日) – スポーツ庁

企業向けの支援は就業時間中の運動の機会づくりが例に挙がる

自治体から企業への支援の中身は、資料では「支援メニュー(例)」として示されています。1つ目は、就業時間中の社員向けの運動・スポーツの実施機会の提供に対する支援で、かっこ書きで運動指導者の派遣や運動機器の購入等と添えられています。ほかに、取組の結果に関するエビデンスの蓄積と分析、取組事例やノウハウの周辺企業等への提供が挙がっています。

あくまで例なので、指導者の派遣や機器の購入に必ず補助が出ると決まったわけではありません。中身は自治体ごとに変わる可能性があります。

資料は、企業に期待する取組も4つ挙げています。経営者の関与と社内体制の整備、従業員に対する運動・スポーツ推進のための取組や支援の実施、取組の内容に関するエビデンスの収集と分析、取組の結果の情報発信です。国のスポーツ政策の全体像は、スポーツ基本計画の記事で整理しています。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

いまは概算要求の段階|予算の成立は2027年春の見込み

20.0億円は、スポーツ庁が財務省に求めた要求額で、決まった予算ではありません。2026年10月10日の時点で、財務省の「令和9年度予算」のページに載っているのは、7月30日の概算要求基準の閣議了解と、9月4日の各省庁の概算要求までです。政府の予算案は、まだ載っていません。

この20.0億円は、全額が『「強く豊かな日本」投資枠』という、通常の歳出とは別の枠での要求です。財務省は9月4日付の文書で、この枠について、成長への寄与や民間投資の誘発効果などを精査し、各年度の執行可能性も精査して、必要十分な規模となるようにすると書いています。予算案がまとまるまでに、金額や事業の形が変わることがあり得ます。

日程の目安として、前の年度の実績を見ます。2026年度の予算は、政府案の閣議決定が2025年12月26日、国会への提出が2026年2月20日でした。成立は、暫定予算を挟んで4月7日です。

2027年度も同じ流れなら、要求が残ったかどうかが分かるのは2026年12月ごろ、成立は2027年の春になります。これは前年度の実績からの見込みで、日付は公表されていません。

成立のあとも、企業に届くまでには段階があります。同じ健康スポーツ課が自治体向けに出している定額の補助「運動・スポーツ習慣化促進事業」は、2026年度の場合、4月15日に募集が掲載され、締切は5月8日でした。新しい事業では、国が自治体を募り、選ばれた自治体が企業向けの支援を用意する順になります。企業向けの案内が出る時期は、早くても2027年度に入ってからと見ておくのが安全です。

(参考)令和9年度予算 – 財務省

(参考)『「強く豊かな日本」投資枠』の予算編成についての考え方(令和8年9月4日) – 財務省

(参考)令和8年度予算 – 財務省

(参考)令和8年度地方スポーツ振興費補助金(スポーツによる地域活性化推進事業「運動・スポーツ習慣化促進事業」)の募集について – スポーツ庁

Q. スポーツ庁の新しい支援はいつから申請できますか?

2026年10月10日の時点では、申請の時期も申請先も公表されていません。この事業は2027年度の概算要求の段階で、予算は成立していません。交付先は都道府県と政令指定都市なので、予算が成立し、会社のある自治体が事業に参加した場合に、その自治体から企業向けの案内が出る流れになります。

資料で分かることと未公表のことを分けて読む

健康経営のスポーツ補助金の新規事業について、資料に書いてあることと未公表のことを補助の段階で分けた4象限の図。企業の要件、企業向けの補助率と上限、公募の時期は未公表の側にある

現時点で事業の中身が分かる公表資料は、概算要求主要事項の一覧と、事業ごとの説明図1枚です。書いてあるのは国から自治体への補助の枠組みまでで、企業に関わる条件はほとんど書かれていません。

補助率の定額は国から自治体への補助の決まり

資料に書いてあるのは、要求額、目的、交付先、補助率、補助期間です。このうち補助率の「定額」は、国が自治体に出す補助の決まりで、企業の費用が全額まかなわれるという意味ではありません。自治体から企業への補助率や上限は、どの資料にも書かれていません。

国から自治体への段でも、定額が満額を意味するとは限りません。先ほどの運動・スポーツ習慣化促進事業は同じ定額補助ですが、募集のページには、補助金額は申請件数に伴い予算の範囲内で決定されるとあります。要領では、補助は最長3年間で、2年度目は初年度の配分額の80%、3年度目は50%を上限とするなど、補助額を減らしていく予定だとされています。

新しい事業が同じ決まりになるとは書かれていません。ただ、補助がいずれ減ることを前提に計画を立てておくと、どちらに転んでも困りません。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

(参考)令和8年度地方スポーツ振興費補助金(スポーツによる地域活性化推進事業「運動・スポーツ習慣化促進事業」)の募集について – スポーツ庁

(参考)令和8年度運動・スポーツ習慣化促進事業における留意事項・記載要領 – スポーツ庁

件数と企業の要件と公募の時期は自治体の発表で確かめる

公表されていないのは、採択する件数と1件あたりの単価、企業の要件、自治体から企業への補助率と上限、公募の時期です。同じ資料のなかで、学校施設を活用する別の事業には「件数・単価」の欄がありますが、この事業にはその欄がありません。

企業の規模や業種の条件も書かれていません。資料にあるのは「域内企業等」という言葉だけで、中小企業に限るのか、個人事業主を含むのかは分かりません。また、一覧のページには実施方法が「地方自治体へ補助、民間団体へ委託」とありますが、民間団体へ委託する部分の中身は書かれていません。

そのため、「1社あたりいくら」という計算は、いまはできません。確かめる先は、スポーツ庁の公募のページよりも、会社のある都道府県や政令指定都市の発表です。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

Q. スポーツ庁の新しい支援で企業はいくら受け取れますか?

企業が受け取る額は公表されていません。資料に書かれているのは、要求額が20.0億円、交付先が都道府県と政令指定都市、補助率が定額、補助期間が3年から5年程度という、国から自治体への補助の枠組みです。自治体から企業への補助率や上限、採択の件数は、2026年10月10日の時点でどの資料にも書かれていません。

企業がいま直接使える補助金と認定は3つある

今年度のうちに企業が自分で申請できるのは、厚生労働省の補助金1つと、認定2つです。いずれも期限が近いので、条件と日付を並べます。

エイジフレンドリー補助金は11月20日まで|運動指導は転倒と腰痛の防止が対象

厚生労働省のエイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害を防ぐための設備の改善や、専門家による指導の経費の一部を補助する制度です。対象は、1年以上事業を実施していて、役員を除き、自社の労災保険が適用される60歳以上の労働者が常時1名以上働いている中小企業事業者です。

従業員の運動に使えるのは、専門家総合対策コースのうち、転倒や腰痛を防ぐための、専門家による身体機能のチェックと運動指導の経費です。補助率は2分の1、上限は100万円(消費税を除く)です。健康づくり全般の運動を対象にした制度ではないので、目的が合うかを先に確かめます。

2026年度の受付は、延長されて11月20日(金)までです。予算額に達した場合は、期間の途中でも受付を終えることがあるとされています。リスクアセスメントを専門家に頼む第1段階の申請は9月30日で終わっていますが、初めて申請する場合は第2段階から申請できます。

費用は立て替えになります。交付決定の前に発注した取組や、完了の前に代金を払った取組には、補助金が支払われません。取組をすべて終えてから代金を払い、そのあとで実施報告と支払いの申請をする順です。

審査があり、申請すれば必ず交付されるものでもありません。中小企業事業者の範囲はリーフレットの5ページに示されているので、個人で事業をしている場合はそこで確かめるか、申請先の事務センターに相談してください。

(参考)エイジフレンドリー補助金 – 厚生労働省

(参考)エイジフレンドリー補助金 リーフレット(令和8年度(2026年度)改訂版) – 厚生労働省

スポーツエールカンパニー2027は11月2日まで申請できる

スポーツエールカンパニーは、従業員の運動やスポーツの実施に取り組む企業などを、スポーツ庁が認定する制度です。お金が出る制度ではありません。2027年の認定の申請期間は、2026年9月1日から11月2日(月)までです。認定企業の決定は2027年1月上旬頃の予定で、認定期間は2027年12月31日までです。

申請できるのは、国内に本社または事業所があり、申請書を出す時点で Sport in Life コンソーシアムに加盟の申請をしている団体です。要件は、取組を一部の従業員にとどめず事業所の全体で進めていること、経営者などの理解を得て取組が明確になっていること、社内に周知されていて実績があること、実施の内容や手順を公表できることなどです。従業員のスポーツ観戦を支援する取組は、対象になりません。

これらの要件は、新しい事業の資料が企業に期待する取組として挙げた、経営者の関与やエビデンス、情報発信と重なります。ただし、この認定が新しい事業の条件になるとは、どの資料にも書かれていません。認定を受けると、ハローワークの求人票などに表示できるPRロゴマークを使えます。

あわせて読みたいスポーツエールカンパニー2027|認定基準・申請方法・メリット›

(参考)「スポーツエールカンパニー2027」の申請受付について – スポーツ庁

健康経営優良法人2027の中小規模法人部門は10月16日が締切

健康経営優良法人も、補助金ではなく認定です。2027年の認定の申請期間は、中小規模法人部門が2026年8月17日から10月16日(金)の17時までです。大規模法人部門は10月9日に締め切られました。

中小規模法人部門の認定申請料は、1件あたり15,000円(税込16,500円)です。申請の前に、加入している保険者などの「健康宣言事業」に参加しておく必要があります。発表は2027年3月の予定です。

この記事の時点から締切までは6日しかありません。準備が済んでいない場合は、来年の申請に向けて要件を確かめておくのが現実的です。費用や認定率は、健康経営の認定の記事にまとめています。

(参考)中小規模法人部門の申請 – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定制度ポータルサイト)

来年度の支援に向けて企業が備える4つのこと

新しい事業の公募要領は、まだ存在しません。ここで挙げるのは申請の要件ではなく、資料が企業に期待する取組と、似た補助事業の決まりから読み取れる準備です。どれも、補助が出なくても従業員の健康づくりに役立ちます。

従業員の運動実施率を数える

資料は、企業に期待する取組として、エビデンスの収集と分析を挙げています。最初にそろえたいのは、従業員のうち何割が週に1回以上、運動やスポーツをしているかという数字です。

スポーツエールカンパニーでも、上位のプラス認定には、週1回以上のスポーツ実施率が70%以上であることを示す資料が必須です。特定健康診査の質問票にある、1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施しているかの回答で代えることもできます。健診のデータがあれば、新しい調査をしなくても出せる数字です。

比べる相手になる数字もあります。スポーツ庁の令和7年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、勤務先に運動・スポーツを活用した取組がある就業者の週1日以上の実施率は71.1%、取組がない就業者は45.2%でした。勤務先で取組が行われている割合は21.3%です。もともと運動をする人が多い会社ほど取組をしている可能性もあるので、取組の効果そのものを示す数字ではありません。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

(参考)「スポーツエールカンパニー2027」の申請受付について – スポーツ庁

(参考)令和7年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の概要 – スポーツ庁

経営者の関与と担当者を決める

期待する取組の1つ目は、経営者の関与と社内体制の整備です。方針を文書にし、担当の部署と担当者を決めておくことが出発点になります。

スポーツ庁が2026年6月5日付で示した資料は、令和7年度の調査研究をもとに、取組がうまくいく要因として、旗振り役の存在と経営層のコミットメント、効果検証とPDCAの実践、社外連携による低コスト化を挙げています。

同じ資料には、Sport in Life コンソーシアムの参加企業へのアンケートの結果も載っています。病気やけががないときの仕事のパフォーマンスを最高10点で自己評価してもらうと、職場の運動・スポーツの取組を利用・参加している従業員の平均は8.5点、していない従業員は7.9点で、約8%の差があったというものです。運動に前向きな企業を対象にした調査で、取組が差を生んだことを示すものではありません。社内で説明するときは、その前提を添えてください。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

(参考)スポーツ庁における取組について(令和8年6月5日) – スポーツ庁 健康スポーツ課

就業時間中にできる取組を1つ持つ

支援メニューの例の1つ目は、就業時間中の運動の機会づくりでした。世論調査でも、運動やスポーツの妨げになる要因として、「仕事が忙しいから」「面倒くさいから」「体力が衰えたから」が続いています。就業時間の外に場を用意しても、忙しい人には届きにくいということです。

始業の前後や会議の合間の体操やストレッチのように、勤務のなかでできる取組を1つ決め、参加した人数を記録しておきます。先に見たとおり、似た補助事業では補助額が年ごとに減る決まりでした。機器の購入よりも、時間の確保と担当者という、補助が減っても続く部分に軸を置くと続けやすくなります。施策の設計の考え方は、ウェルビーイング施策の設計法を参考にしてください。

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

(参考)令和7年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の概要 – スポーツ庁

(参考)令和8年度運動・スポーツ習慣化促進事業における留意事項・記載要領 – スポーツ庁

自治体の予算案と窓口を確かめる

申請先になるのは、会社のある都道府県か政令指定都市です。資料は、自治体に期待する取組として、企業の運動・スポーツ推進のための認定制度などの創設や、運動・スポーツ関連のサービスを提供する企業とのマッチングの促進を挙げています。県や市が独自の認定制度をつくる可能性があります。

いまできるのは、本社や事業所のある自治体のスポーツ担当課や商工・労働の担当課に、企業向けの認定や表彰がすでにあるかを問い合わせることです。国の予算が成立すれば、自治体の予算案や補正予算に関連する事業が載る可能性があります。年が明けたら、自治体の予算の発表にも目を通してください。

補助金や認定の申請を社会保険労務士などの専門家に頼む場合は、費用と対応できる範囲を事前に確かめます。この記事の内容は制度の一般的な紹介で、自社が対象になるかどうかの判断は、各制度の窓口に確認してください。

あわせて読みたい健康経営の助成金・補助金ガイド2026|スポーツ施策に使える支援一覧›

(参考)令和9年度 概算要求主要事項 – スポーツ庁

まとめ|健康経営のスポーツ補助金は自治体の動きと期限で備える

2026年10月10日の時点で分かっていることを振り返ります。

  • スポーツ庁の新規事業「運動・スポーツを活用した企業人材等の健康インフラ整備支援事業」は、要求額20.0億円で、交付先は都道府県と政令指定都市。企業が国に直接申請する補助金ではない
  • いまは概算要求の段階で、予算は成立していない。前年度の実績からは、政府の予算案が2026年12月ごろ、成立が2027年の春の見込み
  • 採択の件数、企業の要件、企業向けの補助率と上限、公募の時期は公表されていない
  • いま企業が直接申請できるのは、エイジフレンドリー補助金(11月20日まで)、スポーツエールカンパニー2027(11月2日まで)、健康経営優良法人2027の中小規模法人部門(10月16日17時まで)
  • 来年度に向けては、運動実施率の把握、経営者の関与と担当者、就業時間中の取組、自治体の動きの確認から備える

まず、従業員の運動実施率を健診のデータから出してみてください。その数字があれば、今年の認定の申請にも、来年度に自治体の支援が始まったときの申請にも使えます。予算案が決まる12月と、自治体の予算が出そろう年明けに、もう一度、公式の情報を確かめることをおすすめします。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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