2025年2月のカーリング日本選手権で、ロコ・ソラーレは準決勝で北海道銀行に敗れ3位に終わった。それでもミラノ・コルティナ五輪の代表決定戦への進出条件はクリアし、収穫のある大会になったという。「私の責任だったかな」とポツリとこぼした藤澤五月は、敗因をどう分析し、次の一勝にどうつなげようとしているのか。
準決勝で見せた私の責任だったかなという振り返り
予選リーグ初戦で敗れていた北海道銀行との準決勝は、リベンジの舞台でもあった。第1エンドに2点ビハインドとなるも、藤澤のダブルテイクアウトで第2エンドに追いつく。しかし続く第3エンドで4点を失い、ロコ・ソラーレは大きなビハインドを背負うことになった。「3エンド目で4点取られたというところが、この試合の決定的な原因だったかと思います」「あのエンドが一番の敗因なので、この試合に限って言えば、私のショット、私の責任だったかと思います」。チームの敗因を他責にせず、自分のショットの精度に結びつけて言語化する姿勢がうかがえる。
4点を失った第3エンドが物語る敗因の分析力
ビハインドを負ったロコ・ソラーレは、点差を追う中でより点を取るためのリスクを背負うことになり、結果的に大差がついて第8エンドでコンシードとなった。藤澤はこの試合だけでなく、大会全体を振り返り「決めきれなかったショットの原因、さらに大会へ向けてのコンディション面はどうだったか、さまざまな課題が残った」と語っている。一つのミスの原因だけでなく、そこに至るまでの準備段階まで遡って振り返る視点が、次のチャンスに向けた具体的な修正点を生み出している。
なぜ日本選手権を勝つのは難しいと言い切るのか
藤澤は敗因を自分たちの調子の悪さだけに帰結させていない。「ここ数年、グランドスラムに日本のチームが複数出るのが当たり前になってきていて、どのチームも世界トップに届くチームを目指してやっています。そんな中で日本選手権を勝つのは難しいです」と、国内競争そのものが激化しているという構造的な変化を指摘する。上位同士の対戦では、わずかなショットの精度低下が命取りになる。オリンピックで2つのメダルを獲得したロコ・ソラーレをもってしても、国内で勝ち切るのが容易ではない現状を正しく認識していることが、次の対策を考える出発点になっている。
敗北を成長に変える思考モデルを構造化する
藤澤の思考には三つの段階がある。第一に、敗因を「自分のショット」という具体的な行動レベルまで特定すること。第二に、その敗因が生まれた背景を、当日の一瞬の判断だけでなく、大会に向けたコンディション作りまで遡って検証すること。第三に、個人の反省で終わらせず「国内競争の激化」という外部環境の変化も合わせて把握し、チーユ全体の目指すべき水準を再設定することだ。
スポーツ心理学では、敗因を「自分がコントロールできる要因」と「環境要因」の両方に整理して捉えることが、次のパフォーマンス改善につながるとされる。藤澤が自分のショットの責任を認めつつ、同時に国内競争の構造変化にも言及している姿勢は、この両輪の分析を体現している。
過去2度の五輪代表決定戦に見る逆境からの這い上がり
ロコ・ソラーレにとって、代表決定戦への道は今回が初めてでない。2018年平昌、2022年北京五輪の前シーズンは、いずれも日本選手権優勝を果たせていない。それでも代表決定戦で2017年は中部電力を、2021年は北海道銀行を破って日本代表となり、2021年には世界最終予選でわずか3枚の切符の1枚を勝ち取り大舞台につなげている。「自分たちはさらに上を目指すべき時期なんだな、というのをあらためて実感できた大会でした」という藤澤の言葉は、優勝できなかった今大会も含めて、苦しい時期を経験と捉え直す思考の積み重ねから生まれている。
一般人が敗北を次の一勝に変えるために応用できる視点
藤澤の思考法は、仕事での失敗やプロジェクトの不本意な結果に直面する人にも応用できる。重要なのは、失敗を漠然と反省するのではなく「どの行動が原因だったか」を具体的な一点まで絞り込むことだ。そのうえで、その行動が生まれた背景(準備不足だったのか、環境の変化についていけなかったか)まで掘り下げることで、次に取るべき具体的な対策が見えてくる。
また、藤澤が「日本選手権を勝つのは難しい」と外部環境の変化を正しく認識しているように、失敗の原因を自分の能力不足だけに矮小化せず、競争環境全体の変化として捉え直す視点も、次の目標設定を現実的なものにする助けになる。
AIを使って試合の反省を次の行動に変えるという新戦略
藤澤のように試合後すぐに敗因を言語化できる人ばかりではない。ここで役立つのが、感情が落ち着いた後にAIを使って振り返りを整理する方法だ。ChatGPTやClaudeに「今日の試合(またはプロジェクト)で起きたこと」を時系列で入力し、「自分でコントロールできた部分と、環境要因だった部分を分けて整理して」と問いかけると、感情的な反省から一歩離れた分析ができる。
さらに「次に同じ場面が来たときの判断基準を3つ提案して」と続けることで、藤澤が代表決定戦に向けて技術を磨くと語ったように、反省を具体的な次の行動指針に変換こる。敗北の直後ほど、感情と事実を分けて整理する仕組みが有効になる。
吉田知那美の言葉に見るチームとしての課題の共有
サードの吉田知那美は今大会を「オリンピックトライアルという大きなチケットとでっかい課題をもらったという感じがします」と表現している。代表決定戦への進出という成果と、解決すべき課題の両方を同時に受け止める言い方は、藤澤の分析的な振り返りと重なる部分が大い。個人としての反省(藤澤のショットの責任)とチームとしての課題認識(吉田の発言)がずれずに共有されていることが、ロコ・ソラーレというチームの強さの一因になっている。
藤澤は代表決定戦に向けて「今大会の反省であったり、自分たちが目指すべき部分をしっかりと受け入れて、技術を磨くという部分と、自分たちの強みをいかしながら頑張っていきたい」と語っており、反省を個人の中だけに留めず、チーム全体の準備方針として言語化している点も見逃せない。
まとめ
藤澤五月が敗北を次の一勝に変えられる理由は、自分のショットへの責任を正直に認めつつ、同時に国内競争の激化という環境変化も冷静に分析している点にある。個人の反省と外部環境の把握という両輪を回すことで、一度の敗戦を「自分たちがさらに上を目指すべき時期」だという実感に変えている。この思考の順番は、仕事や競技で不本意な結果に直面したすべての人にとって、次の一歩を踏み出すたもの手がかりになる。
よくある質問
藤澤五月は日本選手権での敗因をどう分析していますか
第3エンドで4点を失った自分のショットの精度を敗因として認めつつ、大会全体のコンディション作りまで遡って課題を整理しています。
藤澤五月がなぜ日本選手権を勝つのは難しいと語るのですか
グランドスラーに出場する日本チーユが増え、国内の競争レベル自体が上がっているためです。わずかなショットの差が勝敗を分ける状況になっています。
敗北を次の成長につなげるための考え方はありますか
敗因を自分がコントロールできる要因と環境要因に分けて整理することです。両方を把握することで、次に取るべき対策が具体的になります。
この思考法は競技以外の失敗にも応用できますか
応用できます。失敗の原因を具体的な行動レベルまで特定し、背景にある環境変化も合わせて分析することで、次の目標設定が現実的になります。
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