井上尚弥の食事|減量期のメニューと計量後の戻し方

井上尚弥の食事|減量期のメニューと計量後の戻し方 スポーツアスリート

井上尚弥の食事は、普段は高たんぱく・低脂質を軸にして、試合の約1か月前から夕食だけを減量食に切り替える設計です。減量そのものに頼るのではなく、計量後に体重を戻す「回復」まで含めて食事を組んでいるのが特徴で、2024年9月のドヘニー戦では前日計量から試合当日までに7.4kg増えた例が報じられています。

一方で、1食のグラム数やカロリーは、確認した記事のどれにも出ていません。この記事では、公表されているメニュー、量の考え方、減量と計量後の補給を、2012年から2026年の流れで整理します。数字がない部分は、ないと明記しました。

井上尚弥の食事メニュー|普段は高たんぱく低脂質で夕食だけ減量食に

メニューの軸は、栄養が一度の食事でそろう形と、減量期だけ変える夕食の2つです。献立の細かい一覧は公表されていませんが、記事で紹介された例を並べると全体像が見えてきます。

bizSPA!フレッシュの2020年の記事は、昼食を「栄養フルコース型」と紹介しています。ごはんに食物繊維の多いもち麦を加え、サラダにすりごまを足し、余分な脂質をカットし、キムチやヨーグルトなどの発酵食品を日常的にとるという内容です。この型について記事は「一度の食事ですべて揃えるという食事の型です」と説明しています。

減量期の夕食は、オートミールにプロテイン、バナナ、牛乳を合わせた例(スポーツナビ、2022年)や、蒸し鶏・野菜・キノコ類を入れたおじやを自分で作る例(おとなの週末Web、2022年)が紹介されています。朝はロードワークがあるため補食程度で、昼食と夕食は通常どおり食べるとのことです。

(参考)井上尚弥選手の食事メニューは?コロナ時代の健康管理を専門家に聞く – bizSPA!フレッシュ(2020年5月30日)

(参考)井上尚弥の肉体を「進化」させた食事・栄養改革。プロテインを使うようになった理由とその使い分けは? – スポーツナビ(2022年6月12日)

(参考)怪物・井上尚弥の食事(ボクシング世界3団体統一王者の食の秘密) – おとなの週末Web(2022年10月17日)

井上尚弥の食事量|公表されるのはグラムではなく体重の動き

井上尚弥の食事量を、前日計量のリミットと試合当日の体重の差で示した図解(食事・計量後)

食事量について確認できる数字は、摂取カロリーではなく体重の増減です。2024年9月3日のドヘニー戦では、前日計量のリミット55.3kgに対して、試合当日の体重は62.7kgと報じられ、7.4kg増えています。

これはNumber Webの記事が、元世界王者の岩佐亮佑さんへの取材として伝えた数字です。岩佐さんは、井上がもともと7kg戻す体をつくっていたと推測し、「7kg増やした井上選手もスピード、切れともにこれまでと変わっていなかった。」と話しています。戻す量まで含めて、食事と水分を計画的に設計していることがうかがえます。

減量期の量については、スポーツナビが、食事の総量が減るためミネラル、鉄、カルシウム、ビタミンを補うと説明しています。ただし、1食のグラム数やカロリーはどの記事にも載っていません。

(参考)井上尚弥が7kg戻した計量後の「緻密な計算」(岩佐亮佑インタビュー後編) – Number Web(2024年9月10日)

Q. 井上尚弥の食事の量やカロリーは公表されていますか?

1食のグラム数やカロリーは、確認した報道に出ていません。公表されているのは、2024年9月のドヘニー戦で前日計量の55.3kgから試合当日の62.7kgへ7.4kg増えたなど、体重の動きです。

井上尚弥の減量と食事管理|2012年から2026年まで5つの局面

減量の方法は、絶食に近いやり方から、約1か月前に始める計画的な食事管理へと変わってきました。2012年から2026年の報道を並べると、食事の位置づけが「体重を落とす手段」から「回復までを含む設計」へ移っています。

時期 場面 食事の特徴 出典
2012〜2014年 ライトフライ級 通常60kgからリミット48.97kgへ。1か月前から減量し、計量前は絶食 東洋経済オンライン
2017年末 ボアイヨ戦前後 約10kgの減量に水分カット。管理栄養士が助言し、計量後は雑炊・おかゆ・うなぎ ココカラネクスト
2022年6月 ドネア戦(バンタム級) 約1か月前から夕食を減量食に。53.5kgちょうどで計量 スポーツナビ/おとなの週末Web
2024年9月 ドヘニー戦(スーパーバンタム級) 前日計量55.3kgから当日62.7kgへ7.4kg戻す Number Web
2026年7月 33歳・減量期 食事内容を絞り量も減る。減量明けはラーメンやマクドナルドを食べたい デイリースポーツ

出典:東洋経済オンライン(2020年1月3日)、ココカラネクスト(2018年2月26日)、スポーツナビ(2022年6月12日)、おとなの週末Web(2022年10月17日)、Number Web(2024年9月10日)、デイリースポーツ(2026年7月27日)の各報道をもとに、本記事で時系列に整理。

2012〜2014年|60kgから48.97kgへ絶食に近い減量

東洋経済オンラインによると、ライトフライ級時代は通常60kgからリミットの48.97kgまで落とす必要があり、準備の大半が減量だったとされています。試合の1か月前から本格的に始め、焼き肉を食べ納めの日にして、その翌日から前日計量まで節制し、計量前は絶食する方法でした。記事は、リングでのパフォーマンスには褒められた手法ではないとも書いています。

(参考)井上尚弥の減量に関する記事(1ページ目) – 東洋経済オンライン(2020年1月3日)

2017年末|管理栄養士の助言と計量後の補給の組み立て

ココカラネクストは、この頃の井上が平時より約10kgの減量を求められ、食事制限と水分カットを行っていたと伝えています。体重をこまめに測り、急に減ったときは水分不足と判断して補給のタイミングを決めていました。明治の管理栄養士が助言しており、以前は朝食と昼食を兼ねて一度に済ませ、夕食に炭水化物が不足していたと本人が振り返っています。

(参考)怪物・井上尚弥「空前絶後」のカラダづくり – ココカラネクスト(2018年2月26日)

2022年6月|約1か月前から夕食だけ減量食にする

2022年6月のドネア戦では、約1か月前から朝食と昼食は通常、夕食を減量食に切り替えました。計量については、管理栄養士の村野あずさ氏が「自分の階級の規定体重ピッタリに仕上げて」と語っており、これまでの23試合で計量オーバーは一度もないと紹介されています。ドネア戦はちょうど53.5kgでした。

水抜きに頼っていた時期の反省から、計量前日の体重調整を中心に計画的に管理する形へ変わったとも書かれています。井上尚弥のトレーニング哲学とあわせて読むと、練習と食事がつながって見えます。

(参考)怪物・井上尚弥の食事(ボクシング世界3団体統一王者の食の秘密) – おとなの週末Web(2022年10月17日)

2024年9月|前日計量から当日まで7.4kg戻す

ドヘニー戦では、前日計量の55.3kgから当日62.7kgへ戻しました。当日の体重上限は設けられていませんでした。

(参考)井上尚弥が7kg戻した計量後の「緻密な計算」(岩佐亮佑インタビュー後編) – Number Web(2024年9月10日)

2026年7月|33歳の減量期は食事を絞り量も減る

2026年7月、小学生の質問に答えた井上は、33歳で残りは数年だと語り、試合後に食べたいものは「カップラーメン」と答えました。減量期は食事内容を絞り量も減るため好きなものを食べにくく、減量明けはラーメンやマクドナルドを食べたくなるそうです。

(参考)井上尚弥「今33歳で残り数年…」小学生の質問に本音 – デイリースポーツ online(2026年7月27日)

Q. 井上尚弥の減量はいつから始まりますか?

報道では、試合の約1か月前から食事を切り替えるとされています。2022年6月のドネア戦では、朝食と昼食は通常どおりで、夕食だけを減量食にしました。

井上尚弥の計量後から試合前の食事|消化の良いものを時間をかけて

井上尚弥の試合に向けた食事の流れを、約1か月前から試合直前まで時期で示した図解(計量後・試合前)

計量後は、雑炊やおかゆなど消化の良いものを、時間をかけて食べるのが基本です。ココカラネクストによると、2017年末の試合では、計量後に雑炊、おかゆ、うなぎ、フルーツなど、エネルギーとビタミンを補えるものを時間をかけて噛んで食べました。

試合当日は、3時間半前にカステラ、1時間半前にエネルギーゼリーとジェルを溶かしたドリンクをこまめにとる流れでした。これは2017年末の1試合の例で、現在の内容とは限りません。また、2022年の記事では、計量2日前まで固形の食事をとると紹介されています。

練習日の工夫として、食べる順番を変えたり、スパーリングの何時間前に炭水化物をとるかを考えたりすることも挙がっています。回復の考え方は、那須川天心のトレーニングの記事とも通じます。

Q. 井上尚弥は計量後に何を食べていますか?

2017年末の試合では、雑炊、おかゆ、うなぎ、フルーツなど消化が良くエネルギーとビタミンを補えるものを、時間をかけて食べたと報じられています。現在のメニューは、確認した記事では公表されていません。

一般の人が取り入れるなら|まず主食・主菜・副菜を1食でそろえる

減量や計量後の補給は競技者向けの設計なので、一般の人がそのまま真似する必要はありません。取り入れやすいのは、栄養が1食でそろう形と、プロテインの使い分けという考え方です。

スポーツナビの記事によると、井上は当初「カラダを大きくしてしまったら減量がきつくなるだけ」とプロテインに否定的でした。その後、ハードな練習期はホエイ、減量期は腹持ちのよいソイと、目的で使い分けるようになったと紹介されています。

日々の食事では、ごはん、主菜、サラダ、発酵食品を1食にそろえる「栄養フルコース型」が参考になります。極端な食事制限や水分カットは、体調を崩す恐れがあるので避け、持病がある人や継続的に体重を落としたい人は、医師や管理栄養士に相談してください。田中希実選手の食事管理や、一流アスリートのコンディショニング完全ガイドでは、ほかの選手の食事の考え方も読めます。

まとめ|井上尚弥の食事は「落とす」より「戻す」まで設計する

井上尚弥の食事について、ここまでの要点を振り返ります。

  • 普段は高たんぱく・低脂質で、栄養が1食でそろう形を軸にし、試合の約1か月前から夕食だけを減量食に切り替えます。
  • 1食のグラム数やカロリーは公表されておらず、確認できる量は、ドヘニー戦の前日計量55.3kgから当日62.7kgへという体重の動きです。
  • 2012年の絶食に近い減量から、2022年の計画的な管理へと、食事の位置づけが「落とす」から「戻すまで含める」へ変わりました。
  • 計量後は雑炊やおかゆなど消化の良いものを時間をかけて食べ、試合直前はカステラやゼリーでこまめに補給します。
  • 一般の人は、減量や水分カットを真似せず、主食・主菜・副菜を1食でそろえる点から取り入れるのが安全です。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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