スポーツマネジメントを学べる大学12校|進学・企業担当者向け

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スポーツマネジメントを学べる大学とは

スポーツマネジメントとは、スポーツという資源(チーム・大会・施設・用品・競技者)を事業として成立させ、継続的に価値と収益を生み出すための経営技術の総称です。国内の大学では、学部名そのものに「スポーツマネジメント」を掲げる大学、スポーツ系学部のなかにコースや領域として置く大学、経営系学部のなかに置く大学の3つの形で学べます。

スポーツマネジメントを学べる大学の3つの設置形態を示したツリー図解

この記事では、各大学の公式サイトで学部名・学科名・コース名の表記を確認できた12校を一覧にしたうえで、そもそも「スポーツマネジメント」がどこまでを指すのかを整理する2つの軸と、産業側の実数を示します。企業がスポーツ事業に関与する側の視点については、スポーツマネジメントとは|企業が活用する3つの場面で別途扱っています。本記事は進学先の選択と、その背景にある産業構造の把握に焦点を置きます。

スポーツマネジメントを学べる大学12校の一覧

以下は、各大学の公式サイトで表記を確認できたものだけを掲載した一覧です。表記は公式サイトのままとしています。学部・学科の改組や名称変更が行われる場合があるため、出願時には各大学の最新の募集要項を確認してください。

大学名 学部 学科・コース等(公式表記) 設置形態
日本体育大学 スポーツマネジメント学部 スポーツマネジメント学科/スポーツライフマネジメント学科 学部名に明示
尚美学園大学 スポーツマネジメント学部 スポーツマネジメント学科 学部名に明示
順天堂大学 スポーツ健康科学部 スポーツマネジメント学科 学科名に明示
中京大学 スポーツ科学部 スポーツマネジメント学科(スポーツマネジメントモデル/スポーツプロモーションモデル) 学科名に明示
東海大学 体育学部 スポーツ・レジャーマネジメント学科 学科名に明示
新潟経営大学 経営情報学部 スポーツマネジメント学科 学科名に明示(経営系学部内)
早稲田大学 スポーツ科学部 スポーツ科学科/スポーツビジネスコース コース制(2年次選択・全6コース)
法政大学 スポーツ健康学部 スポーツビジネスコース コース制(全3コース)
日本大学 スポーツ科学部 スポーツマネジメント・文化コース コース制(2年次選択・全3コース)
立命館大学 スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科/スポーツマネジメント領域 領域制(全4領域)
びわこ成蹊スポーツ大学 スポーツ学部 スポーツ学科/スポーツビジネス・メディアコース コース制(全8コース)
城西大学 経営学部 マネジメント総合学科/健康スポーツマネジメントコース コース制(経営系学部内)

出典:各大学公式サイト(2026年9月18日確認)。日本体育大学/尚美学園大学/順天堂大学/中京大学/東海大学/新潟経営大学/早稲田大学/法政大学/日本大学/立命館大学/びわこ成蹊スポーツ大学/城西大学

設置形態は3つに分かれる

12校を並べて分かるのは、設置形態が3つに分かれることです。第一に学部名そのものがスポーツマネジメントである大学(日本体育大学、尚美学園大学)。第二にスポーツ系学部のなかの学科・コースとして置かれている大学(順天堂大学、中京大学、東海大学、早稲田大学、法政大学、日本大学、立命館大学、びわこ成蹊スポーツ大学)。第三に経営系学部のなかに置かれている大学(新潟経営大学、城西大学)です。

名称が「学科」なのか「コース」なのか「領域」なのかは、卒業要件に占めるマネジメント科目の比重の目安になります。学科として独立している場合は入学時点で専攻が確定し、コース・領域の場合は学部共通科目を履修したうえで一部を専攻に充てる構成が一般的です。

コース制の大学は入学後に専攻を決められる

第二の型では、入学時点ではスポーツ科学全般を学び、2年次以降にコースを選ぶ設計が多く見られます。早稲田大学スポーツ科学部は2010年度に2学科制を廃止して1学科6コース制とし、日本大学スポーツ科学部も2年次にアスリートコース・スポーツサポートコース・スポーツマネジメント・文化コースの3つから選択する形です。「入学時点で専攻を決めきれない」場合は、この型が選択肢になります。

一方、第三の経営系学部に置かれた型は、簿記・会計・マーケティングといった経営学の基礎科目を主軸に置きながらスポーツ領域を扱う構成です。後述する分類でいえば「経営・財務」「マーケティング」の列に厚みがある一方、「育成・強化」「施設運営」の実習は相対的に薄くなる傾向があります。

Q. スポーツ系学部と経営系学部のどちらで学ぶべきですか

目指す仕事がどの機能にあたるかで選び方が変わります。スポーツ系学部のコース制は、入学後にスポーツ科学全般を学んでから専攻を決められるため、進路を絞りきれていない場合に向きます。経営系学部は簿記・会計・マーケティングといった基礎科目が主軸で、経営・財務やマーケティングの職種を想定する場合に厚みがあります。一方で育成・強化や施設運営の実習は相対的に薄くなる傾向があります。

スポーツマネジメントが扱う範囲|対象×機能の2軸

大学のカリキュラムを比べるには、そもそも「スポーツマネジメント」がどこまでを指すのかを先に整理しておく必要があります。職種名から説明しようとすると、クラブ職員・スポーツエージェント・施設支配人・イベントプロデューサーといった並びになり、共通点が見えません。

Human Soar では、この分野を「対象レイヤー(何を経営するか)」×「機能(どの役割を担うか)」の2軸で整理します。この2軸を掛け合わせると、大学のシラバスや求人票に並ぶ内容がどのマスに入るのかが判別でき、進学先や転職先を選ぶときの基準にもなります。業界全体の職種構成についてはスポーツビジネスとは|7要素・市場動向・キャリアを解説も参照できます。

軸1|対象レイヤー(何を経営するか)

  • クラブ・チーム:単一の法人として収支を立てる単位。Jクラブ、Bクラブ、実業団など
  • リーグ・統括団体:複数のクラブに共通ルールと分配金を設計する単位。リーグ法人、中央競技団体(NF)
  • 施設:スタジアム、アリーナ、フィットネスクラブなど、面積と稼働日を売る単位
  • イベント・大会:開催期間が有限で、都度収支を締める単位
  • 用品・サービス:メーカー、小売、スポーツメディア、データ事業など、競技の外側から収益を得る単位

軸2|機能(どの役割を担うか)

  • 経営・財務:予算、資本政策、ガバナンス
  • マーケティング:スポンサーシップ、ファン獲得、放映・配信権
  • 興行・運営:試合日・開催日の収益と体験の設計
  • 育成・強化:選手・指導者の獲得と人件費配分
  • 施設運営:稼働率、設備投資、非試合日の活用

2軸を掛け合わせた分類表

対象レイヤー \ 機能 経営・財務 マーケティング 興行・運営 育成・強化 施設運営
クラブ・チーム 単年度予算とクラブライセンス基準の管理 スポンサー営業、シーズンチケット販売 ホームゲームの集客と当日運営 強化費の配分、アカデミー運営 本拠地の使用契約・指定管理の交渉
リーグ・統括団体 分配金の設計、加盟クラブの財務審査 リーグ全体の放映・配信権の一括販売 日程編成、大会規程の運用 指導者・審判員のライセンス制度 施設基準の策定とクラブへの適合支援
施設 建設・改修の資金調達、長期収支計画 命名権、法人向けラウンジの販売 興行主への貸出条件の設計 併設スクールの運営 稼働率向上、非試合日のイベント誘致
イベント・大会 単発収支の管理、赤字時の補填設計 協賛集め、参加者募集、観光との接続 会場設営、ボランティア、警備の統括 出場枠と招待選手の条件設定 会場の確保と原状回復の管理
用品・サービス 在庫と粗利の管理、事業投資の判断 商品企画、選手・チームとの契約 店頭施策、イベント出展 用具提供による競技支援 直営施設・体験拠点の運営

出典:Human Soar 作成。分類軸は本記事の独自整理。対象レイヤーの名称は、スポーツ庁・経済産業省「第二期スポーツ未来開拓会議 中間報告」(2023年7月)で用いられている「スポーツコンテンツホルダー」「スタジアム・アリーナ」等の区分を参考にしている。

この表の使い方は単純です。志望校のカリキュラムや求人を見たときに、どのマスの話をしているのかを1つに特定してみること。「スポーツビジネスに関わりたい」という志望動機は漠然としていますが、「リーグ×マーケティング」「施設×施設運営」まで絞れれば、必要な知識も、入るべき組織も変わります。逆に、1つのマスに収まらない仕事(たとえばクラブ社長)は、複数のマスを横断する職だと分かります。

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Q. スポーツマネジメントとスポーツ科学・スポーツ経営学は何が違いますか

スポーツ科学は生理学・バイオメカニクス・心理学などを含む学問領域の総称で、競技力向上や健康づくりを主な対象とします。スポーツマネジメントはそのうち社会科学側に位置し、組織・資金・市場を対象とします。「スポーツ経営学」はほぼ同義で使われますが、大学の名称としては学部・学科名に「スポーツマネジメント」を用いる例(日本体育大学、順天堂大学、中京大学など)が多く見られます。立命館大学のように「スポーツマネジメント領域」として学科内の区分に用いる例もあります。

数字で見るスポーツ産業の現在地

進学先を選ぶ判断材料として、産業側の実数も押さえておく価値があります。政府はスポーツを成長産業と位置づけ、市場規模に明確な目標値を設定しています。

項目 目標値(KPI) 報告時点の現状値
スポーツ市場規模 2020年 10兆円 / 2025年 15兆円 2019年度:9.5兆円
成人の週1回以上のスポーツ実施率 2021年 65%程度 2021年度:56.4%

出典:スポーツ庁・経済産業省「第二期スポーツ未来開拓会議 中間報告」(2023年7月)p.9「スポーツの成長産業化に向けた目標値の現状」

この15兆円という目標については、2025年4月にスポーツ庁・経済産業省がまとめた資料で、コロナ禍の影響により2025年時点での達成は不確実性が高いとしたうえで、遅くとも2030年までに15兆円を達成する方針が示されています(スポーツ庁・経済産業省「スポーツ未来開拓会議 とりまとめ(概要)」2025年4月)。つまり目標年次は後ろ倒しになりましたが、金額目標そのものは維持されています。

プロリーグの実数|Jリーグ60クラブの決算

市場全体の兆円単位の数字はイメージしづらいので、個別のリーグの実数も見ておきます。Jリーグが公表した2024年度のクラブ経営情報によると、60クラブ合計の売上高は1,725億円で、前期比114%、60クラブ中50クラブが増収でした。内訳はスポンサー収入773億円、入場料収入288億円、その他663億円です。一方で売上原価・販管費の合計は1,732億円と、売上高をわずかに上回っています。

個別クラブでは、浦和レッズが2年連続で売上高100億円を超え102億円、サンフレッチェ広島が新スタジアムの効果もあって前期比38億円増の80億円となりました(公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2024年度 クラブ経営情報開示資料」2025年7月29日)。

ここから読み取れるのは、スポーツマネジメントの成果が施設と直結しているという点です。広島の38億円増は、前掲の分類表でいう「クラブ×施設運営」と「施設×興行・運営」のマスが同時に動いた結果と説明できます。

産業側が抱える人材の課題

市場が拡大する一方で、それを担う人材の不足は政府文書でも明示されています。前掲の第二期中間報告は、スポーツチームの経営者が選手・コーチの獲得に資金を集中させる傾向があり、事業経営に携わる人材やその活動への投資が十分に行われてこなかったと指摘しています。さらに、待遇面で他産業に劣後しがちなため優秀な経営人材が集まりにくく、個人の「想い」に依拠した働き方になりやすいことにも言及しています。

これに対する施策も進んでいます。スポーツ庁の「スポーツ経営人材の育成・活用」では、2017年度以降「スポーツ経営人材育成・活用事業」「スポーツビジネスイノベーション推進事業」などが継続して実施され、外部人材の流入促進や経営人材育成カリキュラムの開発が行われてきました。2020年度の公募では、中央競技団体・プロスポーツクラブ・プロリーグを対象に10団体程度を採択する形で、経済界等のスキルを持つ外部人材とのマッチングが支援されています(スポーツ庁「スポーツ経営人材育成・活用推進事業に参加するスポーツ団体の募集について」)。

関連する数字として、アスリートのキャリア形成を支援する「スポーツキャリアサポートコンソーシアム」には企業・競技団体・大学など80以上の団体が加盟し、地域のスポーツ団体と民間企業の共創を支援する「地域版SOIP」では2021年度以降に22件の取組が支援されています。スタジアム・アリーナ分野では先進事例形成支援が計25件行われ、モデル拠点は2025年までに20拠点以上の選定が目標とされています(いずれも第二期スポーツ未来開拓会議 中間報告)。

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Q. スポーツ市場15兆円という目標はいつ達成される見込みですか

2025年4月にスポーツ庁・経済産業省がまとめた資料では、コロナ禍の影響により2025年に15兆円を達成する不確実性は高いとしたうえで、政府の中長期的展望の名目GDP成長率等を一定程度上回る成長により、遅くとも2030年までに15兆円を達成し、さらなる高みを目指す方針が示されています。直近の公表値は第二期中間報告に記載された2019年度の9.5兆円で、これは株式会社日本政策投資銀行による経済規模推計に基づくものです。

企業のスポーツ事業担当者が押さえておきたい視点

ここまでの枠組みは進学者だけの話ではありません。スポンサーシップ、地域貢献、健康経営など、企業側からスポーツに関わる場面でも同じ2軸が使えます。

前述の第二期中間報告は、日本のスポーツがビジネスとして欧米ほど拡大していない要因として、多くの競技が「企業スポーツ」「企業対抗戦」から脱しきれておらず、福利厚生や社員の一体感の醸成という目的がチームに残っている点を挙げています。つまり、企業がスポーツに関わる目的が福利厚生なのか、事業投資なのかを明確にしないまま進めると、成果の測り方が定まりません。

実務上は、先ほどの分類表で「自社はどのレイヤーの、どの機能に関与するのか」を1マスに置いてから、その評価指標を決めるのが出発点になります。たとえばクラブのスポンサーになるなら「クラブ×マーケティング」であり、指標は露出量ではなく商談数や採用応募数に置くほうが説明可能です。施設の命名権を取るなら「施設×マーケティング」で、評価対象は年間の稼働日数と来場者数になります。

なお、政府側も民間からの人材流入を施策に位置づけています。2025年4月のとりまとめでは、「スポーツの意義・価値の整理・発信等による、民間資金・人材の流入促進」が基盤づくりの施策として挙げられ、スポーツ界への人材流入を図る企業と、外部人材の活用を図るスポーツ団体との連携・情報発信が示されています。副業・出向を含めた関与の形は今後増える方向にあり、社内で育成の仕組みを持つ場合はスポーツ経営人材の育成プログラム|企業が導入する視点が参考になります。

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Q. スポーツマネジメントを学ばないとスポーツ業界で働けませんか

必須ではありません。スポーツ庁・経済産業省の第二期中間報告では、JリーグやBリーグ等のプロスポーツにおいて、投資銀行やコンサルティング会社で経験を積んだ人物や起業を目指す人物がチーム経営に加わり、事業拡大に成功している事例が増えていると記載されています。同報告は外部人材の流入促進を政策課題として明記しており、他産業での経験がそのまま評価される経路が存在します。一方で、一般職員が経営に必要な広範な知識を体系的に学べる場が不足している点も課題として挙げられており、学部教育はその不足を前倒しで埋める手段と位置づけられます。

まとめ

国内でスポーツマネジメントを学べる大学は、学部名に掲げる型、スポーツ系学部のコース・領域として置く型、経営系学部に置く型の3つに分かれます。公式サイトで表記を確認できた12校のうち、学部名に明示しているのは2校、学科名に明示が4校、コース・領域制が6校でした。入学時点で専攻を決めきれない場合はコース制、経営・財務やマーケティングの職種を明確に想定している場合は経営系学部が選択肢になります。

選ぶ基準になるのが、対象レイヤー(クラブ/リーグ/施設/イベント/用品)と機能(経営・財務/マーケティング/興行・運営/育成・強化/施設運営)の2軸です。産業側では2030年までに市場規模15兆円という目標が置かれ、Jリーグ60クラブの売上高は2024年度に1,725億円へ達する一方、経営人材の不足が政府文書で課題として明示されています。業界全体の構造的な論点は日本スポーツ業界の8つの課題|15兆円市場とDX動向で整理しています。

参考資料

本記事で参照した公的資料と競技団体の一次資料は以下のとおりです。数値はいずれも各資料の公表値をそのまま引用しています。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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