テニススクール運営会社10社|企業参入の着眼点

テニススクール運営会社10社の比較|企業参入モデル スポーツビジネス

「福利厚生や地域貢献の一環でテニススクール事業と組みたいが、どんな会社が運営しているのか分からない」という相談を受けることがあります。結論から言うと、運営会社は用品メーカー系・複合フィットネス内包型・専業チェーン運営型・地域単独大型施設型の4つに分かれ、型によって提携や参入のしやすさが変わります。本記事では実在する運営会社10社を調べ、運営モデル別に整理しました。

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  1. テニスは「複数人で楽しむ」実施率が高い競技である
  2. テニススクール運営会社10社|運営モデルの比較
    1. 株式会社ダンロップスポーツマーケティング|用品メーカーが運営する体験拠点
    2. セントラルスポーツ株式会社|独自の進級システムで指導を体系化
    3. コナミスポーツクラブ|全国のスポーツクラブ網を活かした展開
    4. 株式会社テニスラウンジ|日本最大級の校数を持つ専業チェーン
    5. ノアインドアステージ株式会社|マッチ製造業からの事業転換で生まれた専業チェーン
    6. 株式会社テニスユニバース|受託運営を専業とする関東・関西の事業者
    7. 株式会社ITC|東京圏でスクール運営を専業とする企業
    8. 株式会社ティップネス|フィットネスクラブの一機能としてのインドアテニス
    9. 株式会社ルネサンス|複合型施設のテニスコートを活用
    10. 株式会社サンリバー|単独施設として国際規格のコートを持つ地域拠点
  3. 運営モデルは4つの類型に分かれる
    1. ①用品メーカー系|ブランド体験の場として運営する
    2. ②複合フィットネス内包型|他種目と組み合わせて会員化する
    3. ③専業チェーン運営型|指導ノウハウの一貫性で全国展開する
    4. ④地域単独大型施設型|1施設に資源を集中する
  4. 参入・提携時に見落としやすい3つの注意点
    1. ①コートの立地・面数が事業規模の上限を決める
    2. ②天候・季節による稼働率の変動がある
    3. ③指導者(コーチ)の技量と進級システムがブランドの核になる
  5. 自社に合う関わり方の選び方
  6. まらめ

テニスは「複数人で楽しむ」実施率が高い競技である

スポーツ庁が毎年実施する「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、テニス・ソフトテニスは複数人で実施する割合が95.8%と、ゴルフ・バドミントンに次いで高い数値を示しています。個人で黙々と行うスポーツというより、コーチ・仲間と一緒に楽しむ性質が強いことが分かります。

この「複数人で楽しむ」という性質は、テニススクールの事業モデルにも表れています。用品メーカーが自社ブランドの体験拠点として運営する場合、フィットネスクラブが複合施設の一機能として提供する場合、テニス指導そのものを専業とするチェーンが全国展開する場合、そして単独の大型施設が地域の拠点として機能する場合と、担い手の性質によって運営の形が分かれています。

(参考)令和5年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の結果 – スポーツ庁

Q. テニスはどのくらいの人が複数人で楽しんでいますか?

スポーツ庁の調査によると、テニス・ソフトテニスは複数人で実施する割合が95.8%で、ゴルフ・バーミントンに次いで高い数値です。1人で行うより、コーチや仲間と一緒に楽しむ競技という性質が強く表れています。

テニススクール運営会社10社|運営モデルの比較

ここでは、テニススクール事業を主要事業または中核事業として公式サイトで確認できる国内企業10社を取り上げます。選定条件は、テニススクールの直営・運営実績が一次情報として確認できることです。上位4社は事業モデルを詳しく解説し、残りは要点に絞って紹介します。

会社名 運営モデル 特徴
株式会社ダンロップスポーツマーケティング 用品メーカー系 1972年設立、「ダンロップテニススクール」を全国展開
セントラルスポーツ株式会社 複合フィットネス内包型 独自の25段階進級システム「テニチャレ」を導入
コナミスポーツクラブ』コナミグループ株式会社) 複合フィットネス内包型 全国のスポーツクラブでテニススクールを展開
株式会社テニスラウンジ 専業チェーン運営型 1987年設立、全国約60校・約25,000人が利用する日本最大級規模
ノアインドアステージ株式会社 専業チェーン運営型 1980年設立、兵庫を拠点にインドアテニス&バドミントンスクールを全国35校展開
株式会社テニスユニバース 専業チェーン運営型 1980年設立、関東・関西を中心にクラブ受託運営を専業とする
株式会社ITC 専業チェーン運営型 「ITCテニススクール」を東京圏で運営、福利厚生用テニススクールも提供
株式会社ティップネス 複合フィットネス内包型 1986年設立、フィットネスクラブの一機能としてインドアテニスを提供。
株式会社ルネサンス 複合フィットネス内包型 複合型施設のテニスコートでスクールを提供
株式会社サンリバー 地域単独大型施設型 大阪府吹田市で屋外12面・屋内10面を持つ「江坂テニスセンター」を運営

各社の公式サイト・IR情報を2026年9月時点で確認し作成。運営モデルの分類はHuman Soarによる独自区分。

株式会社ダンロップスポーツマーケティング|用品メーカーが運営する体験拠点

1972年設立のダンロップスポーツマーケティングは、ゴルフ・テニス用品の卸売販売を手掛ける企業で、「ダンロップテニススクール」を全国各地で運営しています。自社の用品ブランドをそのまま体験できる場として、スクールを位置づけています。

用品メーカーがスクール運営に乗り出すモデルは、自社製品の使用感を直接体験してもらいながら顧客接点を作れる利点があります。一方で、スクール運営そのものが本業ではないため、店舗網の拡大速度は専業チェーンに比べて緩やかな傾向があります。

セントラルスポーツ株式会社|独自の進級システムで指導を体系化

セントラルスポーツは、複合フィットネスラブの一事業としてテニススクールを運営しています。独自の25段階進級システム「テニチャレ」を導入し、年齢・能力に応じた段階的な指導を体系化している点が特徴です。

複合フィットネスの一機能としてテニスを提供するモデルは、ジム・プールなど他のサービスと合わせて会員化できる利点があります。指導の体系化・可視化に投資することで、専業チェーンとの差別化を図っています。

コナミスポーツクラブ|全国のスポーツクラブ網を活かした展開

コナミグループが展開するコナミスポーツクラブは、全国のスポーツクラブ施設内でテニススクールを運営しています。同社が持つフィットネス・水泳・体操など多様なスクール運営のノウハウを、テニス種目にも横展開している形です。

複合フィットネス大手が持つ全国的な店舗網は、単一種目の専業チェーンにはない規模のメリットがあります。一方で、テニス専用コートの確保・維持は他の設備と比べてスペースを要するため、出店できる立地が限られます。

株式会社テニスラウンジ|日本最大級の校数を持つ専業チェーン

1987年設立の株式会社テニスラウンジは、愛知県名古屋市を拠点に、愛知・岐阜・三重・滋賀・奈良・大阪・兵庫・埼玉・福岡・北海道・沖縄で約60校を展開し、約25,000人の会員を抱える日本最大級のテニススクールチェーンです。

専業チェーンとして全国に校数を広げるモデルは、テニス指導のノウハウ・ブランドを一貫させやすい利点があります。「ラウンジ(社交場)」という理念を掲げ、競技指導だけでなく交流の場としての価値も打ち出しています。

ノアインドアステージ株式会社|マッチ製造業からの事業転換で生まれた専業チェーン

ノアインドアステージは、1900年創業のマッチ製造業「日東社」が、遊休地活用の一環として1980年に姫路テニスクラブとして設立した企業です。現在は全国35校のインドアテニス&バドミントンスクールを展開する業界大手となっています。

株式会社テニスユニバース|受託運営を専業とする関東・関西の事業者

1980年設立の株式会社テニスユニバースは、東京都府中市を拠点に、テニススクール・クラブの受託運営事業や指導受託業務を専業としています。自社ブランドの単独展開ではなく、他社施設の運営受託という形で事業を広げている点が特徴です。

株式会社ITC|東京圏でスクール運営を専業とする企業

株式会社ITCは「ITCテニススクール」を運営する企業で、1975年のテニスヒル仁川営業開始を起点とする歴史を持ちます。一般向けスクールに加え、企業の福利厚生用テニススクールも提供しています。

株式会社ティップネス|フィットネスクラブの一機能としてのインドアテニス

1986年設立の株式会社ティップネスは、フィップネスクラブ「ティップネス」を運営する企業で、インドアテニスをスワールメニューの一つとして提供しています。フィットネス会員がそのままテニスも楽しめる複合提供が特徴です。

株式会社ルネサンス|複合型施設のテニスコートを活用

株式会社ルネサンスは、ジム・スタジオ・プールと並んでテニスコートを備えた複合型施設「スポーツクラブ ルネサンス」でテニススクールを提供しています。他の複合フィットネス大手と同様、単一種目に依存しない収益構造を持っています。

株式会社サンリバー|単独施設として国際規格のコートを持つ地域拠点

1940年設立の株式会社サンリバーは、大阪府吹田市で「江坂テニスセンター」を運営しています。国際テニス連盟(ITF)公認の全天候型コートを屋外12面・屋内10面備え、ナイター照明・屋内空調まで完備した、単独施設としては大規模な設備を持っています。

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運営モデルは4つの類型に分かれる

10社の事業内容を整理すると、テニススクールの運営主体は大きく4つの型に分類できます。母体となる業種・規模によって、参入・提携のしやすさが異なります。

①用品メーカー系自社ブランドの体験拠点としてスポーツを運営
②複合フィットネス内包型ジム・プール等を備えた複合施設の一機能として提供
③専業チェーン運営型テニス指導そのものを本業とし全国・広域に展開
④地域単独大型施設型単一の大規模施設で地域の拠点として機能

①用品メーカー系|ブランド体験の場として運営する

スポーツ用品メーカーが自社製品の体験拠点としてスクールを運営する型です。用品販売との相乗効果を狙える一方、スクール運営自体は本業でないため出店拡大の優先度は他事業との兼ね合いで決まります。

②複合フィットネス内包型|他種目と組み合わせて会員化する

ジム・プールなどを備えた複合施設の一機能としてテニスを提供する型です。会員が複数サービスを利用することで単価を上げやすい一方、テニスコートは他設備よりスペースを要するため出店できる立地が限られます。

③専業チェーン運営型|指導ノウハウの一貫性で全国展開する

テニス指導そのものを本業と、単一ブランドで広域・全国展開する型です。指導ノウハウ・進級システムなどをブランドとして統一しやすい一方、収益源がテニス単体に依存します。

④地域単独大型施設型|1施設に資源を集中する

複数拠点への展開ではなく、1つの大規模施設に投資を集中させる型です。国際規格のコート数を確保するなど、単独施設としての価値・専門性を高める方向に資源を割いています。

Q. 企業がテニススクールと提携する場合、どの型が窓口になりやすいですか?

福利厚生としての法人利用を想定する場合は、株式会社ITCのように企業向けメニューを既に持つ専業チェーンが窓口になりやすい傾向があります。用品・ブランドの露出を狙う場合は、用品メーカー系との協業が候補になります。

参入・提携時に見落としやすい3つの注意点

テニススクール事業に関わる際、店舗の見た目だけは分かりにくい実務上の論点があります。ここでは3つに絞って整理します。

①コートの立地・面数が事業規模の上限を決める

テニスコートはジムやスタジオより広い敷地を要するため、出店できる立地そのものが限られます。江坂テニスセンターのように屋外12面・屋内10面を確保できる立地は稀で、多くの企業は複合施設内の限られた面数で運営しています。

②天候・季節による稼働率の変動がある

屋外コートは雨天・猛暑・積雪の影響を受けやすく、インドア施設への需要が根強くあります。ノアインドアステージやティップネスのようにインドア特化・複合施設内での提供を選ぶ企業が多いのはこのためす。

③指導者(コーチ)の技量と進級システムがブランドの核になる

セントラルスポーツの「テニチャレ」のように、独自の進級システムを整備している企業は、指導の一貫性・成果の見える化をブランドの差別化要素にしています。専業チェーンほど、この体系化への投資が重要になります。

自社に合う関わり方の選び方

ここまで見た4つの型は、自社が既に持っている資産によって向き不向きが決まります。用品ブランドを持つ企業は用品メーカー系、複合施設を運営する企業は複合フィットネス内包型、指導ノウハウで広域展開したい企業は専業チェーン運営型、大規模な土地を活かしたい企業は地域単独大型施設型が候補になります。

いずれの型でも、10社の事例に共通していたのは、コートという面積の制約を前提に、ブランド訴求・複合提供・指導体系・単独施設の専門性のいずれかで差別化している点です。

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Q. 複合フィットネス系と専業チェーンでは、どちらが校数を持っていますか?

今回確認できた範囲では、専業チェーンのテニスラウンジが約60校と最多で、ノアインドアステージが35校と続きます。複合フィットネス系はテニス単独の校数を公開していない場合が多く、単純比較はできません。

まらめ

テニススクール運営会社10社の事例から、運営モデルは大きく4つに分かれることが分かりました。

  • テニスはスポーツ庁の調査で複数人実施率95.8%と高く、コーチ・仲間と楽しむ性質が強い競技である
  • 運営モデルは「用品メーカー系」「複合フィットネス内包型」「専業チェーン運営型」「地域単独大型施設型」の4つに分類できる
  • コートの立地・面数の制約が事業規模の上限を決め、天候対策としてインドア施設・複合施設内提供が広がっている
  • 指導者の技量と進級システムの体系化が、専業チェーンのブランド力を左右する
  • 自社に合う関わり方は、用品ブランド・複合施設・指導ノウハウ・土地資産のいずれを活かすかで決まる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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