呼吸法でストレス軽減|スポーツ現場の手法を職場へ

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大事な商談や交渉の前になると、緊張で呼吸が浅くなる。そんな経験を持つビジネスパーソンは多いはずです。トップアスリートが本番前の緊張をコントロールするために取り入れている呼吸法は、特別な道具も時間もかけずに実践できるメンタルケアの手段です。この記事では、呼吸法がストレスを軽減する仕組みと、スポーツ現場での実例、職場への取り入れ方を紹介します。

呼吸法によるストレス軽減とはどのような考え方か

呼吸法によるストレス軽減とは、意識的に呼吸のリズムを整えることで、自律神経のバランスを調整し、心身の緊張をやわらげる手法です。緊張状態では呼吸が浅く速くなりがちですが、意図的にゆっくりとした呼吸に切り替えることで、興奮を抑える副交感神経を優位にしやすくなります。

厚生労働省・労働者健康安全機構が示す「職場における心の健康づくり」の指針でも、事業者によるメンタルヘルスケアの積極的な推進と職場環境等の改善の重要性が示されており、セルフケアの一環として呼吸法のような簡易な手法が位置づけられています。

呼吸法がストレスを軽減するメカニズム

人は緊張やストレスを感じると、交感神経が優位になり、心拍数や呼吸数が上がります。腹式呼吸などでゆっくりと長く息を吐くことを意識すると、副交感神経が働きやすくなり、心拍数の上昇が抑えられて落ち着きを取り戻しやすくなります。

この仕組みは特別な訓練を積んだアスリートに限らず、誰でも意識するだけで一定の効果が期待できる点が特徴です。だからこそ、職場のメンタルケア施策としても導入のハードルが低いといえます。

スポーツ現場で使われる呼吸法の実例

スポーツの現場では、試合前の不安を訴える選手に対して、目標設定やセルフトーク、イメージトレーニングとあわせて、腹式呼吸や漸進的筋弛緩法といったリラクセーション技法が用いられています。筋肉の緊張を訴える場面では、意識的な呼吸コントロールが特に有効とされています。

場面 呼吸法の使い方
試合直前の緊張時 腹式呼吸でゆっくり長く息を吐き心拍を落ち着ける
プレー中のミス直後 短い呼吸のリセットで気持ちを切り替える
試合後の興奮状態 深い呼吸で徐々に交感神経の高ぶりを鎮める

スポーツ心理学分野の知見をもとに作成

試合直前の緊張時に使う呼吸法

本番直前は交感神経が高まり、心拍数や呼吸が速くなりがちです。ここで腹式呼吸を意識し、吸う時間より吐く時間を長くすることで、過度な緊張を和らげ、本来の力を発揮しやすい状態に近づけます。

プレー中のミス直後に使う呼吸法

ミスをした直後は感情が乱れやすく、次のプレーに悪影響が及びがちです。短く区切った呼吸のリセットを挟むことで、意識を「今この瞬間」に戻し、感情を引きずらずに切り替える助けになります。

試合後の興奮状態に使う呼吸法

試合直後は興奮状態が続き、疲労回復の妨げになることがあります。深くゆっくりとした呼吸を繰り返すことで、徐々に心身をクールダウンさせ、回復モードへと切り替えていきます。

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(参考)職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~ – 厚生労働省

職場での取り入れ方

職場に呼吸法を取り入れる際は、特別な設備を用意する必要はありません。商談前や会議前の数十秒、席についたままできる腹式呼吸を習慣化するだけでも、緊張やストレスへの対処力は高まります。

厚生労働省の指針では、事業者が推進すべき「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」という4つのケアが示されています。呼吸法のような簡易なセルフケア手法は、費用をかけずに導入できる第一歩として、特に中小企業のメンタルヘルス対策に適しています。

朝礼や会議の冒頭に1分程度の呼吸法の時間を設けたり、休憩スペースに呼吸法の手順を掲示したりするだけでも、社員が自然にセルフケアを実践できる環境づくりにつながります。特別な研修や外部委託を伴わないため、導入のハードルが低い点も企業にとって取り入れやすい理由の一つです。

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まとめ

  • 呼吸法は自律神経のバランスを整え、緊張やストレスをやわらげる手法
  • スポーツ現場では試合前・プレー中・試合後の各場面で呼吸法が使い分けられている
  • 厚生労働省の指針でもセルフケアの重要性が示されている
  • 職場では商談前や会議前の短時間の呼吸法から導入しやすい
  • コストをかけずに始められるため、中小企業のメンタルヘルス対策にも適している

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業にてメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。
現在は独立し、About The New株式会社を設立。教育コンテンツの研究・開発を行い、スポーツの知見を活かした人材育成プログラムを提供している。

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