アスリート遠征の持ち物と睡眠対策|公的資料で作る企業の準備表

アスリート遠征の持ち物と睡眠対策を公的資料で整理した企業の準備表 スポーツウェルビーイング

海外の大会から戻った選手が、帰国後1週間たっても練習の強度を上げられない。現地で風邪をひき、市販薬を飲んでよいか迷ったまま試合に出ていた――。遠征の失敗は、準備表のどこかが抜けていたところから始まることがほとんどです。

アスリートの遠征では、海外遠征の経験がある選手の約7割が現地で体調を崩したという調査があります。崩す原因は時差ぼけ・移動の疲れ・感染症の3つで、それぞれ打つ手が違います。持ち物は「薬・衛生と計測・睡眠・補食」の4つにまとめ、睡眠は寝具よりも室温・湿度・暗さで整え、時差対策は行き先が西か東かで逆にする。この3点を、国立スポーツ科学センターと厚生労働省の公開資料をもとに、チームの運営担当がそのまま使える準備表の形で整理しました。

アスリートの遠征で体調を崩す人は約7割|時差ぼけと移動の疲れは別の問題

遠征での体調不良は一部の選手の問題ではなく、海外遠征ではむしろ起きる前提で準備するものです。国立スポーツ科学センターの論文は、海外遠征の経験があるアスリート687名のうち、海外で体調を崩した人が473名(68.9%)だったという星川らの調査を紹介しています。

同じ論文は、時差ぼけ(Jet lag)と移動時の疲労(Travel fatigue)を「異なる現象である」と整理しています。時差ぼけは体内時計と現地時刻のずれから起き、移動の疲れは長時間の座りっぱなしや機内の乾燥から起きます。前者は光と睡眠のタイミングで、後者は機内での過ごし方で手を打つ、と分けて考えると準備の抜けが減ります。

3つ目の原因が感染症です。ハイパフォーマンススポーツセンターのハンドブックは、免疫を下げる要因の1つに「長距離移動」を挙げ、7時間以上の睡眠で感染のリスクが低くなるという報告を紹介しています。つまり睡眠の確保は、時差対策であると同時に感染対策でもあります。

こうした遠征の体調管理全体の考え方は、一流アスリートのコンディショニングの全体像とあわせて読むと位置づけがつかみやすくなります。

(参考)トップアスリートの海外遠征時における時差・感染症対策(Journal of High Performance Sport 13, 2025年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター

(参考)アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック(2024年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター

Q. アスリートの時差ぼけと移動の疲れは同じものですか?

同じものではありません。国立スポーツ科学センターの論文は、時差ぼけと移動時の疲労を異なる現象として整理しています。時差ぼけは光と睡眠のタイミングで、移動の疲れは機内での過ごし方で対策します。

アスリートの遠征の持ち物は4つの袋にまとめる|薬・衛生と計測・睡眠・補食

アスリートの遠征の持ち物を薬・衛生と計測・睡眠・補食の4つの袋に分けた図解

遠征の持ち物は、競技用具とは別に「薬」「衛生と計測」「睡眠」「補食」の4つの袋に分けて用意すると抜けが出にくくなります。競技団体が品目まで示した公式の持ち物リストは公表された情報では確認できませんでしたが、厚生労働省検疫所(FORTH)が渡航者向けに示す「旅行用セット」と、国立スポーツ科学センターの遠征サポートの記録を重ねると、次の4つに整理できます。

薬は元のパッケージのまま手荷物に入れて禁止物質を調べておく

FORTHの旅行用セットには、痛み止め・解熱剤、咳止め、下痢の薬などが並んでいます。持ち方の注意として、薬は内容がすぐ分かるよう元のパッケージのまま携帯し、処方された薬は処方箋のコピーを持つこと、そして機内持ち込みの手荷物に入れることが挙げられています。入国時に内容の確認を求められることがあり、預け荷物は紛失することもあるためです。

必要な薬は日本でそろえていくのが原則です。FORTHは、アフリカ・アジア・ラテンアメリカの一部の地域では偽造薬に当たる可能性が30%以上と紹介しています。現地で買い足す前提にしないことは、ドーピングの観点からも安全です。

ハイパフォーマンススポーツセンターのハンドブックは「市販感冒薬を使う場合はドーピング禁止物質への注意が必要です」と書いています。遠征先で体調を崩したときに慌てて薬局で買う薬が、いちばん危ない薬です。持っていく薬は、出発前に1つずつ確認しておきます。

確認には、日本アンチ・ドーピング機構などが運営する検索サービス「Global DRO」が使えます。ただし調べられるのは、オーストラリア・カナダ・日本・ニュージーランド・スイス・英国・米国の7か国で買える医薬品だけで、サプリメントは対象外です。それ以外の国で買った薬やサプリメントは、公認スポーツファーマシストなどの専門家に相談する前提で動きます。

(参考)旅行前の準備(もしもの時に備えて-旅行用セット) – 厚生労働省検疫所 FORTH

(参考)知っておきたいこと(ニセ薬について) – 厚生労働省検疫所 FORTH

(参考)アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック(2024年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター

(参考)Global DRO JAPAN 条件及び条項 – 公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構ほか

衛生用品と体温計と体重計で毎朝の変化を記録する

FORTHの旅行用セットには、アルコールを含んだハンドジェルや「デジタル体温計」が入っています。発熱に気づくのが遅れると、チーム内で感染が広がってから対応することになるため、体温は毎朝測って記録します。

体重も同じです。ハンドブックは体重測定を毎日同じ時刻・同じ体重計で行うと変動を比べやすいとしています。国立スポーツ科学センターがフェンシング男子フルーレの代表チームを支えた記録でも、海外遠征中は早朝の空腹時に毎日体重を測り、食事量の過不足や体調不良による体重の減少を確かめていました。携帯用の体重計を1台持っていくと、宿泊先の機材に頼らずに済みます。

(参考)旅行前の準備(もしもの時に備えて-旅行用セット) – 厚生労働省検疫所 FORTH

(参考)フェンシング男子フルーレナショナルチームの栄養サポートについて – 国立スポーツ科学センター

機内で眠るためのアイマスクと耳栓と着圧ウェアを用意する

機内は眠りにくく、体もむくみやすい環境です。国立スポーツ科学センターの論文は、機内での睡眠にアイマスク・耳栓・ノイズキャンセリングヘッドホン・枕を使うこと、むくみや血栓の予防に着圧ストッキングやコンプレッションウェアを使うことを挙げています。乾燥対策の目薬とマスク、寒さ対策の長袖・長ズボンも同じ袋に入れておくと、機内でかばんを探し回らずに済みます。

(参考)トップアスリートの海外遠征時における時差・感染症対策(Journal of High Performance Sport 13, 2025年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター

補食と主食は日本から持っていく

海外では、食事が口に合わずに必要な量を食べきれないことがあります。前述のフェンシング代表の記録では、ヨーロッパ・南米・アジアのどの国でも、ほぼすべての選手に糖質や鉄の摂取不足の傾向が見られました。そこで重要な大会や長期の遠征では、日本から炊飯器と米を持っていき、おにぎりを出して糖質の不足を補っていました。

試合の合間の補食には、ゼリー飲料・スポーツドリンク・エネルギーバーを前もって用意していました。いずれも常温で持ち運べるものです。暑い時期の国内遠征で補食や飲み物をどう決めるかは、暑さ対策で企業が決める服装・補食・中止基準も参考になります。

(参考)フェンシング男子フルーレナショナルチームの栄養サポートについて – 国立スポーツ科学センター

Q. アスリートの遠征の持ち物で忘れやすいものは何ですか?

忘れやすいのは、薬の元のパッケージと処方箋のコピー、体温計、補食です。薬は元のパッケージのまま機内持ち込みの手荷物に入れ、市販の風邪薬は禁止物質が入っていないかを出発前に調べます。主食や補食は、日本から持っていくと現地の食事が合わないときの不足を補えます。

遠征先のマットレスが合わないときは室温と湿度と暗さで整える

宿泊先のマットレスや枕が合わないときは、寝具そのものより先に、室温・湿度・光・音を整えるほうが効果を確かめやすい対策です。公的機関やスポーツ科学の資料で、遠征用マットレスの種類や硬さ、持参を勧める記述は公表された情報では確認できませんでした。一方で、寝室の環境については具体的な目安が示されています。

遠征先の寝室を整える目安
項目 目安 示している資料
室温と湿度 夏は26℃、冬は16〜19℃、湿度は50〜60% アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック
光と音 できれば真っ暗にする、防音・遮光のカーテン、寝床を窓から離す アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック/健康づくりのための睡眠ガイド 2023

出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター「アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック」(2024年)、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」をもとに作成

室温は夏26℃・冬16〜19℃・湿度50〜60%を目安にする

ハイパフォーマンススポーツセンターのハンドブックは、睡眠に最適な気温を夏は26℃、冬は16〜19℃、湿度を50〜60%としています。ホテルの空調は乾燥しやすいので、部屋に着いたら最初に温度と湿度を確かめ、加湿器の貸し出しやぬれタオルで調整します。冬は寝る前に寝具を温めておくことも勧められています。

厚生労働省の睡眠ガイドも、リラックスできる寝衣・寝具で眠ることが良い睡眠につながるとし、就寝の約1〜2時間前の入浴を勧めています。寝具を持っていくなら、マットレスより持ち運べる枕や着慣れた寝衣のほうが現実的です。トップ選手が寝具をどう選んでいるかは、石川祐希選手の睡眠と寝具の選び方でも紹介しています。

(参考)アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック(2024年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター

(参考)健康づくりのための睡眠ガイド 2023 – 厚生労働省

光と音をさえぎれる部屋を選ぶ

ハンドブックは寝室をできれば真っ暗にして眠ることを勧め、睡眠ガイドは寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まないことを挙げています。睡眠ガイドはさらに、防音や遮光のカーテン、寝床を窓から離すこと、寝室の温度・湿度・照明の調整が有効だとしています。

運営担当が宿泊先を選ぶ段階でできるのは、大通りや線路に面していない部屋と遮光カーテンのある部屋を指定することです。到着してから部屋を替えるより、予約時に条件を伝えるほうが確実です。

(参考)アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック(2024年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター

(参考)健康づくりのための睡眠ガイド 2023 – 厚生労働省

Q. アスリートの遠征にマットレスを持っていくべきですか?

公的な資料では、遠征用マットレスの持参を勧める記述は確認できませんでした。先に室温(夏26℃・冬16〜19℃)と湿度(50〜60%)、暗さ、音を整えるのが基本です。寝具を持っていくなら、持ち運べる枕や着慣れた寝衣から始めるのが現実的です。

アスリートの遠征の時差対策は行き先が西か東かで逆になる

アスリートの遠征の時差対策を西回りと東回りで分けた図解

時差対策でいちばん間違えやすいのは光を浴びる時間帯で、ヨーロッパ方面(西回り)と北米方面(東回り)では逆になります。国立スポーツ科学センターの論文が示す方策を、行き先ごとに分けて整理します。どちらの場合も、出発の数日前から夜の睡眠をいつも以上に取ってから移動し、到着後の昼寝は1回30分程度にとどめるのが共通の土台です。

西回りのヨーロッパ方面は夕方に強い光を浴びる

東京からパリのような西回りでは、体内時計を遅らせる必要があります。論文は、到着後2〜3日は現地時刻の17〜20時に2,500ルクス以上の強い光を浴びること、眠気が来る20時30分〜21時ごろに早めに寝ることを挙げています。昼以降の長い仮眠は夜の眠りを妨げるので避けます。

夕方の時間帯は、屋外での軽い練習や散歩に充てると光を浴びやすくなります。練習の予定を組む段階で、この時間帯を空けておくことが運営側の仕事になります。

(参考)トップアスリートの海外遠征時における時差・感染症対策(Journal of High Performance Sport 13, 2025年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター

東回りの北米方面は午前の光を避けて午後に浴びる

東京からデンバーのような東回りでは逆に、体内時計を早める必要があります。論文は、到着後の午前中は光を避け、現地時刻の12〜15時ごろから光を浴びることを勧めています。午前の練習は屋内、午後の練習は屋外にする工夫や、屋内でもサングラスを使う方法も紹介されています。

ヨーロッパ遠征と同じ感覚で朝から屋外練習を組むと、かえって適応が遅れます。行き先が東か西かを、日程表の最初の行に書いておくと迷いません。

(参考)トップアスリートの海外遠征時における時差・感染症対策(Journal of High Performance Sport 13, 2025年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター

遠征先の食事は加熱したものと安全な水を基本にする

遠征先の食事では、何を食べるかより先に、食中毒や感染症を避けることを優先します。FORTHは、生水は飲まずにミネラルウォーターか沸騰させた水を飲むこと、氷も安全な水で作られたものに限ること、食べ物は加熱したものを選び、サラダや生野菜を避けることを挙げています。旅先で下痢になる人は、目的地によっては70%にもなると紹介されています。

国内の遠征でも油断はできません。厚生労働省の統計では、令和6年(2024年)の食中毒は1,037件・患者14,229人で、病因物質別ではノロウイルスの患者が8,656人と最も多くなっています。宿泊先の食事でも、手洗いと手指の消毒を食事の前の決まりにしておきます。

国立スポーツ科学センターは、国際大会の栄養サポートでは安心・安全な食事の提供が必須だとし、選手村の食事は味付けが単調なことなどから食欲が落ちる場合があると報告しています。持ち出し用の補食として「リカバリーミールボックス」を用意する取り組みも紹介されており、持ち物の補食と現地の食事を組み合わせて考えるのが現実的です。

(参考)どうやってうつる?(食べものからうつる病気) – 厚生労働省検疫所 FORTH

(参考)食中毒統計資料(令和6年(2024年)食中毒発生状況) – 厚生労働省

(参考)ハイパフォーマンス・サポートセンター栄養機能の設置と運営(Sports Science in Elite Athlete Support 3) – 国立スポーツ科学センター

運営担当が回すアスリートの遠征準備|出発前から帰国後まで

アスリートの遠征準備を出発1か月前から帰国後までの4つの時期に分けた図解

ここまでの対策は、選手個人に任せるより、チームの運営担当が時期ごとの確認事項として回すほうが漏れません。実業団や企業のスポーツ部であれば、総務や人事が担っている出張手配の流れに、次の確認を足すだけで形になります。

出発の1か月前までに行き先と滞在の長さを確かめる

最初に決めるのは、行き先が西回りか東回りか、滞在がどれくらいの長さかです。これで光を浴びる時間帯と練習の組み方、持っていく主食の量が決まります。宿泊先を予約するときには、遮光カーテンや静かな部屋の希望も一緒に伝えます。

海外に3か月以上滞在する場合は、旅券法第16条により在留届の提出が義務になっています。短期の遠征でも、外務省の「たびレジ」に登録しておくと、現地の安全情報がメールで届きます。

あわせて読みたい実業団・企業スポーツとは|4社の事例で見る運営モデル›

(参考)たびレジ・在留届 – 外務省

出発の数日前に薬と補食をそろえて夜の睡眠を増やす

持っていく薬を選手ごとに確かめ、禁止物質が入っていないかをGlobal DROなどで調べ終えておきます。補食と主食、体温計と体重計、機内で使う睡眠用品もこの段階で袋に分けます。

選手には、出発前の数日はいつも以上に夜の睡眠を取るよう伝えます。直前の詰め込みの練習や夜更かしは、時差ぼけを重くする方向に働きます。

遠征中は毎朝の体温と体重を記録して変化を見る

遠征中は、毎朝の体温と空腹時の体重を記録し、前日からの変化を運営担当が確認します。体重が続けて落ちている選手は食事量が足りていない可能性があり、補食を増やすなどの手を早めに打てます。

体調を崩した選手が出たら、市販薬を現地で買う前に、チームが持参した薬で対応できないかを先に確かめます。部屋を分ける、食事の時間をずらすといった感染を広げない工夫も、この段階で決めておきます。

帰国後は体調の記録を次の遠征の準備表に戻す

帰国後は、時差が戻るまでの日数や、遠征中に体調を崩した選手の記録を残しておきます。何日目に崩したか、何が足りなかったかを準備表に書き足すと、次の遠征の持ち物と日程がより確かになります。準備表は1回作って終わりではなく、遠征のたびに更新するものです。

アスリートの遠征の知見は社員の海外出張にもそのまま使える

時差と移動の対策は選手だけのものではなく、海外へ出張する社員の体調管理にも使えます。国立スポーツ科学センターの論文自体が、時差対策の知見はビジネスや観光で他国へ渡航する一般市民にも還元することが期待されると書いています。

出張する社員の睡眠はもともと足りていないことが多い点にも注意が必要です。厚生労働省の睡眠ガイドは、成人はおおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間で、少なくとも6時間以上を確保するよう勧めています。一方で、令和元年の国民健康・栄養調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性37.5%・女性40.6%で、男性の30〜50歳代、女性の40〜50歳代では4割以上でした。

出張規程に「行き先が西か東かで到着後の過ごし方を変える」「薬は元のパッケージのまま手荷物に入れる」の2行を足すだけでも、遠征の知見を社員に渡せます。社員の睡眠を日ごろから整える施策はスポーツで社員の睡眠の質を高める企業施策、施策全体の組み立て方はウェルビーイング施策の設計法で詳しく扱っています。

あわせて読みたい出張・遠征で疲れがたまる人へ|移動疲れをためない体調管理術›

(参考)トップアスリートの海外遠征時における時差・感染症対策(Journal of High Performance Sport 13, 2025年) – 独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター

(参考)健康づくりのための睡眠ガイド 2023 – 厚生労働省

Q. アスリートの遠征の時差対策は、社員の海外出張にも使えますか?

使えます。国立スポーツ科学センターの論文も、時差対策の知見はビジネスで他国へ渡航する人にも還元できるとしています。行き先が西か東かで光を浴びる時間帯を変えること、出発前の数日は夜の睡眠を多めに取ることは、出張でもそのまま使えます。

まとめ|アスリートの遠征は準備表で体調を守る

アスリートの遠征で押さえておきたい点を振り返ります。

  • 海外遠征の経験がある選手の約7割が現地で体調を崩しており、原因は時差ぼけ・移動の疲れ・感染症の3つに分かれる
  • 持ち物は薬・衛生と計測・睡眠・補食の4つに分け、薬は元のパッケージのまま手荷物に入れ、市販の風邪薬は禁止物質を出発前に調べる
  • マットレスが合わないときは、室温(夏26℃・冬16〜19℃)と湿度(50〜60%)、暗さと音を先に整える
  • 時差対策は西回りなら夕方に、東回りなら午後に光を浴び、出発前の数日は夜の睡眠を多めに取る
  • 運営担当が出発前から帰国後までの確認事項を回し、その記録を次の遠征と社員の出張規程に生かす

次の遠征が決まったら、まず行き先が西か東かと滞在の長さを日程表の1行目に書き、そこから持ち物の4つの袋をそろえるところから始めてみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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