女性管理職が増えない企業へ|スポーツ団体に学ぶ段階的な登用計画

女性管理職が増えない企業へ|スポーツ団体に学ぶ段階的な登用計画 ソリューション
SOLUTION|女性活躍推進 × 人材育成

女性管理職比率の目標は立てたのに、数字が動かない企業へ。スポーツの中央競技団体が女性理事を増やすために定めた「目標割合・達成時期・段階的な任用」の仕組みを応用し、候補者の把握から経験の積ませ方、昇格の選考までを年ごとの計画に落とし込みます。

女性活躍推進女性管理職人材育成組織開発

このプログラムについて相談する

対象となるお客さま

  • 2026年4月から女性管理職比率の公表が必要になった、従業員101人以上の企業の経営者・人事責任者
  • 女性の管理職比率に数値目標を掲げたものの、達成までの道筋を描けていない人事・人材開発の担当者
  • 女性の係長・主任はいるのに、課長以上に上がる人が少ない部門の部門長

よくあるお悩み

  • 比率を公表しても、改善の見通しを社内外に説明できない
  • 昇格判定の時期になって、推薦できる女性の候補者が見当たらない
  • 候補者に管理職の仕事を経験させる機会を、誰も計画していない
ISSUE

課題|女性の割合は、係長20.9%から部長9.2%へ役職ごとに細くなる

女性管理職登用計画プログラム|役職別の女性割合と、昇進者に占める女性の割合

女性管理職が少ない状態は、課長への昇格だけで起きているわけではありません。厚生労働省の「令和7年度雇用均等基本調査」(令和7年10月1日現在、常用労働者10人以上の企業)では、それぞれの役職に占める女性の割合は、係長相当職20.9%、課長相当職13.2%、部長相当職9.2%でした。役職が1段上がるごとに、女性の割合が細くなっています。

新しく役職に就いた人で見ても同じ形です。令和6年10月から1年間の昇進者に占める女性の割合は、係長相当職27.4%、課長相当職17.7%、部長相当職11.5%でした。課長相当職以上へ女性の昇進者がいた企業は10.6%で、9割近くの企業では、この1年に女性の課長以上が1人も生まれていません。

そのうえで、外に示す数字になりました。2026年4月1日に施行された改正女性活躍推進法で、女性管理職比率の公表が従業員101人以上の企業に義務付けられています。厚生労働省は、数値の大小だけでなく、要因と課題を分析し、その結果を説明欄で示すことが望ましいとしています。

(参考)「令和7年度雇用均等基本調査」結果を公表します – 厚生労働省

(参考)女性活躍推進法が改正されました!男女間賃金差異と女性管理職比率の公表義務が拡大(令和8年2月18日改定版) – 厚生労働省

CAUSE

原因|比率の目標はあっても、年ごとの登用人数と候補者の育て方が決まっていない

女性管理職登用計画プログラム|女性管理職比率が動かない3つの原因と、比率を公表した企業の変化

女性社員の意欲や、上司個人の姿勢だけの問題ではありません。比率の目標を、毎年の人事の決定に結びつける仕組みが欠けています。

  • 目標が最終の比率だけ:「何年までに何%」は決めても、毎年の昇格判定で何人を課長に上げるかまで分けていないため、今年何を変えればよいかが決まりません。
  • 経験を積む機会が計画されていない:予算づくりや部下の評価など、管理職の判断を経験する機会を、誰にいつ割り当てるかを決めていません。経験がなければ、昇格判定の時期に推薦できません。
  • 選考が推薦者ひとりに任されている:昇格の基準が事前に示されず、推薦する上司の判断に任されていると、候補者にも何を積めばよいかが見えません。

数字を外に示して追いかけることには効果があります。厚生労働省の委託事業「女性活躍に関する調査」(令和5年度、行動計画を策定した企業が対象)では、管理職などの女性比率を公表した企業は、公表していない企業と比べて、女性管理職比率が3年前より「高くなった」と答えた割合が、どの企業規模でも高くなっていました。公表を義務への対応で終わらせず、計画と結びつけることが大切です。

(参考)女性活躍に関する調査 結果概要(令和5年度厚生労働省委託事業) – 厚生労働省

SPORTS INSIGHT

スポーツ知見|競技団体は女性理事40%の目標に、達成時期と段階的な任用を添える

女性管理職登用計画プログラム|スポーツ団体ガバナンスコードが定める女性理事の目標と、達成に向けた方策

スポーツ庁は2019年6月に「スポーツ団体ガバナンスコード<中央競技団体向け>」を策定し、2023年9月29日に改定しました。各競技の国内統括団体(中央競技団体)が守るべき原則を示したもので、その原則2で、外部理事の目標割合(25%以上)と女性理事の目標割合(40%以上)を設定し、達成に向けた具体的な方策を講じることを求めています。

注目したいのは、目標の数字に「どう近づくか」を添えている点です。具体的な方策の例として、理事の選任に関する規程に女性理事の定めを置くこと、すぐに目標割合を達成できない場合も達成の目標時期を決め、理事の改選で1名ずつ選ぶような段階的な任用を計画的に行うこと、そのための公募を行うことが挙げられています。あわせて、理事の候補となりうる人材を各種委員会などに配置して、運営に必要な知見を高める機会を設けることが強く期待されています。

選ぶ側の仕組みも決めています。役員候補者選考委員会を理事会から独立した形で置き、構成員の半数以上を現職の理事が占めないようにすること、女性委員を複数名置くなどして多様性を確保することが望まれるとしています。年功序列や順送り人事といった慣行にとらわれずに選ぶためです。各団体は遵守状況を年1回自己説明して公表し、日本スポーツ協会・日本オリンピック委員会・日本パラスポーツ協会の統括団体が4年ごとに適合性審査を行います。

中央競技団体の女性理事の割合は、コード策定前の平成30年度の平均15.6%から、令和4年度には26.5%へ上がりました。令和7年版の男女共同参画白書では、平均31.7%とされています。

(参考)スポーツ団体ガバナンスコード<中央競技団体向け>2023年9月29日改定版 – スポーツ庁

(参考)男女共同参画白書 令和7年版 第3節 スポーツ分野における男女共同参画の推進 – 内閣府男女共同参画局

ただし、競技団体の理事会と会社の管理職は同じではありません。理事は総会などでの改選で選ばれ、理事会で業務執行を決め、その執行を監督することが主な役割です。管理職は部下を持ち、日々の業務の判断と評価を担うため、席に就く前に実務の経験が要ります。そこで、改選の代わりに年1回の昇格判定を節目にし、委員会への配置の代わりに、業務の中で管理職の判断を経験する機会を割り当てます。

SOLUTION

解決策|目標比率を、年ごとの登用人数と候補者の経験機会に分ける

女性管理職登用計画プログラム|登用計画をつくる4つの要素と、それぞれで決めること

新しい制度を足すのではなく、いま掲げている比率の目標を、毎年の人事の決定まで分けて書き出します。

  • 年ごとの登用人数:達成の目標時期を決め、毎年の昇格判定で課長に上げる人数を部門ごとに割り当てる
  • 候補者の把握:係長・主任層から、2〜3年後に課長になりうる候補者を部門ごとに書き出す
  • 経験機会の割り当て:予算づくり、部下の評価への同席、部門をまたぐ会議の進行など、管理職の判断を経験する機会を候補者ごとに決める
  • 選考の基準と会議:昇格の基準を事前に示し、推薦した上司以外も加わる選考会議で決める

いちばん大事なのは3つ目です。昇格の基準は性別を問わず同じにし、基準を下げて数を合わせることはしません。変えるのは、昇格判定の時期に、経験を積んだ候補者がそろっている状態を前もってつくることです。

APPROACH

進め方|1〜2部門で1年分の登用計画を試し、全社の計画に広げる

女性管理職登用計画プログラム|診断・設計と試行・定着の3つのフェーズで、やること・役割分担・期間の目安

最初から全社で計画を配ると、部門の実情と合わないまま数字だけが残りがちです。まず1〜2部門で、次の昇格判定までの計画を動かしてから広げます。

診断では、役職別の女性比率と過去3年の昇進者のデータを一緒に整理し、どの段階で細くなっているかを確かめます。あわせて部門長に聞き取りを行い、係長・主任層の候補者と、いま割り当てている仕事を洗い出します。設計・試行では、1〜2部門で登用人数・候補者・経験機会・選考の基準を決め、昇格判定まで運用します。定着では全社に広げ、年1回、計画と実績を比べて直す会議を社内で回せるようにします。

期間は目安です。診断だけ、1部門だけといった始め方もご提案します。Human Soarはデータの整理と聞き取り、計画と基準の文書化、見直し会議の進行を担い、御社には人事データの共有、試す部門の決定、候補者への経験機会の割り当てをお願いします。

OUTPUT

成果物|毎年の昇格判定で使う、登用計画表など4つの道具

女性管理職登用計画プログラム|1年の人事の流れの中で4つの成果物を使う時期と使う人

成果物は、ひな形を渡して終わりにはしません。どれも御社の人事データと部門の実情をもとに、一緒に作ります。

土台になるのが「登用計画表」です。達成の目標時期までに、毎年どの部門で何人を課長に上げるかを1枚にまとめたもので、期初の経営会議で使います。次に、候補者ごとに割り当てた経験機会と、その時期・結果を書き込む「候補者育成シート」を作ります。上司と人事が半期ごとに見て、次に任せる仕事を決めます。

昇格判定の時期に使うのが「昇格選考の基準書」です。昇格の基準と、選考会議に誰が加わり、どう決めるかを定めます。最後に、年1回、計画と実績を比べて計画を直す「年次レビューの手順」を整えます。女性管理職比率を公表する際に説明欄へ書く、要因と課題の分析の文面もここでまとめます。

VALUE

期待できる効果|昇格判定のたびに、経験を積んだ候補者がそろう

女性管理職登用計画プログラム|立場ごとの変化と、見る2つの数字

経営にとっては、公表する比率について、いまの要因と今後の計画を根拠とともに説明できるようになります。人事は、昇格判定の前に候補者と経験の記録がそろうため、判定の時期になって候補者を探さずに済みます。部門長は、誰にどの仕事を任せるかを計画的に決められます。候補者本人も、昇格の基準と、次に積む経験が分かります。

見る数字は、全体の女性管理職比率だけではありません。比率は昇格の結果なので、動くまでに時間がかかります。先に見るのは「課長相当職への昇進者に占める女性の割合」と「候補者のうち、予定した経験機会を割り当てた人の割合」です。この2つが上がっていれば、比率が動く前から計画が進んでいることが分かります。

COMMENT

Human Soarからのコメント

競技団体は女性理事を増やすために、目標の数字だけでなく、いつまでに、改選ごとに何人、誰がどう選ぶかまで決めました。会社の女性管理職も同じです。比率を公表して終わりにせず、毎年の昇格判定で何を変えるかを、御社の人事データをもとに一緒に決めます。

FAQ

よくあるご質問

Q. 女性だけを優遇する制度になりませんか?

昇格の基準は性別を問わず同じです。変えるのは、候補者を早めに把握し、管理職の判断を経験する機会を計画的に割り当てる部分です。選考の基準と会議の進め方を事前に示すため、昇格の理由を社内に説明しやすくなります。

Q. 女性活躍推進法の行動計画とは何が違いますか?

行動計画で掲げた目標を、年ごとの登用人数・候補者・経験機会まで分けて運用するのがこのプログラムです。行動計画を作り直す必要はなく、その目標を達成するための実行計画として使えます。

Q. 候補者になる女性社員がほとんどいない場合はどうしますか?

診断で係長・主任層に加え、その手前の層まで広げて候補者を洗い出します。それでも少ない場合は、達成の目標時期を長めにとった段階的な計画を立て、採用の計画とあわせて検討します。

元気な社員が、いちばんのマーケティングになる。

社員のウェルビーイングを高め、
その元気が自然と外に伝わる仕組みをつくります。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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