職場の健康づくり事例|スポーツエール認定企業の歩数と体操の工夫

職場の健康づくり事例|スポーツエール認定企業の歩数と体操の工夫のアイキャッチ スポーツウェルビーイング

職場の健康づくりは、特別な時間を作るより、歩く機会を仕事の中に増やすほうが続きます。スポーツエールカンパニーに認定された企業の事例でも、ウォーキングと体操が多く、チーム対抗や記録の工夫で参加を保っています。

健康づくりの計画を任されたものの、何を目標にすればよいか分からない。イベントを開いても毎回同じ人しか来ない。そんな職場で参考になるのが、国の目安と実際の企業の工夫です。

この記事では、厚生労働省の運動の目安を確認したうえで、スポーツ庁の資料に載った5社の事例を整理し、自社で試す手順までをまとめます。

職場の健康づくりの目標は1日約8,000歩を目安にする

歩数から順に運動を広げる|職場の健康づくりの図解

職場の健康づくりで数字の目標を置くなら、厚生労働省のガイドが示す1日約8,000歩が分かりやすい目安です。「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に歩行と同等以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)行うことを推奨しています。

同じガイドは、息が弾む運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことや、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することも挙げています。いきなり全部を目指さず、歩数、運動、筋力と順に広げると無理がありません(順序は本記事の提案です)。

(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要) – 厚生労働省

Q. 職場の健康づくりは厚生労働省の基準がありますか?

運動の目安として「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」があります。成人には1日60分以上の身体活動(1日約8,000歩以上)が推奨されています。職場全体の進め方は「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」が土台です。

認定企業の事例5社は仕事の中に運動を組み込んでいる

スポーツ庁の資料「スポーツエールカンパニー2024 特徴ある取組例」から、規模と業種の異なる5社を選びました。同じ資料は、認定企業の種目ではウォーキングと体操が多いと説明しています。次の表は、5社の工夫を本記事で比べたものです。

企業 業種 取り組み 続けるための工夫
ローソン 卸売業・小売業 歩数チャレンジ チーム対抗と毎週のランキング
アシックス 製造業 ウォーキングバトル グループ会社間の競争
イトーキ 製造業 歩数が増えるオフィス 中階段やゴミ箱の集約
ライフィ 金融業・保険業 個人目標の記録とラジオ体操 従業員の声を毎回反映
向井組 建設業 全体会議の体操とウォーキング 担当者が資格を取得

スポーツ庁「スポーツエールカンパニー2024 特徴ある取組例」をもとに本記事で作成。内容は2024年認定時点の資料によるものです。

ローソンは駅伝に見立てたチーム対抗で約4,000名が参加した

ローソンは2016年度下期から歩数チャレンジを基本に施策を続けています。2023年度下期は箱根駅伝をモチーフにした社内の駅伝大会とし、8週間でチーム平均9,000歩を目指す企画に約4,000名が参加しました。

毎週ランキングを発表し、毎日8時50分と14時50分には自社で作った「ラジオ体操」の動画を案内しています。テーマを毎年変えることで、同じ歩数の取り組みでも飽きにくくなる好例です。

(参考)スポーツエールカンパニー2024 特徴ある取組例 – スポーツ庁

アシックスはウォーキングの競争を会話につなげた

アシックスは、従業員アンケートから健康課題を抽出して施策を決めています。認定時の資料では、国内グループを対象にウォーキングバトルを実施し、同社の参加率は41%でした。国内グループ会社間で競うことで、交流につながったと説明しています。

ウォーキング・ランニング通勤を制度として推奨している点も、仕事の前後に運動を組み込む例です。

イトーキはオフィスの配置で歩数を増やしている

イトーキは、働きながら健康になる考え方を掲げ、別フロアへ移動できる中階段を設置しています。個人用のゴミ箱をなくしてゴミステーションへ捨てに行く形にし、キャビネットやトレーもフロア1か所に集めました。

上下昇降デスクや握力測定コーナーも置いています。運動の時間を取らなくても歩数が増えるので、忙しい職場でも試しやすい考え方です。オフィスの工夫はオフィスフィットネスの記事でも扱っています。

ライフィは自分で決めた目標を記録している

ライフィは、従業員がそれぞれ挑戦したい種目と数値目標を決めて毎日記録する活動を行っています。第1回(2023年5〜7月)は参加率100%、目標達成率60%でした。全従業員に歩数計を貸し出し、毎朝のラジオ体操にはテレワークの社員も週2回、オンラインで参加しています。

従業員のアンケート結果を全体会議で報告し、意見を反映している点が、続けるための工夫です。

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向井組は毎月の会議で体操とストレッチをしている

鳥取県倉吉市の建設会社である向井組は、毎月の全体会議で健康づくり担当者が5〜10分話し、書類を配るだけでなく全員で体操やストレッチをしています。地域のウォーキングイベントでは、社員と家族の参加費を全額会社が負担しています。

担当者がウエルネスウォーキングの資格を取り、毎月自社のウォーキングを開いています。大きな予算がなくても、既存の会議を使えば始められる例です。

5社に共通するのは競争と記録と仕事への組み込みの3つ

参加を保つ工夫は3つに重なる|職場の健康づくりの図解

5社を比べると、参加を保つ工夫は、競う仕掛け、記録の見える化、仕事への組み込みの3つにまとめられます。この分け方は事例をもとにした本記事の整理です。自社の課題に近いものから1つ選ぶと、計画を立てやすくなります。

競う仕掛けは部署を越えた会話を生む

ローソンやアシックスのようなチーム対抗は、運動が苦手な人もチームの一員として参加できます。個人の順位ではなくチーム平均で競うと、歩数が少ない人を責める空気を避けられます。

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記録は本人が目標を決めると続きやすい

ライフィのように本人が種目と目標を決めると、運動の好みが違っても同じ活動に参加できます。健康診断の問診にある運動習慣の質問と合わせると、全体の変化も追えます。詳しくは健康診断の運動習慣の質問で説明しています。

仕事への組み込みは参加を意識させない

イトーキの配置や向井組の会議のように仕事の流れに入れると、参加するかどうかを毎回決めなくて済みます。スポーツとウェルビーイングの考え方も踏まえ、まず既存の会議や朝礼に3分の体操を足すところから始められます。

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Q. 職場の健康づくりの取り組みは何から始めればよいですか?

既存の会議や朝礼に、数分の体操を足すところから始めると進めやすくなります。向井組は毎月の全体会議で体操やストレッチをしており、追加の場を作らずに続けています。全社の計画は、その反応を見てから広げられます。

Q. スポーツが苦手な従業員も参加できますか?

ウォーキングや体操のような健康スポーツなら参加しやすくなります。スポーツ庁は、スポーツエールカンパニーの取り組みをスポーツ競技に限らないものとして説明しています。階段の利用や立って行う会議も含まれます。

職場の健康づくりの要点

  • 歩数は1日約8,000歩を目安にする
  • 認定企業の種目はウォーキングと体操が多い
  • 参加を保つ工夫は、競争、記録、仕事への組み込みの3つ
  • 予算が少なければ、既存の会議に体操を足すところから始める

次の会議の冒頭に3分の体操を入れて、参加した人の反応を聞いてみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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