社員の健康管理で企業がすべきこと|義務とスポーツ施策の進め方

社員の健康管理で企業がすべきこと|義務とスポーツ施策の進め方 スポーツウェルビーイング

社員の健康管理で企業がすべきことは、健康診断と事後の対応、ストレスチェック、長時間労働への面接など法律の義務を果たしたうえで、運動や食事の取り組みを足すことです。令和6年の健診の有所見率は59.4%でした。スポーツを使う施策は、この上乗せの部分で活きてきます。

総務を任されて、社員の健康管理も担当することになった。健康診断のほかに何が義務なのか、アプリは入れるべきか、どこまで会社が踏み込んでよいのか。全体像が見えないと動けません。

この記事では、法律で決まっていること、会社が任意でできること、健康情報の扱い、スポーツを使った施策の進め方を順に整理します。

社員の健康管理はまず法律の義務を確認する

健康管理の土台は、労働安全衛生法が定める事業者の義務です。主なものは次のとおりです。規模や働き方で変わるので、法令の条文と労働局の案内で確かめます。

項目 内容 主な対象
健康診断 雇入れ時と1年以内ごとに1回 常時使用する労働者
健診後の対応 結果の通知、医師の意見の聴取など 受診した労働者
ストレスチェック 年1回の実施 現在は主に常時50人以上の事業場
産業医の選任 医師を選任する 常時50人以上の事業場
長時間労働者の面接 医師による面接指導 要件に当てはまる労働者

出典:労働安全衛生法、厚生労働省の資料をもとに本記事で要約しました。ストレスチェックの対象は法改正の動きがあるので、最新の案内を確かめてください。

(参考)労働安全衛生法 – e-Gov法令検索

(参考)定期健康診断 – 職場のあんぜんサイト(厚生労働省)

Q. 社員の健康管理で企業の義務は何ですか?

健康診断の実施と結果の通知、医師の意見の聴取などが基本です。常時50人以上の事業場では、産業医の選任やストレスチェックも必要になります。長時間労働者への面接指導もあります。規模や働き方で変わるので、労働局の案内を確かめてください。

有所見率59.4%は健診の後の対応が大切なことを示す

群馬労働局の資料によると、令和6年の定期健康診断の有所見率は全国で59.4%です。業種別では、運輸交通業66.0%、建設業65.1%、製造業58.0%でした。

健診を実施するだけでは、健康管理とは言えません。再検査を受けやすくする、長時間労働を見直すといった対応が要ります。費用の扱いは健康診断と福利厚生の記事で整理しています。ストレスチェックの全体はストレスチェックで説明しています。

(参考)定期健康診断実施結果(令和6年) – 群馬労働局

任意の取り組みは運動と食事と睡眠の3つから選ぶ

任意の取り組みは3分野から選ぶ|社員の健康管理

義務を果たしたうえで足すのが任意の取り組みです。厚生労働省は令和8年10月に、労働者の健康保持増進の指針に関する公示を出しています。分野の分け方は本記事の整理です。

運動は歩数や施設の補助から始めやすい

身体活動ガイドは、成人に1日約8,000歩以上を勧めています。歩数の企画やジムの補助は始めやすい取り組みです。スポーツ庁の資料には、歩数の目標と手当を結びつけた坂川建設の例があります。

あわせて読みたい企業のウォーキングイベント事例|健康経営の企画›

(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 – 厚生労働省

(参考)スポーツエールカンパニー2024認定企業一覧 – スポーツ庁

食事は補助と案内を組み合わせる

食事の補助は使う人が多い制度です。栄養の案内を添えると健康の施策になります。選び方は食事手当の記事で説明しています。

睡眠は働き方と一緒に見直す

睡眠は個人の問題と思われがちですが、残業や夜の連絡とも関わります。詳しくは社員の睡眠改善で整理しています。

Q. 社員の健康管理にアプリは必要ですか?

法律で必須とされているものではありません。健診の結果の管理や歩数の企画など、目的が決まっているなら便利です。導入の前に、誰が何を見られるのかと、使わない社員への対応を決めてください。

健康情報は見る人と目的を決めて扱う

健康情報は見る人を決める|社員の健康管理

健診の結果や歩数のデータは、慎重に扱う情報です。アプリやスマートウォッチを使うときは、目的、見られる人、保存の期間を決めて社員に説明します。上司が個人の歩数を見て評価するような使い方は避けます。

参加は任意にし、会社が見るのは集計した数字を基本にします。機器の選び方は座りすぎ防止アプリの記事で紹介しています。個別の判断に迷うときは、産業医や弁護士に相談します。

Q. 会社は社員の健康情報をどこまで見てよいですか?

健診の結果など法律で扱うもののほかは、目的を決め、本人に説明して同意を得るのが基本です。見る人を限り、任意の取り組みでは集計した数字を中心に見ます。判断に迷うときは、産業医や弁護士に相談してください。

スポーツの施策は担当者の負担が小さい形で始める

スポーツ施策の始め方|社員の健康管理

スポーツの施策は、社員同士の会話が増える点も魅力です。ただ、大きな大会を企画すると担当者の負担が重くなります。まず歩数の企画や短い体操など、少人数で動かせるものから始めます。順番は本記事の提案です。

始める前に、参加率や健診の数字など見るものを決めます。中小企業の進め方は中小企業の健康経営が参考になります。社員の健康施策の全体はウェルビーイングの施策の考え方で説明しています。

あわせて読みたい従業員の運動習慣を支援する制度設計ガイド›

(参考)「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に関する公示(令和8年10月19日) – 厚生労働省

社員の健康管理の要点

  • まず健康診断、事後の対応、ストレスチェックなど法律の義務を確かめる
  • 有所見率は59.4%で、健診後の対応が大切
  • 任意の取り組みは運動、食事、睡眠から選ぶ
  • 健康情報は見る人と目的を決める
  • スポーツの施策は小さく始める

まずは表の5項目について、自社で誰が担当しているかを書き出してみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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