視力・眼のコンディションを測るアプリ10選|健康経営の視点

視力・眼のコンディションを測るアプリ・デバイス10選のアイキャッチ画像 スポーツDX

パソコンやスマホの画面を見つめる時間が長い職場ほど、「最近、目が疲れやすい」「書類の細かい文字が見えにくい」といった声が増えていませんか。結論から言うと、視力・眼のコンディションをアプリやデバイスで定期的に記録する仕組みを取り入れるほど、不調の早期発見と対策の合意形成がスムーズになります。本記事では、視力測定・眼病モニタリング・処方箋更新まで対応する10製品を、公式サイトの情報をもとに比較します。

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  1. 「見えにくさ」を放置する職場が抱えるコスト|視力管理が健康経営の課題になる理由
  2. 視力・眼のコンディションを測るアプリ・デバイス10選|公式情報で比較する
    1. EyeQueが提案する自宅完結の屈折力測定
    2. Peek Acuityは開発途上国支援から生まれた無料の視力スクリーニング
    3. The Framery(旧GlassesOn)は眼鏡通販に必要な数値をアプリで取得
    4. Warby Parkerのバーチャル視力検査で処方箋を自宅から更新
    5. 国内発のAImirun(アイミルン)は眼科専門医と共同開発
    6. 視力ログはシンプルな記録用アプリとして活用できる
    7. eyecare Amsler Grid Eye Testは加齢黄斑変性の変化を毎日追跡
    8. iCare HOME2は緑内障の眼圧を自宅で測る医療機器
    9. Vivid Visionは弱視・斜視のVRトレーニングを提供
    10. NETRAはスマホを覗き込むだけの携帯型検眼器
  3. 4タイプに整理する|自社の課題に合わせたツールの選び方
    1. 屈折力測定型|近視・乱視の変化にいち早く気づく
    2. 眼病モニタリング型|通院の合間の変化を見逃さない
    3. 処方箋更新型|眼鏡・コンタクトの更新を効率化する
    4. スポーツビジョン・トレーニング型|「見る力」そのものを鍛える
  4. 導入までの4ステップ|自社に合う視力管理ツールをどう選ぶか
    1. ステップ①現場の課題を言語化する
    2. ステップ②対象部門・対象製品を絞り込む
    3. ステップ③小規模に試験導入する
    4. ステップ④定量データで効果を測定する
  5. 現場で気をつけたいポイント|精度の限界とデータの扱い方
    1. 精度の限界を正しく伝える
    2. 健康データの扱いにはプライバシー配慮を
  6. まとめ

「見えにくさ」を放置する職場が抱えるコスト|視力管理が健康経営の課題になる理由

情報機器作業のガイドラインでは、眼精疲労への対策として目薬やアイマスク、セルフマッサージや眼球運動が推奨されています。厚生労働省は、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンを使う作業も対象に含め、令和元年にこのガイドラインを見直しました。つまり国としても、画面作業と目の負担はすでに「対策すべき労働衛生上の課題」だと位置づけているわけですね。

この課題はオフィスワーカーだけの話ではありません。スポーツDXの分野では、動体視力や周辺視野といった「見る力」がパフォーマンスを左右する能力として、以前から専門的に鍛えられてきました。ボールの動きを追う瞬間視力や、複数の選手の位置を同時に把握する周辺視野は、トレーニングによって伸ばせるスキルだと考えられています。

ビジネスパーソンの「見る力」も、資料を素早く正確に読み取り、画面越しの会議で相手の表情を捉えるという意味で、日々の生産性に直結しています。スポーツ選手のコンディション管理と同じように、視力・眼のコンディションを数値で把握し、変化に早く気づく仕組みを持つ企業が増えれば、健康経営の実効性はさらに高まるはずです。

(参考)情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説 – 厚生労働省

Q. なぜスポーツ系メディアが視力管理アプリを取り上げるのですか?

アスリートの視覚トレーニングと同じ「見る力を測って鍛える」発想が、オフィスワーカーの生産性向上にも応用できるためです。コンディション管理という視点で捉えると、視力・眼の状態も他の身体データと同様に継続的な記録が有効です。

視力・眼のコンディションを測るアプリ・デバイス10選|公式情報で比較する

視力・眼のコンディションを測る製品は、大きく分けて「屈折力(近視・乱視)の測定」「眼病の進行モニタリング」「処方箋の更新」「視覚トレーニング」の4つの目的に対応しています。ここでは、各社・各開発者の公式サイトで機能を確認できた10製品を紹介します。国内で実際に配布されている製品を含め、直近まで開発・提供が継続していることを確認したものを選びました。

製品名 提供元 主な機能 対応地域
EyeQue(VERAI等) EyeQue Corp(米国) 屈折力・瞳孔間距離の自宅測定 米国中心・海外発送あり
Peek Acuity Peek Vision(英国) 視力スクリーニング(無料) Android・世界中で利用可
The Framery(旧GlassesOn) 1-800 CONTACTS(米国) レンズスキャンによる処方箋取得 米国中心
Virtual Vision Test Warby Parker(米国) 処方箋のオンライン更新 米国の一部州
AImirun(アイミルン) ロート製薬(日本) 遠見・近見視力の記録(無料) 日本国内
視力ログ 個人開発者(日本) 簡易視力の記録・グラフ表示(無料) 日本国内
eyecare Amsler Grid Eye Test Garoon Eye Associates(米国) 中心視野の変化を毎日確認 iOS/Android
iCare HOME2 Icare Finland Oy(フィンランド) 自己測定型の眼圧計(医療機器) 医療機関経由で提供
Vivid Vision Vivid Vision, Inc.(米国/日本) 弱視・斜視のVRトレーニング 50カ国以上・日本法人あり
NETRA EyeNetra(米国) 携帯型オートレフラクトメーター 主に眼鏡店・医療従事者向け

視力・眼のコンディションを測るアプリ・デバイス10製品の比較表(各社公式サイトの情報をもとに作成)

EyeQueが提案する自宅完結の屈折力測定

EyeQueは、スマートフォンに専用の光学パーツを装着し、近視・乱視の度数(屈折力)や瞳孔間距離を自宅で測定できる米国発の製品です。現行のラインナップ「VERAI」はAIを使った測定に対応し、結果は眼鏡通販サイトでの注文にそのまま使えます。公式サイトでは10万人以上が利用したと紹介されており、FDA登録済みの機器として扱われています。

(参考)EyeQue 公式サイト – EyeQue Corp

Peek Acuityは開発途上国支援から生まれた無料の視力スクリーニング

Peek Acuityは、英国の非営利団体Peek Visionが開発した無料アプリで、Androidスマートフォン1台で視力スクリーニングができます。査読付き研究で従来の視力表と同等の精度が確認されており、開発途上国での視覚スクリーニング事業を起点に、世界中の医療従事者・支援団体に使われています。個人を特定する情報を記録しない設計になっている点も特徴です。

(参考)Peek Acuity – Peek Vision

The Framery(旧GlassesOn)は眼鏡通販に必要な数値をアプリで取得

The Frameryは、米国の大手コンタクトレンズ通販1-800 CONTACTSが提供するアプリで、以前は「GlassesOn」という名称で展開されていました。スマートフォンのカメラで現在の眼鏡のレンズをスキャンし、球面度数・乱視度数・軸・瞳孔間距離を2〜5分で読み取れます。FDA・CE・TGAでクラス1医療機器として登録されており、眼鏡通販を検討する従業員向けの案内にも使いやすい製品です。

(参考)The Framery(App Store) – 1-800 CONTACTS

Warby Parkerのバーチャル視力検査で処方箋を自宅から更新

米国の眼鏡ブランドWarby Parkerが提供する「Virtual Vision Test」は、既存の眼鏡・コンタクトレンズの処方箋が現在も適切かどうかを、自宅から約10分で確認できるアプリです。対象は18〜65歳で単焦点の遠用処方に限られ、州によっては提供対象外になるなどの制限があります。検査結果は提携の眼科医が確認し、更新できた場合のみ15ドルが請求される仕組みです。

(参考)Virtual Vision Test – Warby Parker

国内発のAImirun(アイミルン)は眼科専門医と共同開発

ロート製薬が眼科専門医と共同開発した「AImirun」は、ランドルト環を使って遠見(3m)・近見(40cm)の2種類の視力を測定できる無料アプリです。音声入力にも対応しており、1人でも測定しやすい設計になっています。家族ごとに記録を分けて保存でき、裸眼・矯正別に視力の推移をグラフで確認できるため、複数の従業員の変化を見守りたい場合の発想の参考になります。

(参考)AImirun(アイミルン) – ロート製薬

視力ログはシンプルな記録用アプリとして活用できる

個人開発者が提供する「視力ログ」は、スマートフォンやタブレットとの距離を設定し、サイズを調整したランドルト環で視力を記録できる無料の国内アプリです。医療機器ではなく、あくまで目安としての利用が前提になっている点が明記されています。運転免許の更新や健康診断の視力検査前に、簡易的な練習として使う目的にも向いています。

(参考)視力測定 視力チェック – 視力ログ(App Store)

eyecare Amsler Grid Eye Testは加齢黄斑変性の変化を毎日追跡

米国の眼科医が開発した「eyecare – Amsler Grid Eye Test」は、格子模様(アムスラーチャート)を使って中心視野のゆがみを日々確認できるアプリです。加齢黄斑変性など網膜の病気による見え方の変化を、通院の合間にも自分で気づけるようにする目的で作られており、眼科医が遠隔でモニタリングできる機能も備わっています。

(参考)eyecare – Amsler Grid Eye Test 公式サイト

iCare HOME2は緑内障の眼圧を自宅で測る医療機器

フィンランドのiCareが開発した「iCare HOME2」は、点眼麻酔なしで自分の眼圧を測定できる自己測定用トノメーターです。日中の眼圧変動を記録できるため、通院時の測定だけでは見つけにくい眼圧のピークを把握しやすくなります。専用アプリ経由でクラウドに測定結果を送信し、医師と共有できる仕組みが整っています。

(参考)iCare HOME2 – iCare

Vivid Visionは弱視・斜視のVRトレーニングを提供

米国のVivid Visionは、VRヘッドセットを使って弱視や斜視の視覚トレーニングを行うプラットフォームです。2014年のサービス開始から50カ国以上、10万人以上の患者に利用されており、日本でもVivid Vision Asiaが東京を拠点に展開しています。眼科・視能訓練士のいる提携クリニックを通じて利用する仕組みで、自宅練習用の機器も用意されています。

(参考)Vivid Vision 公式サイト

NETRAはスマホを覗き込むだけの携帯型検眼器

MITメディアラボから生まれたEyeNetraの「NETRA」は、スマートフォンを装着したゴーグル状の機器を覗き込み、ゲームのような操作で屈折力を測定する携帯型オートレフラクトメーターです。公式サイトによれば、高価な据え置き型と同水準の精度(±0.35D)を実現しているとされ、主に眼鏡店や医療従事者が店頭・出張サービスで活用しています。

(参考)Netra Portable Autorefractor – EyeNetra

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Q. これらのアプリは眼科の受診の代わりになりますか?

いいえ、代わりにはなりません。今回紹介した製品の多くは公式サイトで「医療機器ではあるが総合的な眼科検診の代替ではない」と明記しています。見え方に違和感がある場合は、まず眼科への受診を案内する運用が前提になります。

4タイプに整理する|自社の課題に合わせたツールの選び方

10製品は目的によって大きく4つのタイプに分かれます。自社がまず取り組みたいのが「見えにくさへの気づき」なのか、「病気の進行モニタリング」なのか、「処方箋の更新」なのか、「視覚機能の向上」なのかによって、選ぶべき製品が変わってきます。

視力・眼のコンディション管理ツールを4タイプに分類した図解

屈折力測定型|近視・乱視の変化にいち早く気づく

EyeQueやThe Frameryのように、近視・乱視の度数を自宅で測定するタイプです。長時間のパソコン作業が多い部署で、「最近見えにくくなった気がする」という声を数値で裏付けたいときに向いています。

眼病モニタリング型|通院の合間の変化を見逃さない

eyecare Amsler Grid Eye TestやiCare HOME2のように、既に眼科で診断を受けている人が症状の進行を自分で追跡するタイプです。管理職層など受診機会が限られやすい層への福利厚生として案内する使い方が考えられます。

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処方箋更新型|眼鏡・コンタクトの更新を効率化する

Warby Parker Virtual Vision Testのように、既存の処方箋が今も有効かどうかをオンラインで確認するタイプです。福利厚生としてコンタクトレンズ購入補助を用意している企業であれば、更新の手間を減らす案内先として紹介しやすくなります。

スポーツビジョン・トレーニング型|「見る力」そのものを鍛える

Vivid VisionやAImirun、視力ログのように、視覚機能そのものを記録・訓練するタイプです。スポーツ選手の動体視力トレーニングと同じ発想で、集中力や反応速度が求められる職種の研修プログラムに組み込む企業も出てきています。同じ「見る力」を測る取り組みとして、GPSセンサーでトレーニング負荷を可視化する製品にも通じる考え方です。

Q. 中小企業でも導入しやすいのはどのタイプですか?

無料で始められる屈折力測定型・トレーニング型が導入しやすいタイプです。EyeQueの無料テストやAImirun、視力ログはいずれも追加費用なしで始められるため、まずは希望者向けの案内から試すことができます。

導入までの4ステップ|自社に合う視力管理ツールをどう選ぶか

製品を選ぶだけでは、健康経営の施策としては定着しません。ここでは、視力・眼のコンディション管理ツールを実際に導入する際の4つのステップを整理します。

視力・眼のコンディション管理ツール導入までの4ステップを示した図解

ステップ①現場の課題を言語化する

まずは「画面作業が多い部署で目の疲れの訴えが増えている」のように、対象部署・想定原因・現状の困りごとを具体的に言語化します。産業医面談やストレスチェックの自由記述に、目の疲れに関する言及が増えていないかを確認するのも有効です。

ステップ②対象部門・対象製品を絞り込む

課題が明確になったら、前段で紹介した4タイプから対象製品を絞り込みます。全社一律ではなく、対象部門の業務内容(画面作業の時間・年齢層など)に合わせて製品を選ぶと、導入後の利用率が上がりやすくなります。

ステップ③小規模に試験導入する

いきなり全社展開するのではなく、希望者を募って1〜2カ月の試験導入を行います。無料または低コストで始められる製品を選べば、効果を見極めてから本格導入を判断できます。

ステップ④定量データで効果を測定する

試験導入の後は、利用者アンケートに加えて、可能であれば測定結果の推移データを本人の同意のもとで確認します。同じ「継続して記録する」ことに価値がある取り組みとして、トレーニング記録アプリの運用方法も参考になります。

Q. 導入までどのくらいの期間がかかりますか?

試験導入だけであれば1〜2カ月が目安です。無料アプリの案内であれば数週間で開始できますが、iCare HOME2のような医療機器を伴う製品は、提携する医療機関との調整に追加の時間がかかります。

現場で気をつけたいポイント|精度の限界とデータの扱い方

視力・眼のコンディション管理ツールを導入する際は、便利さだけでなく限界にも目を向ける必要があります。ここでは特に見落とされやすい2点を取り上げます。

精度の限界を正しく伝える

米国のオンライン視力検査サービス「Opternative」は、FDAから警告を受けて名称を「Visibly」に変更した後も、最終的にオンライン視力検査の提供を取りやめた経緯があります。スマートフォンでの測定はあくまでスクリーニング(ふるい分け)であり確定診断ではないことを、社内向けの案内文でも明確に伝える必要があります。

健康データの扱いにはプライバシー配慮を

視力や眼圧のデータは、心拍・自律神経のデータと同様に配慮を要する健康情報にあたります。EAP(従業員支援プログラム)の記録と同じように、本人の同意なく人事評価や配置転換の判断材料に使わないという運用ルールを、導入前に明文化しておくことが欠かせません。

Q. 視力データを人事評価に使ってよいですか?

使うべきではありません。視力・眼の状態は健康情報にあたるため、本人の同意なく人事評価や配置転換の判断材料にすることは避け、あくまで本人の気づきと自主的な受診の後押しに使う運用が基本です。

まとめ

視力・眼のコンディションを測るアプリ・デバイスについて、10製品の比較と選び方を紹介しました。最後に要点を振り返ります。

  • 厚生労働省のガイドラインでも、画面作業による眼精疲労は対策すべき労働衛生上の課題とされている
  • 10製品は「屈折力測定」「眼病モニタリング」「処方箋更新」「トレーニング」の4タイプに整理できる
  • 導入は現場の課題の言語化→対象の絞り込み→試験導入→効果測定の順で進めると定着しやすい
  • スマートフォンでの測定はスクリーニングであり、眼科受診の代わりにはならない
  • 視力・眼のデータは健康情報として扱い、人事評価には使わない運用ルールを事前に決めておく

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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