デスクワークが続く社員から「肩や腰のコリがつらい」という声を聞いても、マッサージ店への通院を毎回補助するのは難しい。そんな企業が福利厚生として検討しやすいのが、自宅やオフィスで使える低周波治療器です。
低周波治療器は、パッドを貼るだけで肩こりの緩解や血行促進が期待できる管理医療機器で、公式サイトで確認できるだけでもオムロンやパナソニックなど10社以上がしのぎを削っています。本記事では、代表的な10製品を一覧で比較したうえで、企業が健康経営施策として導入する際に確認すべきポイントを整理します。
- 低周波治療器とは|厚生労働省の基準に基づく管理医療機器
- 低周波治療器10製品を比較する|代表的なメーカー・ブランド一覧
- オムロン ヘルスケア「エレパルス HV-F128」|自動コースの充実度で選ぶ定番機
- パナソニック「おうちリフレ EW-NA65」|全身に使える温感センサー搭載モデル
- ドクターエア「フィットウェーブ」|ネックレス感覚で首だけを集中ケア
- MTG「SIXPAD」|低周波を使ったEMSトレーニングギアの代表格
- ヤーマン「メディリフト プラス」|顔の表情筋に使うEMS美顔器
- アテックス「ルルド コランゼ AX-HK940」|ハンディサイズで気になる部位を集中ケア
- 伊藤超短波「ATmini CHARGE」|アスリートも使うマイクロカレント機器
- アルインコ「マッサージ機シリーズ」|部位別ラインアップの幅広さが強み
- MYTREX「EMS ヒートネック」|医療機器認証済みで温感機能も備える首専用機
- エレコム「エクリア リフリー HCM-CP01PN2」|超軽量・コードレスの携帯性重視モデル
- 低周波治療器を3つのタイプに分類する|「部位」と「目的」の2軸で見る
- 企業が低周波治療器を健康経営施策に取り入れる3つのポイント
- 低周波治療器の追い風になる健康経営の広がり|経済産業省の認定データから
- まとめ|低周波治療器は「区分」と「対応部位」で選ぶ
低周波治療器とは|厚生労働省の基準に基づく管理医療機器
低周波治療器とは、皮膚の表面から微弱な低周波電流を流し、コリのある部位を刺激する家庭用の機器です。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する認証基準では、「家庭用低周波治療器」は医薬品医療機器等法上の管理医療機器(クラスⅡ)に分類され、使用目的は「肩こりの緩解、麻痺した筋肉の萎縮の予防及びマッサージ効果。一般家庭で使用すること」と定められています。
つまり、市販されている低周波治療器は美容家電のような雑貨ではなく、国が定めた基準に適合した医療機器です。企業が福利厚生として導入する場合も、この分類を踏まえて「治療目的の管理医療機器」なのか「トレーニング・美容目的のEMS機器」なのかを見分けることが、選び方の出発点になります。
(参考)家庭用低周波治療器基準(別表3-332) – 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
Q. 低周波治療器は毎日使っても大丈夫ですか?
製品ごとの取扱説明書に記載された使用時間・頻度を守れば、多くの製品は毎日使用できます。ただしペースメーカーなど医用電気機器を使用している方や、心臓疾患・皮膚疾患がある方は、製品の注意事項に従い医師に相談したうえで使用してください。
低周波治療器10製品を比較する|代表的なメーカー・ブランド一覧
低周波治療器・EMS機器を展開する企業は数多くありますが、本記事では公式サイトで機能・型番・対応部位を確認できた国内メーカー10社の代表製品を取り上げます。まずは一覧表で全体像を押さえたうえで、各製品の特徴を見ていきます。
| 製品名 | 提供企業 | 主な機能・特徴 | 対応部位 |
|---|---|---|---|
| エレパルス HV-F128 | オムロン ヘルスケア | 12種の自動コース+5つのこだわりモードを搭載し、水洗いできるロングライフパッドで衛生的に使い続けられる。 | 肩・腰・ふくらはぎなど部位別コース |
| おうちリフレ EW-NA65 | パナソニック | 温感センサー付きの全身用パッドタイプで、コードでつないだ複数枚のパッドを体の広い範囲に貼れる。 | 全身(肩・腰・脚など) |
| フィットウェーブ MN-06 | ドクターエア | ネックレス感覚で首にかけるだけの低周波治療器。ヒーター機能で首まわりを約42℃まで温められる。 | 首 |
| SIXPAD(Core Belt 2ほか) | MTG | 独自波形「CMM Pulse」を使ったEMSトレーニングギア。治療目的ではなく筋トレ用途中心のシリーズを展開。 | 腹筋・脇腹・脚など |
| メディリフト プラス | ヤーマン | マスク型EMS美顔器。装着するだけで表情筋にアプローチし、リフトアップケアを行う美容機器。 | 顔(頬・フェイスライン) |
| ルルド コランゼ AX-HK940 | アテックス | ハンディサイズの低周波治療器。肩や腰などコリが気になる部位にパッドを貼って集中ケアできる。 | 肩・腰など |
| ATmini CHARGE | 伊藤超短波 | マイクロカレント(微弱電流)を搭載したアスリート向けコンディショニング機器。手首や足首に装着して使う。 | 手首・足首など装着部位 |
| マッサージ機シリーズ | アルインコ | ネックマッサージャー・クッション型・フットマッサージャーなど部位別に幅広いラインアップを展開する。 | 首・肩・足など製品により異なる |
| EMS ヒートネック | MYTREX | 医療機器認証を取得した家庭用低周波治療器。6つの低周波モード×16段階と側面加熱パッドを備える。 | 首 |
| エクリア リフリー HCM-CP01PN2 | エレコム | 約13gと超軽量のコードレス低周波治療器。5つのモードと10段階の強さ調節に対応する。 | 肩・二の腕・背中・おしり・ふくらはぎなど |
公式サイトで機能・型番を確認できた国内企業10社の代表製品を、直近の販売実績があるものから掲載。
オムロン ヘルスケア「エレパルス HV-F128」|自動コースの充実度で選ぶ定番機
エレパルスは、オムロン ヘルスケアが長年展開している家庭用低周波治療器のシリーズです。HV-F128は12種類の自動コースと5つのこだわりモードを組み合わせられ、症状・部位・もみ方から選ぶだけで治療プログラムが決まります。パッドは水洗いして繰り返し使えるロングライフパッドを採用しており、消耗品コストを抑えながら継続利用しやすい設計です。
(参考)低周波治療器 HV-F128 エレパルス 製品情報 – オムロン ヘルスケアストア
パナソニック「おうちリフレ EW-NA65」|全身に使える温感センサー搭載モデル
パナソニックの「おうちリフレ」シリーズは、複数のパッドをコードでつないで全身の広い範囲に貼れる全身用低周波治療器です。EW-NA65は温感センサーを搭載し、コリの状態に応じて刺激を自動調整します。デスクワークで負担がかかりやすい肩や腰だけでなく、脚まで一度にケアしたい場合に向いています。
(参考)EW-NA65 全身用 低周波治療器 おうちリフレ 製品概要 – Panasonic
ドクターエア「フィットウェーブ」|ネックレス感覚で首だけを集中ケア
フィットウェーブは、ネックレスのように首にかけて使うドクターエアの低周波治療器です。低周波の刺激に加えて約42℃のヒーター機能を備え、PCやスマートフォンの長時間使用で凝りやすい首まわりを温めながらほぐせます。約90gと軽量で、シャツの襟に隠れるサイズ感のため、勤務中にも使いやすいのが特徴です。
(参考)フィットウェーブ 製品ページ – ドクターエア(DOCTORAIR)公式ブランドサイト
MTG「SIXPAD」|低周波を使ったEMSトレーニングギアの代表格
SIXPADはMTGが展開するEMSトレーニングギアのブランドです。独自波形「CMM Pulse」により、一般的な低周波特有のピリピリ感を抑えながら筋肉に刺激を与える設計になっています。コアベルトやレッグベルトなど腹筋・脚まわりを鍛える製品が中心で、治療用途の医療機器とは目的が異なり、トレーニングの一環として使われている点が他の9製品と一線を画します。
(参考)SIXPAD(シックスパッド)公式サイト – 株式会社MTG
ヤーマン「メディリフト プラス」|顔の表情筋に使うEMS美顔器
メディリフト プラスは、ヤーマンが展開するマスク型のEMS美顔器です。低周波・EMSの技術を顔の表情筋に応用しており、装着するだけで頬やフェイスラインへアプローチします。10製品の中で唯一「顔」を対象にした製品で、治療やコリ改善ではなく美容ケアを目的にしている点が特徴です。
(参考)マスク型EMS美顔器『メディリフト』製品ページ – MediLiftーメディリフト公式サイト
アテックス「ルルド コランゼ AX-HK940」|ハンディサイズで気になる部位を集中ケア
コランゼは、アテックスのセルフケアブランド「ルルド」が展開する低周波治療器です。ハンディサイズの本体にパッドを付けて、肩や腰などコリが気になる部位に直接貼って使います。持ち運びしやすいサイズ感のため、自宅だけでなく出張先やオフィスの休憩時間にも使いやすい製品です。
(参考)アテックスルルド ブランドページ(低周波治療器 コランゼ AX-HK940 掲載) – 株式会社アテックス
伊藤超短波「ATmini CHARGE」|アスリートも使うマイクロカレント機器
ATmini CHARGEは、伊藤超短波が展開するコンディショニング機器「ATmini」シリーズの最新機種です。低周波よりもさらに微弱なマイクロカレント(微弱電流)を採用し、手首や足首に専用ケースで装着して使います。シリーズ累計販売台数は77,000台以上で、競技団体やトップアスリートの日々のコンディショニングにも使われています。
(参考)ATmini CHARGE 製品ページ – 伊藤超短波 一般のお客様向けサイト
アルインコ「マッサージ機シリーズ」|部位別ラインアップの幅広さが強み
アルインコはフィットネス機器メーカーとして、ネックマッサージャー・クッション型・フットマッサージャーなど部位別に複数のマッサージ機・低周波機器を展開しています。電源方式(コード式・電池式・充電式)や装着部位から自社に合う製品を選べる選択肢の広さが特徴で、部署ごとに用途が異なる企業導入にも対応しやすい構成です。
(参考)マッサージ機 製品一覧 – アルインコ株式会社(ALINCO)フィットネス事業部
MYTREX「EMS ヒートネック」|医療機器認証済みで温感機能も備える首専用機
MYTREX EMS ヒートネックは、株式会社創通メディカルが展開するMYTREXブランドの家庭用低周波治療器です。医療機器認証(認証番号304AKBZX00035000)を取得した管理医療機器で、6つの低周波モード×16段階の強さ調整に加え、首の側面にも加熱パッドを配置し、後方だけでなく側面のコリにもアプローチします。
(参考)MYTREX EMS HEAT NECK 製品ページ – 株式会社創通メディカル公式オンラインストア
エレコム「エクリア リフリー HCM-CP01PN2」|超軽量・コードレスの携帯性重視モデル
エクリア リフリーは、PC周辺機器メーカーとして知られるエレコムが展開するコードレス低周波治療器です。約13g・直径44mmという超軽量・コンパクトなボディで、肩や二の腕、背中、おしり、ふくらはぎなど全身の様々な部位に使えます。リモコンレスで本体だけで操作できる手軽さも特徴です。
(参考)コードレス低周波治療器“エクリア リフリー” HCM-CP01PN2 製品情報 – エレコム株式会社
低周波治療器を3つのタイプに分類する|「部位」と「目的」の2軸で見る
10製品を並べただけでは、どれが自社に合うのか判断しにくいはずです。そこでHuman Soarでは、①パッドの装着範囲が特定の部位に限られる「部位特化型」か、体の広い範囲に使える「全身汎用型」か、②目的が「治療・コリ改善」寄りか「トレーニング・美容」寄りか、という2つの軸で10製品を整理しました。

企業の福利厚生として導入する場合、まず候補になりやすいのは「全身汎用×治療重視」の象限に入るオムロン・パナソニック・アルインコ・エレコムの製品です。特定の症状(首や手首のコンディショニングなど)に対象を絞りたい場合は、伊藤超短波やMYTREX、ドクターエアのような「部位特化×治療重視」の製品が候補になります。ヤーマンやSIXPADは美容・トレーニングが主目的のため、福利厚生としての位置づけが異なる点に注意が必要です。
あわせて読みたい深部体温を測る3製品|アスリートも使う体調管理ツール›
Q. EMSと低周波治療器は何が違いますか?
EMS(Electrical Muscle Stimulation)は主に筋肉を収縮させてトレーニングや美容ケアに使う電気刺激の総称で、低周波治療器は医薬品医療機器等法上の管理医療機器としてコリの緩解などの治療目的で承認された製品を指します。同じ低周波の技術を使っていても、法令上の分類と製品の目的が異なる点が違いです。
企業が低周波治療器を健康経営施策に取り入れる3つのポイント
低周波治療器を福利厚生として導入する企業は、個人が自宅で1台買うのとは異なる視点で製品を選ぶ必要があります。ここでは実務上おさえておきたい3つのポイントを、導入の流れに沿って整理します。

①社員の症状・利用シーンを洗い出す
導入前に、対象になる社員がどの部位のコリや痛みに悩んでいるかをアンケート等で把握します。デスクワーク中心の部署なら首・肩に特化した製品、立ち仕事や現場作業が多い部署なら腰・脚もケアできる全身汎用型の製品が候補になるなど、対象部位によって適した製品が変わります。
②医療機器区分と対応部位を照合する
候補となった製品が管理医療機器なのか、トレーニング・美容目的のEMS機器なのかを公式サイトの製品仕様で確認します。医療機器認証番号の有無は、公式サイトの製品仕様欄に記載されているため、福利厚生規程に「治療器」として明記する場合はこの記載を確認しておくと後のトラブルを避けやすくなります。
③貸与・保管・衛生管理のルールを整備する
パッドは消耗品で、複数人での使い回しは衛生面の懸念があります。個人貸与にするか、パッド部分を個人購入にして本体のみ共有するかなど、運用ルールをあらかじめ決めておくことで、導入後のトラブルを防げます。
Q. 医療機器認証のある製品とない製品、どちらを選ぶべきですか?
肩こりの緩解などを目的とした治療用途で導入するなら、医療機器認証を取得した製品を選ぶのが基本です。トレーニングや美容目的で導入する場合は、EMS機器として展開されている製品でも目的に合致します。福利厚生規程に記載する用途に合わせて選ぶことが重要です。
低周波治療器の追い風になる健康経営の広がり|経済産業省の認定データから
低周波治療器のような健康機器への企業投資が広がる背景には、健康経営を「見える化」する国の認定制度があります。経済産業省は2026年3月、「健康経営優良法人2026」として大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人の計26,850法人を認定したと発表しました。前年(2025年認定:計23,196法人)から3,600法人以上増えており、過去最多を更新しています。
認定を目指す企業にとって、低周波治療器のような手軽なセルフケア機器の導入は、健康経営度調査で問われる「従業員の健康保持・増進に向けた具体的な取り組み」の一つとして示しやすい施策です。スポーツDXとは|3階層構造・事例・課題を解説で紹介しているように、健康管理領域のDXは福利厚生を「見せる化」する手段としても注目されています。
(参考)「健康経営優良法人2026」認定法人が決定しました – 経済産業省
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Q. 健康経営の福利厚生として導入する場合、対象は本人限定ですか?
対象範囲は企業の福利厚生規程によって決まり、法令上の一律の制限はありません。個人専用として貸与する運用が衛生面では望ましいため、多くの企業は本人限定での利用を前提にルールを設計しています。
まとめ|低周波治療器は「区分」と「対応部位」で選ぶ
- 低周波治療器は厚生労働省の基準に基づく管理医療機器(クラスⅡ)で、美容雑貨とは法令上の位置づけが異なる。
- 公式サイトで確認できた10製品は、オムロン・パナソニック・アルインコ・エレコムのような「全身汎用×治療重視」型と、伊藤超短波・MYTREX・ドクターエアのような「部位特化×治療重視」型、ヤーマン・SIXPADのような「トレーニング・美容重視」型に分かれる。
- 企業が導入する際は、①症状の洗い出し→②医療機器区分の確認→③貸与・衛生ルールの整備、という3ステップで検討すると失敗が少ない。
- 健康経営優良法人の認定数は2026年に26,850法人と過去最多を更新しており、低周波治療器のようなセルフケア機器の導入は健康経営度調査でアピールしやすい取り組みの一つになる。
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