ワールドカップのスポンサー22社|企業担当者向け階層別一覧

ワールドカップのスポンサー22社を階層別・国別に整理した記事のアイキャッチ画像 スポーツマーケティング

ワールドカップのスポンサーは3つの階層に分かれている

サッカーのワールドカップ(FIFAワールドカップ)のスポンサーは、横並びの1グループではありません。FIFAは商業パートナーをカテゴリーごとに分けて管理しており、世界規模の権利を持つ FIFA Partner、大会単位のグローバル権利を持つ FIFA World Cup Sponsor、地域を指定して権利を買う Tournament Supporter という3階層が中核です。この記事では、FIFA公式サイトとFIFAが自ら出した公式リリースだけを使って、階層ごとに企業を一覧化し、さらにその一覧を本社所在国別・業種別に数え直しました。

なお本記事が扱うのは、FIFA(国際サッカー連盟)が主催する男子のFIFAワールドカップです。ラグビーワールドカップやWBCなど他競技の「ワールドカップ」とはスポンサー制度がまったく異なるため、混同しないようご注意ください。スポンサーシップを含むスポーツビジネス全体の枠組みはスポーツマーケティングとは|定義・市場規模・事例を解説で整理しています。

FIFAは公式サイトの「Partners」ページで、商業パートナーのカテゴリーを次のように列挙しています。男子ワールドカップ、女子サッカー、eスポーツ(FIFAe)でそれぞれ別系統のカテゴリーが用意されているのが特徴です。

カテゴリー名(FIFA公式表記) 対象領域
FIFA Partner FIFAという組織そのものと結びつく最上位。全FIFA大会・活動をまたぐグローバル権利
FIFA World Cup Sponsor Plus 男子ワールドカップ系の上位スポンサー区分
FIFA Women’s Football Partner 女子サッカー専用のパートナー区分
FIFA World Cup Sponsor 男子ワールドカップのグローバルスポンサー
FIFA Women’s World Cup Sponsor 女子ワールドカップのグローバルスポンサー
Tournament Supporter 地域(テリトリー)を指定して権利を取得する区分
FIFAe Finals Presenting Partners eスポーツ大会の冠スポンサー
FIFAe Finals Tournament Sponsor eスポーツ大会のスポンサー
FIFAe Finals Regional Tournament Supporters eスポーツ大会の地域スポンサー

出典:FIFA「Partners」(Inside FIFA、2026年5月4日更新)の “Overview of the different categories of FIFA partners” の記載を筆者が整理

標準の権利パッケージに含まれる6項目

FIFAは同じページで、商業パートナーに与えられる標準的な権利パッケージの中身も公開しています。内訳は、公式マーク(Official Marks)の使用、スタジアム内外・公式刊行物・公式サイトでの露出、FIFAワールドカップのスポンサー認知プログラムによる貢献の明示、アンブッシュマーケティングからの保護、ホスピタリティ機会、そして直接的な広告・プロモーション機会と大会放送枠への優先アクセスの6点です。

さらにFIFAは、パートナーが自社のマーケティング戦略に合わせてスポンサーシップを組み立てられるようにしており、公式ロゴを単独で使うだけでなく、自社ロゴと組み合わせたコンポジットロゴを作成できると説明しています。

カテゴリー独占がスポンサー料の本体になる

見落とされやすいのが、権利パッケージに含まれる「アンブッシュマーケティング保護」です。スポンサー料の対価は露出量だけではなく、同カテゴリーの競合他社を排除できることにあります。

実際、FIFAはAramcoを「エネルギーカテゴリー独占(exclusive in the energy category)のMajor Worldwide Partner」と明記しており、カテゴリー独占が契約の骨格であることがわかります。後述する業種別の集計で、通信・スポーツ用品・スポーツベッティングがそれぞれ1社ずつしか存在しないのは、この独占が実際に機能している証拠です。

Q. 2026年大会のスポンサー枠はまだ空いていますか

FIFAは2026年3月27日のリリースで、グローバル枠16席がすべて埋まり、残るのは地域枠の Tournament Supporter 2席のみと発表しました。2026年大会は同年7月に終了しています。次の男子大会は2030年大会で、Coca-Cola、Qatar Airways、HYUNDAI・KIA、AB InBev、Mengniu はすでに2030年までの契約が公表されています。

階層ごとの企業一覧をFIFA公式リリースから収集した

FIFAは「FIFA Partners」の一覧ページは公開していますが、ワールドカップ2026のSponsor/Tournament Supporterを一枚にまとめたページは公開していません。そこで、FIFAの公式リリース(Media Releases)を1本ずつ確認し、企業名・FIFAが使った正式な肩書き・発表日・対象地域を拾い出して一覧化しました。以下は、FIFAが自分で書いた文言だけを根拠にしています。

階層1:FIFA Partners(8社)

企業 本社所在国 業種 FIFA公式サイトの記載
adidas ドイツ スポーツ用品 70年以上にわたりシューズ・ボール・アパレルの技術開発を主導
Aramco サウジアラビア エネルギー エネルギーカテゴリー独占のMajor Worldwide Partner。2027年まで
ADI Predictstreet 公表資料では確認できず 予測市場プラットフォーム FIFAワールドカップ2026の Official Prediction Market Partner
Coca-Cola 米国 飲料 1974年から公式な関係、1978年からワールドカップ公式スポンサー。1950年以降の全大会でスタジアム広告
HYUNDAI・KIA 韓国 自動車 サッカーとの提携をグローバルマーケティング戦略の柱と位置づけ
Lenovo 中国(香港特別行政区で登記・本社) テクノロジー FIFAの Official Technology Partner
Qatar Airways カタール 航空 2030年までパートナーシップを締結
Visa 米国 決済 40を超えるFIFAイベントで独占的な体験提供の権利

出典:FIFA「Partners」(2026年5月4日更新)。各社の本社所在国は各社の公式開示に基づく(Lenovo「Locations」ほか)。ADI Predictstreetの本社所在国はFIFAおよび同社公表資料からは確認できなかった

個別の発表リリースで肩書きと時期が確認できるものは次のとおりです。Aramcoは2024年4月25日にグローバルパートナーシップを発表し、エネルギー独占のMajor Worldwide Partnerとして2027年末までの契約と公表されました。Lenovoは2024年10月15日にOfficial FIFA Technology PartnerとしてFIFAと初めて提携し、ワールドカップ2026と女子ワールドカップ2027が対象です。Qatar Airwaysは2023年11月22日に2030年までの延長、HYUNDAI・KIAは2023年5月25日に2030年までの更新が発表されています。

階層2:FIFA World Cup 26 Sponsors(公式リリースで確認できた7社)

企業 本社所在国 業種 FIFAが使った正式な肩書き 発表日
AB InBev ベルギー ビール Official Beer Sponsor(2030年大会まで) 2026年6月9日
Bank of America 米国 銀行 Official Bank Sponsor(銀行カテゴリーでFIFA初のグローバルスポンサー) 2024年8月15日
Hisense 中国 家電・エレクトロニクス Official Sponsor of the FIFA World Cup 26 2025年9月5日
Lay’s(Frito-Lay) 米国 食品 Official Sponsor(女子ワールドカップ2027も対象) 2024年9月12日
McDonald’s 米国 外食 Official Restaurant Sponsor(フェアプレー賞のネーミングライツを含む) 2023年5月16日
Mengniu(蒙牛乳業) 中国 乳製品 Official Sponsor(2030年大会まで) 2023年8月4日
Verizon 米国 通信 Official Telecommunication Services Sponsor 2024年9月24日

出典:FIFA公式リリース各本(AB InBev/Bank of America/Hisense/Lay’s/McDonald’s/Mengniu/Verizon)を筆者が収集・整理

階層3:Tournament Supporter(公式リリースで確認できた7社)

この階層の特徴は、権利の対象が「世界全体」ではなく地域単位で切り売りされている点です。FIFAのリリースには対象地域が必ず明記されています。

企業 本社所在国 業種 対象地域(FIFAリリースの記載) 発表日
Betano(Kaizen Gaming) ギリシャ スポーツベッティング ヨーロッパ・南米 2026年5月18日
DoorDash 米国 デリバリープラットフォーム 米国・カナダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・デンマーク・フィンランド・ノルウェー 2025年11月18日
Inter Rapidísimo コロンビア 宅配・物流 コロンビア 2026年6月5日
Marriott Bonvoy 米国 ホテル 北米(Official Hotel Supporter) 2026年1月6日
PIF サウジアラビア 投資(政府系ファンド) 北米・アジア 2026年5月14日
Salesforce 米国 ソフトウェア 北米・ヨーロッパ 2026年6月5日
Valvoline Global 米国 自動車用潤滑油 Official FIFA World Cup 26 Supporter 2025年5月29日

出典:FIFA公式リリース各本(Betano/DoorDash/Inter Rapidísimo/Marriott Bonvoy/PIF/Salesforce/Valvoline Global)を筆者が収集・整理。Kaizen Gamingの本社所在地は同社公式サイト「Locations」による

3階層の外側にあるSupplier/Provider区分

一覧を作る過程で、上の3階層には収まらない肩書きが複数あることがわかりました。たとえばAmerican Airlinesは2025年4月17日に「Official North American Airline Supplier」として発表されており、同じ航空カテゴリーでもグローバル権利を持つQatar Airways(FIFA Partner)とは別枠です。FIFAはこのほかにも物流の Official Logistics Provider などの肩書きを使っています。

企業側の実務上は、「Partner/Sponsor/Supporter」という階層名だけでなく、Supplier や Provider といったサービス提供型の枠も選択肢になると理解しておくのが正確です。組織ではなく個人と組む形態については別記事で扱っています。

あわせて読みたいアスリート個人スポンサー契約|企業が組む際の実務ポイント›

一覧を作って気づいた「数の合わない」点

FIFAは2026年3月27日のリリースで、グローバルのスポンサー枠16席がすべて埋まったと発表しています。この16席は「FIFA Partners と FIFA World Cup 2026 Sponsors」の合計だと同リリースに明記されています。しかし筆者が公式リリースをたどって名前を特定できたのは、FIFA Partners 8社 + Sponsors 7社 = 15社でした。同リリース自体に「最後の1席は割り当て済みで、企業名は近く発表される」との記述があり、残り1席がどの企業かは公式資料からは特定できませんでした。

また同リリースの時点で、地域枠のTournament Supporterはあと2席残っているとされていました。

Q. FIFAワールドカップのスポンサーになるには、どの階層から検討すればよいですか

自社の事業展開地域で決まります。世界全域で同一ブランドを展開しているなら FIFA Partner または FIFA World Cup Sponsor、特定の地域・国だけが対象なら Tournament Supporter が該当します。実際、SalesforceとDoorDashは自社が事業を行う国を指定して Tournament Supporter となっており、DoorDashは米国・カナダに加えて英国・ドイツ・フランス・イタリア・デンマーク・フィンランド・ノルウェーの計9か国を対象としています。また、商品やサービスの提供を軸にするなら、American Airlinesのような Supplier 区分もあります。

本社所在国別に数え直す

ここからは、上で作った22社の一覧を自分で数え直します。まず本社所在国別に、階層とのクロス集計を取りました。

本社所在国 FIFA Partners World Cup 26 Sponsors Tournament Supporters 合計
米国 2社 4社 4社 10社
中国 1社 2社 0社 3社
サウジアラビア 1社 0社 1社 2社
ドイツ 1社 0社 0社 1社
韓国 1社 0社 0社 1社
カタール 1社 0社 0社 1社
ベルギー 0社 1社 0社 1社
ギリシャ 0社 0社 1社 1社
コロンビア 0社 0社 1社 1社
確認できず 1社 0社 0社 1社
合計 8社 7社 7社 22社

出典:本記事の階層1〜3の一覧(FIFA公式サイトおよびFIFA公式リリース)をもとに筆者集計。本社所在国は各社の公式開示に基づく

米国企業が22社中10社を占める

22社中10社(45.5%)が米国企業です。2026年大会はカナダ・メキシコ・米国の3か国共催で、16のホストシティが北米に置かれているため、開催地とスポンサーの本社所在地が強く連動しています。

階層が下がるほど地域色が濃くなる

最上位のFIFA Partners 8社は、所在国が確認できた7社が7か国に1社ずつ散らばっており、米国企業は2社にとどまります。これに対しTournament Supporterは7社中4社が米国、さらにコロンビア企業が1社(対象地域もコロンビア国内)と、権利を買う地域と本社所在地が一致する形が目立ちます。グローバル枠は国籍が分散し、地域枠は開催地に寄るという構造です。

この傾向は今後のスポンサーシップ市場全体の方向性とも重なります。市場規模の見通しと投資判断の考え方はスポンサーシップ市場成長予測と投資戦略にまとめています。

サウジ勢は資本系列で数えると3枠になる

サウジアラビア勢はAramco(FIFA Partner)とPIF(Tournament Supporter)の2社で、上位と下位の両方に入っています。加えて、一覧を作る過程で見つかったのがValvoline Globalの資本関係です。

Aramcoは2023年3月に、Valvoline Inc.のグローバル製品事業(Valvoline Global Operations)を26億5,000万米ドルで買収完了したと発表しており、同事業は米ケンタッキー州レキシントンに本社を置いたまま、Aramcoの傘下にあります。つまり本社所在地で数えれば米国1社ですが、最終的な親会社で数えるとサウジアラビア系が3枠になります。

出典:Aramco「Aramco completes $2.65bn acquisition of Valvoline Inc’s global products business」(2023年)

業種別に数え直す

同じ22社を、今度は業種別に階層とクロス集計しました。業種分類はFIFAリリースと各社の事業内容説明をもとに筆者が設定しています。

業種 FIFA Partners World Cup 26 Sponsors Tournament Supporters 合計
飲食料品・外食 1社 4社 0社 5社
IT・エレクトロニクス・プラットフォーム 2社 1社 2社 5社
金融(決済・銀行・投資) 1社 1社 1社 3社
自動車・エネルギー 2社 0社 1社 3社
運輸・旅行(航空・ホテル・物流) 1社 0社 2社 3社
通信 0社 1社 0社 1社
スポーツ用品 1社 0社 0社 1社
スポーツベッティング 0社 0社 1社 1社
合計 8社 7社 7社 22社

出典:本記事の階層1〜3の一覧をもとに筆者集計。業種分類はFIFAリリースおよび各社の事業内容説明に基づき筆者が設定

飲食料品はSponsorに集中しIT系は3階層に分散する

最多は飲食料品・外食とIT系がそれぞれ5社ですが、階層内での分布はまったく違います。飲食料品・外食は5社中4社がSponsor階層に集中し、最上位のFIFA PartnerはCoca-Cola 1社のみ、地域枠のTournament Supporterはゼロです。一方IT・エレクトロニクス系は、Partner 2社・Sponsor 1社・Supporter 2社と3階層すべてに散らばっています。

この差は、カテゴリー独占の価値がどこにあるかの違いとして読めます。飲料・スナック・ビール・外食はスタジアム内の販売とカテゴリー独占がそのまま売上に直結するため、グローバル権利を持つSponsor以上を取りにいく動機が強い。対してIT・ソフトウェアは、必ずしも全世界一律の露出を必要とせず、主要マーケットだけを指定できる地域枠でも目的を果たせます。実際、Salesforceは北米・ヨーロッパ、DoorDashは米国・カナダと欧州6か国という形で、自社が事業展開している国だけを選んで権利を取得しています。

1社しかない業種はカテゴリー独占の裏返し

もう一つ目を引くのが、通信・スポーツ用品・スポーツベッティングがそれぞれ1社ずつしかない点です。カテゴリー独占が効いていることの裏返しで、同じ業種の競合他社はそのカテゴリーに入れません。

裏を返せば、自社の業種でどの階層のどの枠が空いているかが、検討の出発点になります。取得後にその枠がどれだけの成果を生んだかを測る方法は、次の記事で扱っています。

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スポンサー収入はFIFAの収入のどれくらいを占めるのか

階層の意味を理解するうえで、FIFA側の収入構造も見ておく価値があります。FIFAが公表した2023〜2026年サイクルの予算は次の内訳です。

項目 2023〜2026年サイクル予算 2019〜2022年サイクルからの増加額
収入合計 110億米ドル +45億6,000万米ドル
放映権収入 42億6,400万米ドル +9億6,400万米ドル
マーケティング権収入(=スポンサーシップ) 26億9,300万米ドル +9億2,700万米ドル

出典:FIFA「2023-2026 cycle budget and 2024 detailed budget」(FIFA Annual Report 2022)

マーケティング権収入は収入合計の約24.5%

マーケティング権収入26億9,300万米ドルは、収入合計110億米ドルの約24.5%にあたります(筆者算出)。放映権に次ぐ第2の柱であり、増加額で見ると放映権の+9億6,400万米ドルとほぼ並ぶ+9億2,700万米ドルです。

なお実績はこの予算を上回っており、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は2026年7月18日、2023〜2026年サイクルの収入について「150億米ドルの大台を超えられると思う」と述べています。FIFAは非営利組織として、この収入を211の加盟協会に再配分する仕組みを取っており、2027〜2030年サイクルの開発プログラム「FIFA Forward」には27億米ドルが充てられるとされています。

大会そのものの規模

スポンサーが買っているのは、この規模へのアクセス権です。FIFAが大会後に公表した数字によれば、FIFAワールドカップ2026は48チーム・104試合、3か国16ホストシティ、39日間で開催され、累計スタジアム来場者数は680万人超でした。FIFA Fan Festivalの来場者は北米全体で900万人超、大会に投入されたカメラは5,000台、ボランティアは43,000人超です。

出典:FIFA「FIFA World Cup 2026™ by the numbers」(2026年7月27日)

個別の契約金額が公表されない理由

「A社はいくら払ったのか」を知りたい企業担当者は多いはずですが、FIFAは個別企業との契約金額を公表していません。公式に確認できるのは、上記のような収入区分の合計額までです。本記事で金額を挙げているのは、FIFAが予算・決算として公表した数値と、Aramcoが自社の買収案件として公表した26億5,000万米ドルだけで、それ以外の個別契約額は記載していません。

ワールドカップのスポンサー情報で公表される範囲とされない範囲を比べた図解

メディアで流通する「1社あたり◯億円」といった数字の多くは推計であり、FIFAや当該企業の公式発表に遡れないものが少なくありません。スポンサーシップの検討資料に引用する際は、出典がFIFA公式か当該企業のIR・プレスリリースに到達するかを確認することをおすすめします。効果測定の指標設計まで含めた実務の流れはスポンサー契約の効果測定ガイドが参考になります。

一方で、公式リリースから確実に読み取れる情報もあります。契約の対象大会(2026年大会のみか、2027年女子大会・2030年大会まで含むか)、対象地域、カテゴリーの名称、そして「Official Bank Sponsor」「Official Prediction Market Partner」のようにFIFAが新設したカテゴリーかどうか、です。Bank of Americaのリリースには「銀行カテゴリーにおけるFIFA初のグローバルスポンサー」と明記されており、既存カテゴリーの入れ替えではなく新カテゴリーの創出だったことがわかります。

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Q. スポンサー1社あたりの契約金額はどこで確認できますか

FIFAは個別企業との契約金額を公表していないため、公式に確認できる方法はありません。確認できるのは、FIFAが年次報告書・予算資料で開示する「マーケティング権収入」の合計額(2023〜2026年サイクル予算で26億9,300万米ドル)までです。個別の金額を扱う場合は、当該企業のIR資料や有価証券報告書に開示があるかを確認し、出典が特定できない推計値は社内資料に持ち込まないほうが安全です。

日本のスポーツ市場における位置づけ

国内の企業担当者にとっての比較軸として、公的統計も確認しておきます。スポーツ庁と経済産業省が2025年4月にまとめた「スポーツ未来開拓会議 とりまとめ」では、スポーツ市場規模の目標が次のように整理されています。

項目 内容
現行目標 スポーツ市場規模 2025年までに15兆円
進捗 2015年以降2019年まで名目GDP成長率を大きく上回り成長。コロナ禍で落ち込んだが2021年にはほぼコロナ禍前の水準まで回復
現状評価 2025年15兆円の目標達成の不確実性は高い
見直し後の目標 遅くとも2030年までにスポーツ市場規模15兆円を達成し、更なる高みを目指す
スポンサーシップへの言及 「パートナー企業との共創の推進」を、スポーツと他産業との連携促進の施策に位置づけ

出典:スポーツ庁・経済産業省「スポーツ未来開拓会議 ~今後のスポーツの成長産業化を見据えた、当面の取組等についてのとりまとめ~(概要)」2025年4月

日本国内の目標である15兆円は、FIFAの2023〜2026年サイクル収入見込み150億米ドルとは対象が異なるため直接比較はできません(前者は国内スポーツ産業全体の市場規模、後者は単一国際競技団体の4年間の収入)。ただし、FIFAワールドカップ1大会のマーケティング権収入が26億9,300万米ドル規模であることは、国際大会のスポンサー枠がどれほど希少で高額な資産かを示す参考値になります。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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