健康経営優良法人の認定は取れた。ところが取引先のサイトを見ると、同じ認定ロゴの下に「ブライト500」の文字が入っている。何が違うのか、自社も狙えるのか。担当になって2年目あたりで、ここが気になり始めるんですよね。
結論から言うと、ブライト500とは、健康経営優良法人の中小規模法人部門で上位500位までの法人に付く冠(上位認定)です。2026年の認定では中小規模法人部門23,085法人のうち約2%にあたり、ブライト500に申請した法人に限ると約8社に1社が選ばれています(経済産業省の資料をもとに計算)。この記事では、認定要件、難易度、認定企業一覧の探し方、メリット、運動の取り組み事例までを、2026年10月7日時点の公的資料で整理します。
ブライト500とは中小規模法人部門の上位500法人に付く冠

ブライト500は部門の名前ではなく、健康経営優良法人の中小規模法人部門で、評価が上位500位までの法人に付く呼び名です。経済産業省は2026年8月の発表で、上位500社までを「ブライト500」、上位501から1500位までを「ネクストブライト1000」として認定すると説明しています。
制度そのものは2016年度に経済産業省がつくり、認定は日本健康会議が行います。ブライト500ができたのは健康経営優良法人2021(2020年度の申請)からで、ネクストブライト1000は健康経営優良法人2025(2024年度の申請)から加わりました。
求められる役割もはっきりしています。認定事務局は、ブライト500とネクストブライト1000に、優れた健康経営の実践とあわせて、地域で健康経営を広めるトップランナーの役割を求めるとしています。認定の有効期間は約1年で、2026年の認定は2027年3月31日までです。
健康経営の考え方そのものから確認したい場合は、ウェルビーイング施策の設計法で全体像をまとめています。
(参考)「健康経営銘柄2027」・「健康経営優良法人2027」の申請受付を開始しました(2026年8月17日) – 経済産業省
(参考)「健康経営優良法人2026」認定法人が決定しました(2026年3月9日) – 経済産業省
(参考)健康経営優良法人2027 認定申請に関する事務局からのお知らせ – 健康経営優良法人認定事務局
Q. ブライト500とは何ですか?
健康経営優良法人の中小規模法人部門で、評価が上位500位までの法人に付く冠です。経済産業省がつくった制度で、認定は日本健康会議が行います。健康経営優良法人2021から始まり、認定の有効期間は約1年です。
ブライト500とネクストブライト1000・ホワイト500の違いは部門と順位
3つの冠は、申請する部門と順位で分かれます。ブライト500とネクストブライト1000は中小規模法人部門、ホワイト500は大規模法人部門の冠です。
| 冠 | 部門 | 順位 | 選択項目の必要数 | 申請料(1件) |
|---|---|---|---|---|
| ブライト500 | 中小規模法人部門 | 上位500位まで | ①〜⑰のうち16項目以上 | 15,000円(税込16,500円) |
| ネクストブライト1000 | 中小規模法人部門 | 上位501〜1500位 | ①〜⑰のうち16項目以上 | 15,000円(税込16,500円) |
| ホワイト500 | 大規模法人部門 | 上位500位まで | ②〜⑰のうち14項目以上 | 80,000円(税込88,000円) |
健康経営優良法人2027の3つの冠の違い(出典:経済産業省 2026年8月17日発表、健康経営優良法人認定事務局「認定要件」「申請区分」、ACTION!健康経営の申請案内。申請料は部門ごとの認定申請料で、冠に申請しても追加の料金は記載されていない)
ブライト500|中小規模法人部門の上位500位まで
対象は中小規模法人部門に申請した法人です。会社の場合、製造業などは従業員1人以上300人以下、卸売業とサービス業は100人以下、小売業は50人以下が目安で、資本金の基準でも判定されます。
従業員が多くても、資本金が中小規模の基準に当てはまれば、どちらの部門に申請するかを選べます。両方の部門に同時に申請することはできません。
ネクストブライト1000|同じ申請から501〜1500位が選ばれる
ネクストブライト1000だけに申請する方法はありません。申請書で「ブライト500に申請する」を選んだ法人の中から、順位に応じてブライト500かネクストブライト1000が決まります。必要な項目数と、評価結果の開示が必須である点も同じです。
1500位に入らなかった場合も、認定基準を満たしていれば通常の健康経営優良法人として認定されます。認定事務局のQ&Aに、不認定にはならないと明記されています。挑戦して失うものが無い設計です。
ホワイト500|大規模法人部門の上位500位まで
ホワイト500は大規模法人部門の冠で、申請には健康経営度調査票を使います。中小規模法人部門は認定申請書を使うので、書類も設問も別です。申請料も、大規模が80,000円、中小規模が15,000円(いずれも税抜)と異なります。
母集団も設問も違うため、どちらが簡単かを比べられる公的な資料はありません。ホワイト500の要件は別の記事で詳しく扱っています。
あわせて読みたいホワイト500の認定要件|認定法人一覧から見た到達率13.3%の内訳›
(参考)「健康経営銘柄2027」・「健康経営優良法人2027」の申請受付を開始しました(2026年8月17日) – 経済産業省
(参考)健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)認定要件 – 健康経営優良法人認定事務局
(参考)健康経営優良法人2027 申請区分 – 健康経営優良法人認定事務局
(参考)中小規模法人部門の申請 – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定事務局)
(参考)健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)申請に係るQ&A – 健康経営優良法人認定事務局
Q. ブライト500とホワイト500の違いは何ですか?
申請する部門が違います。ブライト500は中小規模法人部門、ホワイト500は大規模法人部門の、それぞれ上位500位までに付く冠です。申請書類、申請料、必要な項目数も部門ごとに異なります。
ブライト500の認定要件は16項目以上と評価結果の開示

ブライト500に選ばれるには、通常の認定要件を満たしたうえで、3つの条件がそろう必要があります。申請書でブライト500への申請を選ぶこと、選択項目①〜⑰のうち16項目以上に適合すること、評価結果(フィードバックシート)の開示に同意することです。
通常の認定は、選択項目を合わせて8項目以上満たせば足ります。ブライト500は17項目のうち16項目なので、落とせるのは1項目だけです。項目のひとつに「運動機会の増進に向けた取り組み」があり、ウォーキングや体操といった施策は、ほぼ必ず取り組むことになります。評価項目ごとの基準は、健康経営優良法人の認定基準で項目別に解説しています。
順位は、ブライト500向けの設問への回答で決まります。上の図は、健康経営優良法人2027の申請書に示された配点です。「PDCAに関する取り組み状況」が35、「経営者・役員の関与」と「健康風土の把握」が20ずつで、発信に関する2分類は合わせて15にとどまります。自社の課題を決め、施策を打ち、数字で評価するという筋道が、配点の半分以上を占めているわけです。
見落としやすい点が2つあります。過去に認定を受けた回数は評価されないこと、そして評価の対象は申請日までに実施し、評価まで終えた取り組みに限られることです。連続で認定されていても、毎年あらためて順位が付きます。
健康経営優良法人2027の中小規模法人部門は、2026年8月17日から10月16日17時までが申請期間で、発表は2027年3月の予定です。期間を過ぎた場合は、次回に向けて今年度の取り組みと評価の記録を残しておくと、そのまま申請書の材料になります。費用と時期の全体像は健康経営の認定にかかる費用と申請の時期にまとめています。
(参考)健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)認定要件 – 健康経営優良法人認定事務局
(参考)健康経営優良法人2027 認定申請書サンプル<中小規模法人部門> – 健康経営優良法人認定事務局
(参考)中小規模法人部門の申請 – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定事務局)
ブライト500の難易度は申請した法人の約8社に1社
ブライト500の難しさは、何を分母にするかで見え方が変わります。経済産業省の検討会資料の数字をもとに、健康経営優良法人2026について3つの見方で計算しました。
| 見方 | 分母 | 割合 |
|---|---|---|
| 認定法人の中で | 中小規模法人部門の認定 23,085法人 | 約2.2%(500÷23,085) |
| ブライト500に申請した法人の中で | 約4,100法人 | 約12.1%(500÷4,123) |
| ネクストブライト1000まで含めると | 約4,100法人 | 約36.4%(1,500÷4,123) |
健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)でブライト500が占める割合(出典:第5回 健康経営推進検討会 資料3の申請数・認定数と、フィードバックシート開示状況の内訳。割合はHuman Soarが計算。ブライト500への申請数4,123は資料の内訳6区分を合算した値で、資料に明記された数字ではない)
認定法人の中では約2%
2026年の中小規模法人部門は、23,460法人が申請し、23,085法人が認定されました。通常の認定は申請の98%ほどが通りますが、ブライト500の500法人は認定法人の約2.2%です。
しかも枠の割合は年々小さくなっています。創設時の2021年は認定7,934法人に対して約6.3%でしたが、認定法人が増え続けたため、同じ500という枠が2%台まで下がりました。
ブライト500に申請した法人の中では約8社に1社
実態に近いのは、ブライト500に申請した法人を分母にした数字です。検討会資料の内訳を合算すると、2026年に申請したのは約4,100法人で、500法人はその約12.1%にあたります。
中小規模法人部門に申請した法人のうち、ブライト500にも申請したのは6社に1社ほどです。全体の2%と聞くと遠く感じますが、手を挙げた法人の中での競争と考えると、見え方が変わります。
ネクストブライト1000まで含めると約3社に1社
冠全体で見ると、間口はさらに広がります。ブライト500とネクストブライト1000を合わせた1,500法人は、申請した約4,100法人の約36.4%です。
初めて挑戦する年は、ネクストブライト1000を現実的な目標に置き、戻ってきた評価結果で弱い分類を確かめてから翌年にブライト500を狙う、という進め方が取れます。
(参考)第5回 健康経営推進検討会 資料3「令和7年度健康経営優良法人認定の分析及びご報告」(2026年3月17日) – 経済産業省
Q. ブライト500の難易度はどのくらいですか?
健康経営優良法人2026では、中小規模法人部門の認定23,085法人のうち約2.2%です。ブライト500に申請した約4,100法人の中では約12.1%で、およそ8社に1社が選ばれました。割合は経済産業省の検討会資料をもとにHuman Soarが計算したものです。
ブライト500の認定企業一覧はACTION!健康経営で公開されている
ブライト500の認定企業は、健康経営優良法人認定事務局のサイト「ACTION!健康経営」の認定法人一覧で確認できます。経済産業省のサイトではなく、こちらにExcelファイルが置かれています。
ファイルはシートごとに「ブライト500」「ネクストブライト1000」「優良法人(中小)」に分かれ、法人名・法人番号・都道府県・市区町村・業種が載っています。2026年5月12日更新版では、ブライト500が495法人、ネクストブライト1000が1,005法人でした。発表後の変更があるため、ちょうど500にはなりません。
都道府県別や業種別の公式な集計表は、中小規模法人部門の全体についてしか公表されていません。そこでブライト500のシートをHuman Soarが数えたところ、都道府県では東京都84、愛知県54、大阪府37の順で、47都道府県すべてに1法人以上ありました。業種では製造業130、建設業90が多く、この2業種で全体の4割を超えます。
同じサイトでは、各社の評価結果(フィードバックシート)も公開されています。同じ業種や同じ県のブライト500企業が、どの分類で高い評価を得ているかを見られるので、自社の目標を決めるときの参考になります。
(参考)認定法人一覧(2026年5月12日現在) – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定事務局)
(参考)フィードバックシートの開示 – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定事務局)
(参考)「健康経営優良法人2026」認定法人が決定しました(2026年3月9日) – 経済産業省
ブライト500企業は歩数と体操から運動の取り組みを始めている
ブライト500に認定された中小企業の運動の取り組みは、歩数の見える化と短い体操という、費用の小さい施策が中心です。国の事例集に載っていて、認定法人一覧でブライト500と確認できた3社を紹介します。内容は各事例集の発行時点のものです。
置賜建設|年2回の歩数ランキングと毎朝のラジオ体操
山形県米沢市の建設業、置賜建設株式会社(61名)は、健康経営優良法人2026でブライト500に認定されています。スポーツ庁の事例集によると、年2回、1か月間の「歩数ランキング」を開き、1か月20万歩を目標に設定して、達成した人に会社独自の特典を出しています。
毎朝の始業前には、全社員でラジオ体操を行っています。同社はスポーツ庁のスポーツエールカンパニーにも認定されており、健康経営と運動の認定を組み合わせている例です。
あわせて読みたいスポーツエールカンパニー2027|認定基準・申請方法・メリット›
エイジェントヴィレッジ|15時から15分のフィットネス
愛知県名古屋市の保険業、株式会社エイジェントヴィレッジ(20人)は、ブライト500が始まった2021年から2026年まで6回続けて認定されています。経済産業省の2022年3月発行の事例集には、朝礼でのストレッチ、15時から15分間のフィットネス、社外のウォーキングイベントへの参加が紹介されています。
同社は社内アンケートで効果も確かめており、眼精疲労に悩む人やデスクワークの姿勢に関する指標が改善したと報告しています。取り組みと評価をセットで示している点が、配点の大きいPDCAの考え方と重なります。
アイデアル|チーム対抗で1日平均8,000歩を目指す
大阪府大阪市の情報通信業、アイデアル株式会社(72人、2022年2月末現在)は、2022年から2025年までブライト500、2026年はネクストブライト1000に認定されています。同じ事例集によると、全従業員が5チームに分かれ、1日平均8,000歩を目指す歩数チャレンジとストレッチ施策を行いました。
結果は、全社の達成率が109%(8,682歩)で、81%が運動習慣に改善が見られたと回答しています。毎年順位が付く制度なので、同じ会社でも年によって冠が入れ替わることが、この例からも分かります。運動の施策をほかにも探すなら、健康経営優良法人のスポーツ取組事例も参考になります。
(参考)スポーツエールカンパニー2026 認定団体事例集 – スポーツ庁
(参考)健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)認定法人 取り組み事例集(令和4年3月) – 経済産業省
(参考)認定法人一覧(2026年5月12日現在) – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定事務局)
ブライト500のメリットは融資の特別利率と評価結果の還元
ブライト500だけに明記された国の優遇は多くありません。確認できたのは融資の利率1件で、補助金の加点などは通常の認定と同じ扱いです。そのうえで、申請した法人だけが受け取れるものがあります。
日本政策金融公庫の融資は一段低い特別利率になる
日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」では、健康経営優良法人は2億7千万円まで特別利率①、そのうちホワイト500・ブライト500・ネクストブライト1000の認定を受けている法人は、さらに低い特別利率②が適用されます。
実際の利率は、信用リスクや融資期間に応じて決まります。利用を考える場合は、公庫の窓口で現在の条件を確認してください。
補助金の加点と離職率の差は通常の認定と大きく変わらない
中小企業向けの補助金には、健康経営優良法人であることが審査の加点になるものがあります。ただし対象は認定法人の全体で、ブライト500だから上乗せされるという記述は見当たりません。加点の有無は、公募回ごとの公募要領で確かめる必要があります。
離職率についても同じことが言えます。経済産業省の検討会資料(2026年7月)では、ブライト500とネクストブライト1000の離職率は9.0%、通常認定は10.1%、30〜99人規模の企業の平均は13.6%でした。平均との差は大きい一方、通常認定との差は1.1ポイントです。冠を取れば離職が減る、という因果を示した数字でもありません。
「意味ない」と検索される背景には、こうした事情があります。検討会でも、中小企業が取り組まない理由として、取得によるメリットを実感しづらいことが挙げられていました。認定は毎年取り直す必要があり、申請書の代理作成も認められていないので、手間に見合うかは冷静に考えたいところです。
あわせて読みたい中小企業の健康経営|コスト0円の始め方とROI可視化›
申請した法人だけが評価結果を受け取れる
見落とされがちな実利が、評価結果の還元です。認定事務局は、ブライト500に申請した法人にだけ、取り組み内容に関するフィードバックを提供するとしています。通常の申請だけでは届きません。
届くのは、ブライト500に申請した法人全体の中での偏差値などです。自社がどの分類で弱いのかが数字で分かるので、翌年の施策を決める材料になります。届かなくても通常の認定は失わず、申請料も変わらないので、健康経営を改善する道具として使う、という割り切り方ができます。
(参考)国の取り組み – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定事務局)
(参考)第6回 健康経営推進検討会 事務局資料「今年度施策及び調査等の方向性について」(2026年7月14日) – 経済産業省
(参考)第5回 健康経営推進検討会 事務局資料「今年度の認定状況と今後の方向性について」(2026年3月17日) – 経済産業省
(参考)中小規模法人部門の申請 – ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定事務局)
Q. ブライト500は意味ないと言われるのはなぜですか?
ブライト500だけに付く優遇が少ないためです。国の制度で確認できたのは日本政策金融公庫の特別利率で、補助金の加点は通常の認定と同じ扱いです。一方で、ブライト500に申請した法人だけが評価結果のフィードバックを受け取れ、選ばれなくても通常の認定は失いません。
まとめ|ブライト500は評価結果を使って段階的に狙う
ブライト500は、中小企業の健康経営の到達度を示す冠です。要点を振り返ります。
- 中小規模法人部門の上位500位までに付く冠で、501〜1500位はネクストブライト1000
- 選択項目①〜⑰のうち16項目以上と、評価結果の開示が条件
- 2026年は認定法人の約2.2%、ブライト500に申請した法人の約8社に1社
- 認定企業の一覧と評価結果は、ACTION!健康経営で公開されている
- 冠だけの優遇は融資の特別利率が中心で、申請した法人だけが評価結果を受け取れる
まずは認定法人一覧で、同じ県・同じ業種のブライト500企業を3社探し、公開されている評価結果を見比べてみてください。自社に足りない分類が分かれば、歩数の見える化や体操のような小さな施策から、評価まで含めて始められます。
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