ストレスチェック57項目の採点|23・80項目の違いとスポーツ施策

ストレスチェック57項目の採点|23・80項目の違いとスポーツ施策のアイキャッチ スポーツウェルビーイング

ストレスチェックの57項目は、厚生労働省が使うことを推奨している標準の調査票「職業性ストレス簡易調査票」の質問数です。仕事のストレス要因17項目、心身のストレス反応29項目、周囲のサポート9項目、満足度2項目からなり、23項目版はこの57項目から質問を選んだ簡略版、80項目版は57項目に職場の資源などを測る23項目を足したものです。

法令が決めているのは「3つの領域を含むこと」だけで、項目の数は決めていません。この記事では、57項目の中身、23項目・80項目との違い、高ストレスを判定する計算方法とエクセルで採点するときの注意、調査票の選び方、そして結果を職場の運動・スポーツ施策につなげるときにどの質問を見ればよいかを、厚生労働省の資料で整理します。

ストレスチェック57項目の質問内容|領域ごとの数と尺度

57項目は、A「仕事のストレス要因」、B「心身のストレス反応」、C「周囲のサポート」、D「満足度」のまとまりに分かれています。どの質問も4段階で答える形式で、領域ごとの質問数と、23項目の簡略版に残る数は次の表のとおりです。

領域 57項目での質問数 測っていること(尺度) 23項目版に残る数
A 仕事のストレス要因 17項目 仕事の量・質、身体的な負担、職場の対人関係、職場環境、仕事のコントロール、技能の活用、仕事の適性、働きがい 6項目
B 心身のストレス反応 29項目 活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴(体の不調) 11項目
C 周囲のサポート 9項目 上司、同僚、配偶者・家族・友人等からのサポート 6項目
D 満足度 2項目 仕事の満足度、家庭生活の満足度 0項目

出典:厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」「ストレスチェック制度実施マニュアル」の素点換算表と簡略版(23項目)をもとに Human Soar 作成

Aは「非常にたくさんの仕事をしなければならない」のように仕事の状況を、Bは最近1か月の心と体の状態を、Cは上司・同僚・家族などに気軽に話せるか、頼りになるかを尋ねます。Bの29項目のうち11項目は、めまい、肩こり、腰の痛み、目の疲れ、よく眠れないといった体の症状を聞く「身体愁訴」の質問です。制度の始まりと2028年の義務化の流れはストレスチェック義務化はいつからで解説しています。

(参考)職業性ストレス簡易調査票(57項目) – 厚生労働省

(参考)ストレスチェック制度 関係法令等(職業性ストレス簡易調査票(57項目)ほか) – 厚生労働省

法令が求めるのは仕事の要因と心身の反応と周囲の支援

労働安全衛生規則第52条の9は、ストレスチェックで「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」「当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の3つを調べるよう定めています。57項目のA・B・Cが、それぞれこの3つに当たります。

ストレスチェック指針は、この3つの領域を含む調査票であれば事業者が選べるとしたうえで、職業性ストレス簡易調査票を用いることが望ましいとしています。つまり57項目は法律で決まった質問ではなく、国が推奨する標準という位置づけです。

(参考)労働安全衛生規則(第52条の9) – e-Gov法令検索

(参考)心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針 – 厚生労働省

満足度の2問は高ストレスの判定に使わない

Dの「仕事に満足だ」「家庭生活に満足だ」の2問は、57項目に含まれていますが、厚生労働省の実施マニュアルが示す高ストレス者の評価基準の例では、評価に含めないと明記されています。判定に使うのはA・B・Cの55項目です。

そのため、23項目の簡略版ではDの2問が丸ごと外れています。満足度は個人の結果を本人に返すときの参考情報として使われ、高ストレスかどうかの線引きには関わりません。

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

Q. ストレスチェックの57項目の質問票はどこでダウンロードできますか?

厚生労働省の「関係法令等」のページで、職業性ストレス簡易調査票(57項目)をWordとPDFで入手できます。英語・中国語・ベトナム語など10言語のPDF版も、同省の外国語版のページに掲載されています。23項目の簡略版は、ストレスチェック制度実施マニュアルと小規模事業場向けマニュアルの巻末資料に載っています。

ストレスチェック57項目と23項目・80項目の違い|含む・含まれるの関係

ストレスチェックの80項目版が57項目を含み、57項目が23項目の簡略版を含む入れ子の関係を示した図

3つの調査票は別々の質問票ではなく、入れ子の関係にあります。23項目の簡略版は57項目の中から質問を選んだもので、80項目版は57項目をそのまま残して新しい23項目を後ろに足したものです。どれも57項目と同じ番号・同じ文言の質問を使っているので、どの版で受けても57項目の該当する質問は同じ答え方になります。

23項目は判定図の12問と心身の反応11問でできている

23項目版の中身を57項目の番号と照らし合わせると、Aの1〜3と8〜10、Cの1・2・4・5・7・8の計12問は、集団分析に使う「仕事のストレス判定図」の4つの尺度(仕事の量的負担、仕事のコントロール、上司のサポート、同僚のサポート)の質問とぴったり重なります。残りの11問は、Bのうち疲労感と不安感の各3問、抑うつ感の3問と、食欲がない、よく眠れないの2問です。

言いかえると、23項目版は「職場ごとの判定図を作る質問」と「心身のストレス反応の中心になる質問」だけを残した版です。その分、たとえば活気とイライラ感の各3問、肩こり・腰痛・頭痛などを聞く身体愁訴の9問、家族・友人からのサポートの3問は入っていません。小規模事業場向けのマニュアルも、23項目版について集団分析が詳細にできないことに留意が必要だとしています。

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

(参考)小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月) – 厚生労働省

80項目は57項目に職場の資源を測る23項目を足した版

80項目版は、平成21〜23年度の厚生労働科学研究「労働者のメンタルヘルス不調の第一次予防の浸透手法に関する調査研究」(主任研究者 川上憲人・東京大学)が作成し、2012年4月1日に公表した「新職業性ストレス簡易調査票」の使い方の1つです。57項目に、推奨尺度セットの短縮版23項目を加えて、42尺度80項目にしています。同じ推奨尺度セットの標準版63項目を加えると120項目になります。どちらの調査票のサンプルも、尺度の一覧や得点計算法とあわせて、研究班の公表ページからWord形式でダウンロードできます。

追加の23項目では、上司のリーダーシップや人事評価の公正さ、キャリア形成といった部署・事業場レベルの「仕事の資源」と、ワーク・エンゲイジメント、職場の一体感、職場のハラスメントを測ります。研究班は、組織レベル(事業場や部署)での評価を主な目的にしていると説明しています。従業員の状態をストレス以外の面からも測る考え方はウェルビーイング調査の項目と調査票でも紹介しています。

厚生労働省のQ&Aは、3つの領域が含まれていれば項目を増やしても問題はないとしています。80項目版は57項目を丸ごと含むため、この条件を満たします。

(参考)新職業性ストレス簡易調査票の公表について(2012年4月1日) – 東京大学大学院医学系研究科 事業場におけるメンタルヘルスサポートページ

(参考)ストレスチェック制度関係 Q&A(令和3年2月22日更新)掲載ページ – 厚生労働省

Q. 80項目のストレスチェックは法律上使えますか?

80項目版は57項目をそのまま含んでいるので、法令が求める3つの領域を満たしています。厚生労働省のQ&Aも、3つの領域が含まれていれば項目を増やしても問題はないとしています。ただし調査票は実施者の意見を聞き、衛生委員会等で審議したうえで決める必要があります。追加した23項目の結果の扱いも含めて社内で決め、迷う場合は産業保健総合支援センターや労働基準監督署に確認してください。

ストレスチェック57項目の採点と計算方法|高ストレスの基準

57項目の採点方法は、回答の点数をそのまま足す「合計点方式」と、尺度ごとに5段階に置き換える「素点換算表方式」があり、厚生労働省の実施マニュアルはそれぞれに高ストレス者を選ぶ基準の例を示しています。どちらも、基準アか基準イのどちらかに当てはまる人を高ストレスとします。

調査票と方式 基準ア 基準イ
57項目・合計点方式 心身のストレス反応(29項目)の合計が77点以上 仕事のストレス要因(17項目)と周囲のサポート(9項目)の合計が76点以上、かつ心身のストレス反応の合計が63点以上
23項目・合計点方式 心身のストレス反応(11項目)の合計が31点以上 仕事のストレス要因(6項目)と周囲のサポート(6項目)の合計が39点以上、かつ心身のストレス反応の合計が23点以上
57項目・素点換算表方式 心身のストレス反応の6尺度の評価点の合計が12点以下(平均2.00点以下) ストレス要因とサポートの12尺度の合計が26点以下(平均2.17点以下)、かつ心身のストレス反応の6尺度の合計が17点以下(平均2.83点以下)

出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(令和3年2月改訂)の評価基準の例をもとに Human Soar 作成。合計点方式はストレスが高い方を4点、素点換算表方式はストレスが高い方を1点とする

合計点方式は点数が高いほど、素点換算表方式は点数が低いほどストレスが高いという向きの違いがあります。社内の資料で基準を示すときは、どちらの方式の数字かを必ず書き添えておくと、読み違いを防げます。

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

合計点方式は向きが逆の質問を直してから足す

合計点方式でいちばん間違えやすいのは、質問の聞き方によって点数の向きが逆になっている質問です。57項目では、Aの1〜7・11〜13・15と、Bの1〜3(活気の質問)の計14問について、回答の1を4に、2を3に、3を2に、4を1に置き換えてから足します。23項目版では、57項目と同じ番号のうちAの1〜3の3問が置き換えの対象になります。

置き換えたあと、Bの合計の最高点は4点×29項目で116点、AとCの合計の最高点は4点×26項目で104点です。マニュアルの計算例では、Aが51点、Bが92点、Cが31点の人は、Bが77点以上で基準アに当てはまり、AとCの合計82点も76点以上なので、高ストレス者になります。23項目版で計算すると、Bの最高点は44点、AとCの合計の最高点は48点です。

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

素点換算表方式は尺度ごとに5段階で評価する

素点換算表方式では、質問をいくつかずつ尺度にまとめ、その合計点を男女別の素点換算表に当てはめて5段階の評価点にします。たとえば「心理的な仕事の負担(量)」はAの1〜3、「身体愁訴」はBの19〜29の合計で、換算表の基準は男性15,933人、女性8,447人の約2.5万人の労働者のデータをもとに作られています。

計算は手間がかかりますが、質問数の多い尺度に結果が引っ張られず、尺度ごとのストレスの状況をレーダーチャートで本人に返せるのが利点です。マニュアルは、心身の反応のうち「活気の低下」は比較的低いストレスの段階でも見られ、「抑うつ感」は最も高い段階で見られる症状だとして、「不安感」と「抑うつ感」に特に注意するよう述べています。

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

基準の数字は事業場ごとに決めてよい

表の数字は、高ストレス者が全体の10%程度になるように設定された例です。厚生労働省のQ&Aは、これは職業性ストレス簡易調査票を使った20万人のデータから作られた例で、実際の数値基準は衛生委員会等で調査審議のうえ事業場ごとに決めるものだとしています。事務職と技能職のように職種ごとに基準を分けることも差し支えないとされています。

高ストレス者の選び方は、基準アと基準イの両方を使う必要があります。心身の反応の点数だけで選ぶと、まだ症状は目立たないものの仕事の量が非常に多い人や、周りの支えがないと感じている人を見逃すおそれがあるためです。

(参考)ストレスチェック制度関係 Q&A(令和3年2月22日更新)掲載ページ – 厚生労働省

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

Q. ストレスチェック23項目では何点から高ストレスですか?

厚生労働省の実施マニュアルの例では、心身のストレス反応11項目の合計が31点以上の人、または仕事のストレス要因6項目と周囲のサポート6項目の合計が39点以上で、かつ心身のストレス反応の合計が23点以上の人を高ストレスとしています。これは高ストレス者が全体の10%程度になるように作られた例です。実際の基準は、衛生委員会等で審議して事業場ごとに決めます。

ストレスチェック57項目をエクセルで採点するときの注意

57項目や23項目の採点は、厚生労働省が無料で配っている実施プログラムを使えば、表計算ソフトで計算式を組まなくても高ストレスの判定と集団分析までできます。エクセルなどで自作する場合は、計算のほかに、個人の結果を見られる人を絞る仕組みが必要になります。

厚生労働省の実施プログラムは57項目と23項目の両方に対応

「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」は、労働者が画面で受検する機能、受検状況の管理、あらかじめ決めた基準での高ストレス者の自動判定、個人結果の出力、仕事のストレス判定図を使った集団ごとの集計・分析ができ、57項目と23項目の2パターンに対応しています。紙で実施してCSVなどに入力したデータを取り込むこともできます。

厚生労働省のページでは、現在バージョン4.0が公開されています。同省は、令和7年12月16日以前にダウンロードした旧プログラム(バージョン3)は令和8年3月29日以降起動できなくなるとして、更新を呼びかけています。以前のプログラムを使い続けている場合は、版を確かめてください。

(参考)労働者数50人以上の事業者の方(厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムほか) – 厚生労働省

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

エクセルで自作するなら閲覧できる人を実施者に限る

東京医科大学公衆衛生学分野は、ExcelとWordで作られた「職業性ストレス簡易調査票 結果出力プログラム」を公開しており、個人のストレスプロフィールと仕事のストレス判定図を出力できます。平成14〜16年度の厚生労働科学研究の一環で作られたもので、マクロを有効にして使う仕組みです。

自社のエクセルや社内システムで実施する場合、実施マニュアルは、個人情報の保護と改ざん防止の仕組みがあること、本人以外で個人の結果を見られる人が実施者などに限られていること、調査票の選定や評価基準の設定といった実施者の役割が果たされることの3点をすべて満たすよう求めています。人事担当者が共有フォルダで回答ファイルを開けるような運用は避けてください。費用をかけずに体制を作る方法は中小企業のメンタルヘルス対策でもまとめています。

あわせて読みたいEAPサービス比較10選|健康経営担当者の選び方›

(参考)職業性ストレス簡易調査票について – 東京医科大学 公衆衛生学分野

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

ストレスチェックの調査票の選び方|57・23・80項目を目的で決める

ストレスチェックの調査票を、標準で実施するなら57項目、質問を減らすなら23項目、職場の資源も測るなら80項目と、目的で選び分ける図

迷ったら、国が推奨する標準の57項目から始めるのが基本です。受検の負担を減らしたい場合は23項目、部署や事業場の状態を広く測りたい場合は80項目と、測りたいものに合わせて選びます。23項目は判定図の質問を残していますが集団分析は粗くなり、80項目は組織レベルの評価が主な目的という前提を踏まえて決めます。

調査票は実施者の意見を聞いて衛生委員会等で決める

どの調査票を使うかは、実施者の提案や助言、衛生委員会の調査審議を経て事業者が決めます。外部機関に委託する場合も、機関が提案した調査票や選定基準を衛生委員会等で審議します。2028年4月1日から義務になる50人未満の事業場では、衛生委員会の代わりに、労働安全衛生規則第23条の2の「関係労働者の意見を聴く機会」を活用することが考えられるとされています。

令和8年2月の小規模事業場向けマニュアルも、57項目の利用を推奨し、23項目版は集団分析が詳細にできない点に注意するよう求めています。実施者を誰にするかと、実施の事務に関われる人の範囲は次の記事で確かめられます。

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(参考)ストレスチェック制度関係 Q&A(令和3年2月22日更新)掲載ページ – 厚生労働省

(参考)小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月) – 厚生労働省

性格検査や希死念慮の質問は入れない

実施マニュアルは、ストレスチェックの調査票に「性格検査」「希死念慮」「うつ病検査」などを含めるのは不適当だとしています。ストレスチェックは性格や適性を調べるものでも、うつ病などの精神疾患を見つけるスクリーニングでもないためです。独自の質問を足す場合も、3つの領域の質問をすべて含め、一定の科学的な根拠のある項目を選ぶ必要があります。

また、健康診断の問診で3つの領域の質問を点数化してストレスの程度を測ると、法に基づくストレスチェックを健康診断として行うことになり不適当です。問診では「はい・いいえ」で症状の有無を聞く形にとどめます。

(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

外国語版と個人事業者向けの57項目もある

厚生労働省は、57項目の調査票を英語、中国語、ベトナム語、タガログ語、ネパール語、ペルシャ語、ポルトガル語、ミャンマー語、スペイン語、インドネシア語の10言語でPDF公開しています。英語版は東京大学と富士通ソフトウェアテクノロジーズ社(現・富士通Japan株式会社)の共同研究で開発されました。受検案内や面接指導の勧奨文書の外国語の文例も同じページにあります。

関係法令等のページには、「個人事業者等の方向け調査票(暫定版)(57項目)」も載っています。質問の並びは57項目と同じで、「時間内」を「納期・工期・期日等」に置き換えるなど、雇われて働く人以外でも答えやすいように読み替えの注記が付いています。

(参考)外国語版の職業性ストレス簡易調査票等 – 厚生労働省

(参考)ストレスチェック制度 関係法令等(職業性ストレス簡易調査票(57項目)ほか) – 厚生労働省

Q. ストレスチェックの質問を自社で変えたり減らしたりしてもよいですか?

仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポートの3つの領域の質問がすべて含まれていれば、項目を増やしても減らしても構いません。ただし独自の項目には一定の科学的な根拠が必要で、実施者の意見を聞いたうえで衛生委員会等で審議します。性格検査や希死念慮、うつ病検査にあたる質問は、ストレスチェックに含めるのは不適当とされています。

ストレスチェック57項目を職場の運動・スポーツ施策につなげる

57項目の結果のうち、職場の運動施策を考える手がかりになるのは、心身のストレス反応の「身体愁訴」と「活気」の質問です。身体愁訴の11問は肩こりや腰痛、頭痛などの体の不調を、活気の3問は「元気がいっぱいだ」などの前向きな状態を尋ねます。個人の結果は本人の同意なく会社に渡らないので、使うのは部署などの集団ごとに集計した結果です。施策がうまく続かない理由と設計の考え方はウェルビーイング施策が失敗する理由と設計法で解説しています。

身体愁訴の高い職場は座りすぎから見直す

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、身体活動の不足と長い座位時間が腰痛や肩こり、頭痛につながりやすく、労働生産性にも影響する可能性があるとしています。57項目の身体愁訴には「首筋や肩がこる」「腰が痛い」「頭が重かったり頭痛がする」という同じ症状の質問が入っているので、集団分析でこの尺度が高い部署は、座りっぱなしの働き方を見直す候補になります。

ガイドは成人に、歩行かそれ以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー」の認定では、朝や昼休みの体操・ストレッチ、階段の利用、徒歩・自転車通勤の奨励、スタンディングミーティングといった取り組みが例に挙がっています。なお、23項目版には肩こり・腰痛・頭痛と活気の質問が入っていないため、この手がかりを得たい場合は57項目で実施します。運動がストレスに効く強度と時間は運動でストレス解消できるのはなぜで解説しています。

(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(令和6年1月) – 厚生労働省

(参考)スポーツエールカンパニー – スポーツ庁

80項目版なら職場の一体感とワーク・エンゲイジメントも測れる

社内のスポーツイベントやチーム対抗のウォーキングなど、運動を通じて職場のつながりをつくる施策を続けている場合は、80項目版を使うと「職場の一体感(ソーシャル・キャピタル)」と「ワーク・エンゲイジメント」の尺度を毎年同じ質問で測れます。57項目だけでは、こうした前向きな状態は活気や満足度の質問からしか読み取れません。

ただし、尺度の数値が変わっても、それが運動施策だけの効果だとは言い切れません。同じ時期の人員や業務量の変化と合わせて読み、参加率などの施策側の数字と並べて見るのが現実的です。進め方の具体例は次の記事にまとめています。

あわせて読みたいメンタルヘルス 運動|企業の一次予防を進める施策と根拠›

(参考)新職業性ストレス簡易調査票の公表について(2012年4月1日) – 東京大学大学院医学系研究科 事業場におけるメンタルヘルスサポートページ

ストレスチェック57項目と23・80項目のまとめ

出典は本文の各セクションに記載しています。

  • 57項目は厚生労働省が推奨する標準の調査票で、仕事のストレス要因17、心身のストレス反応29、周囲のサポート9、満足度2の質問からなる
  • 23項目は57項目から判定図の12問と心身の反応11問を残した簡略版で、80項目は57項目に職場の資源などを測る23項目を足した版
  • 57項目の合計点方式では、心身の反応が77点以上、または要因とサポートの合計76点以上かつ心身の反応63点以上が高ストレスの基準の例
  • エクセルなどで自作するより、57項目・23項目に対応した厚生労働省の無料プログラム(バージョン4.0)を使う方が判定と集団分析まで確実
  • 職場の運動施策につなげるなら、肩こり・腰痛・頭痛と活気の質問が入る57項目で実施し、集団ごとの結果を見る

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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