国スポの協賛とは|企業向けに協賛金の区分を6大会で比較

国スポの協賛とは|企業向けに協賛金の区分を6大会で比較 スポーツマーケティング

地元で国スポが開かれている。会場に並ぶのぼりや、受付で渡されたプログラムを見ると、取引先や同業の会社の名前が載っています。うちも名前を出せたのだろうか、いくら出せばよかったのだろうか。そう思って県のサイトを開くと、募集はもう終わっていた、ということがあります。

国スポの協賛は、開催県の実行委員会に申し込むもので、協賛金の区分は1,000万円以上・500万円以上・100万円以上の3段がどの県でも共通です。県ごとに違うのは、その下の10万円台の区分と、物品の区分、税込か税抜か、県内の企業に限るかどうかです。締切は大会の半年ほど前に来ます。

今日(2026年10月10日)は、青森県で第80回の本大会が開かれている最中です。青森の協賛金の募集は2026年3月31日で終わっています。これから協賛金で参加できるのは、2027年の宮崎県、2028年の長野県など、次の開催県からです。この記事では、6つの大会の募集の内容を横に並べ、申し込む前に確かめる点を整理します。

  1. 国スポの協賛金の区分を6大会で比べる
  2. 国スポの協賛は日本スポーツ協会と開催県の実行委員会が募る
    1. 全国共通の枠は日本スポーツ協会のガイドラインが決めている
    2. 佐賀の大会では204件で4億1,173万円が集まった
  3. 協賛の区分で開催県ごとに違う4つの点
    1. 現金10万円台の区分は県によって有無が分かれる
    2. 少額の区分を県内企業に限る県がある
    3. 金額が税込か税抜かは県の案内で確かめる
    4. 協賛金の締切は大会の半年ほど前に来る
  4. 協賛の特典は区分が上がるほど社名の出る場所が増える
    1. 競技会場に社名を出せるのは最上位の区分に限られる
    2. 協賛していない企業の便乗した宣伝は禁止されている
    3. 飲料や損害保険など5業種は申し込む前に事務局へ相談する
  5. 市町村の実行委員会は物品の協賛を受け付けている
    1. 武雄市やむつ市は物品の提供と貸与を募っている
    2. 市の協賛で使える表示は開催市と競技に限られる
  6. 協賛金の損金算入は大会までの期間で配分する|国税局の回答
    1. 山口国体の文書回答は期間配分での損金算入を認めた
    2. 寄附は特典と税の扱いが協賛と別になる
  7. 国スポの見直しでは企業協賛制度の見直しが提言されている
    1. 全国知事会と有識者会議が企業協賛に触れている
    2. 2026年10月の中間まとめは式典の統合と2036年からの新大会を示した
  8. まとめ|国スポの協賛は次の開催県の締切から逆算する

国スポの協賛金の区分を6大会で比べる

協賛金の区分は、上の3段が共通で、下の段と物品の段が県によって違います。終わった大会を含め、公式の案内を確かめられた6つの大会を並べました。申し込み先は、どの大会も開催県の実行委員会です。

大会 上位の現金の区分 10万円台からの現金の区分 物品の区分 税の扱い 協賛金の募集
2024年 佐賀県(SAGA2024 国スポ・全障スポ) 1,000万円以上=JAPAN GAMESパートナー
500万円以上=オフィシャルスポンサー
100万円以上=オフィシャルサポーター
10万円以上=大会協力企業 100万円相当額以上=オフィシャルサプライヤー
10万円相当額以上=大会協力企業
消費税を含む 令和6年3月31日まで(終了)
2025年 滋賀県(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ) 1,000万円以上=JAPAN GAMESパートナー
500万円以上=オフィシャルスポンサー
100万円以上=オフィシャルサポーター
「物品・協賛金」で10万円相当額以上100万円相当額未満=大会協力企業 100万円相当額以上=オフィシャルサプライヤー 物品等の費用は消費税も含む(協賛金は記載が見当たらない) 上位の3区分は令和7年3月31日まで(終了)
2026年 青森県(青の煌めきあおもり国スポ・障スポ) 1,000万円以上=JAPAN GAMESパートナー
500万円以上=オフィシャルスポンサー
100万円以上=オフィシャルサポーター
100万円未満10万円以上=リージョナルスポンサー(県内の企業のみ) 100万円相当額以上=オフィシャルサプライヤー
10万円相当額以上=リージョナルサプライヤー(県内の企業のみ)
消費税を含む 令和8年3月31日まで(終了)
2027年 宮崎県(日本のひなた宮崎 国スポ・障スポ) 1,000万円以上=JAPAN GAMESパートナー
500万円以上=オフィシャルスポンサー
100万円以上=オフィシャルサポーター
なし(現金は100万円以上から) 500万円相当額以上=ゴールドサプライヤー
100万円相当額以上=オフィシャルサプライヤー
10万円相当額以上=大会協力企業
消費税を含む 令和9年4月30日が締切(募集中)
2028年 長野県(信州やまなみ国スポ・全障スポ) 1,000万円以上=JAPAN GAMESパートナー
500万円以上=オフィシャルスポンサー
100万円以上=オフィシャルサポーター
100万円未満10万円以上=リージョナルスポンサー(県内の企業のみ) 100万円相当額以上=オフィシャルサプライヤー
10万円相当額以上=リージョナルサプライヤー(県内の企業のみ)
金額は税抜き 令和10年3月31日まで(募集中)
2027年2月 山梨県(第81回冬季大会スケート競技会) JAPAN GAMESパートナー 1000万円(税別)
冬季国スポパートナー 180万円(税込)
冬季国スポスポンサー 60万円(税込)
冬季国スポサポーター 50万円(税込)
30万円相当額以上=冬季国スポサプライヤー
10万円相当額以上=冬季国スポコラボレーター
区分ごとに税別・税込を明記 令和8年11月30日まで(募集中)

国スポの企業協賛の区分(出典:佐賀県・滋賀県・青森県・宮崎県・長野県・山梨県の各実行委員会と県の公式の案内。2026年10月10日に確認。表記は各県の案内による)

佐賀、滋賀、青森、宮崎、長野の5つの本大会は、1,000万円以上が「JAPAN GAMESパートナー」、500万円以上が「オフィシャルスポンサー」、100万円以上が「オフィシャルサポーター」で、名前も金額の刻みもそろっています。違いが出るのは、100万円に届かない現金の区分と、物品の区分です。

山梨県の冬季大会は、スケートの競技会だけを対象にした募集で、桁が小さくなります。県の区分は、いちばん上が180万円(税込)、続いて60万円、50万円です。広告だけの協賛として、10万円・5万円・2.5万円(税込)の「冬季国スポアドバタイザー」もあります。国スポの協賛は100万円単位、と決めつけないほうがよい例です。

これから申し込めるのは、表の下の3つです。日本スポーツ協会は、2027年の宮崎県と2028年の長野県を開催地に「決定」、2030年の島根県を「内定」と発表しています。2029年の群馬県は、2024年7月に「内定」と発表されました。群馬県と島根県の協賛の募集の内容は、この記事を書いた時点では確かめられていません。

物品だけを出す協賛(サプライヤー)の考え方と、「相当額」の数え方は、下の記事でくわしく紹介しています。この記事では、現金の協賛を中心に見ていきます。

あわせて読みたいサプライヤー契約とは|スポーツで製品を提供する企業の確認点›

(参考)企業協賛について(SAGA2024 国スポ・全障スポ) – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)企業協賛について(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ 2025) – わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会

(参考)青の煌めき国スポ・障スポ 企業協賛制度のご案内 – 青の煌めきあおもり国スポ・障スポ実行委員会

(参考)企業協賛(日本のひなた宮崎 国スポ・障スポ公式サイト) – 宮崎県実行委員会

(参考)協賛募集(信州やまなみ国スポ・全障スポ) – 長野県実行委員会

(参考)第81回国民スポーツ大会冬季大会スケート競技会(ショートトラック・フィギュア)(山梨県)企業協賛のカテゴリーと特典 – 山梨県

(参考)「いざ出陣!KOFU国スポ2027」企業協賛募集中!(2026年6月19日) – 山梨県

(参考)第82回国民スポーツ大会冬季大会・本大会(2028年)の開催地を長野県に決定、第84回国民スポーツ大会本大会(2030年)の開催地を島根県に内定(2025年7月17日) – 日本スポーツ協会

(参考)第81回国民スポーツ大会本大会(2027年)の開催地を宮崎県に決定、第83回国民スポーツ大会本大会(2029年)の開催地を群馬県に内定(2024年7月17日) – 日本スポーツ協会

国スポの協賛は日本スポーツ協会と開催県の実行委員会が募る

国スポ(国民スポーツ大会)の協賛は、日本スポーツ協会と、開催県の実行委員会の2者が、大会ごとに募ります。企業が申し込む先は、ほとんどの場合、開催県の実行委員会です。

国スポは、以前は国民体育大会(国体)と呼ばれていました。日本スポーツ協会によると、2024年に佐賀県で開かれた第78回大会から、いまの名前に変わっています。英語の表記は「JAPAN GAMES」です。日本スポーツ協会、文部科学省、開催地の都道府県の三者共催で、毎年、都道府県の持ち回りで開かれます。

本大会のあとには、同じ県で全国障害者スポーツ大会(障スポ)が開かれ、県の協賛の制度は2つの大会で1つにまとめられています。日本スポーツ協会の役割は、JSPOなどスポーツ統括団体の役割の記事で紹介しています。

全国共通の枠は日本スポーツ協会のガイドラインが決めている

どの県の協賛も似た形になるのは、全国共通のルールがあるからです。日本スポーツ協会の「国民スポーツ大会開催基準要項」は、協会と開催県の実行委員会が協力して企業協賛を行うと定めています。目的は、国スポの認知度とブランドの価値を高めることと、開催地の財政の負担を軽くすることです。

具体的な決まりは「国民スポーツ大会企業協賛に関するガイドライン」にあります。協賛の区分は、上から「カテゴリーA」「カテゴリーB」「カテゴリーC」とされ、金額や特典は、協会と開催県の実行委員会が大会ごとに話し合って決めます。協会はカテゴリーAを、開催県の実行委員会はすべてのカテゴリーを対象に募集し、契約は、それぞれが獲得した企業と結びます。

ガイドラインは2026年8月20日に改定されています。金額や区分の名前はガイドラインには書かれていないので、申し込むときは、開催県が出す案内を見ることになります。

(参考)国民スポーツ大会開催基準要項 – 日本スポーツ協会

(参考)国民スポーツ大会企業協賛に関するガイドライン(令和8年8月20日改定) – 日本スポーツ協会

佐賀の大会では204件で4億1,173万円が集まった

協賛の規模は、県が大会のあとにまとめた数字で分かります。2024年の佐賀の大会では、企業協賛が204件、合計4億1,173万1,764円でした。内訳は、協賛金が141件で2億3,079万4,746円、物品の協賛が63件で1億8,093万7,018円です。金額でみると、物品が4割を超えています(割合はこの記事での計算)。

この数字には、障スポへの特別協賛が含まれます。文部科学省の発表によると、大同生命保険は、2024年の佐賀の全国障害者スポーツ大会に1億円の特別協賛金を出しました。障スポの特別協賛は、先に見た県の区分とは別の枠です。

ほかの県はどうでしょうか。滋賀県が県議会に出した資料は、先に開催した5県の企業協賛(協賛金と物品の合計)を、3.2億円から6.4億円と整理しています。2018年度の福井県から2024年度の佐賀県までの数字で、億円単位の概数です。スポーツへの協賛が中小企業にもたらす効果は、スポーツスポンサーシップの効果の記事で扱っています。

(参考)数値で振り返るSAGA2024 国スポ・全障スポ – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)大同生命保険株式会社から全国障害者スポーツ大会に対する協賛金をいただきました(令和6年7月3日) – 文部科学省

(参考)わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会 第7回常任委員会・第4回総会について – 滋賀県議会 委員会資料

(参考)概要紹介(国民スポーツ大会) – 日本スポーツ協会

Q. 国スポの協賛企業は何社くらいありますか?

2024年の佐賀の大会では、企業協賛は204件でした。内訳は協賛金が141件、物品の協賛が63件で、合計は4億1,173万1,764円です(障スポへの特別協賛を含む、佐賀県の実行委員会の集計)。滋賀県の資料では、先に開催した5県の企業協賛は3.2億円から6.4億円と整理されています。

協賛の区分で開催県ごとに違う4つの点

6大会の表から、申し込む前に県ごとに確かめる点は4つに絞れます。前の開催県の条件が、次の県にもそのまま当てはまるとは限りません。プロのクラブの協賛の料金と比べたいときは、スポーツスポンサー料の相場の記事も参考になります。

現金10万円台の区分は県によって有無が分かれる

100万円に届かない額の現金で協賛できるかどうかは、県によって違います。佐賀には、10万円以上の「大会協力企業」がありました。青森と長野には、「リージョナルスポンサー」があります。

一方、2027年の宮崎は、協賛金の区分が100万円以上の「オフィシャルサポーター」から始まります。10万円相当額以上100万円相当額未満の「大会協力企業」は、協賛物品等の区分です。滋賀は、物品と協賛金を合わせた区分として、10万円相当額以上100万円相当額未満の「大会協力企業」を置いていました。

宮崎で100万円に届かない予算で関わりたい場合は、物品の提供を考えることになります。提供できる物があるかどうかを、先に実行委員会に聞いてみてください。

(参考)企業協賛について(SAGA2024 国スポ・全障スポ) – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)企業協賛について(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ 2025) – わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会

(参考)企業協賛(日本のひなた宮崎 国スポ・障スポ公式サイト) – 宮崎県実行委員会

少額の区分を県内企業に限る県がある

青森と長野の「リージョナルスポンサー」と「リージョナルサプライヤー」は、県内の企業だけが参加できる区分です。どちらの県の案内も、県内に本店、住所地のある企業にのみ参加してもらえる少額スポンサー制度だ、と説明しています。

県外に本店があり、開催県には支店や営業所だけがある会社は、この区分に当てはまるかを事務局に確かめる必要があります。当てはまらなければ、100万円以上の区分を選ぶことになります。

(参考)企業協賛の特典一覧 – 青の煌めきあおもり国スポ・障スポ実行委員会

(参考)協賛募集(信州やまなみ国スポ・全障スポ) – 長野県実行委員会

金額が税込か税抜かは県の案内で確かめる

同じ「1,000万円以上」でも、税の扱いは県によって違います。佐賀、青森、宮崎の案内は、協賛金と物品の額に消費税を含むとしています。長野の案内は「金額は税抜きです」と書いています。

山梨の冬季大会は、JAPAN GAMESパートナーだけが「1000万円(税別)」で、ほかの現金の区分は税込です。社内で予算を取るときは、県の名前と税の条件を添えて金額を書いてください。

(参考)企業協賛について(SAGA2024 国スポ・全障スポ) – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)青の煌めき国スポ・障スポ 企業協賛制度のご案内 – 青の煌めきあおもり国スポ・障スポ実行委員会

(参考)企業協賛(日本のひなた宮崎 国スポ・障スポ公式サイト) – 宮崎県実行委員会

(参考)協賛募集(信州やまなみ国スポ・全障スポ) – 長野県実行委員会

(参考)第81回国民スポーツ大会冬季大会スケート競技会(ショートトラック・フィギュア)(山梨県)企業協賛のカテゴリーと特典 – 山梨県

協賛金の締切は大会の半年ほど前に来る

協賛金の募集は、大会が始まる半年ほど前に締め切られます。佐賀は2024年3月31日、滋賀の上位3区分は2025年3月31日、青森は2026年3月31日で、大会はいずれもその年の秋でした。2027年9月26日に本大会が始まる宮崎は2027年4月30日、長野は2028年3月31日が締切です。

物品の募集は、佐賀と青森では大会の終了まで続きました。宮崎の協賛物品等の締切は2027年10月25日です。ただし、申し込みが遅いと、受けられる特典が減ることがあります。佐賀の案内には、大会ホームページへの掲載を除く広告の特典はすでに締め切った、という注意書きがありました。

呼称を使える期間にも限りがあります。佐賀の協賛金の契約期間は、契約日から2024年12月31日まででした。早く契約するほど、協賛企業として名乗れる期間が長くなります。

(参考)企業協賛について(SAGA2024 国スポ・全障スポ) – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)企業協賛について(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ 2025) – わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会

(参考)青の煌めき国スポ・障スポ 企業協賛制度のご案内 – 青の煌めきあおもり国スポ・障スポ実行委員会

(参考)企業協賛(日本のひなた宮崎 国スポ・障スポ公式サイト) – 宮崎県実行委員会

(参考)協賛募集(信州やまなみ国スポ・全障スポ) – 長野県実行委員会

(参考)概要紹介(国民スポーツ大会) – 日本スポーツ協会

Q. 国スポの協賛金はいくらからですか?

県によって違い、現金は10万円以上から受け付ける県と、100万円以上からの県があります。佐賀(2024年)は10万円以上、青森(2026年)と長野(2028年)は県内の企業に限って10万円以上の区分があり、宮崎(2027年)は現金の区分が100万円以上からです。どの県でも、上位は1,000万円以上・500万円以上・100万円以上の3段です。

協賛の特典は区分が上がるほど社名の出る場所が増える

国スポの協賛金の区分と特典、社名が出る場所を線で結んだ図。呼称と愛称の使用はすべての区分に付き、競技会場の中に看板を出せるのは1,000万円以上の区分に限られる

区分の違いは、社名がどこに出るかの違いです。いちばん下の区分で得られるのは、協賛企業としての呼称と、大会の愛称を自社の広告に使う権利が中心です。

滋賀と佐賀の特典の表を見ると、呼称の使用と、愛称やマスコットの広告への使用は、すべての区分に付いています。愛称やマスコットを使った商品を作る権利は、100万円以上の3区分に付きます。開・閉会式の会場にPRブースを出したり、新聞やテレビの広告に社名が出たりするのは、500万円以上の2区分です。

競技会場に社名を出せるのは最上位の区分に限られる

競技会場の中に看板を出せるのは、1,000万円以上の区分だけです。滋賀の表では「競技会場内におけるPR看板」、佐賀の表では「市町競技会場内PR看板」が、JAPAN GAMESパートナーだけに付いています。国スポの標章(JAPAN GAMESのマーク)を広告や商品に使う権利も、この区分だけです。

これは県が独自に決めたことではありません。日本スポーツ協会のガイドラインが、競技会場内での宣伝を含む特典はカテゴリーAだけに、式典会場での宣伝を含む特典はカテゴリーAとBだけに与える、と定めています。

物品を提供した場合は、その物に社名を入れられます。ただし、佐賀の表には、総合開・閉会式の会場内と市町の競技会場内での掲出は原則不可、という注意書きがあります。提供する物がどこで使われるのかを、先に確かめてください。

(参考)企業協賛について(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ 2025) – わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会

(参考)企業協賛について(SAGA2024 国スポ・全障スポ) – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)国民スポーツ大会企業協賛に関するガイドライン(令和8年8月20日改定) – 日本スポーツ協会

協賛していない企業の便乗した宣伝は禁止されている

協賛していない会社が、大会と関係があるように見せる宣伝をすることは、ガイドラインで禁止されています。対象は、PRや物販のブース、サンプリング、ロゴの掲出、広告やチラシの配布などで、媒体の種類を問いません。

これは主催者が定めたルールで、法律ではありません。それでも、地元の大会に合わせた販促を考えるなら、協賛の区分に入っておくほうが安心です。少額の区分でも、呼称と愛称を広告に使えることに意味があります。大会への協賛がもたらす効果は、スポーツイベント協賛の効果の記事で紹介しています。

(参考)国民スポーツ大会企業協賛に関するガイドライン(令和8年8月20日改定) – 日本スポーツ協会

飲料や損害保険など5業種は申し込む前に事務局へ相談する

自社の業種が、日本スポーツ協会の側のパートナーと重なる場合は、申し込む前に事務局へ相談してください。ガイドラインは、協会の協賛社と競合する業種や商品を扱う企業については、協会の協賛社を優先すると定めています。

青森の公式サイトには、「JAPAN GAMESパートナー(JSPO)」として、大塚製薬、ミズノ、三井住友海上、セレスポ、時事通信の5社が載っています。日本スポーツ協会の資料では、5社の協賛のカテゴリーは、清涼飲料水(アルコール飲料を除く)、スポーツ用品とスポーツ用具、損害保険、イベント設営業務、報道・マスメディアです。

県の案内の書き方には、幅があります。佐賀は「原則契約できません」、青森と宮崎は「締結できない場合があります」、滋賀と長野は「お断りする場合があります」です。

青森は、競合する業種でも、県産品を扱う企業・団体は、日本スポーツ協会と協議のうえ契約できる場合があるとしています。実際に青森では、県の側のパートナーに、地元の放送局3社と新聞社1社が載っています。一律に断られるとは限らないので、まず聞いてみることです。

(参考)国民スポーツ大会企業協賛に関するガイドライン(令和8年8月20日改定) – 日本スポーツ協会

(参考)青の煌めき国スポ・障スポ 企業協賛制度のご案内 – 青の煌めきあおもり国スポ・障スポ実行委員会

(参考)JSPO スポーツ・アクティブ・パートナー・プログラム 第6期プログラム(令和8年4月~令和11年3月) – 日本スポーツ協会

(参考)企業協賛について(SAGA2024 国スポ・全障スポ) – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)企業協賛(日本のひなた宮崎 国スポ・障スポ公式サイト) – 宮崎県実行委員会

(参考)企業協賛について(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ 2025) – わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会

(参考)協賛募集(信州やまなみ国スポ・全障スポ) – 長野県実行委員会

市町村の実行委員会は物品の協賛を受け付けている

国スポの協賛で、県の実行委員会と市や町の実行委員会の制度を比べた重なりの図。県は協賛金と物品を受けて呼称やロゴの掲出が付き、市は物品だけを受けて感謝状などでお礼をする

競技の会場になる市や町も、独自に実行委員会をつくり、協賛を募っています。確かめられた4つの市の募集は、いずれも物品の提供と貸与で、現金の協賛金の区分はありませんでした。

県の協賛は、協賛金と物品を受け、区分に応じて呼称やロゴの掲出といった特典が付きます。市の協賛は、物品を受け、感謝状やホームページへの掲載でお礼をする形です。2つは別の制度なので、地元の会場に関わりたい会社は、両方を見比べることになります。

武雄市やむつ市は物品の提供と貸与を募っている

佐賀県の武雄市は、2024年の大会に向けた要項で、受け入れるものを、原則として大会の広報啓発や歓迎装飾に使う物品と、運営に要する用具などとしていました。方法は提供または貸与で、搬入や撤去の費用は、原則として協賛する側の負担です。物品は市価に換算して扱われ、総額100万円以上なら贈呈式で感謝状が贈られます。

青森県のむつ市は、2026年の大会で、ボールペンやエコバッグ、のぼり旗、横断幕、事務用の機器、自動車の貸与などを募っています。お礼の基準は、総額50万円以上が贈呈式での感謝状、10万円以上50万円未満が事務局長の持参する感謝状、10万円未満が礼状の郵送です。同じ青森県の弘前市と十和田市も、物品の提供や貸与を募っています。

お礼の基準の額は、市によって違います。武雄市の要項は、物品への表示について、日本スポーツ協会と県の実行委員会が出した「市町独自の企業協賛制度における留意事項」に留意すると書いています。市の制度にも、全国共通の枠があることが分かります。

(参考)SAGA2024 武雄市企業協賛取扱要項 – 武雄市

(参考)青の煌めきあおもり国スポ・障スポ 企業協賛概要及び協賛物品カタログ – むつ市実行委員会

市の協賛で使える表示は開催市と競技に限られる

市の協賛では、名乗り方と社名の出し方に決まりがあります。むつ市のカタログは、愛称を使ったフレーズに、「国民スポーツ大会」のような大会全体を示す呼称だけを使うことはできない、としています。使えるのは、むつ市で開かれる競技などに限った表示です。県の協賛企業が使う「オフィシャルスポンサー」のような呼称とは、別のものです。

競技施設の中で使ったり、着たり、掲げたりする物品には、原則として協賛者の名前を表示できません。例外は、県の実行委員会に1,000万円以上の協賛金を出しているJAPAN GAMESパートナーです。のぼり旗は15%、タオルは25%、ペンやうちわは50%というように、ロゴを入れられる面積の割合も決められています。

市の協賛も、早いほど社名の出る場所が増えます。むつ市は、製作に日数がかかるため、2026年5月以降の協賛は看板に名前を載せられない、と案内していました。次の開催県で地元の市や町に物品を出したいなら、県の募集と同じ時期に、市や町の実行委員会の案内も確かめてください。

(参考)青の煌めきあおもり国スポ・障スポ 企業協賛概要及び協賛物品カタログ – むつ市実行委員会

協賛金の損金算入は大会までの期間で配分する|国税局の回答

国スポの協賛金は、国税局の文書回答では、広告宣伝の期間に応じて配分して損金に入れる扱いが示されています。ここで紹介するのは一般的な取扱いです。個別の判断は、税理士に確かめてください。

各県の案内には、税についての一文があります。佐賀、青森、宮崎は、協賛金や物品にかかる費用は「広告宣伝費として損金算入できます」と書いています。これは主催者による案内です。長野は、同じ趣旨の文に続けて、詳しい取扱いは顧問税理士等に確認するよう添えています。

山口国体の文書回答は期間配分での損金算入を認めた

国税の側には、国体の協賛を名指しした文書があります。2011年の山口国体の実行委員会が照会し、広島国税局が2009年(平成21年)7月31日に回答した文書回答事例です。むつ市のカタログも、国税庁のホームページで確認するよう案内しています。

照会の内容は、資金を出す「広告協賛」の費用を、分割払いの時期にかかわらず、広告宣伝の開始日である平成22年4月1日から、障害者スポーツ大会の閉会日である平成23年10月24日までの期間を基礎として配分し、損金に算入してよいか、というものでした。回答は、照会の事実関係を前提とする限り「貴見のとおりで差し支えありません」です。

大事なのは、支払った期に全額を損金にする、とは書かれていない点です。大会の1年から2年前に契約すると、決算期をまたいで配分することになります。

社名入りの物品を無償で提供する費用も、提供した日から閉会日までの期間で配分する、とされています。物品を貸す場合は、貸している間も自社の資産として減価償却をする、という整理です。消費税では、広告協賛の支出は課税仕入れに当たる、とされました。

この回答は、山口国体の事実関係についての個別の回答です。広島国税局の見解であり、照会者の申告の内容を拘束するものではない、と断られています。いまの各県の区分にそのまま当てはまるかどうかは、契約の内容を持って税理士に相談してください。

(参考)第66回国民体育大会等において協賛者が支出する費用の税務上の取扱いについて(文書回答事例) – 広島国税局

(参考)第66回国民体育大会等において協賛者が支出する費用の税務上の取扱いについて(照会)別紙 – 広島国税局

(参考)青の煌めきあおもり国スポ・障スポ 企業協賛概要及び協賛物品カタログ – むつ市実行委員会

寄附は特典と税の扱いが協賛と別になる

県は、協賛とは別に、大会への寄附も募っています。滋賀の公式サイトは、2つを表で比べていました。協賛は、企業名の掲出などの特典があり、使い道は大会の広報などに限られます。寄附は、特典がないかわりに、選手の育成や施設の整備など使い道を選べ、銘板や感謝状でお礼が示されます。

税の扱いも別です。国税庁は、法人が国や地方公共団体に対して支出した寄附金は、原則として全額が損金に算入されると説明しています。広告として社名を出したいなら協賛、名前を残す形で応援したいなら寄附、という分け方ができます。

寄附の受け手が県なのかどうかは、県ごとに確かめてください。企業版ふるさと納税を使う方法は、下の記事で扱っています。

あわせて読みたい企業版ふるさと納税でスポーツ支援|スポンサーとの違いと使い方›

(参考)企業協賛について(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ 2025) – わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会

(参考)No.5281 寄附金の範囲と損金不算入額の計算 – 国税庁

(参考)企業協賛について(SAGA2024 国スポ・全障スポ) – 佐賀県 SAGA2024実行委員会

(参考)青の煌めき国スポ・障スポ 企業協賛制度のご案内 – 青の煌めきあおもり国スポ・障スポ実行委員会

(参考)企業協賛(日本のひなた宮崎 国スポ・障スポ公式サイト) – 宮崎県実行委員会

(参考)協賛募集(信州やまなみ国スポ・全障スポ) – 長野県実行委員会

Q. 国スポの協賛金は経費になりますか?

佐賀、青森、宮崎などの主催者は、協賛金や物品にかかる費用を「広告宣伝費として損金算入できます」と案内しています。国税の側では、2011年の山口国体について、広島国税局が、広告協賛の費用を広告宣伝の開始日から大会の閉会日までの期間で配分して損金に算入する扱いを認めた文書回答があります。支払った期に全額とは限らないので、個別の判断は税理士に確かめてください。

国スポの見直しでは企業協賛制度の見直しが提言されている

国スポは、2036年からの新しい形に向けて見直しが進んでいて、企業協賛の制度も見直しの対象に挙げられています。ただし、協賛の制度をどう変えるのかは、2026年10月10日の時点で公表されていません。

全国知事会と有識者会議が企業協賛に触れている

きっかけは、開催県の負担です。全国知事会は、2024年8月1日にまとめた「3巡目国スポの見直しに関する考え方」で、簡素化と効率化を図ったうえで毎年の開催を維持することを求めました。財源については、スポーツ振興くじや宝くじの活用とあわせて、企業協賛の充実を検討するよう求めています。

日本スポーツ協会が設けた有識者会議は、2025年3月21日に提言を出しました。開催地の負担を軽くする取り組みの1つとして、協会が主体となり、入場料の徴収や企業協賛制度の見直しによって新たな財源を確保する、と書かれています。いまは開催県の実行委員会がすべての区分を募っていますが、提言は「JSPOが主体」という方向を示したことになります。

(参考)3巡目国スポの見直しに関する考え方(全国知事会 令和6年8月1日)知事会見資料 – 長野県

(参考)今後の国民スポーツ大会の在り方を考える有識者会議 提言(令和7年3月21日) – 日本スポーツ協会

2026年10月の中間まとめは式典の統合と2036年からの新大会を示した

日本スポーツ協会の国スポ改革タスクフォースは、2026年10月1日に「中間まとめ」を公表しました。柱は、通年開催、セレモニーとアワード、立候補を基本とする開催地の選び方、施設の基準の弾力化の4つです。ロードマップでは、2027年度から2028年度に新しい大会の制度を設計し、2036年から新たな国民スポーツ大会を始めるとしています。

中間まとめの本文には、企業協賛についての記述は見当たりませんでした(PDFの文字を検索した範囲)。先行して進める取り組みとしては、2027年からのチケッティングとホスピタリティが挙がっています。

企業の側で頭に入れておきたいのは、式典の扱いです。中間まとめは、国スポと全国障害者スポーツ大会の総合開・閉会式を統合し、「セレモニー」として開く方向を示しています。いまの特典は、開・閉会式の会場でのブースや看板に重みがあります。式典の形が変われば、特典の中身も変わる可能性があります(この記事での見立てです)。

募集中の宮崎と長野の条件は、各県の案内に書かれているとおりです。その先の開催県で協賛を考える会社は、募集が始まる時点の案内とガイドラインを、あらためて確かめてください。

(参考)国スポ改革タスクフォース(T.F.)中間まとめ(2026年10月1日) – 日本スポーツ協会

まとめ|国スポの協賛は次の開催県の締切から逆算する

国スポの協賛は、枠組みは全国共通で、細かな条件は開催県ごとに違います。要点を振り返ります。

  • 協賛は日本スポーツ協会と開催県の実行委員会が募り、企業の申し込み先は主に開催県の実行委員会
  • 1,000万円以上・500万円以上・100万円以上の3段は共通で、10万円台の現金の区分、県内企業の限定、税込と税抜、締切は県ごとに違う
  • 競技会場の中に社名を出せるのは最上位の区分だけで、協賛していない企業の便乗した宣伝は禁止されている
  • 市の実行委員会は物品の協賛を募っていて、使える表示は開催市や競技に限られる
  • 国税局の文書回答が示すのは期間配分での損金算入で、見直しの議論では協賛制度の具体案はまだ公表されていない

青森の協賛金の募集は終わりましたが、宮崎は2027年4月30日、長野は2028年3月31日が締切です。開催県に拠点があるなら、まず県の実行委員会の案内で、自社の予算に合う区分があるか、税の条件はどうか、業種が重ならないかを確かめるところから始めてください。スポーツを使った宣伝の全体像は、スポーツマーケティングとはで整理しています。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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