海外のサッカークラブから届いた協賛の提案書を開くと、同じ協賛の枠にベッティング事業者のロゴが並んでいる。社内では「日本でもスポーツベッティングが解禁されるらしい」という話が出て、広告やデータを使った新しい事業を調べるよう求められる。法務に相談しようにも、何が決まっていて、何が決まっていないのかが分かりにくいテーマです。
日本でスポーツの結果にお金を賭けることが認められているのは、特別の法律がある公営競技とスポーツ振興くじだけで、政府がスポーツベッティングの解禁を決めた事実は確認できません(2026年10月10日時点)。文部科学省、スポーツ庁、経済産業省は、いずれも国会で、導入を検討していないと答えています。海外の事業者のサイトを日本から利用することについて、警察庁は「犯罪です」と明記しています。
この記事は、賭けを勧めるものではありません。法律の条文、国会の答弁、リーグの規程をもとに、日本での位置づけと、企業が協賛・広告・事業で確かめる点を整理します。法律の説明は一般的な取扱いの紹介です。個別の判断は弁護士に確かめてください。
スポーツベッティングの日本での解禁は未決定|計画と国会答弁で確かめる
「いつから解禁されるのか」に答えられる日付は、公式の資料にはありません。日付が決まっているのは、むしろ規制のほうです。政府の計画と国会でのやり取りを、古い順に並べました。
| 時期 | 文書・場面 | 内容 |
|---|---|---|
| 2022年3月 | スポーツ基本計画(第3期) | ベッティングなどの新しいスポーツ関連ビジネスについて、国内外の状況の調査と、必要に応じた法的な整理の検討を行うと記載 |
| 2023年7月 | 第二期スポーツ未来開拓会議の中間報告 | 海外の事業者による日本向けの提供や、日本からの利用に、賭博の罪が成立する可能性があると指摘 |
| 2024年5月 | 衆議院の文部科学委員会 | スポーツ庁と経済産業省が、導入や解禁に向けた検討をしていないと答弁 |
| 2025年3月 | 衆議院の経済産業委員会 | 文部科学副大臣と経済産業大臣が、導入を検討していないと答弁 |
| 2025年5月 | 衆議院の内閣委員会の決議 | 公営競技等を除き、スポーツベッティングを含むあらゆる賭博行為が違法であることの周知を政府に求める |
| 2025年9月 | 改正ギャンブル等依存症対策基本法の施行 | 違法なオンラインギャンブルのサイトの提示と、誘導する情報の発信を禁止 |
| 2026年5月 | 参議院の文教科学委員会 | スポーツ庁次長が、日本国内から利用することは犯罪だと答弁 |
スポーツベッティングをめぐる政府の計画と国会でのやり取り(出典:文部科学省、スポーツ庁・経済産業省、国会会議録検索システム、衆議院、e-Gov法令検索。2026年10月10日に確認)
2022年の計画が書いたのは調査と法的な整理の検討
「解禁が検討されている」という話のもとをたどると、2022年3月25日のスポーツ基本計画(第3期)に行き着きます。この計画は、NFTやベッティングを例に挙げて、「デジタル技術の発展により新たに可能となったスポーツ関連ビジネスについて、国内や海外の状況を調査するとともに必要に応じて我が国での事業化に際しての法的な整理も含めた検討を行う」と書いています。書かれているのは調査と法的な整理の検討で、導入の決定ではありません。
その後の資料では、扱いが変わっています。スポーツ庁と経済産業省が2023年7月にまとめた第二期スポーツ未来開拓会議の中間報告は、解禁を提言したものではなく、日本から見た法的な論点を挙げたものでした。同じ会議が2025年4月に出したとりまとめには、「ベッティング」という語が出てきません。賭けに関する記述は、スポーツ関係者が「違法賭博」などに関わらないことが重要だ、という1か所です。
2026年7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」にも、「ベッティング」「賭博」という語はありません。国の方針として解禁が書かれた文書は、確かめた範囲では見つかりませんでした。
(参考)スポーツ基本計画(令和4年3月25日) – 文部科学省
(参考)第二期スポーツ未来開拓会議 中間報告(2023年7月) – スポーツ庁・経済産業省
(参考)スポーツ未来開拓会議 ~今後のスポーツの成長産業化を見据えた、当面の取組等についてのとりまとめ~(2025年4月) – スポーツ庁・経済産業省
(参考)経済財政運営と改革の基本方針2026(令和8年7月21日 閣議決定) – 内閣府
2024年と2025年の国会で所管の省庁は検討していないと答えている
所管の省庁は、国会ではっきり答えています。2024年5月15日の衆議院の文部科学委員会で、スポーツ庁の次長は、スポーツベッティングの導入について「スポーツ庁として、検討はしておりません」と述べました。同じ日に経済産業省の担当者も、「スポーツベッティングの解禁に向けた検討はしておらない」と答えています。
2025年3月19日の衆議院の経済産業委員会では、文部科学副大臣が、導入について文部科学省として「検討を行っている事実はなく、また、その予定もございません」と答えました。経済産業大臣も、過去の有識者会議が欧米の事例に触れたことは認めたうえで、「今も検討していない」と述べています。
ただし、どの答弁も「現時点」の話です。2024年5月の文部科学大臣の答弁は、将来の振興施策の可能性について、断定的に述べることは差し控えると前置きしていました。社内で説明するときは、「2025年3月の国会答弁の時点で、所管の省庁は検討していない」と、時点を付けて伝えるのが正確です。
(参考)第213回国会 衆議院 文部科学委員会 第6号(令和6年5月15日) – 国会会議録検索システム
(参考)第217回国会 衆議院 経済産業委員会 第3号(令和7年3月19日) – 国会会議録検索システム
Q. スポーツベッティングは日本でいつから解禁されますか?
解禁の時期は決まっていません。政府が導入を決めた事実は確認できず、文部科学省は2025年3月の国会で、導入の検討を行っている事実はなく、その予定もないと答えています(2026年10月10日時点)。日付が決まっているのは規制のほうで、違法なオンラインギャンブルへの誘導を禁じる改正法が2025年9月25日に施行されました。
日本でスポーツの賭けが適法になるのは特別の法律がある場合に限られる

「スポーツベッティング禁止法」のような個別の法律があるわけではありません。根拠は刑法の賭博の罪で、特別の法律に従って行われるものだけが、その例外になっています。
刑法の賭博罪と例外をつくる仕組み
刑法の第185条は、「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する」と定めています。第186条は、常習として賭博をした者を3年以下の拘禁刑、賭博場を開いて利益を図った者などを3か月以上5年以下の拘禁刑としています。一方で、第35条は「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」と定めています。
公営競技が適法なのは、この第35条があるからです。法務省の刑事局長は、2025年5月28日の衆議院の法務委員会で、競馬法や自転車競技法、モーターボート競走法などに従って行われるものは、賭博罪の構成要件に該当する行為であっても、「刑法三十五条による法令による行為として違法性が阻却される」と説明しました。競馬、競輪、オートレース、ボートレースの4つの公営競技には、それぞれの法律があります。スポーツ振興くじにも、スポーツ振興投票の実施等に関する法律(以下、スポーツ振興投票法)があります。
スポーツベッティングには、こうした特別の法律がありません。同じ委員会で刑事局長は、例外とするかどうかは、事業を所管する省庁がまず検討し、刑法との関係を整理することになると述べ、法務大臣は法務省を「受け身の立場」と表現しました。つまり、所管の省庁が法律をつくる検討を始めない限り、位置づけは変わりません。
(参考)刑法(明治四十年法律第四十五号) – e-Gov法令検索
(参考)第217回国会 衆議院 法務委員会 第17号(令和7年5月28日) – 国会会議録検索システム
海外サイトの利用を政府は犯罪と説明している
「海外では合法の事業者なら、日本から使っても問題ないのでは」という疑問には、警察庁がはっきり答えています。警察庁のサイトは、「海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です」と書いています。続けて、「バカラ、スロット、スポーツベッティング等、その名称や内容にかかわらず、オンライン上で行われる賭博は犯罪です」としています。
国会でも同じ説明が繰り返されています。内閣官房長官は2025年5月21日の衆議院の内閣委員会で、スポーツベッティングについて「日本から利用すれば犯罪となります」と述べました。2026年5月21日の参議院の文教科学委員会でも、スポーツ庁の次長が、日本国内から利用することは犯罪だと答えています。
政府の文書は、言い方を使い分けています。2025年4月25日の答弁書は、犯罪の成否は証拠に基づいて個々に判断される事柄だとしたうえで、一般論として、賭博行為の一部が日本国内で行われた場合は「賭博罪が成立し得る」と書いています。個別の行為が罪にあたるかどうかを決めるのは裁判所です。自社の取引や施策がこれに関わりそうなときは、弁護士に確かめてください。
(参考)オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です! – 警察庁
(参考)第217回国会 衆議院 内閣委員会 第22号(令和7年5月21日) – 国会会議録検索システム
(参考)第221回国会 参議院 文教科学委員会 第7号(令和8年5月21日) – 国会会議録検索システム
(参考)衆議院議員水沼秀幸君提出オンラインカジノにおけるポイント還元制度および資金決済のあり方に関する質問に対する答弁書(令和7年4月25日) – 衆議院
Q. スポーツベッティングは日本で違法ですか?
特別の法律にもとづく公営競技とスポーツ振興くじを除き、賭博罪が成立しうるとされています。警察庁は、海外で合法的に運営されているサイトであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪だと明記しています。個別の事件で罪が成立するかどうかは証拠にもとづいて判断されるため、個別の判断は弁護士に確かめてください。
サッカーの試合で適法に買えるのはスポーツ振興くじ|売上は約1,380億円
日本でサッカーの試合の結果に適法にお金を投じられるのは、日本スポーツ振興センターが行うスポーツ振興くじだけです。ただし、その売上の約9割は、購入者が試合の結果を予想しないくじが占めています。
スポーツ振興投票法は、対象を「サッカー又はバスケットボール」の試合と定めています。実施できるのは日本スポーツ振興センターで、19歳に満たない人は購入できません。払戻しにあてる額は、売上の2分の1を超えない範囲とされています。
| 種別 | くじの種類 | 令和7年度の売上 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 予想系 | WINNER、toto、mini toto、totoGOAL3/totoGOAL2 | 約125.5億円 | 約9.1% |
| 非予想系 | BIG、MEGA BIG、100円BIG、BIG1000、mini BIG | 約1,255.2億円 | 約90.9% |
| 合計 | — | 約1,380.7億円 | 100% |
スポーツくじの令和7年度の売上(出典:日本スポーツ振興センターの2026年3月31日の発表。種別ごとの合計と割合は、発表されたくじごとの売上から計算)
日本スポーツ振興センターによると、令和7年度の売上は約1,380億円で、令和6年度の約1,336億円を上回り、3年連続で過去最高になりました。このうち、試合の結果を予想する「予想系」は約125.5億円で、全体の約9.1%です。「1,380億円」をそのまま日本のスポーツベッティングの市場規模と呼ぶと、実態より大きく見えます。
日本のスポーツベッティングの市場規模を示す国の統計は、確かめた範囲では見つかりませんでした。公的な数字として近いのは、警察庁の委託調査(2025年1月)です。この調査は、オンラインカジノの国内の利用者を約196.7万人、年間の賭額の総額を約1兆2,423億円と推計しています。対象はオンラインカジノの全体で、スポーツベッティングだけの数字ではありません。
選手や監督には、法律上の制限があります。スポーツ振興投票法は、登録を受けた選手、監督、コーチ、審判員が、自分のリーグの試合を対象とするくじを購入することを禁じています。くじの運営を支える企業の仕組みは、下の記事で紹介しています。
あわせて読みたいスポーツくじ・公営競技業界|3社の投票運営モデル›
(参考)スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成十年法律第六十三号) – e-Gov法令検索
(参考)スポーツくじ 令和7年度売上は、過去最高となる約1,380億円!(令和8年3月31日) – 日本スポーツ振興センター
(参考)オンラインカジノの実態把握のための調査研究 報告書(令和7年1月) – 警察庁
Q. サッカーのスポーツベッティングは日本でできますか?
日本でサッカーの試合の結果に適法にお金を投じられるのは、日本スポーツ振興センターが行うスポーツ振興くじだけです。法律上の対象はサッカーとバスケットボールの試合で、19歳に満たない人は購入できません。海外の事業者のサイトで賭けることは、その名称や内容にかかわらず犯罪だと、警察庁が注意を呼びかけています。
海外の賭けサイトへの誘導と広告は2025年9月25日から禁止されている
企業の広告や情報発信に直接関わるのが、2025年9月25日に施行された改正ギャンブル等依存症対策基本法です。賭ける行為だけでなく、賭けのサイトへ人を誘導する行為が、法律で禁止されました。
改正で加わった第9条の2は、インターネットで不特定の人に情報を発信する者に対して、2つの行為を禁じています。1つは、国内にいる不特定の人に、違法オンラインギャンブル等のウェブサイトやプログラムを提示する行為です。もう1つは、国内にいる不特定の人に、違法オンラインギャンブル等に誘導する情報を発信する行為です。警察庁は例として、SNSにサイトのリンクを貼って投稿すること、「日本語対応してます」といった宣伝をすること、「おすすめオンラインカジノ10選」のようなまとめサイトを作ることを挙げています。
この法律の条文には、第9条の2に違反した場合の罰金などの罰則の定めは見当たりません。だからといって、問題にならないわけではありません。警察庁は、海外のサイトの運営者とアフィリエイト契約を結び、動画配信サイトなどで利用を勧誘していた者を、常習賭博幇助罪で検挙した事例を公表しています。成果報酬型の広告で賭けのサイトへ送客する行為は、刑法の問題になりえます。
規制の議論は続いています。総務省の検討会は2026年7月の報告書で、サイトへの接続を遮断するブロッキングについて、今後、実施すべき状況にあるといえる場合には、対策として排除することなく、立法措置を講じることが必要だとしました。国会も、衆議院の内閣委員会が2025年5月30日の決議で、公営競技等を除き、スポーツベッティングを含むあらゆる賭博行為が違法であることの周知を徹底するよう、政府に求めています。規制を強める方向の議論であり、解禁の議論ではありません。
この法律は、もともとギャンブル等依存症への対策を定めたものです。国と地方公共団体が、家庭や学校と並んで「職場」でも教育や広報を進めることを定めており、社内での周知は企業にも関わります。従業員や家族が依存の問題で困っている場合の相談先として、厚生労働省は、近くの保健所と、各都道府県・政令指定都市にある精神保健福祉センターを案内しています。
(参考)ギャンブル等依存症対策基本法(平成三十年法律第七十四号) – e-Gov法令検索
(参考)オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です! – 警察庁
(参考)オンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会 報告書(令和8年7月) – 総務省
(参考)第217回国会5月30日内閣委員会 委員会決議 オンライン上で行われる違法賭博問題への対策に関する件 – 衆議院
企業がスポーツの協賛と広告と事業で確かめる3つの場面

企業が確かめる場面は、協賛と出資、広告とSNS、データと海外事業の3つに分けられます。どれも、「日本国内から賭けられるサービスに、自社の名前や情報がつながらないか」を見る点で共通しています。
協賛と出資|リーグの承認と株主の基準を先に読む
国内のリーグは、広告と株主について、それぞれ決まりを持っています。Jリーグのユニフォーム要項は、ユニフォームに第三者の広告を表示する場合、事前に所定の「広告掲出申請書」で届け出て、承認を得なければならないと定めています。協賛の話を進める前に、リーグの承認が要る広告かどうかを、クラブに確かめます。
出資では、業種が名指しされています。Jリーグ規約は、新たに大口の株主になる者をチェアマンが承認する基準を定めており、法人株主向けの宣言書は、株主として不適正な業種の1つに、「日本国内で認められていない海外のカジノ、スポーツベッティング等のギャンブルに関わる事業を主たる業務として行っている法人」を挙げています。これは株主の基準で、スポンサーの基準ではありません。それでも、リーグがこの事業をどう見ているかを知る手がかりになります。
海外のクラブに協賛するときは、同じクラブの協賛企業の顔ぶれを見ます。英国のプレミアリーグは2023年4月13日の声明で、クラブが試合用ユニフォームの前面から賭博関連のスポンサーを外すことに合意し、2025/26シーズンの終了時から始めると発表しました。法律による禁止ではなく、クラブどうしの自主的な合意です。自社のロゴが、日本語の賭けの広告と並んで日本に届くことがないかを、スポーツスポンサー契約を結ぶ前に確かめます。協賛先の不正や、選手の賭博への備えは、下の記事でくわしく扱っています。
あわせて読みたいスポーツインテグリティとは|脅かす要因と企業の協賛前の確認›
(参考)Premier League statement on gambling sponsorship(2023年4月13日) – Premier League
広告とSNS|契約する選手や発信者の投稿まで確かめる
自社の投稿とリンクは、前の章で見た第9条の2の対象です。オウンドメディアの記事、SNSの投稿、成果報酬型の広告の出稿先に、海外の賭けサイトへの誘導が含まれていないかを確かめます。広告の配信を外部に任せている場合は、配信先の一覧も見ておきます。
見落としやすいのが、契約している選手や発信者の出演です。2023年7月の中間報告は、選手による海外ベッティングサービスのCM出演やSNSでの書き込みについても、賭博幇助に該当する可能性があると指摘しました。スポーツ庁は2025年7月、各スポーツ団体に対して、海外で活動する日本人選手も含め、違法なオンラインカジノの広告への出演などについて注意を呼びかけています。
選手を広告に起用する企業は、契約の期間中に、その選手がこうした広告に出ないことを契約書で確かめておくと安心です。契約に入れる項目は、アンバサダー契約の確認点でまとめています。
(参考)ギャンブル等依存症対策基本法(平成三十年法律第七十四号) – e-Gov法令検索
(参考)第二期スポーツ未来開拓会議 中間報告(2023年7月) – スポーツ庁・経済産業省
(参考)オンラインカジノ対策に関するスポーツ庁の取組について(令和7年12月) – スポーツ庁(総務省検討会資料)
データと海外事業|提供先のサービスが届く国を確かめる
試合のデータや映像、ロゴを扱う企業は、提供先を確かめます。2023年7月の中間報告は、「オンライン等で日本国内から賭けられるような形でサービスを提供している海外ベッティング事業者等に対してデータ提供等を行う行為は、賭博幇助に該当する可能性がある」と書いています。再許諾の先まで含めて、データがどの国の利用者に向けたサービスに渡るのかを、契約で押さえます。
同じ報告は、ロゴの無断使用にも触れています。リーグやチームのロゴ、選手の肖像、試合のデータが、許諾なく使われている実態があるとし、日本のスポーツの権利者が「ただ乗り」されている状態だと表現しました。これは国の会議の報告で、裁判所の判断や法令の解釈を示す通知ではありません。個別の契約は弁護士に確かめてください。
海外の市場で、事業として関わる日本企業の開示もあります。株式会社MIXIは2025年6月3日、主としてオーストラリアやカナダでベッティング事業を行うPointsBet Holdings Limitedの株式取得に向けた進捗を開示しました。セガサミーホールディングスは2025年5月28日、米国のカジノオペレーター向けの事業などを展開するGAN Limitedの買収手続きを完了したと開示しています。どちらも海外の市場での事業で、日本国内で賭けを提供する話ではありません。デジタルを使った新しい事業の例は、ファントークンの国内事例でも紹介しています。
(参考)第二期スポーツ未来開拓会議 中間報告(2023年7月) – スポーツ庁・経済産業省
(参考)PointsBet Holdings Limited の株式取得(子会社化)に向けた進捗状況のお知らせ(2025年6月3日) – 株式会社MIXI
(参考)(開示事項の経過)GAN Limitedの買収完了(グループ会社の異動(取得))に関するお知らせ(2025年5月28日) – セガサミーホールディングス株式会社
まとめ|スポーツベッティングは日本では特別法のある賭けに限られる
日本で認められているのは、特別の法律がある公営競技とスポーツ振興くじだけです。要点を振り返ります。
- 政府がスポーツベッティングの解禁を決めた事実は確認できず、所管の省庁は2024年と2025年の国会で、検討していないと答えている
- 根拠は刑法の賭博の罪で、特別の法律に従って行われる公営競技とスポーツ振興くじだけが例外になっている
- スポーツくじの令和7年度の売上は約1,380億円で、試合の結果を予想するくじは約9.1%にとどまる
- 海外の賭けサイトへの誘導と広告は、2025年9月25日から法律で禁止されている
- 企業は、協賛と出資、広告とSNS、データと海外事業の3つの場面で、日本から賭けられるサービスとのつながりを確かめる
まずは、自社の広告の配信先と、契約している選手や発信者の出演先を一覧にするところから始めてください。そのうえで、海外のクラブへの協賛やデータの提供を検討するときは、契約の前に弁護士に相談します。スポーツ産業の全体の動きは、日本のスポーツ業界の課題で整理しています。
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