スポーツの協賛を使った販促キャンペーンは、協賛の権利で何ができるかをクラブの協賛案内で確かめ、応募の条件から景品表示法の上限を決めてから企画します。商品の購入や来店を条件に抽選するなら景品の最高額は取引価額の20倍(上限10万円)で総額は売上予定総額の2%まで、条件を付けないオープン懸賞なら上限はありません。観戦チケットを景品にするときは、転売の禁止と主催者の許可、ロゴや選手の肖像を使うときはリーグや球団への事前申請も必要です。
協賛先のクラブから「キャンペーン実施権が付いています」と言われ、営業部からは「サイン入りユニフォームが当たる企画を店頭でやりたい」と相談が来る。ところが、景品をいくらまで出してよいのか、チケットを当選者に渡してよいのか、誰に何を申請すればよいのかが、社内の誰にも分からない。ここでは、協賛の権利でできるキャンペーンの種類、景品の上限の計算、チケットを景品にするときの注意、申請と効果の記録までを順に整理します。
スポンサーのキャンペーンは協賛の権利の範囲で企画する|Jクラブの協賛案内を比べる
協賛企業がクラブの名前やロゴを使ってキャンペーンを行えるかどうかは、契約で買った権利で決まります。企業側の協賛の仕事全体の中では、権利を使った施策の企画と実行にあたる部分です(全体像はスポンサー担当の仕事内容で紹介しています)。まずは、Jリーグのクラブが公式サイトで公開している協賛案内から、キャンペーンに関わる権利と、それが付く区分を並べます。
| クラブ | キャンペーンに関わる権利 | 付く区分・条件 | クラブが紹介している活用の例 |
|---|---|---|---|
| ベガルタ仙台 | 商品化及びキャンペーン実施権、PR特設ブース(商品告知・サンプリング・販売・抽選会) | ブロンズパートナー(年60万円・税別)以上。商品化は別途ロイヤリティ | ― |
| FC東京 | キャンペーン実施権(優勝SALE)、選手集団肖像使用権、会員プロモーション実施権 | 協賛金額に応じて提供できる権利が異なる | ブースでの抽選会、自社SNSでのプレゼントキャンペーン |
| ガンバ大阪 | 販促キャンペーン実施権利(商業施設やSNSを使ったキャンペーン) | 年300万円以上(税別)でオフィシャルパートナー。呼称権とロゴなどのプロパティ使用権が付く | ― |
| アビスパ福岡 | ブース出展とサンプリング、公式SNSでのキャンペーン告知 | 冠試合やブース出展、SNS活用などのメニューごと | 試供品のプレゼントとサイン入りグッズが当たる抽選会 |
| ファジアーノ岡山 | キャンペーン実施権 | 特典一覧ではオフィシャルスポンサーにだけ付く | ― |
出典:各クラブの公式サイトの協賛案内(2026年10月時点)をもとに Human Soar 作成
キャンペーン実施権が付く区分はクラブごとに違う
ベガルタ仙台は、年60万円(税別)からのブロンズパートナー以上に、ロゴ、エンブレム、チーム名、マスコットなどを使った商品化と、クラブとタイアップしたキャンペーンの権利を付けています。商品化には別途ロイヤリティがかかると書かれています。ファジアーノ岡山の特典一覧では、キャンペーン実施権に印が付いているのは最上位のオフィシャルスポンサーだけです。
ガンバ大阪は、年300万円以上(税別)の契約でオフィシャルパートナーとなり、パートナー名の呼称権やロゴなどのプロパティ使用権が使えると案内しています。メニューの例には、商業施設やSNSを使ったキャンペーンと「販促キャンペーン実施権利」が並んでいます。FC東京は、キャンペーン実施権を権利の一覧に挙げたうえで、協賛金額に応じて提供できる権利は異なるとしています。
つまり、同じ「協賛企業」でも、区分によってはクラブ名を出したキャンペーンができないことがあります。企画を立てる前に、自社の契約書と区分の特典一覧で、キャンペーンの権利が入っているかを確かめておきます。入っていない場合は、更新や追加の契約で権利を足せないかをクラブの担当者に相談します。
クラブが紹介している例はブースの抽選会とSNSのプレゼント
FC東京の協賛案内は、パートナーの活用例を紹介しています。ポケットカードは、FC東京とのコラボクレジットカードの加入を促すためにスタジアムにブースを出し、加入した人へのノベルティの配布や、サイン入りユニフォームやピッチサイドシートが当たる抽選会を行っています。アムタス(めちゃコミック)は、クラブのマスコットなどを使ったタイアップのコミックを作り、自社の公式SNSでプレゼントキャンペーンを展開しています。
アビスパ福岡は、ピエトロが「スペシャルマッチ」と名付けた試合でお試しサイズのドレッシングをプレゼントし、選手のサイン入りグッズが当たる抽選会を行った例を紹介しています。いずれも、クラブが持つ選手のサインや観戦の体験を景品にし、自社の商品やサービスとの接点をつくる形です。こうした景品を誰にどう渡すかで、次に見る景品表示法の扱いが変わります。
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スポンサーキャンペーンは応募の条件で一般懸賞と総付景品とオープン懸賞に分かれる

キャンペーンで渡す景品に上限がかかるかどうかは、景品表示法の「景品類」にあたるかで決まります。消費者庁は、顧客を誘引する手段として、事業者が自分の商品やサービスの取引に付随して提供する物品や金銭などを景品類としています。スポンサーのキャンペーンに当てはめると、商品の購入や来店を条件にするかどうか、抽選で選ぶかもれなく渡すかで、3つの形に分かれます。
購入や来店を条件に抽選するなら一般懸賞
商品の購入者や来店者を対象に、くじなどの偶然や、クイズの正誤、競技の優劣で当選者を決める企画は「懸賞」にあたります。複数の事業者が地域で共同して行う共同懸賞を除くと、一般懸賞と呼ばれます。対象商品のレシートで応募させ、抽選でサイン入りユニフォームや観戦チケットを渡すキャンペーンは、この形の代表例です。
購入を条件にしていなくても、取引に付随するとみなされる場合があります。消費者庁の運用基準は、商品の容器包装で応募の内容を告知している場合や、商品を買わないと答えやヒントが分からない場合、小売業者やサービス業者が自分の店への入店者に提供する場合を挙げています。店舗で行う企画は、他の事業者の企画に協賛などの形で協力して共同で提供していると認められる場合も、店側の取引に付随する提供になります。協賛先のクラブと組んで小売店の店頭で行う企画は、店舗も含めた関係者で上限を確かめておきます。
(参考)景品類等の指定の告示の運用基準について(PDF) – 消費者庁
もれなく渡すなら総付景品
購入者や来店者に抽選なしでもれなく渡す景品は「総付景品」にあたります。購入の申し込み順や来店の先着順で渡すものも同じ扱いで、先着順は懸賞にはあたりません。対象商品を買った人全員にクラブのオリジナルグッズを渡す企画や、店頭の先着100名にノベルティを配る企画がこの形です。
一方で、自社の商品の内容や品質を知ってもらうために配る小型の見本や試供品は、適当な限度のものであれば、原則として総付景品の上限の対象から外れます。社名入りのカレンダーやメモ帳のように、事業者名を広告するための物も同じです。冠試合の来場者に商品のサンプルを配る使い方は、この考え方に近くなります。
(参考)「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準(PDF) – 消費者庁
(参考)「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準について(PDF) – 消費者庁
誰でも応募できるならオープン懸賞
新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイトなどで企画を広く告知し、商品の購入や来店を条件にせず、はがきやウェブサイト、電子メールなどで誰でも応募できる抽選の企画は「オープン懸賞」と呼ばれます。景品表示法の景品規制は適用されません。クラブの公式SNSや自社のサイトで告知し、応募フォームから申し込める観戦チケットのプレゼントは、条件の付け方しだいでこの形にできます。
ただし、前に見たように、購入したほうが応募しやすくなる仕組みを入れると取引に付随する扱いになります。広告で取引に付随しない企画として告知していれば、応募者の中にたまたま自社の商品の購入者がいても、その人への提供は取引に付随する提供にはあたりません。
(参考)景品類等の指定の告示の運用基準について(PDF) – 消費者庁
Q. SNSでフォローして応募するキャンペーンにも景品の上限はありますか?
商品の購入や来店を応募の条件にしていなければ、オープン懸賞として景品の上限はかからないと消費者庁は説明しています。ただし、商品を買わないと答えが分からないクイズにするなど、購入した人のほうが応募しやすくなる仕組みを入れると、取引に付随する懸賞として上限がかかります。応募の条件を決めた段階で、法務の担当者に確認しておくと安心です。
スポンサーキャンペーンの景品の上限|一般懸賞は最高10万円で総額は売上予定の2%
景品類にあたる場合は、景品の形ごとに上限額が決まっています。消費者庁の「景品規制の概要」をもとに、4つの形の上限とスポンサーキャンペーンでの例を並べます。上限を超える景品を出すと、消費者庁長官は景品の提供を制限したり禁止したりできます。
| 形 | 景品1つの最高額 | 景品の総額 | スポンサーキャンペーンでの例 |
|---|---|---|---|
| 一般懸賞 | 取引価額5,000円未満は取引価額の20倍、5,000円以上は10万円 | 懸賞に係る売上予定総額の2% | 商品を買った人から抽選でユニフォームが当たる |
| 共同懸賞 | 取引価額にかかわらず30万円 | 懸賞に係る売上予定総額の3% | 地域の小売業者などの相当多数が共同で行う |
| 総付景品 | 取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2 | 定めなし | 商品を買った人や来店者にもれなく、または先着順でグッズを渡す |
| オープン懸賞 | 上限なし(景品規制の対象外) | 上限なし | 購入や来店を条件にせず、ウェブサイトなどで誰でも応募できる |
出典:消費者庁「景品規制の概要」をもとに Human Soar 作成
一般懸賞は1人あたりの最高額と総額の両方を見る
一般懸賞では、当選者1人に渡す景品の最高額と、企画全体で渡す景品の総額の両方に上限があります。最高額は、懸賞の対象になる取引の価額が5,000円未満なら取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円です。総額は、懸賞を行う期間中の対象商品の売上予定総額の2%までです。
たとえば、300円の飲料を買って応募する企画なら、計算すると景品1つの最高額は6,000円です。仮に1枚4,000円の席の観戦チケットをペアで渡すと8,000円になり、この上限を超えます。また、期間中の対象商品の売上予定が1,000万円なら、計算すると景品の総額は20万円までです。同じ取引に付随して同じ事業者が2つ以上の懸賞を行う場合は、別々の企画でも景品の額を合算します。
景品の額は、同じものが売られていれば、受け取る人が普通に買うときの価格で数えます。売られていない物は、提供する側が入手した価格や似た品の市価などを勘案して、普通に買うとしたらいくらかを算定します。サイン入りのユニフォームのように市販されていない景品は、価額の見積もり方を法務と相談しておきます。
(参考)「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準(PDF) – 消費者庁
(参考)景品類の価額の算定基準について(PDF) – 消費者庁
クラブとの共同企画は景品を合算して数える
共同懸賞は最高額が30万円、総額が売上予定総額の3%と、一般懸賞より高く設定されています。ただし共同懸賞にあたるのは、一定の地域の小売業者やサービス業者の相当多数が共同で行う場合や、商店街が行う場合などです。運用基準は、参加者がその地域の事業者の過半数で、通常参加する者の大部分である場合を「相当多数」として扱うとしています。
協賛企業とクラブが2者で組む企画は、この条件にはあたりにくいため、一般懸賞の上限で考えるのが基本です。他の事業者と共同して懸賞を行う場合は、別々の企画でも、共同した事業者がそれぞれ合算した額の景品を提供したことになります。クラブ側が用意するサイン入りグッズと自社が用意する景品を同じ応募で渡すなら、両方の額を足して上限と比べます。
(参考)「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準(PDF) – 消費者庁
総付景品は取引価額の10分の2まで
総付景品の最高額は、取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です。たとえば3,000円以上の購入者にもれなく渡す企画なら、計算すると景品は600円までになります。
購入額を問わずに購入者に渡す場合や、購入を条件にせず店への入店者に渡す場合の取引価額は、原則として100円とされています。この場合は最高額が200円になるので、クラブのグッズを先着でもれなく配る企画は、グッズの価格が200円に収まるかを先に確かめます。
(参考)「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準について(PDF) – 消費者庁
オープン懸賞は上限がない代わりに購入を応募の条件にしない
オープン懸賞で出せる景品の最高額は、かつては1,000万円とされていましたが、平成18年4月に撤廃され、いまは具体的な上限額の定めがありません。高額な観戦ツアーや選手との交流の体験を景品にしたいときは、オープン懸賞の形にするのが選択肢になります。
その代わり、応募の条件から購入や来店を外し、応募のしやすさも購入者と同じにする必要があります。応募の受付を店頭だけにしたり、商品のパッケージだけで告知したりすると、取引に付随する企画になりえます。告知の場所と応募の方法は、景品の額を決める前に固めておきます。
Q. 観戦チケットを景品にするとき、価額はいくらで数えますか?
同じ席のチケットが売られていれば、受け取る人がそれを普通に買うときの価格で数えます。売られていない招待券やサイン入りグッズは、入手した価格や似た品の市価などから、普通に買うとしたらいくらになるかを見積もって数えます。ペアで当たる企画では、1組2枚分の価格が当選者1人に渡す景品の額になる考え方です。
スポーツ観戦チケットを景品にするときは転売の禁止と主催者の許可を確かめる
協賛の特典で届く観戦チケットは、キャンペーンの景品として使いたくなる代表的な権利です。ただしチケットには、法律による転売の禁止と、主催者が定める観戦の約款の両方がかかります。社員や取引先に配る場合の配り方と税務はスポーツ観戦チケットの福利厚生と交際費で扱っているので、ここでは一般の人に景品として渡す場面に絞ります。
チケット不正転売禁止法は業として高く売る行為を禁じている
いわゆるチケット不正転売禁止法は、スポーツを含む興行の入場券のうち、条件を満たす「特定興行入場券」の不正転売を禁じています。特定興行入場券は、販売の際に興行主の同意のない有償の譲渡を禁じる旨が明示されて券面などに表示され、日時と場所、座席や入場資格者が指定され、購入者や入場資格者の氏名と連絡先を確認する措置がとられたものです。
禁じられる不正転売は、興行主の事前の同意を得ずに、業として、販売価格を超える価格で有償で譲渡することです。違反すると1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。企業が景品として無償で渡すこと自体はこの定義にあたりませんが、当選者がそのチケットを転売すれば、協賛先との関係を損ないます。応募要項で当選者の転売を禁じておくことが大切です。
(参考)特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律 – e-Gov法令検索
プロ野球の約款は主催者の許可のない第三者への譲渡を禁じている
主催者が定める約款は、法律より広い範囲で譲渡を制限していることがあります。プロ野球の試合観戦契約約款の第4条は、主催者の許可を得ずに、入場券を転売その他の方法で第三者に取得させることを禁じています。例外は、家族、友人、取引先などの特定の関係に基づき、営利を目的とせず、業として行われない場合です。
キャンペーンの当選者は、多くの場合こうした特定の関係にない一般の人です。協賛の特典で受け取ったチケットを懸賞の景品にするなら、主催者である球団やクラブに企画を伝え、許可を得てから告知するのが安全です。Jリーグやほかの競技でも、チケットの利用規約や協賛契約で使い道が決まっていることがあるので、契約書と規約の両方を確かめます。
応募要項に転売と譲渡の禁止と入場の条件を書く
主催者の許可が取れたら、当選者に守ってもらう条件を応募要項に書きます。書いておきたいのは、転売と第三者への譲渡の禁止、違反した場合に当選を取り消すこと、日時や座席の変更ができないこと、入場の際に主催者の観戦ルールに従うことです。氏名の登録が必要なチケットなら、当選者の氏名をクラブに伝える手順と、そのことへの同意の取り方も決めておきます(個人情報の扱いは後のセクションで説明します)。
Q. 当選者に渡した観戦チケットの転売は禁止できますか?
応募要項に転売や譲渡の禁止を書いておけば、当選者に守ってもらう条件にできます。プロ野球の試合観戦契約約款は、家族・友人・取引先などの特定の関係で営利を目的としない場合を除き、主催者の許可なく入場券を第三者に取得させることを禁じています。チケットを景品に使う前に、クラブや球団に企画を伝えて、許可と当選者に付ける条件を確かめてください。
キャンペーンでロゴや選手の肖像を使うときはリーグや球団に事前申請する
キャンペーンの告知物にクラブのロゴや選手の写真を載せるときは、協賛していても案件ごとに申請と承認が要ります。申請先と料金の考え方は、リーグや球団の規程で決まっています。
キャンペーンは報道以外の利用として申請し原則として使用料がかかる
Jリーグのプロパティ利用の案内は、企業や商品の宣伝、出版物などの宣伝告知、キャンペーン活動、商品など、営利目的で行う活動での肖像やロゴの利用を「報道以外の利用(商業利用含む)」としています。Jリーグへの事前申請が必要で、場合によっては使用できないことがあり、原則として商品化権料や映像利用料などがかかるとしています。
オリックス・バファローズも、企業や商品の宣伝告知やキャンペーン活動での肖像と商標の利用を報道以外の利用とし、原則として肖像権料や商品化権料が発生すると案内しています。申請書を球団に出し、内容の確認を受ける流れです。選手の肖像に払う料金の種類は肖像権の使用料とは、選手を起用した表現の確認はスポーツ選手の広告起用のチェック表で整理しています。
あわせて読みたいスポーツ団体のロゴ使用申請|協賛企業が承認を得る手順›
(参考)Jリーグのプロパティ利用について – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
(参考)プロパティ利用について – オリックス・バファローズ
会場でのチラシ配布やアンケートにも主催者の許可を取る
試合会場で応募用のチラシを配ったり、ブースでアンケートを取ったりするときも、主催者の許可が前提です。プロ野球の試合観戦契約約款の第8条は、主催者の許可を得ずに、物品販売、宣伝広告、アンケートやチラシの配布などを行うことを禁じています。
協賛の特典にブース出展やサンプリングが含まれていても、配る物や実施する場所、時間はクラブと事前にすり合わせます。応募をその場で受け付けるなら、受付の方法と景品の受け渡しの手順も、ブースの申し込みと一緒に伝えておきます。
スポンサーキャンペーンの進め方|企画から効果の記録まで

ここまでの確認を、キャンペーンの段取りに並べ直します。企画で景品と総額、応募の条件を決め、法務が景品の上限を、経理や決裁者が予算を確認します。そのうえでクラブにロゴや肖像の申請とチケット利用の許可を出し、承認を受けてから応募要項を公開して応募を受け付けます。最後に当選者へ景品を発送し、応募数などを記録します。申請の審査には日数がかかるので、告知を始めたい日から逆算して申請の時期を決めます。
企画書で景品と総額と応募の条件を決める
企画書には、目的、対象の商品、応募の条件、景品の内容と1つあたりの額、当選の数と景品の総額、実施の期間、告知の場所を書きます。応募の条件が決まれば、一般懸賞、総付景品、オープン懸賞のどれにあたるかが分かり、上限と比べられます。一般懸賞なら、売上予定総額の見込みもあわせて書いておくと、総額の2%と比べる根拠になります。判断に迷う企画は、法務の担当者や景品表示法に詳しい専門家に確認してから進めます。
応募要項に当選者の条件と個人情報の扱いを書く
応募要項には、応募の資格と期間、当選の発表方法、景品の内容、チケットの転売と譲渡の禁止などの条件に加えて、集めた個人情報の扱いを書きます。個人情報保護法は、本人から書面やウェブのフォームで直接個人情報を取得する場合、あらかじめ利用目的を明示することを求めています。
当選者の氏名をクラブに伝えてチケットを発券してもらうなど、集めた情報をほかの会社に渡す場合は、法律が定める例外にあたらない限り、あらかじめ本人の同意が要ります。応募フォームで同意を取る項目を用意し、個人情報の扱いは社内の担当部署に確認しておきます。
応募数と売上を記録して次の企画に生かす
キャンペーンが終わったら、応募数、そのうち新しく接点ができた人の数、景品と告知にかかった費用、購入を条件にした企画なら対象商品の売上を記録します。費用を応募数で割ると、1件の応募を得るのにかかった費用が出ます。たとえば景品と告知の費用が合わせて60万円で、応募が2,000件なら、計算すると1件あたり300円です。
売上は、実施した期間と、前年の同じ期間や実施前の同じ長さの期間を比べます。比べる数字は企画の段階で決め、実施前の数字を取っておきます。記録は次の協賛の更新で、キャンペーンの権利を続けるかを決める材料になります。
あわせて読みたいスポーツ協賛の報告書の書き方|スポンサー企業の社内報告の構成例›
Q. スポンサーキャンペーンの効果は何で測ればよいですか?
応募数だけでなく、新しく接点ができた応募者の割合と、1件の応募を得るのにかかった費用を合わせて見ます。購入を条件にした企画なら、対象商品の売上を実施前の同じ期間と比べます。何を測るかは企画の段階で決め、実施前の数字を取っておくことが大切です。
スポーツスポンサーのキャンペーン企画のまとめ
スポンサーのキャンペーンは、協賛の権利、景品表示法、チケットの規約、ロゴと肖像の申請の4つを企画の前に確かめておくと、告知の直前で止まらずに進められます。出典は本文の各セクションに記載しています。
- キャンペーンの権利が付く区分はクラブで違うので、契約書と特典一覧で確かめる
- 購入や来店を条件に抽選すると一般懸賞、もれなく渡すと総付景品、条件を付けないとオープン懸賞になる
- 一般懸賞は最高額が取引価額の20倍(上限10万円)、総額が売上予定総額の2%まで、総付景品は取引価額の10分の2(最低200円)まで
- 観戦チケットを景品にするときは主催者の許可を取り、応募要項で転売と譲渡を禁じる
- ロゴや肖像は事前に申請し、応募数と1件あたりの費用、売上の変化を記録する
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