Kリーグのスポンサー|現代やハナが持つ企業クラブとJリーグの違い

Kリーグのスポンサー|現代やハナが持つ企業クラブとJリーグの違い スポーツマーケティング

Kリーグのスポンサーは、リーグを運営する韓国プロサッカー連盟と契約するリーグの協賛と、各クラブと契約するクラブの協賛の2つに分かれています。リーグの協賛はタイトルスポンサーのハナ銀行、公式スポンサー9社、公式ライセンシー8社で、連盟の協賛収入は2025年に112億2,400万ウォンと収入全体の22.0%でした。クラブは企業グループが運営する企業クラブと、自治体の名前を冠した市民クラブ・道民クラブに分かれ、協賛の入り口と注意点が違います。

韓国での販売や採用を広げたい、韓国の取引先と一緒にサッカーを観る場をつくりたい。そう考えて調べ始めると、Kリーグの協賛は日本語の情報が少なく、誰と契約すれば何が使えるのかが見えにくいはずです。ここでは連盟とクラブの公式資料をもとに、Kリーグのスポンサーの仕組み、Jリーグとの違い、日本企業の関わり方と契約前に確かめることを整理します。

Kリーグのスポンサーはリーグとクラブの2つの窓口に分かれる

Kリーグでは、リーグ全体の協賛を韓国プロサッカー連盟が、クラブごとの協賛を各クラブが集めています。連盟のマーケティング規程は、タイトルスポンサーと公式スポンサーを集める権利をクラブが連盟に任せると定めています。2026年10月20日時点で、Kリーグ公式サイトのスポンサー欄に載っているリーグの協賛は次の3区分です。スポーツの協賛の種類そのものはスポーツスポンサーの基本で整理しています。

区分 企業・ブランド 数 主な権利
タイトルスポンサー ハナ銀行 1社 大会名に社名が入る。ユニフォーム左袖のリーグのパッチ、メインスタンド向かいの正面中央の看板2枠
公式スポンサー HD現代エレクトリック、EA SPORTS、セブンイレブン、アディダス、リンティー(링티)、東遠F&B、flex、クーパンプレイ、スポーツトト 9社 ゴール裏中央などの看板枠。全試合で公式スポンサーの試合球を使う
公式ライセンシー Panini、Sorare、セガ、TikTok、LG U+など 8社 リーグから名称やロゴの使用の許諾を受ける区分

出典:Kリーグ公式サイト「スポンサー」(2026年10月20日確認)、韓国プロサッカー連盟「マーケティング規程」(2026年6月17日改定)をもとに Human Soar 作成。企業名はスポンサー欄のロゴとリンク先で確認

どの区分も、金額は公表されていません。区分ごとに使える看板の位置や枠の数が規程で決まっており、同じ「Kリーグのスポンサー」でも見える場所が違います。

(参考)スポンサー(2026年10月20日確認) – Kリーグ公式サイト

ハナ銀行は2017年からKリーグのタイトルスポンサーを続けている

ハナ銀行とKリーグの関係は、2012年から2016年までのオールスター戦の後援から始まりました。2017年からはタイトルスポンサーとなり、2021年2月22日にはKリーグ1の開幕メディアデーで調印式を開いています。2026年のKリーグ1の大会要項でも、大会名は「ハナ銀行Kリーグ1 2026」と定められています。大会名に社名を入れる契約の考え方は冠スポンサーの解説にまとめています。

ハナ銀行は大会名を出すだけでなく、ファン向けの金融商品も出しています。2024年6月には、応援するクラブを選んで加入し、そのクラブが優勝すると年1%の優遇金利が付く「Kリーグ優勝積金」を発売しました。協賛を自社の商品と結びつけている例です。

(参考)K리그-하나은행, 22일(월) 타이틀 스폰서 조인식 진행(2021年2月22日) – 韓国プロサッカー連盟

(参考)K리그 타이틀 스폰서 하나은행, ‘K리그 우승 적금’, ‘하나원큐 축구Play’ 출시(2024年6月12日) – 韓国プロサッカー連盟

(参考)하나은행 K리그1 2026 대회요강 – Kリーグ公式サイト

公式スポンサー9社は看板と試合球の権利を持つ

公式スポンサーは、HD現代エレクトリック、EA SPORTS、セブンイレブン、アディダス、リンティー、東遠F&B、flex、クーパンプレイ、スポーツトトの9社です。マーケティング規程では、公式スポンサーの看板はメインスタンドから見てタイトルスポンサーの右の1枠、両ゴール裏の中央の2枠などに置くと決まっています。リーグの公式戦では公式スポンサーの試合球だけを使うことも定められており、2026年のKリーグ1の大会要項では、公式球は「CONEXT 26 PRO」と定められています。

大会ごとに冠の企業が変わることもあります。2026年のKリーグスーパーカップの大会要項では、協賛を集める権利は連盟が持ち、タイトルスポンサーはクーパンプレイと定められていました。

(参考)마케팅 규정(2026年6月17日改定) – 韓国プロサッカー連盟

(参考)하나은행 K리그1 2026 대회요강/2026 K리그 슈퍼컵 대회요강 – Kリーグ公式サイト

公式ライセンシー8社にはカードやゲームの企業が並ぶ

公式ライセンシーの欄には、トレーディングカードのPanini、セガ、TikTok、LG U+など8社のロゴが載っています。マーケティング規程では、リーグのロゴなどを使って商品をつくり売る権利は連盟に属し、連盟と1つのクラブの両方のロゴを使う場合は事前に書面で合意すると決めています。商品にリーグやクラブの名前を使いたい企業は、協賛とは別にこの商品化の許諾を確かめる必要があります。

(参考)スポンサー(2026年10月20日確認) – Kリーグ公式サイト

Q. Kリーグのタイトルスポンサーはどこですか?

ハナ銀行です。韓国プロサッカー連盟の発表によると、ハナ銀行は2017年からKリーグのタイトルスポンサーを務めています。2026年のKリーグ1の大会名は「ハナ銀行Kリーグ1 2026」で、社名が大会名に入っています。

Kリーグの協賛収入は2025年に112億ウォンで5年前の約1.9倍

韓国プロサッカー連盟は毎年、収入と支出の内訳を「経営公示」として公開しています。協賛に当たるのは「大会協賛金」と「公式後援金」の2つの科目で、2021年から2025年までの5年分を並べると次のとおりです。

年度 収入計 大会協賛金 公式後援金 協賛の合計 収入に占める割合
2021年 36,474 3,181 2,690 5,871 16.1%
2022年 36,976 3,181 4,291 7,472 20.2%
2023年 43,431 3,181 6,422 9,603 22.1%
2024年 45,751 3,181 7,233 10,414 22.8%
2025年 50,977 4,091 7,133 11,224 22.0%

単位:百万ウォン。出典:韓国プロサッカー連盟「K리그 경영공시」2021〜2025年度をもとに Human Soar 作成。協賛の合計と割合は大会協賛金と公式後援金を足して計算

協賛の合計は、2021年の58億7,100万ウォンから2025年の112億2,400万ウォンへ増えました。計算すると約1.9倍です。伸びたのは主に公式後援金で、26億9,000万ウォンから71億3,300万ウォンへ約2.7倍になりました。大会協賛金は2021年から2024年まで毎年31億8,100万ウォンで、2025年に40億9,100万ウォンになっています。

収入に占める協賛の割合は、2021年の16.1%から2023年以降は22%前後で推移しています。経営公示は科目ごとの合計だけを載せており、企業ごとの協賛額は分かりません。支出側には、クラブの広告使用料やプロモーションを含む「広告・マーケティング」が2025年に255億9,600万ウォン計上されており、集めたお金の一部がクラブへの支払いに回っていることも読み取れます。

(参考)경영공시(2021〜2025年度) – Kリーグ公式サイト

(参考)2025 K리그 경영공시 – 韓国プロサッカー連盟

(参考)2021 K리그 경영공시 – 韓国プロサッカー連盟

Jリーグと比べるとKリーグは放映権の比重が小さい

リーグ本体の収入に占める協賛の割合は、KリーグとJリーグでほとんど変わりません。2025年度の決算を並べると、違いは放映権と、スポーツくじにあたる体育振興投票券の比重に出ています。

項目 Kリーグ(韓国プロサッカー連盟) Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)
運営する団体 社団法人 公益社団法人
リーグのタイトル ハナ銀行(2017年から) 明治安田(タイトルパートナー)
2025年度の収入 509億7,700万ウォン 346億3,000万円
協賛の割合 22.0%(大会協賛金と公式後援金) 20.5%(協賛金収益)
放映権の割合 26.8%(中継権) 64.1%(公衆送信権料収益)
スポーツくじの収入 25.4%(体育振興投票券) 決算に独立した科目はない

出典:韓国プロサッカー連盟「2025 K리그 경영공시」、公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度決算について」(2026年3月24日)、Jリーグ公式サイト「パートナー」をもとに Human Soar 作成。割合はそれぞれの収入計をもとに計算。通貨が違うため金額どうしは比べていない

Jリーグは2025年度の経常収益346億3,000万円のうち、公衆送信権料収益が221億8,700万円を占めています。Kリーグは中継権136億7,700万ウォンと体育振興投票券129億2,900万ウォンがほぼ同じ規模で、収入の柱が3つに分かれています。協賛はどちらのリーグでも収入の約2割を担っており、リーグにとって欠かせない収入です。

Kリーグへの協賛を検討するときは、中継での露出だけでなく、ハナ銀行の積金のように試合会場やファン向けの企画と自社の商品を組み合わせられるかも見ておきます。

あわせて読みたいJリーグのパートナー契約|区分と協賛金の推移・企業の選び方›

(参考)2025 K리그 경영공시 – 韓国プロサッカー連盟

(参考)2025年度決算について(2026年3月24日) – 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ

(参考)J.LEAGUE Official Partners – Jリーグ公式サイト

Q. KリーグとJリーグのスポンサーは何が違いますか?

リーグ本体の収入に占める協賛の割合はほぼ同じで、違いは放映権の比重とクラブの成り立ちにあります。2025年度の協賛の割合は、Kリーグが22.0%、Jリーグが20.5%でした。一方、放映権の割合はKリーグが26.8%、Jリーグが64.1%と大きく離れています。

Kリーグのクラブは企業クラブと市民クラブで協賛の入り口が違う

Kリーグのクラブを運営する主体で分けた図(企業クラブの蔚山HD・大田ハナシチズン、市民・道民クラブの江原FC・FC安養・城南FC・金泉尚武)

Kリーグのクラブは、企業グループの法人が運営する企業クラブと、自治体の名前を冠した法人が運営する市民クラブ・道民クラブに大きく分かれます。2026年のKリーグ1は12クラブ、Kリーグ2は17クラブです。協賛の相談先はどちらもクラブの事務局ですが、運営する主体が違うため、協賛企業の集め方にも違いが出ています。

(参考)하나은행 K리그1 2026 대회요강 – Kリーグ公式サイト

(参考)スポンサー(2026年10月20日確認) – Kリーグ公式サイト

企業クラブは親会社のグループが運営する

大田ハナシチズンは、2020年にハナ金融グループがクラブを引き継いで企業クラブに転換し、運営法人は財団法人ハナ金融サッカー団です。リーグのタイトルスポンサーであるハナ銀行のグループが、クラブも持っていることになります。蔚山HDの運営法人はHD現代スポーツクラブです。

企業クラブに協賛するときに気をつけたいのが業種の重なりです。マーケティング規程は、クラブの協賛企業の看板はリーグのタイトルスポンサーや公式スポンサーと業種が重なってはいけないと定めています。例外は親会社の業種が重なる場合で、企業クラブの親会社に限っては、リーグの協賛企業と同じ業種でも看板を出せることになります。

(参考)연혁 – 大田ハナシチズン公式サイト

(参考)구단소개 – 蔚山HD FC公式サイト

(参考)마케팅 규정(2026年6月17日改定) – 韓国プロサッカー連盟

市民クラブと道民クラブは地元企業の協賛を集めている

FC安養の運営法人は財団法人安養市民プロサッカー団、金泉尚武は金泉市民プロサッカー団、江原FCは江原特別自治道民プロサッカー団です。江原FCの代表は、約6万8,000人の株主に言及しています。城南FCのオーナーは城南市長で、2026年8月には地元の産業団地の企業がクラブを支える「ビジネスクラブ」を本格的に動かし始めました。前年には9社が参加しています。

市民クラブでは、シーズン途中に胸の協賛企業が決まることもあります。忠北清州FCは2026年8月、建設会社の漢陽建設と2026年シーズンのメインスポンサー契約を結び、残りの期間はユニフォームの前面に同社の住宅ブランドを入れると発表しました。看板や電光掲示板での露出に加え、社員の観戦の特典も契約に入っています。

(参考)구단주 인사말 – FC安養公式サイト

(参考)구단주 인사말 – 金泉尚武公式サイト

(参考)인사말 – 江原FC公式サイト

(参考)성남하이테크밸리 기업들, 성남FC 후원 모임 ‘비즈니스클럽’ 본격 가동(2026年8月10日) – Kリーグ公式サイト

(参考)충북청주FC, ‘한양건설’과 2026시즌 메인스폰서 계약 체결(2026年8月10日) – Kリーグ公式サイト

Q. Kリーグの企業クラブと市民クラブは何が違いますか?

運営する主体が違います。企業クラブは大田ハナシチズンや蔚山HDのように企業グループの法人が運営し、市民クラブや道民クラブは自治体の名前を冠した法人が運営します。協賛の相談先はどちらもクラブの事務局で、リーグの協賛企業と業種が重ならないかを先に確かめる点も共通です。

日本企業とKリーグの関わり|ミズノは3クラブと用品で組んできた

KリーグとKリーグのクラブが公式に発表した内容から、日本企業の関わりを拾うと次のとおりです。いずれもユニフォームや用品、商品化といった、自社の商品と結びつく形の協賛です。

企業 相手 内容 時期
ミズノ(韓国ミズノ) 全南ドラゴンズ 公式用品後援契約。契約期間は2025年までの2年 2024年1月発表
ミズノ 忠南牙山FC プレミアムスポンサーとして2023年シーズンのユニフォームを制作 2023年2月発表
ミズノ 大邱FC 公式キットスポンサー。創立120周年に合わせたブランドデーを開催 2026年3月発表
セガ(SEGA Publishing Korea) 韓国プロサッカー連盟 公式ライセンシー欄にロゴを掲載 2026年10月時点

出典:Kリーグ公式サイトに掲載された各クラブの発表(2023年2月10日、2024年1月8日、2026年3月31日)、Kリーグ公式サイト「スポンサー」(2026年10月20日確認)をもとに Human Soar 作成

全南ドラゴンズとの契約は韓国ミズノが結んだ

全南ドラゴンズは2024年1月、韓国ミズノと公式用品後援契約を結んだと発表しました。発表によると、韓国ミズノは2013年に設立された現地法人で、クラブはホームの看板やSNSでミズノのブランドを発信するとしています。2025年7月には、ミズノと韓国のファッション企業ムシンサが協力した3rdユニフォームも発表されました。

大邱FCは2026年4月5日のホーム戦を、公式キットスポンサーであるミズノの創立120周年に合わせたブランドデーにしました。会場ではミズノのスパイクを試し履きできる場所や、ミズノの服を着た観客向けの催しを設けています。用品の提供にとどまらず、試合の日を丸ごと自社の販促の場にした例です。

ユニフォームに社名やロゴを入れる協賛の位置と金額の考え方は、サッカーのユニフォームスポンサーの記事で日本の例を中心にまとめています。

(参考)[전남] 2024년 용의 해! 미즈노 입고 재도약 도전!(2024年1月8日) – Kリーグ公式サイト

(参考)[대구] 대구FC, 5일(일) 김포전 ‘미즈노 브랜드데이’ 진행!(2026年3月31日) – Kリーグ公式サイト

(参考)[전남] ‘미즈노 X 무신사 콜라보’ 전남드래곤즈, 3rd 어센틱 유니폼 & 스페셜 클럽웨어 공개!(2025年7月17日) – Kリーグ公式サイト

(参考)[아산] 충남아산FC, 미즈노와 함께 한 2023시즌 유니폼 공개!(2023年2月10日) – Kリーグ公式サイト

Kリーグは東京で日本のファン向けの観戦会を開いている

韓国プロサッカー連盟は、海外のファンを増やし、現地のメディアとの協力や新しいビジネスの機会を探す催しとして、東京で観戦会を開いています。1回目は2025年5月で、2回目は2026年9月12日に新宿のスポーツパブで全北現代とFCソウルの試合を観戦しました。参加した約100人のうち、日本人のファンが約60%を占め、朝日新聞、共同通信、DAZNなどのメディアとJリーグの関係者も参加しています。

連盟は、観戦会を開く国を増やし、定例の催しにしていく考えを示しています。日本でKリーグを知る人が増えれば、日本の消費者に向けた発信にKリーグを使う意味も出てきます。

(参考)일본 도쿄에서 K리그1 전북-서울 경기 단체 관람.. 한국프로축구연맹, ‘인터내셔널 뷰잉 파티’ 개최(2026年8月10日) – 韓国プロサッカー連盟

(参考)두 번째 ‘K리그 데이 인터내셔널 뷰잉 파티’ 성료(2026年9月15日) – 韓国プロサッカー連盟

日本企業がKリーグに協賛する前に確かめる4つのこと

日本企業がKリーグに協賛する前に確かめる流れ(契約先を選ぶ、条件を詰める、支払いの前)を示した図

Kリーグへの協賛は、契約先を選ぶ段階、条件を詰める段階、支払いの前の段階で確かめることが分かれます。ここでは、契約の相手、権利が使える地域と言語、金額の根拠、税金の扱いの4つに絞って整理します。

リーグかクラブかで契約の相手と業種の決まりが変わる

リーグ全体の協賛は韓国プロサッカー連盟、クラブの協賛は各クラブが相手です。クラブと契約する場合は、リーグのタイトルスポンサーや公式スポンサーと業種が重ならないかを最初に確かめます。銀行、コンビニ、スポーツ用品、ゲームなどは、リーグの協賛企業がすでにいる業種です。業種を1社に絞る考え方は一業種一社の解説で整理しています。

あわせて、自社のどの法人が契約するかも決めておきます。全南ドラゴンズとミズノの例のように、韓国の現地法人が契約の当事者になれば、現地での看板やSNSの発信を現地の担当者が動かせます。日本の本社が契約する場合は、韓国語でのやり取りや現地での立ち会いを誰が担うかを決めておきます。

(参考)마케팅 규정(2026年6月17日改定) – 韓国プロサッカー連盟

権利が使える地域と日本語での発信を契約書に書く

マーケティング規程では、Kリーグの試合の中継の権利は、国内と海外のすべての地域、すべての媒体について連盟が持つと定めています。選手の名前や写真を使う権利は所属クラブが第三者に与えることができ、2クラブ以上や3人以上の選手をまとめて使う場合は連盟が与えます。試合の映像や選手の写真を日本の広告やSNSで使いたい場合は、誰から許可を得るのかが場面ごとに違います。

契約書には、ロゴや選手の写真を使える地域(韓国だけか、日本でも使えるか)、日本語での発信を認めるか、使える期間を書き込みます。規程はクラブに、権利を持たない企業による便乗の広告を防ぐ義務も課しています。権利のない表現を避ける考え方はアンブッシュマーケティングの記事が参考になります。

(参考)마케팅 규정(2026年6月17日改定) – 韓国プロサッカー連盟

金額は公表されていないので根拠を聞いて比べる

Kリーグの協賛は、リーグもクラブも企業ごとの金額を公表していません。連盟の経営公示で分かるのは科目ごとの合計だけです。見積もりを受けたら、看板の枠の数と位置、LED看板の表示時間、ユニフォームの位置、招待券の枚数など、金額の根拠になる中身を一覧で出してもらいます。

規程では、正面のLED看板は1枠あたり4分17秒、3面のLED看板は2分11秒の表示が基準です。こうした単位がそろえば、日本のクラブの公表料金と並べて比べることもできます。日本のクラブの公表額はスポーツスポンサー料の相場にまとめています。

(参考)마케팅 규정(2026年6月17日改定) – 韓国プロサッカー連盟

消費税と勘定科目の扱いを支払いの前に確かめる

国税庁によると、役務の提供は原則として、その役務が行われた場所で国内取引か国外取引かを判定し、国外取引には消費税がかかりません。韓国の競技場での看板の掲出は、この原則で判定する取引にあたると考えられます。ただし、インターネットを通じた広告の配信は、提供を受ける側の住所などで判定するとされています。SNSでの発信を含む契約は扱いが分かれる可能性があるため、契約の内容を税理士に確認します。

社内の会計処理では、広告宣伝費として扱うか、取引先の招待を含めて交際費として扱うかも決めておきます。考え方はスポンサー料の勘定科目の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたいスポーツスポンサー契約とは|企業が確かめる6項目と印紙・法律›

(参考)No.6210 国外取引 – 国税庁

Q. 日本企業がKリーグに協賛するにはどこに相談すればよいですか?

リーグ全体に協賛するなら韓国プロサッカー連盟、特定のクラブに協賛するならそのクラブの事務局が相手です。マーケティング規程では、タイトルスポンサーと公式スポンサーを集める権利は連盟が持っています。ミズノのように、韓国の現地法人が契約の当事者になっている例もあります。

Kリーグのスポンサーの仕組みのまとめ

Kリーグの協賛は、連盟と契約するか、クラブと契約するかで、使える権利も相談先も変わります。数値と出典は本文の各セクションに記載しています。

  • リーグの協賛はタイトルスポンサーのハナ銀行、公式スポンサー9社、公式ライセンシー8社の3区分
  • 連盟の協賛収入は2025年に112億2,400万ウォンで、収入の22.0%。5年前の約1.9倍
  • Jリーグと協賛の割合はほぼ同じで、違いは放映権の比重とクラブの成り立ち
  • クラブは企業クラブと市民・道民クラブに分かれ、どちらもリーグの協賛企業との業種の重なりを確かめる
  • 契約前に、契約する法人、使える地域と言語、金額の根拠、消費税の扱いを確かめる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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