プロ野球の収益は、球団ごとの一覧が公表されていないため、親会社の決算資料で確かめます。2025年度(2025年4月〜2026年3月)の営業収益は、阪神タイガースや阪神甲子園球場などを含む阪急阪神ホールディングスのスポーツ事業が571億円、横浜DeNAベイスターズを含むDeNAのスポーツ・スマートシティ事業が327億5,100万円、北海道日本ハムファイターズの本拠地・北海道ボールパークFビレッジでの事業をまとめた日本ハムのボールパーク事業が310億円でした。
収入の柱はチケット・広告・グッズ・飲食で、どれも主催試合に来る人の数に左右されます。売上の約7割はシーズン中の4〜9月に集まり、2025年度は阪神・日本ハムとも10〜3月が赤字でした。球団が赤字になった場合に親会社が補う支出は、1954年の国税庁の通達で広告宣伝費の性質を持つものとして扱われています。
球団への協賛や取引を考えるときに「この球団はどのくらい稼いでいて、経営は安定しているのか」を確かめたくても、決算書がどこにあるのか分からない。そんなときに使える公表資料と、数字の読み方をまとめます。
プロ野球の収益は親会社の決算資料で確かめる
プロ野球の12球団は、それぞれ株式会社が運営しています。日本野球機構(NPB)は機構自身の決算を公表していますが、Jリーグのように全球団の売上高や利益を並べた一覧は出していません。そのため球団の収益は、親会社が上場していればその決算資料から読み取ることになります。
2025年度の決算資料で球団を含む事業の売上高を分けて書いている例に、阪急阪神ホールディングス・ディー・エヌ・エー・日本ハムの3社があります。西武ホールディングスは埼玉西武ライオンズを伊豆箱根事業や近江事業と同じ「その他」の区分に入れていて、2026年3月期の「その他」の営業収益は546億66百万円でした。ライオンズの観客動員数の増加を増収の理由に挙げていますが、球団の金額は分けていません。
(参考)2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日) – 株式会社西武ホールディングス
NPBが公表しているのは機構自身の収支
NPBが公表している正味財産増減計算書では、2025年9月期(2024年10月〜2025年9月)の経常収益は75億5,558万4,134円で、そのうち事業収益が72億5,261万1,788円でした。前年度の61億2,624万2,714円から約23%増えています(計算値)。
NPBの事業報告書を見ると、機構が主催・運営するのは日本シリーズ、オールスターゲーム、フレッシュオールスターゲームなどです。シーズンの大半を占める公式戦について、機構は日程の編成や運営の管理を担っています。公式戦の入場料やグッズの売上がどれだけ球団に入っているかは、機構の決算からは読み取れません。
(参考)正味財産増減計算書(2024年10月1日~2025年9月30日) – 一般社団法人日本野球機構
(参考)2025年9月期事業報告書(2024年10月1日~2025年9月30日) – 一般社団法人日本野球機構
球団の赤字を親会社が補うと広告宣伝費として扱われる
「プロ野球の球団は親会社が赤字を補填している」と言われる背景には、国税庁が1954年8月10日に出した通達「職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について」があります。対象は、映画・新聞・地方鉄道などの事業を営む親会社が、子会社である球団に支出したお金です。
通達は、親会社が球団に支出した金銭のうち広告宣伝費の性質を持つ部分は、支出した年度の損金に算入するとしています。さらに、球団の野球事業から生じた欠損金を補てんするための支出は、その欠損金を限度に、特に弊害のない限り「広告宣伝費の性質を有するもの」として扱うと定めています。貸付金として経理していても、欠損の補てんにあたることが明らかなら損金に算入できます。
つまり親会社から見ると、球団は社名を広める広告の場でもあり、赤字の補てんも税務上は広告宣伝費として扱える仕組みです。どの球団がいくら補てんを受けているかは公表されていないので、個別の球団について断定はできません。実際の処理は顧問の税理士に確かめてください。
(参考)職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について(昭和29年8月10日 直法1-147) – 国税庁
Jリーグのクラブにも2020年に同じ考え方が示された
同じ考え方は、サッカーのJリーグにも示されています。Jリーグは2020年5月11日、新型コロナウイルスで試合ができない中、親会社がクラブの赤字を補填した場合の扱いを国税庁に照会しました。照会では、クラブの欠損金を補填するための支出を、欠損金を限度に広告宣伝費の性質を有するものとして扱うことなどを求めています。
国税庁は2020年5月14日、照会の事実関係を前提とする限り「貴見のとおりで差し支えありません」と回答しました。関係する法令として、1954年の野球団の通達が挙げられています。親会社がクラブの事業から広告の効果を受けているという前提は、プロ野球とJリーグで共通しています。
(参考)Jリーグの会員クラブに対して支出した広告宣伝費等の税務上の取扱いについて(令和2年5月14日回答) – 国税庁
Q. プロ野球の球団の赤字は親会社が補填しているのですか?
球団ごとの補填額は公表されていません。税務上は、親会社が球団の野球事業の欠損金を補てんするために支出した金銭は、その欠損金を限度に広告宣伝費の性質を有するものとして扱うと、国税庁が1954年の通達で示しています。
プロ野球球団の収益ランキング|公表された3社の数字(2025年度)
親会社の決算資料で、球団を含む事業の売上高が分かる3社を、2025年度の金額が大きい順に並べました。どの社も決算期は4月〜翌3月で、期間はそろっています。ただし事業に含まれる範囲は社ごとに違い、阪神は甲子園球場、DeNAは横浜スタジアムやバスケットボール・サッカーのクラブも含みます。
| 順位 | 球団 | 親会社が公表している事業 | 事業に含まれるもの | 売上高(2025年度) | 利益(2025年度) | 前年度との比較 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 阪神タイガース | 阪急阪神ホールディングス「スポーツ事業」 | 阪神タイガース、阪神甲子園球場など(阪神電気鉄道・阪神タイガースほか) | 571億円 | 営業利益124億円 | 前年度482億円から88億円増 |
| 2 | 横浜DeNAベイスターズ | ディー・エヌ・エー「スポーツ・スマートシティ事業」 | 横浜DeNAベイスターズ、横浜スタジアム、川崎ブレイブサンダース、SC相模原、BASEGATE横浜関内の一部など | 327億5,100万円 | セグメント利益17億9,500万円 | 売上収益は前年度比4.5%増 |
| 3 | 北海道日本ハムファイターズ | 日本ハム「ボールパーク事業」 | 北海道ボールパークFビレッジでのプロ野球公式戦やイベントなど | 310億円 | 事業利益54億円 | 前年度から41億円増(15.0%増) |
出典:阪急阪神ホールディングス「2025年度(2026年3月期)決算補足説明資料」、ディー・エヌ・エー「2026年3月期 決算短信」、日本ハム「2026年3月期 第4四半期 決算説明会資料」をもとに Human Soar 作成。球団を含む事業の売上高を親会社が決算資料で示している3社を掲載。会計基準と事業の範囲が社ごとに違うため、順位は規模の目安
1位の阪神のスポーツ事業は、DeNAの事業の約1.7倍、日本ハムの事業の約1.8倍の規模です(計算値)。利益率で見ると、阪神が約22%、日本ハムが約17%、DeNAが約5%になります。DeNAは、ベイスターズは好調だった一方で、2026年3月に開業した「BASEGATE横浜関内」の直営施設に向けて費用が先に出たと説明しています。
3社とも2025年度は伸びています。阪急阪神ホールディングスは阪神タイガースのリーグ優勝を、DeNAはベイスターズの主催試合の観客動員数が球団史上最多を更新したことを、日本ハムはプロ野球公式戦の観客動員数が過去最高だったことを、増収の理由に挙げています。球団別の入場者数はプロ野球の入場者数の記事で比べています。
(参考)2025年度(2026年3月期)決算補足説明資料(2026年5月15日) – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)決算説明会資料 2025年度(2026年3月期)(2026年5月21日) – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日) – 株式会社ディー・エヌ・エー
(参考)FY2026/3 4Q 決算説明会資料(2026年5月8日) – 日本ハム株式会社
プロ野球の収益構造|チケット・広告・グッズ・飲食が柱

球団の収入は、主催試合を中心にいくつもの相手から入ってきます。日本ハムは2025年度のボールパーク事業の増収について、観客動員数が過去最高になり「チケット・広告・グッズ・飲食収入が伸長」したと説明しています。来場者からはチケット代と飲食代、協賛企業からは広告料、グッズの購入者からは商品代が入り、赤字が出れば親会社が補う場合もある、という形です。
主催試合の入場者数が4つの収入をまとめて動かす
4つの収入は別々に見えますが、どれも主催試合の入場者数に連動します。来場者が増えればチケットと飲食の売上が増え、球場で買われるグッズも増え、球場の看板を見る人も増えます。阪急阪神ホールディングスも2024年度の説明で、阪神タイガースの公式戦主催試合数と入場人員が増え、グッズ販売も伸びたと書いています。
日本ハムによると、北海道ボールパークFビレッジの来場者は2025年度に466万人で、そのうちプロ野球公式戦が227万人、それ以外が239万人でした。前年度は合計432万人(公式戦208万人)です。試合のない日やオフシーズンにもイベントで人を集め、球場を1年中使う工夫をしています。
プロ野球全体でも入場者は増えています。NPBの発表では、2026年のセ・パ公式戦の入場者数は27,177,247人で、1試合平均は31,675人でした。阪急阪神ホールディングスは今後の成長について、グッズやeコマース、動画配信にも力を入れると説明しています。サッカーのJリーグはクラブごとのスポンサー収入を公表していて、クラブ別の金額はJリーグのスポンサー収入ランキングで比べられます。
(参考)セ・パ公式戦全日程終了 入場者数は3年連続で過去最多を更新(2026年10月9日) – 一般社団法人日本野球機構
(参考)2025年度(2026年3月期)決算説明会における質疑応答(2026年5月) – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)2024年度(2025年3月期)決算補足説明資料(2025年5月14日) – 阪急阪神ホールディングス株式会社
売上の約7割はシーズン中の4〜9月に集まる
収益の割合を時期で見ると、偏りがはっきり出ます。阪急阪神ホールディングスのスポーツ事業は、2025年度の4〜9月(第2四半期累計)の営業収益が382億円で、通期571億円の約67%でした。営業利益は4〜9月で157億円あり、通期の124億円を上回っています。差し引くと、10〜3月は約33億円の赤字だった計算です。
日本ハムのボールパーク事業も同じ形で、2025年度の売上高310億円のうち上期が228億円(約74%)、下期が82億円でした。事業利益は上期91億円に対して下期は36億円の赤字です。10〜3月は、クライマックスシリーズや日本シリーズを除けば公式戦のない時期にあたります。
シーズン中に1年分の利益を稼ぎ、オフに一部を使う。この形を知っておくと、協賛の時期や支払いの交渉で球団の事情をくみ取りやすくなります。
(参考)2025年度(2026年3月期)第2四半期(中間期)決算補足説明資料 – 阪急阪神ホールディングス株式会社
Q. プロ野球の収益の内訳の割合は分かりますか?
収入の種類ごとの割合は、阪神・DeNA・日本ハムの決算資料には載っていません。分かるのは時期による割合で、2025年度は阪神のスポーツ事業の売上の約67%、日本ハムのボールパーク事業の売上の約74%が4〜9月の上期に計上されています。
プロ野球の収益の推移|阪神のスポーツ事業は2020年度の211億円から571億円へ
球団を含む事業の数字を7年分たどれるのは、阪急阪神ホールディングスのスポーツ事業です。各年度の決算補足説明資料に載った業態別の数字を並べると、新型コロナウイルスの影響と、チームの成績が売上を大きく動かしていることが分かります。
| 年度 | 営業収益 | 営業利益 | 前年度との差 | 資料での説明 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度 | 395億円 | 65億円 | — | 第4四半期に新型コロナウイルスの影響 |
| 2020年度 | 211億円 | △25億円 | △183億円 | 新型コロナウイルスで公式戦主催試合が減少 |
| 2021年度 | 294億円 | 37億円 | +83億円 | 前期比で公式戦主催試合数が増加 |
| 2022年度 | 384億円 | 74億円 | +89億円 | 公式戦主催試合等の入場人員が増加 |
| 2023年度 | 503億円 | 112億円 | +120億円 | 18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本シリーズ制覇 |
| 2024年度 | 482億円 | 101億円 | △21億円 | 入場人員・グッズは伸びたが前期の特需の反動 |
| 2025年度 | 571億円 | 124億円 | +88億円 | リーグ優勝 |
出典:阪急阪神ホールディングス「決算補足説明資料」(2020年度〜2025年度の各年度版)の業態別内訳をもとに Human Soar 作成。年度は4月〜翌3月。2019年度の数字は2020年度版の前年度の欄による。前年度との差は各年度版の比較増減(億円未満の端数があるため、表の金額の差と1億円違う年がある)
2020年度は新型コロナウイルスで公式戦の主催試合が減り、営業収益は211億円、営業利益は25億円の赤字でした。そこから入場者の回復とともに伸び、18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本シリーズ制覇を果たした2023年度に503億円へ増えています。2025年度はリーグ優勝で571億円となり、2019年度の395億円の約1.4倍です(計算値)。
2024年度は入場人員とグッズ販売が伸びたのに、前年度の優勝に伴う特需の反動で減収・減益になりました。阪急阪神ホールディングスは2026年度の予想でも、前期のプロ野球関連の特需がなくなることを減益の要因に挙げています。球団の収益は入場者の土台に、優勝の年の上乗せが重なる形で動きます。
ほかの2社も伸びています。DeNAのスポーツ事業は2025年3月期に売上収益313億300万円で前年度比14.8%増でした。2024年の日本シリーズ優勝などで、コロナの影響を受ける前の2020年3月期と比べても成長したと説明しています。日本ハムのボールパーク事業は2025年度に前年度から15.0%増えました。収益の全体像はプロスポーツクラブの収益構造の記事でも整理しています。
(参考)2019年度(2020年3月期)決算補足説明資料(2020年5月14日) – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)2020年度(2021年3月期)決算補足説明資料(2021年5月14日) – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)2021年度(2022年3月期)決算補足説明資料 – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)2022年度(2023年3月期)決算補足説明資料 – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)2023年度(2024年3月期)決算補足説明資料(2024年5月14日) – 阪急阪神ホールディングス株式会社
(参考)2025年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2025年5月9日) – 株式会社ディー・エヌ・エー
12球団の年俸合計|支出の大きさから球団の規模を読む
球団の売上が分からなくても、大きな支出である選手の年俸は12球団すべてで分かります。日本プロ野球選手会の2026年度の調査では、支配下公示選手713人の年俸合計は371億8,667万円、平均は5,216万円でした。年俸合計が多い順に並べています。
| 順位 | 球団 | 人数 | 平均年俸 | 年俸合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 福岡ソフトバンクホークス | 57人 | 8,706万円 | 49億6,250万円 |
| 2 | 阪神タイガース | 61人 | 7,789万円 | 47億5,100万円 |
| 3 | 読売ジャイアンツ | 56人 | 6,880万円 | 38億5,280万円 |
| 4 | オリックス・バファローズ | 58人 | 5,406万円 | 31億3,550万円 |
| 5 | 北海道日本ハムファイターズ | 59人 | 4,964万円 | 29億2,850万円 |
| 6 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 63人 | 4,419万円 | 27億8,367万円 |
| 7 | 埼玉西武ライオンズ | 60人 | 4,333万円 | 25億9,970万円 |
| 8 | 広島東洋カープ | 62人 | 4,139万円 | 25億6,620万円 |
| 9 | 千葉ロッテマリーンズ | 61人 | 4,041万円 | 24億6,510万円 |
| 10 | 東京ヤクルトスワローズ | 61人 | 3,991万円 | 24億3,430万円 |
| 11 | 中日ドラゴンズ | 59人 | 4,102万円 | 24億2,010万円 |
| 12 | 横浜DeNAベイスターズ | 56人 | 4,084万円 | 22億8,730万円 |
出典:日本プロ野球選手会「2026年度 年俸調査結果(支配下公示及びポジション別)」をもとに Human Soar 作成。年俸合計の順に並べ替えた
1位の福岡ソフトバンクホークスは49億6,250万円で、12位の横浜DeNAベイスターズの22億8,730万円の約2.2倍です(計算値)。上位2球団は、平均年俸でも1位と2位にあたります。
売上が分かる3社と比べると、2026年度の年俸合計は2025年度の事業の売上高の約8%(阪神)、約7%(DeNA)、約9%(日本ハム)にあたります(計算値)。事業の売上には球場や他競技の収入も入り、期間も1年ずれるので、あくまで規模の目安です。それでも、年俸の大きい球団ほど大きな売上が必要になることは読み取れます。
(参考)2026年度 年俸調査結果(支配下公示及びポジション別) – 日本プロ野球選手会
Q. プロ野球選手の年俸は球団の収益のどのくらいですか?
目安としては1割に届かない水準です。2026年度の年俸合計を2025年度の事業の売上高で割ると、阪神が約8%、DeNAが約7%、日本ハムが約9%になります。ただし事業の売上には球場や他競技の収入も含まれ、期間も1年ずれているため、比べるときは条件の違いに注意が必要です。
企業がプロ野球球団の収益を確かめる3つの手順

協賛や取引を考える球団の収益は、親会社が上場しているかどうかで確かめ方が変わります。次の3つの手順で、手に入る数字から規模と安定性を読み取ります。
上場する親会社の決算説明資料で事業別の数字を見る
親会社が上場していれば、まず決算短信と決算説明資料を開きます。阪急阪神ホールディングスの「業態別内訳」、DeNAの「セグメント情報」、日本ハムの「ボールパーク事業」のように、球団を含む事業の売上と利益が載っていることがあります。半期や四半期の資料もあわせて見ると、シーズン中とオフの差まで分かります。
注意したいのは、事業の範囲です。球場や他の競技のクラブを含む数字を、球団単体の売上と読み違えないようにします。範囲は決算短信の「事業等のリスク」やセグメントの説明に書かれています。
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非上場なら決算公告で貸借対照表を見る
親会社が上場していない球団は、会社法の決算公告で確かめます。会社法第440条は、株式会社に定時株主総会の後、貸借対照表を公告するよう定めていて、大会社(資本金5億円以上か負債200億円以上)は損益計算書も公告します。公告の方法は官報・日刊新聞紙・電子公告のどれかを定款で決めます。
官報や新聞で公告する会社は、貸借対照表の要旨で足ります。大会社でない球団の場合、売上高は分からず、分かるのは純資産や利益剰余金など財務の厚みです。協賛の相手としての安定性を見るには、それでも役に立ちます。協賛金の会計処理はスポンサー料の勘定科目の記事で確かめられます。
(参考)会社法(平成17年法律第86号)第2条第6号・第440条・第939条 – e-Gov法令検索
入場者数と年俸で規模を補う
売上が分からない球団は、NPBが公表する入場者数と、選手会が公表する年俸で規模を補います。入場者数は4つの収入すべての土台で、年俸合計は球団が1年にかける主要な費用です。2つが大きい球団ほど、事業の規模も大きいと見当をつけられます。
そのうえで、協賛の料金そのものは球団の公表資料で確かめます。球場の看板の料金はスタジアム広告の料金の記事で、球団や競技をまたいだ相場は下の記事でまとめています。
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Q. 協賛先の球団の経営状態はどう確かめればよいですか?
親会社が上場していれば、決算短信や決算説明資料で球団を含む事業の売上と利益を確かめます。非上場なら、会社法に基づく決算公告で貸借対照表を確かめ、入場者数や年俸の公表値で規模を補います。
プロ野球の収益のまとめ
プロ野球の収益は球団ごとには公表されず、親会社の決算資料と公的な公表値を組み合わせて読み取ります。スポーツ業界全体の課題は日本スポーツ業界の8つの課題で整理しています。この記事の要点を振り返ります(出典は本文の各セクションに記載)。
- 2025年度の球団を含む事業の売上高は、阪神のスポーツ事業571億円、DeNAのスポーツ・スマートシティ事業327億5,100万円、日本ハムのボールパーク事業310億円
- 収入の柱はチケット・広告・グッズ・飲食で、どれも主催試合の入場者数に連動する
- 阪神と日本ハムでは売上の約7割が4〜9月に集まり、2025年度は10〜3月が赤字だった
- 親会社による球団の赤字の補てんは、1954年の国税庁の通達で広告宣伝費の性質を持つものとして扱われる
- 売上が分からない球団は、決算公告・入場者数・年俸合計で規模と安定性を補って読む
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