メッシの食事|チョコと炭酸をやめて嘔吐が止まった

メッシの食事|チョコと炭酸をやめて嘔吐が止まった スポーツアスリート

メッシの食事は、長年のチョコレートと炭酸飲料の習慣をやめ、魚・肉・サラダ中心に切り替えたことで大きく変わりました。本人は2018年のインタビューで、この食事改善が試合中の嘔吐を止めたと語っています。この記事では、本人発言と報道が確認できる範囲で、メッシが食事から外したもの、選んだもの、インテル・マイアミ期の管理のしかたを時系列で整理します。

あわせて、メッシのリカバリー術で扱った回復面の取り組みとつなげて、食事が競技生活の中でどんな位置にあるのかも見ていきます。

メッシの食事改善|嘔吐を止めたのはチョコと炭酸をやめたこと

メッシの食事改善の前後(チョコレート・炭酸飲料を除いて嘔吐が止まった)

メッシの食事改善のきっかけは、試合中に何度も嘔吐する姿がカメラに映ったことでした。2018年3月、メッシはアルゼンチンのLa Cornisa TVで原因を語り、SI(英国の90Minの転載)が伝えています。

本人は「長い間ひどい食事をしてきた。チョコレート、炭酸飲料、何もかもだ。それが試合中に吐いた原因だった」と述べています(英語の発言を筆者が訳したもの)。そのうえで、炭酸飲料とチョコレートをやめたことで嘔吐が止まり、体調も良くなったと報じられています。

ここで押さえたいのは、これが本人の説明である点です。嘔吐の医学的な原因が確定した、という報道ではありません。確かなのは、日常的に口にしていた甘いものと炭酸を外し、食事の内容を組み替えたと本人が語っていることです。

(参考)SI「Lionel Messi reveals what dietary change brought end to on-pitch vomiting problem」(2018年3月20日)

Q. メッシの食事改善のきっかけは何ですか?

試合中に何度も嘔吐したことがきっかけです。本人は2018年のインタビューで、長年のチョコレートと炭酸飲料の習慣が原因だったと語り、それらをやめて嘔吐が止まったと述べています。

メッシが食事から外したものと残したもの|制限の内容

メッシの食事制限の中心は、チョコレートと炭酸飲料です。報道ベースでは、揚げ物やドゥルセ・デ・レチェ(練乳を煮詰めたアルゼンチンの甘いペースト)なども控える対象に挙がり、代わりに魚、鶏肉、味付けしていない米、果物、野菜が加わったと伝えられています。下の表は、時期ごとの食事の状況を本人発言と報道に分けて並べたものです。

時期 食事の状況 根拠の種類
2010年代前半 チョコレート・炭酸飲料・ピザなどを日常的に摂っていた 本人発言(2018年)とSIの解説
2014年W杯後 イタリア人医師ポーザー氏に相談し、糖・精製小麦・炭酸を減らして魚・鶏肉・野菜・果物・オリーブ油へ El Universo紙・SIの報道
2018年 「魚、肉、サラダを食べる。すべて整えられ、管理されている」と本人が説明 本人発言(SI)
2023年 アサード、ミラネサ、パスタ、甘いものを挙げ「少なめにしているが、たまに食べたくなる」と説明 本人発言(Goal)

出典:SI(2018年3月20日)、El Universo(2022年9月24日)、Goal(2023年9月17日)の報道をもとに、時期別に筆者が整理。表の「根拠の種類」は発言か報道かの区別を示す。

表で見ると、2018年の「整った食事」と2023年の「好きなものも少し食べる」は、同じ本人の発言でも立ち位置が異なります。厳格な除去が一直線に続いているのではなく、現役を長く続ける中で柔軟さも加わった、と読めます。

体重面では、Univisionが2018年6月28日付で、ポーザー氏の食事法の後に約3.5kgの減量があったと伝えています(伝聞の記述で、本人の確認は得られていません)。

(参考)Univision「El nutricionista de Messi reveló los 6 componentes clave」(2018年6月28日)

メッシの食事法の基本|栄養士ポーザー氏の5つの柱と根拠の位置づけ

メッシの食事法の土台を作ったとされるのが、イタリア人医師ジュリアーノ・ポーザー氏です。アルゼンチンのEl Gráfico誌(2016年4月28日)で、ポーザー氏自身が食事の考え方を語っています。

同誌によると、ポーザー氏が挙げた「燃料」の5つの柱は、水、良質なオリーブ油、全粒穀物、新鮮な有機の果物と野菜、ナッツ類と種子です。糖分は筋肉にとって最悪だと述べ、精製小麦と過剰な塩を避ける方針も語っています。

ただし、この方法は応用キネシオロジーという検査法を用いたと同誌が伝えており、El Universo紙も、糖や精製粉が筋肉を害するという主張に科学的根拠は示されていないと注記しています。食事法は、あくまで本人側の主張として読むのが適切です。

(参考)El Gráfico「La dieta de Messi: su médico contó los detalles」(2016年4月28日)

(参考)El Universo「La dieta que salvó a Leo Messi de los vómitos」(2022年9月24日)

メッシの食事メニュー|公表されている内容と家庭料理

メッシの食事メニューのうち、一次情報として確認できるのは本人が口にした料理名と、バルセロナ公式が紹介した好物のレシピです。毎日の献立や摂取カロリーは公表されていません。

SIが紹介したバルセロナ公式のお気に入りレシピは、ローストチキンと根菜の料理で、オリーブ油30g、じゃがいも700〜800g、鶏もも4本を200℃で焼く内容です。インテル・マイアミ期の2023年9月には、本人が「食事はとてもシンプル。アサード、ミラネサ、パスタ、チョコレート、ドゥルセ・デ・レチェ、アイス」と好きな食べ物を挙げています。

2014年前後の厳格な除去食と比べ、現在の本人の説明は「好きなものを少なめに」という調整型に見えます。ただしこれも本人の語りであり、日々の実際の量は分かっていません。

(参考)SI「Lionel Messi diet: What the soccer superstar eats」

(参考)Goal「Inter Miami: Lionel Messi reveals home life quirks, picks favourite foods」(2023年9月17日)

Q. メッシの食事メニューは公表されていますか?

1日の献立やカロリーは公表されていません。確認できるのは、本人が挙げた「魚、肉、サラダ」「アサード、パスタ、甘いもの」といった料理名と、バルセロナ公式が紹介したローストチキンのレシピ程度です。

メッシの食事管理|インテル・マイアミ期は「少なめ」が基準

メッシの食事の時期別の変化(2010年代前半から2023年まで)

メッシの食事管理は、年齢とともに「禁止」から「量の調整」へ軸足が動いてきました。上の図は、本文で確認できた4つの時期を並べたものです。

インテル・マイアミのチーム栄養士ダニエラ・ララ氏は、2024年4月のMiami Heraldで、チームの少なくとも半数がマテ茶を飲むと語っています。マテ茶1杯のカフェインは約80mg、エネルギーは12〜15kcalとされ、チームでは日常の飲み物として定着しているようです(メッシ個人の摂取量ではなく、チーム全体の傾向です)。

年齢を重ねても競技水準を保つ背景はメッシ38歳でW杯決勝の記事でも扱っています。食事だけでなく、睡眠や負荷管理との組み合わせで見ると全体像が分かります。

(参考)Miami Herald(AOL転載)「The backstory behind the yerba mate drink」(2024年4月19日)

Q. メッシは今も厳しい食事制限をしていますか?

本人の最近の説明では「食事はシンプルで、好きなものを少なめにしている」という調整型です。2014年前後の厳格な除去食とは異なり、アサードやパスタ、甘いものも食べると語っています。

メッシの食事から学べる法|たんぱく質と間食を見直す目安

メッシの食事改善から一般の運動愛好家が学べるのは、特別な食材ではなく「日常的に摂る甘いものと飲み物を見直す」という順番です。そのうえで、運動量に合わせたたんぱく質の目安を持っておくと、食事の組み立てが楽になります。

国際スポーツ栄養学会(ISSN)の2017年の見解では、運動する人の大半はたんぱく質を1日あたり体重1kgにつき1.4〜2.0gで十分とされ、1回の摂取は体重1kgあたり0.25g(または20〜40g)、約3〜4時間おきに分けるのが望ましいと示されています。体重70kgの人なら、1日98〜140gが目安になる計算です(筆者の計算例)。

国立スポーツ科学センター(JISS)の総説では、日本人アスリートのたんぱく質摂取は平均で体重1kgあたり約1.6g(男性1.8g、女性1.5g)と報告されています。試合の間隔が短いときの急速な回復には、炭水化物を1時間あたり体重1kgにつき1.0〜1.2g摂る目安も示されています。

(参考)ISSN position stand: protein and exercise(2017年、PubMed)

(参考)JISS 亀井・川原「日本のアスリートの栄養管理」

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Q. アスリートのたんぱく質は1日どのくらい必要ですか?

運動する人の大半は体重1kgあたり1.4〜2.0gが目安です(ISSN、2017年)。体重70kgなら98〜140gで、1回20〜40gを3〜4時間おきに分けて摂ると取り入れやすくなります。

メッシの食事のまとめ

本人発言と報道で確認できたメッシの食事の要点は次のとおりです。

  • きっかけは試合中の嘔吐で、本人は長年のチョコレートと炭酸飲料が原因だったと語っています(2018年)。
  • 食事改善では、炭酸・チョコレートなどを外し、魚・鶏肉・野菜・果物・オリーブ油などを選んだと報じられています。
  • 栄養士ポーザー氏の食事法は本人側の主張であり、科学的根拠が示されたものではありません。
  • 献立やカロリーは公表されておらず、2023年の本人説明は「好きなものを少なめに」という調整型です。
  • 一般の運動愛好家は、甘いものと飲み物を見直したうえで、体重1kgあたり1.4〜2.0gのたんぱく質を目安にできます。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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