山本由伸投手のトレーニングは、ウエイトに頼らず、BCエクササイズ、ブリッジ、やり投げといった「体の使い方を整える種目」を軸にした方法です。本人はTarzanのインタビューで、ウエイトトレーニングはやらないと語っています。道具としては、やり投げ用の器具「フレーチャ」が報じられています。
ただし、種目の回数や頻度、1週間のメニューを本人や球団が詳しく公表した資料は確認できませんでした。本記事では、方法、やり投げ、道具、メニュー、動画の5点を、媒体と掲載日がわかる報道に絞って整理します。
山本由伸のトレーニングはウエイトに頼らず動きを整える方法が軸
全体像を先に示すと、山本投手の取り組みは「筋肉を大きくする」よりも「立つ・歩く・走る・投げるといった動きの質を取り戻す」ことに寄っています。確認できた要素を、出典つきで一覧にしました。
| 要素 | 内容(報道ベース) | 出典 |
|---|---|---|
| BCエクササイズ | ウエイトに頼らず、立つ・歩く・走るなど身体本来の動きを取り戻す狙い | SPREAD(2026年3月23日) |
| ストロー呼吸法 | BCエクササイズの種目例として、ストローを使った呼吸法が挙げられている | SPREAD(同上) |
| ブリッジ | 地道なメニューの代表例。2025年10月には試合前に球場でブリッジする様子も報道 | Tarzan Web/東スポWEB |
| やり投げ | 2017年オフに着手。2024年3月のソウルでの調整日にも実施 | 日刊ゲンダイDIGITAL/BASEBALL KING |
| 壁当て・キャッチボール・ランニング | 2024年3月19日の調整日の内容(キャッチボールは約30球) | BASEBALL KING(2024年3月19日) |
| ウエイト | 本人は「やらない」と語る。米メディアは「ほとんど行わない」と報道 | Tarzan Web/東スポWEB |
出典:表内の各媒体の記事をもとに作成。種目の回数・頻度・重量は公表資料で確認できなかったため記載していません。
次のセクションから、方法、やり投げ、道具、メニューを順に見ていきます。
山本由伸のトレーニング方法|BCエクササイズと矢田氏との出会い
方法の出発点は、オリックス1年目の肘の不安です。SPREADの記事によると、高校時代から右肘に痛みがあり、1年目の春に知人の紹介で矢田修氏と出会いました。矢田氏から「フルモデルチェンジが必要」と助言され、氏が確立した「BCエクササイズ」に取り組むことを決めたと伝えられています。
1年目のオフには2カ月間、矢田氏のもとでトレーニングに集中し、2年目には体の使い方とフォームが変わりました。Number Webの記事で、本人は部分ごとの意識ではなく「“体全部で1つ”という感じ」だと説明しています。矢田氏は、釣り竿にたとえて全身を強靭なロッドのようにすることを目指すと解説しています。
Tarzanのインタビューでは、まっすぐ立つ練習、骨盤や胸郭の動き、軸を保つ姿勢など、体の基礎機能の改善から始めたと語っています。一方で、トレーニングの具体的な内容を聞かれても多くを語らない場面があることも、Number Webは伝えています。そのため、種目の詳細は報道の断片をつなぐ形でしか知ることができません。
(参考)山本由伸らトップアスリートやドジャースを支える矢田修(BCエクササイズ) – SPREAD(Neo Sports Insight、2026年3月23日)
(参考)山本由伸の体の使い方に関する記事 – Number Web(文藝春秋、2021年4月28日)
(参考)山本由伸(野球)「ウェイトトレーニングはやらない」 – Tarzan Web(マガジンハウス、2022年6月24日)
Q. 山本由伸はウエイトトレーニングをしますか
本人はTarzanのインタビューで、ウエイトトレーニングはやらないと語っています。米メディアも、ウエイトはほとんど行わず、ストレッチや自重トレーニングで可動域を高めていると伝えています(東スポWEB、2025年10月14日)。
山本由伸のやり投げと道具|フレーチャは400gで長さ73.5cm
やり投げは、山本投手のトレーニングで最も特徴的な種目です。日刊ゲンダイDIGITALによると、1年目のオフに「ジャベリックスロー」というやり投げのような練習に取り組み、故障しにくい投げ方への変更と体づくりをキャンプインまでに両立させました。周囲からは「変えすぎだ」と反対されたものの、貫いたといいます。
道具については、文春オンライン(2022年3月19日)が「フレーチャ」を紹介しています。矢田氏らが開発した器具で、重さ400g、長さ73.5cmです。前身のジャベリックススロー用器具(ターボジャブ、300g・70cm)より野球に近づけた設計とされ、2021年7月の発売以降、山本投手も使っています。
本人も、やり投げをすれば投球がうまくなるわけではないと述べています。目的は投げ方そのものの練習ではなく、全身を連動させる感覚を確認する手段、と読み取れます。ドジャース加入後も、チームメートのB・ミラー投手が日本での練習を続けていると話したとSPREADが伝えており(2024年3月10日)、やり投げは続いているようです。
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(参考)山本由伸のオフのトレーニングに関する記事 – 日刊ゲンダイDIGITAL
(参考)文春野球コラム オープン戦2022(中島大輔) – 文春オンライン(文藝春秋、2022年3月19日)
(参考)ドジャース・ミラーが語る山本由伸のやり投げ – SPREAD(2024年3月10日)
(参考)MLB公式がドジャース山本由伸のトレーニング映像を紹介 – SPREAD(2024年10月15日)
Q. 山本由伸のやり投げとは何ですか
1年目のオフに取り組んだ「ジャベリックススロー」に由来する練習で、現在は重さ400g・長さ73.5cmの器具「フレーチャ」を全身で投げる形が報じられています。投げ方と体づくりを確認する目的とされ、やり投げをすれば投球がうまくなるわけではないとも本人は述べています。
Q. 山本由伸のトレーニング動画はありますか
MLB公式Xが2024年10月14日(日本時間15日)に、フレーチャを全身で投げる山本投手の映像を紹介したとSPREADが報じています。記事経由で確認した情報で、原投稿そのものは確認できていません。
山本由伸のトレーニングメニュー|登板前後の調整日の中身
調整日のメニューは、ランニング、やり投げ、壁当て、軽いキャッチボールの組み合わせです。2024年3月19日、ソウルでの開幕シリーズ前の調整日は、ランニング、やり投げトレーニング、壁当て、約30球のキャッチボールで、本人は「順調に、集中してできています」と話しました(BASEBALL KING)。
2025年10月には、試合前に球場のコンコースの壁際でブリッジをして後ろへ回転し、立ち上がる様子が報じられました(東スポWEB)。2026年5月には、登板前日にエンゼルスタジアムのベンチ裏の通路で、マットの上に裸足でシャドーピッチングをしていたとデイリースポーツが伝えています。いずれも場所を選ばず、道具を使わずにできる内容です。
FRaU(講談社)の記事によると、矢田氏のサポートは2017年のプロ1年目から8年間続いています。本人はワールドシリーズ第3戦の救援登板について、19歳のころは何でもない試合で投げた後に約10日間投げられなかったものの、練習を重ね、完投の2日後にも投げられる体になったと会見で語りました。「何年も練習してきた」というのが本人の説明です。
同じ投手の怪我予防に関心がある人は、戸郷翔征の肩肘ケア戦略も読んでみてください。バットを使った別の練習法は吉田正尚のトレーニングにあります。
(参考)山本由伸、ソウルでの調整(2024年3月19日) – BASEBALL KING
(参考)山本由伸の試合前ブリッジに関する記事(2025年10月14日) – 東スポWEB(東京スポーツ新聞社)
(参考)山本由伸のワールドシリーズ登板に関する会見記事(2025年11月5日) – FRaU(講談社)
(参考)山本由伸、登板前日の調整(2026年5月19日) – デイリースポーツ online
山本由伸のトレーニングと成績の歩み|年別の変化

取り組みと成績を年表にすると、1年目のオフの体づくりから、3年連続の投手四冠、メジャー移籍までが一本の流れで見えます。SPREADの記事は、2019年(プロ3年目)に防御率1.95で最優秀防御率を獲得し、2021年から3年連続で最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率の投手四冠を達成したことを、BCエクササイズ開始後の成績として紹介しています。
ただし、トレーニングと成績の因果関係は、記事の見方であり、検証されたものではありません。成績は球団の戦力、対戦相手、コンディションなど複数の要因で決まります。ここでは「取り組みを続けた期間と成績が重なっている」という事実の範囲にとどめます。
(参考)山本由伸らトップアスリートやドジャースを支える矢田修(BCエクササイズ) – SPREAD(Neo Sports Insight、2026年3月23日)
山本由伸のトレーニングを真似する前に確認したいこと
一般の人が山本投手の種目を真似するときは、まず一般向けの運動指針を土台にします。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に対し、筋力トレーニングを週2〜3日、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことを目安に示しています。これは一般成人の健康づくりの目安で、投手向けではありません。
青少年の場合は、投球数にも気をつけます。日本高等学校野球連盟が掲載する医学会の提言の抜粋では、高校生の全力投球数の上限は1日100球・週500球、中学生は1日70球・週350球とされています。やり投げのような練習を取り入れる場合も、指導者や医師と相談して頻度を決めてください。
トレーニング以外では、食事も重視しています。Tarzanのインタビューで山本投手は、約2年前から調理師と栄養士に3食を用意してもらうようにして疲労回復が早まったと感じており、「食事の大切さをすごく感じましたね」と話しています。他のアスリートのコンディショニングの考え方は、一流アスリートのコンディショニング完全ガイドにまとめています。
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(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(成人版) – 厚生労働省
(参考)投手の障害予防に関する提言の抜粋 – 日本高等学校野球連盟(掲載PDF)
Q. 山本由伸のトレーニングは一般の人も真似できますか
動きを整える種目は一般の人にも取り入れやすい一方、種目の回数や頻度は公表されていません。厚生労働省の運動ガイドを土台にして、無理のない範囲で始め、痛みがある場合は医師に相談してください。
山本由伸のトレーニングから持ち帰る要点
ここまでの内容を、取り入れ方の観点で振り返ります。
- 方法の軸は、ウエイトに頼らず、呼吸、ブリッジ、やり投げで動きの質を整えることです。
- 道具のフレーチャは重さ400g・長さ73.5cmで、全身の連動を確認する手段として使われています。
- 調整日のメニューは、ランニング、壁当て、約30球のキャッチボールなど、場所を選ばない内容です。
- 成績との因果は検証されておらず、取り入れるときは公的な運動指針と専門家の助言を土台にします。
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