ゴルフの市場規模は、ゴルフ場の延べ利用者数で見ると2025年に約8,761万人でした。利用者は2年続けて少しずつ減っていますが、経済産業省の統計で調査対象のゴルフ場を見ると、利用者1人あたりの売上は2019年の約9,871円から2024年の約10,178円に上がっています。人数で見れば横ばいから減少、単価で見れば上昇というのが、いまの日本のゴルフ市場の姿です。
取引先との接待や社内コンペの予算を組もうとしたとき、あるいはゴルフ関連の事業に手を出すか考えるとき、「そもそもゴルフ人口は減っているのか」が気になる場面は多いはずです。ここでは、ゴルフ場利用税と国の統計から確かめられる数字だけを使って、利用者数と売上の推移、市場規模の目安、そして企業がゴルフとどう関わるかを整理します。
ゴルフ場の市場規模|延べ利用者は年間約8,761万人
ゴルフ場の延べ利用者数は、2025年が約8,761万人で、2023年の約8,979万人から約218万人減りました。この数字は、日本ゴルフ場経営者協会がゴルフ場利用税の納付状況をもとにまとめている月別の速報値を、1年分合計したものです。
| 年 | 課税の利用者 | 非課税の利用者 | 合計 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 6,831万5,962人 | 2,147万7,345人 | 8,979万3,307人 | ― |
| 2024年 | 6,703万9,570人 | 2,085万4,036人 | 8,789万3,606人 | 約2.1%減 |
| 2025年 | 6,693万4,261人 | 2,067万1,844人 | 8,760万6,105人 | 約0.3%減 |
出典:日本ゴルフ場経営者協会「月別全国ゴルフ場利用者数(速報値)」をもとに Human Soar 作成。各月の全国計を1〜12月で合計した本記事の計算値。2023年・2024年は翌年の公表資料に載る前年同月の値を使用。2025年は速報値
(参考)月別全国ゴルフ場利用者数(速報値) – 一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会
ゴルフ場利用税の納付から数えた全国の利用者数
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場を利用した人が1日ごとに負担する都道府県の税金です。新潟県の案内によると、税額は利用者1人につき1日400円〜1,200円で、ホール数と利用料金に応じて決まります。ゴルフ場の経営者が利用料金と一緒に受け取り、県に納める仕組みです。
納める額は利用者1人ずつで決まるので、この税の納付記録から、全国のゴルフ場が延べ何人に使われたかが分かります。アンケートから推計した数字ではなく、納付の記録をもとにしている点が、市場の大きさを見るうえでの強みです。なお、県に納められた税の10分の7は、ゴルフ場のある市町村に交付されます。
利用者の約4分の1は70歳以上などの非課税の利用
2025年の延べ利用者のうち、非課税の利用は約2,067万人で、全体の約23.6%を占めました(本記事の計算値)。大阪府の案内では、18歳未満、70歳以上、障がいのある方、国民スポーツ大会の選手、学校の教育活動としての利用などが非課税になります。数のうえで大きいのは70歳以上の利用です。
日本ゴルフ場経営者協会は2025年12月分の速報で、非課税の利用者が2か月続けて減ったことにふれ、団塊の世代がすべて75歳以上になったことの影響が数字に出始めていると説明しています。シニア層に支えられてきたゴルフ場の利用が、これから先も同じように続くとは限らない点は押さえておきたいところです。
(参考)月別全国ゴルフ場利用者数(速報値) – 一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会
Q. ゴルフ場の利用者数は年間何人ですか?
2025年は延べ約8,761万人です。日本ゴルフ場経営者協会がゴルフ場利用税の納付をもとに公表している月別の速報値を、1月から12月まで合計した本記事の計算値です。同じ方法で数えると2023年は約8,979万人、2024年は約8,789万人で、2年続けて減っています。
ゴルフ場の売上高の推移|コロナ後に1人あたりの売上が上がった
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査で調査対象のゴルフ場を見ると、2024年の売上高は1,049億53百万円、利用者は1,031万1,555人でした。売上高は2023年の1,057億77百万円がこの6年間で最も大きく、1人あたりの売上は2024年まで上がり続けています。
| 年 | 売上高 | 利用者数 | 1人あたり売上 |
|---|---|---|---|
| 2019年 | 917億58百万円 | 929万6,106人 | 9,871円 |
| 2020年 | 798億92百万円 | 891万2,524人 | 8,964円 |
| 2021年 | 944億27百万円 | 1,025万7,560人 | 9,206円 |
| 2022年 | 1,020億14百万円 | 1,053万1,189人 | 9,687円 |
| 2023年 | 1,057億77百万円 | 1,050万4,644人 | 10,070円 |
| 2024年 | 1,049億53百万円 | 1,031万1,555人 | 10,178円 |
出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」長期データ(ゴルフ場)をもとに Human Soar 作成。調査対象のゴルフ場の合計で、全国の総額ではない。2020年7月分から調査対象が追加されているため、前後で単純には比べられない。1人あたり売上は本記事の計算値
この統計は全国すべてのゴルフ場ではなく、調査の対象になったゴルフ場の合計です。そのため金額そのものを「日本のゴルフ場の市場規模」と読むのではなく、増えたか減ったか、1人あたりいくら使っているかという動きを見るのに使います。
(参考)特定サービス産業動態統計調査 長期データ – 経済産業省(e-Stat)
利用料金の収入は2019年から約21%増えた
売上のうち利用料金の収入は、2019年の617億76百万円から2024年の749億61百万円へ、約21.3%増えました(本記事の計算値)。利用者数の伸びは約10.9%なので、利用料金の伸びのほうが大きく、1回あたりのプレー料金が上がっていることがうかがえます。
ただし2020年7月分から調査対象のゴルフ場が追加されているため、この増え方には対象が増えた分も含まれます。2021年から2024年のように、追加後の年どうしで比べても1人あたりの売上は約9,206円から約10,178円に上がっています。
(参考)特定サービス産業動態統計調査 長期データ – 経済産業省(e-Stat)
キャディフィは減り食堂・売店の売上は戻った
同じ統計で中身を見ると、キャディフィは2019年の147億3百万円から2024年の126億14百万円へ約14.2%減りました。キャディを付けずに回るセルフプレーが広がっていることと合う動きです。一方で食堂・売店(直営のもの)の売上は、152億79百万円から173億79百万円へ約13.7%増えています。
コロナ禍の2020年は食堂・売店の売上が122億64百万円まで落ち込みましたが、2024年はそれを大きく上回りました。プレーの料金だけでなく、ゴルフ場の中で使うお金も増えていることが分かります。
(参考)特定サービス産業動態統計調査 長期データ – 経済産業省(e-Stat)
Q. ゴルフ場の売上は伸びていますか?
1人あたりの売上は伸びています。経済産業省の統計で調査対象のゴルフ場を見ると、利用者1人あたりの売上は2019年の約9,871円から2024年の約10,178円に上がりました。一方で売上の合計は2023年の1,057億77百万円をピークに、2024年は1,049億53百万円とわずかに下がっています。
ゴルフ場の市場規模を金額で見る目安|約9,000億円

ゴルフ場の市場規模を金額でつかむなら、延べ利用者数に1人あたりの売上を掛けると目安が出ます。2024年の延べ利用者約8,789万人に、経済産業省の統計から出した1人あたり売上約10,178円を掛けると、約8,946億円になります(本記事の計算値)。
同じ方法で2023年を計算すると約9,042億円です。利用者が減った分だけ、単価が上がっても全体の金額はわずかに小さくなっています。
(参考)月別全国ゴルフ場利用者数(速報値) – 一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会
(参考)特定サービス産業動態統計調査 長期データ – 経済産業省(e-Stat)
この試算の前提と使い方
1人あたり売上は調査対象のゴルフ場の平均なので、全国のゴルフ場の平均と同じとは限りません。料金の高いゴルフ場が対象に多ければ、試算は実際より大きく出ます。そのため約9,000億円は「桁と方向をつかむための目安」として使い、事業計画の数字には自社で集めた地域の料金や利用者数を重ねてください。
スポーツ産業全体の中でゴルフがどのくらいの大きさかを見たいときは、日本のスポーツ産業の市場規模の推移とあわせて読むと位置づけが分かります。
ゴルフ練習場はコロナ禍で伸びて落ち着いた
同じ統計で調査対象のゴルフ練習場を見ると、売上高は2019年の291億3百万円から2021年の368億40百万円へ約26.6%増えました。近場で気軽に出かけられる練習場は、コロナ禍で真っ先に人が戻った場所でした。
その後は落ち着き、2024年の売上高は329億75百万円、利用者は2,175万3,968人です。2021年の2,506万8,816人からは減りましたが、2019年の1,950万2,580人より多い水準を保っています。
(参考)特定サービス産業動態統計調査 長期データ – 経済産業省(e-Stat)
Q. ゴルフの市場規模は日本と世界でどう比べればよいですか?
比べるときは、何を数えた金額かと対象の年をそろえることが先です。世界の市場規模は調査会社ごとに用品を含むかどうかなどの定義が違い、同じ年でも数字が大きく変わります。日本については、利用者数や1人あたりの売上のように公的な統計で確かめられる数字から見ていくと、判断を誤りにくくなります。
企業のゴルフ利用|法人会員権・接待・社内コンペの扱い

企業がゴルフにお金を出す場面は、法人会員権の購入、取引先との接待、社員向けのコンペの大きく3つです。同じゴルフでも、誰のために何に使ったかで税務上の扱いが変わるので、市場の動きとあわせて押さえておきます。
法人会員権の入会金は資産に計上する
国税庁のタックスアンサーによると、法人会員として入会した場合の入会金は資産に計上し、償却はできません。退会して入会金が返ってこない場合は、返ってこない部分を退会した事業年度の損金にできます。記名式の法人会員で、名義人の役員や社員が業務と関係なく使っている場合は、その人への給与になります。
年会費や年決めのロッカー料は、入会金を資産に計上していれば交際費になります。経済産業省の統計で調査対象のゴルフ場を見ると、2024年の利用者のうち会員は296万2,790人で、全体の約28.7%でした(本記事の計算値)。2019年の約28.9%とほぼ同じで、会員の利用が全体の3割弱という構成は変わっていません。
(参考)No.5381 ゴルフクラブの入会金と会費の取扱い – 国税庁
(参考)特定サービス産業動態統計調査 長期データ – 経済産業省(e-Stat)
取引先との接待ゴルフは交際費になる
取引先とプレーするための費用は、業務に必要なものと認められれば交際費です。交際費は原則として損金になりませんが、期末の資本金が1億円以下などの法人は、年800万円までの定額控除か、飲食の費用の50%のどちらかを選べます。資本金が100億円を超える法人は全額が損金になりません。
接待ゴルフを続けるか見直すときは、プレー料金の上昇も考えに入れておきます。1人あたりの売上が上がっている以上、同じ回数の接待でも年間の費用は増えていきます。
(参考)No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算 – 国税庁
社内コンペを福利厚生にするには条件がある
国税庁は、もっぱら従業員の慰安のために行う運動会や旅行などの費用を交際費から除くとしています。社内のゴルフコンペを福利厚生費として扱えるかは、参加できる社員の範囲や費用の額によって判断が分かれるので、事前に顧問の税理士に確認してください。
あわせて読みたいゴルフは福利厚生費になる?|社内コンペ・接待・会員権の税務›
(参考)No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算 – 国税庁
Q. 法人会員権の入会金は経費になりますか?
法人会員として入会した場合の入会金は、経費ではなく資産に計上します。国税庁によると資産に計上した入会金は償却できませんが、退会して返還されない部分は退会した事業年度の損金になります。個々の処理は顧問の税理士に確認してください。
ゴルフ関連事業で企業が見るべき3つの変化
ここまでの数字から、ゴルフに関わる事業を考える企業が押さえたい変化は3つあります。どれも利用者数と売上の統計から読み取れる動きです。
シニア層の利用が減り始めている
延べ利用者の約4分の1を占める非課税の利用は、2023年の約2,148万人から2025年の約2,067万人に減りました(本記事の計算値)。シニア層に頼ったままでは利用者は減っていくので、平日に若い世代や働く世代を呼び込む企画が、ゴルフ場とその取引先の課題になります。
ゴルフ場の運営会社の動きは、ゴルフ場業界の再編と主要10社で整理しています。
(参考)月別全国ゴルフ場利用者数(速報値) – 一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会
練習の場は屋外から屋内へ広がっている
練習場の利用者はコロナ禍で増えたあと減りましたが、2019年より多い水準を保っています。気軽に始めたい人の受け皿として、屋内のシミュレーターゴルフも選択肢に入ってきました。オフィスや福利厚生の施設に置く企業もあります。
あわせて読みたいゴルフシミュレーター10社比較|法人導入とFC開業の視点›
単価の上昇で飲食や物販に売上の伸びしろがある
1人あたりの売上が上がり、食堂・売店の売上も戻っていることは、ゴルフ場の中での飲食や物販に伸びしろがあることを示しています。用品の分野でも、法人向けの記念品やコンペの賞品の需要があります。メーカーごとの法人向けの対応はゴルフクラブの会社12社で比べています。
ゴルフに限らず、スポーツ業界全体が抱える課題と成長の方向は日本スポーツ業界の8つの課題にまとめています。
ゴルフの市場規模のまとめ
ゴルフの市場は、人数で見ると少しずつ減り、単価で見ると上がっている市場です。出典は本文の各セクションに記載しています。
- ゴルフ場の延べ利用者は2025年に約8,761万人で、2023年から2年続けて減った
- 調査対象のゴルフ場では、利用者1人あたりの売上が2019年の約9,871円から2024年の約10,178円に上がった
- 延べ利用者数と1人あたり売上を掛けると、ゴルフ場の市場規模の目安は約9,000億円になる
- 法人会員権の入会金は資産、接待ゴルフは交際費になり、社内コンペは条件しだいで扱いが変わる
- シニア層の利用の減少、屋内での練習の広がり、単価の上昇が、関連事業を考える企業の見どころになる
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