自治体×スポーツ地方創生の取り組み事例|企業連携のヒント

自治体スポーツ地方創生の取り組み事例 スポーツビジネス

「地域貢献の一環でスポーツを活用したいが、何から始めればいいか分からない」という悩みを持つ地域事業・CSR担当者は多いのではないでしょうか。

この記事では、自治体とスポーツを軸にした地方創生の背景から、実際の連携事例、そして企業が取り組みを成功させるためのポイントまでを紹介します。

自治体がスポーツで地方創生を目指す背景

人口減少や地域経済の縮小が課題となるなか、スポーツを核にした地域活性化に取り組む自治体が増えています。スタジアムやアリーナ、大会イベントは一時的な集客だけでなく、継続的な関係人口の創出につながる資源として注目されています。

特に、プロスポーツチームやアーバンスポーツなど地域に根ざしたコンテンツを持つ自治体は、単独では実現しにくい大規模な取り組みを企業と連携することで実現しやすくなります。

スポーツ庁も全国の自治体の取り組み事例集を公開しており、地域スポーツコミッションの設立や民間企業との連携による地域活性化の動きを後押ししています。

(参考)事例集・全国の取組紹介 – スポーツ庁

自治体×企業連携で広がる地方創生の主な手法(3パターン)

自治体とスポーツを軸に連携する手法は、大きく3つのパターンに整理できます。企業側の予算規模や地域との関わり方に応じて、適した手法を選ぶことが重要です。

手法 内容
地域スポーツコミッションへの参画 自治体主導の推進組織に企業として参画し、施設整備や大会誘致を支援する
既存プロスポーツチームとの協働 地元チームの活動を通じて地域の子どもや住民との接点を作る
アーバンスポーツ・新規イベントの立ち上げ スケートボードなど新しい競技を軸に、若年層の来訪を促す施設・大会を作る

表:自治体×企業連携の主な手法

①地域スポーツコミッションへの参画

地域スポーツコミッションは、自治体・スポーツ団体・企業が一体となって地域活性化を推進する組織です。企業は資金提供だけでなく、企画立案やノウハウの提供という形でも参画できます。

②既存プロスポーツチームとの協働

地元にプロスポーツチームがある地域では、既存の集客力やブランド力を活用した連携がしやすくなります。地域住民との接点づくりや、子ども向けのスポーツ教室運営など、CSR活動として取り組みやすい形態です。

③アーバンスポーツ・新規イベントの立ち上げ

既存の資源が少ない地域では、スケートボードなどの新しい競技を核にした施設整備から始めるケースもあります。若年層の来訪を促す効果が期待でき、企業にとっても新しい顧客層との接点になり得ます。

実際の取り組み事例に学ぶポイント

ここでは、スポーツ庁の事例集で紹介されている取り組みをもとに、企業連携のヒントを紹介します。

①茨城県笠間市:アーバンスポーツで来場者1万6千人

茨城県笠間市は「スケートボードのまち」を掲げ、スポーツ企業も参加するスポーツコミッションを立ち上げて計画的な施設整備を進めました。その結果、年間約1万6,000人の来場者を集めるまでに成長しています。企業が単なる資金提供にとどまらず、施設設計や運営ノウハウの面でも関わったことが成功要因の一つとされています。

②広島県:プロスポーツチームを核にした地域活性化

広島県は2020年にスポーツコミッションを設立し、市町村への支援や企画立案を通じて、県内のプロスポーツチームを活用した地域活性化を進めています。自治体が旗振り役となり、企業や地元チームを巻き込む座組みを作った点が特徴です。

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③連携を成功させる共通点

これらの事例に共通するのは、自治体・企業・スポーツ団体のいずれか一者だけが主導するのではなく、役割分担を明確にした座組みを作っている点です。企業側は「何を提供できるか」を早い段階で具体化しておくことで、自治体側との協議がスムーズに進みやすくなります。

企業がCSR視点で参加するメリット

自治体との連携は、地域貢献という側面だけでなく、企業側にも実利的なメリットがあります。近年はESG経営や人的資本経営の観点から、地域社会への貢献実績を統合報告書などで開示する企業も増えており、スポーツを軸にした地域連携はその具体的な実績として示しやすいテーマの一つです。

①地域住民との継続的な接点づくり

単発の広告出稿と異なり、継続的なイベント運営や施設整備への関与は、地域住民との長期的な関係構築につながります。採用活動や地域内での認知度向上にも波及しやすい取り組みです。

特に地方拠点を持つ企業にとっては、従業員が地域行事に関わることで、社内のエンゲージメント向上にもつながりやすいというメリットもあります。

②スタジアム・アリーナ関連事業への展開

地域活性化の核となるスタジアムやアリーナは、飲食・宿泊・小売など周辺産業を巻き込む収益機会にもなり得ます。関連事業を持つ企業にとっては、地域連携を入り口に新たな事業機会を見出せる可能性もあります。

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すぐ使えるアクションプラン:自治体連携の始め方3ステップ

自治体との連携を検討し始めた企業担当者向けに、最初の一歩を踏み出すための3ステップを紹介します。

1地域のスポーツ資源を調べる:候補地域に地域スポーツコミッションやプロチームがあるか確認する
2提供できるリソースを言語化する:資金・人材・ノウハウのうち何を提供できるかを整理する
3自治体窓口に相談する:地域振興課やスポーツ振興課に問い合わせ、連携の可能性を探る

まとめ

  • スポーツを核にした地方創生は、地域スポーツコミッションなど複数の連携手法がある
  • 笠間市や広島県など、自治体主導で企業を巻き込む座組みが成功事例に共通する
  • 企業側は提供できるリソースを早期に言語化することが連携をスムーズにする鍵
  • スタジアム・アリーナ関連事業など、新たな事業機会にもつながり得る

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業にてメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。
現在は独立し、About The New株式会社を設立。教育コンテンツの研究・開発を行い、スポーツの知見を活かした人材育成プログラムを提供している。

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