アスリートに学ぶ遠征時の睡眠マネジメント

アスリートに学ぶ遠征時の睡眠管理 ウェルビーイング

出張やホテル泊が続くと、なかなか寝つけなかったり、眠りが浅く感じたりすることはありませんか。遠征を繰り返しながらパフォーマンスを維持するアスリートたちは、環境が変わっても睡眠の質を落とさない工夫を積み重ねています。この記事では、アスリートの睡眠管理の考え方と、ビジネスパーソンにも応用できるポイントを紹介します。

遠征時に睡眠の質が落ちる理由

普段と違う場所で眠ると、多くの人が寝つきの悪さや中途覚醒を経験します。まずはその理由を整理し、対策のヒントを探っていきましょう。

環境変化がもたらす影響

枕やマットレスの硬さ、部屋の温度・湿度、遮光の程度など、宿泊先の環境は自宅と大きく異なります。身体は「いつもと違う」という情報を無意識に感知し、警戒レベルを上げてしまうため、深い眠りに入りにくくなるのです。特に初日の睡眠が浅くなりやすい傾向があり、これは動物としての防衛反応に近いものだと考えられています。アスリートはこの傾向を理解したうえで、環境を少しでも自宅に近づける工夫を取り入れています。

移動疲労と時差の影響

長距離移動そのものの身体的疲労に加え、時差がある遠征では体内時計のズレも睡眠の質に影響します。体内時計は光を浴びるタイミングによって調整されるため、移動先での光の浴び方をコントロールすることが重要です。移動による疲労を「早く眠れる」と捉えてしまいがちですが、実際には神経が興奮した状態が続き、かえって寝つきが悪くなるケースも少なくありません。

アスリートが実践する睡眠管理の工夫

トップアスリートたちは、遠征先でも自分なりの睡眠儀式を持っていることが多いです。ここでは代表的な3つの工夫を表で整理し、それぞれをH3で解説します。

工夫 内容
持ち運べる寝具 枕カバーやアイマスクなど自分専用の睡眠アイテム
就寝前ルーティン 場所が変わっても同じ手順で入眠準備をする
光のコントロール 朝の日光を意識的に浴びて体内時計を調整

表1:アスリートが遠征先で実践する睡眠管理の工夫

持ち運べる寝具で「いつもの感覚」を再現

使い慣れた枕カバーやアイマスク、耳栓など、小さくても自分の睡眠環境を再現できるアイテムを持ち歩くアスリートは少なくありません。嗅覚や触覚といった感覚的な「いつもの感じ」が、脳に安心感を与え、寝つきをスムーズにする効果が期待できます。荷物が増えすぎない範囲で、自分にとって効果を感じるアイテムを1〜2個選んでおくのがポイントです。

就寝前ルーティンを固定する

場所が変わっても、ストレッチや読書など同じ手順で入眠準備を行うことで、身体に「そろそろ眠る時間だ」というサインを送ることができます。ルーティンの内容自体よりも、毎回同じ順番で行うことが重要とされています。旅先でも再現しやすいシンプルな手順にしておくことで、継続しやすくなります。

朝の光を活用した体内時計の調整

時差や生活リズムのズレを整えるには、朝起きてすぐに日光を浴びることが効果的とされています。カーテンを開けて自然光を取り入れる、朝の軽い散歩を取り入れるといった工夫だけでも、体内時計の調整に役立ちます。逆に夜遅くまでスマートフォンの強い光を浴びると、この調整が乱れやすくなるため注意が必要です。

あわせて読みたい稲見萌寧の睡眠管理|女子ゴルフ賞金女王を支えた遠征地でも熟睡する方法

ビジネスパーソンにも応用できるポイント

アスリートの睡眠管理の考え方は、出張の多いビジネスパーソンにもそのまま応用できます。ここでは実践しやすい2つのポイントを紹介します。

出張前後の準備を整える

出発前に十分な睡眠を確保しておくことは、移動疲労を軽減するうえで基本になります。また出張中は、いつもより就寝時刻を意識的に早めに設定し、翌朝の予定に余裕を持たせることも有効です。帰宅後もすぐに通常のリズムに戻そうとせず、1〜2日かけて徐々に調整する意識を持つと、体調を崩しにくくなります。

睡眠環境を「持ち運ぶ」発想を持つ

ホテルの部屋の温度設定を自宅に近づける、耳栓やアイマスクを常備するなど、環境を自分に合わせる工夫はビジネス出張でも実践できます。特に静けさや暗さは睡眠の質に直結するため、荷物に加えておく価値があります。小さな準備の積み重ねが、出張先でのパフォーマンス維持につながります。

(参考)適切な睡眠時間・高い睡眠休養感(健康づくりのための睡眠ガイド2023) – 厚生労働省

あわせて読みたいスポーツ・運動で睡眠の質を高める|企業の睡眠改善施策と効果

今日からできるアクションプラン

次の出張から実践できる、睡眠管理の3ステップを紹介します。

1持ち運び用の睡眠アイテムを準備する:アイマスク・耳栓など1〜2点をカバンに常備する
2就寝前ルーティンを1つ決める:ストレッチや読書など、出張先でも再現できる手順を決めておく
3朝の光を意識的に浴びる:出張先のホテルでもカーテンを開けて自然光を取り入れる

まとめ

  • 遠征・出張先で睡眠の質が落ちるのは、環境変化と移動疲労・時差が主な原因
  • アスリートは持ち運べる寝具・就寝前ルーティン・光のコントロールで対策している
  • ビジネスパーソンも出張前後の準備と睡眠環境を持ち運ぶ発想で応用できる
  • 小さな習慣の積み重ねが出張先でのパフォーマンス維持につながる

ご質問・ご相談はお気軽にどうぞ

お問い合わせはこちら →
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業にてメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。
現在は独立し、About The New株式会社を設立。教育コンテンツの研究・開発を行い、スポーツの知見を活かした人材育成プログラムを提供している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました