頭痛管理アプリ10選|健康経営担当者向け比較ガイド

頭痛管理アプリ10選を比較するイメージ画像 スポーツウェルビーイング

会議の前になると決まって、こめかみのあたりがズキズキと脈打ち始める。資料の文字がにじんで見え、集中しようとするほど痛みが強くなる——そんな経験に心当たりのある社員は、思っている以上に多いかもしれません。頭痛は「よくある不調」として見過ごされがちですが、出勤していても本来の力を発揮できない状態を招きやすい症状です。本記事では、記録のしやすさと医療連携の深さで整理した頭痛管理アプリ10個と、健康経営担当者が社内で活用する際の選び方を解説します。

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頭痛管理アプリとは|企業がいま注目する理由

頭痛管理アプリとは、頭痛が起きた日時や痛みの程度、気圧の変化、服薬状況などを記録し、傾向を可視化できるスマートフォンアプリの総称です。企業が注目する理由は、頭痛が一部の社員だけの問題ではなく、組織全体の生産性に関わる規模で発生しているためです。

日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会が監修する「頭痛診療ガイドライン2021」では、片頭痛の有病率は成人の約8.4%とされています。頭痛は出勤できてしまう症状であるぶん、集中力や作業効率が目に見えないまま落ちる状態を招きやすく、プレゼンティーズムとは?改善施策と運動の効果でも、肩こりや頭痛、睡眠不足を抱えたまま働く状態がプレゼンティーズムの典型例として挙げられています。

厚生労働省の「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)」では、現在の仕事や職業生活で強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄があると答えた労働者は68.3%にのぼり、メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合も63.2%と、体調面の課題を可視化しようとする動きが企業側にも広がっていることがわかります。頭痛のような身体症状も、こうした「見えにくい不調」を可視化する取り組みの延長線上にあると捉えられます。

(参考)頭痛診療ガイドライン2021 – 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会

(参考)令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 – 厚生労働省

Q. 頭痛管理アプリは医療機関の受診の代わりになりますか?

代わりにはなりません。あくまで日々の頭痛の頻度・程度・誘因を記録し、傾向を把握するためのツールです。痛みが強い、頻度が増えている、これまでと違う症状があるといった場合は、記録したデータを持参したうえで頭痛外来など医療機関の受診を検討してください。

頭痛管理アプリ10選|記録のしやすさと医療連携を比較する

ここでは、公式サイトやアプリストアで機能・提供元を確認できた10製品を紹介します。国内で開発された記録アプリと、海外発でグローバルに使われているアプリの両方から、実際に運用が続いているものを選びました。まずは一覧表で全体像をつかみ、続くH3で1製品ずつ詳しく見ていきます。

製品名 提供元 タイプ 主な機能
頭痛ーる 株式会社Hedgehog MedTech 気象データ型 気圧予報・痛みと服薬の記録・危険タイミングのPush通知
ズツノート 合同会社Iris Wellness 医療連携型 30秒記録・30日デイリーチャート・主治医への自動共有
ミグル 個人開発(nosuke) シンプル記録型 カレンダー選択式の強さ・原因記録、CSVエクスポート
頭痛ろぐ 個人開発 シンプル記録型 天気・原因・服薬の選択式記録、原因ランキング表示
頭痛記録アプリ 個人開発 シンプル記録型 痛みの度合い・天気・服薬の選択式記録と分析画面
頭痛ダイアリー かんたんシンプルアプリ 個人開発 シンプル記録型 カレンダー表示・頭痛タイプ・痛さレベルの無料記録
Migraine Buddy Aptar Digital Health グローバル・医師共有型 誘因・症状・薬剤の記録とレポートの医師共有
Bearable Bearable Ltd 高機能・分析型 片頭痛と複数の慢性症状を横断記録、相関分析レポート
N1-Headache Curelator, LLC 臨床グレード型 90日間の記録から個人のTrigger Map・Protector Mapを統計分析
Manage My Pain ManagingLife, Inc. 臨床グレード型 痛みの記録・分析・医療機関向けレポート作成

2026年9月時点で各公式サイト・アプリストアに掲載されている情報をもとに作成。仕様は変更される場合があるため、導入前に最新情報を公式サイトで確認してください。

頭痛ーる|1時間ごとの気圧予報で前兆をつかむ

頭痛ーるは、株式会社Hedgehog MedTechが運営する気圧予報アプリです。公式サイトによると、気圧の変化による頭痛などの気象病が起こりそうな日時をあらかじめ確認できる健康気象ツールで、月間120万人以上が利用しているとされています。危険なタイミングを知らせるPush通知や、痛みの記録・頭痛のタイプ確認機能も備えており、天気予報アプリとしての認知度の高さから社内周知のハードルが低い点が特徴です。

(参考)頭痛ーる 公式サイト

ズツノート|頭痛専門医が開発、記録を主治医にそのまま共有

ズツノートは、脳神経内科・頭痛専門医である前川裕貴医師が開発したアプリで、合同会社Iris Wellnessが運営しています。公式サイトによると、1日30秒の記録で頭痛・気圧・睡眠・薬の関係をグラフ化でき、かかりつけ設定をすると統計画面を主治医のパソコンにそのまま表示できる点が特徴です。MIDAS・HIT-6といった頭痛診療で使われる指標の推移も自動表示され、受診時の説明コストを減らせるよう設計されています。

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(参考)ズツノート 公式サイト

ミグル|シンプルな片頭痛・偏頭痛記録に特化したアプリ

ミグルは個人開発者が提供するシンプル頭痛記録アプリです。App Store・Google Playの説明によると、カレンダーから日にちを選んで頭痛の強さや原因をサクッと記録できる操作性を重視しており、片頭痛にも対応しています。有料プランでは原因タグの追加や年間振り返り、CSVエクスポートが可能で、多機能さより「まず記録を続けること」を優先したい社員に向いています。

(参考)ミグル – App Store

頭痛ろぐ|天気・服薬・原因をワンタップで記録

頭痛ろぐは、App Storeの説明によると、痛みの度合い・天気・痛みの原因・服用した薬を選択肢から選ぶだけで記録できる頭痛記録アプリです。分析画面では天気別の痛みの傾向や、原因をランキング形式で確認できる機能があり、記録の手間を最小限にしたい利用者向けに設計されています。

(参考)頭痛ろぐ – App Store

頭痛記録アプリ|選択式入力でストレスなく続けられる設計

頭痛記録アプリは、App Storeの説明によると、痛みの度合い・天気・痛みの原因予測・服用した薬を選択肢から選んで保存するだけのシンプル操作を特長とするアプリです。分析画面では天気別の傾向や原因のランキングを確認でき、頭痛ろぐと同様に入力の手軽さを優先したい利用者に向いています。

(参考)頭痛記録アプリ – App Store

頭痛ダイアリー かんたんシンプルアプリ|カレンダー型の無料日記

頭痛ダイアリー かんたんシンプルアプリは、App Storeの説明によると、カレンダー表示で頭痛のタイプ・痛さレベル・天気など気になる項目を簡単に登録できる無料の日記アプリです。すべての機能が無料で使える点が特徴で、初めて頭痛記録アプリを試す社員への案内先として選びやすいタイプです。

(参考)頭痛ダイアリー かんたんシンプルアプリ – App Store

Migraine Buddy|世界480万人が使う片頭痛トラッカー

Migraine Buddyは、Aptar Digital Healthが開発する片頭痛トラッキングアプリです。公式サイトによると、480万人以上のユーザーが利用しており、誘因・症状・服薬を記録して医師や神経内科医とデータを共有できる設計になっています。片頭痛の患者自身が開発に関わった経緯があり、海外拠点を含むグローバル企業に社員がいる場合でも案内しやすいアプリです。

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(参考)Migraine Buddy 公式サイト

Bearable|片頭痛だけでなく複数の慢性症状を横断管理

Bearableは、慢性的な健康課題を持つ人向けに設計された症状トラッカーで、創業者自身が慢性片頭痛の当事者です。公式サイトによると、片頭痛の誘因・症状・治療法を記録できるだけでなく、Apple Health・Google Fit・Fitbitと連携して睡眠やHRV、心拍数の変化との相関も分析できます。片頭痛以外にもストレスや慢性痛など複数の症状を同時に抱える社員への案内先として検討する価値があります。

(参考)Bearable Migraine Tracker – 公式サイト

N1-Headache|90日間の記録から個人のトリガーを統計分析

N1-Headacheは、米国Curelator, LLCが開発する片頭痛管理プラットフォームです。公式サイトによると、90日間にわたって毎日5分程度の記録を続けることで、個人ごとの「Trigger Map(誘因マップ)」「Protector Map(保護要因マップ)」を統計的に導き出す仕組みを持ちます。同社の研究発表では、利用者が事前に疑っていた誘因のうち実際にリスク上昇と関連していたのは16%にとどまり、思い込みではなくデータで誘因を特定できる点が他の記録アプリとの大きな違いです。

(参考)N1-Headache 公式サイト

Manage My Pain|医療機関と連携する臨床検証済みの痛み管理プラットフォーム

Manage My Painは、カナダのManagingLife, Inc.が提供する痛み管理アプリで、片頭痛を含む慢性痛全般を対象としています。公式サイトによると、世界で12万5,000人以上が利用しており、複数の医療機関との共同研究で臨床的な有効性が検証されている点が特徴です。医療従事者向けのレポート出力機能もあり、産業医との連携を前提に導入を検討する場合の選択肢になります。

(参考)Manage My Pain 公式サイト

Q. 頭痛管理アプリは無料で使えますか?

多くのアプリは基本的な記録機能を無料で提供しています。ただし、ズツノートやN1-Headacheのように高度な分析・医師共有機能の一部を有料プランに限定しているものもあるため、公式サイトで対応範囲を確認してから案内するのが安全です。

頭痛管理アプリの分類軸|自社に合うタイプの見つけ方

10製品はいずれも頭痛の記録・管理を目的としていますが、記録の手軽さと医療連携の深さのどちらを重視しているかによって性格が大きく異なります。Human Soarでは、各社公式サイトの情報をもとに次の2軸で分類しました。

頭痛管理アプリを記録の手軽さと医療連携の深さの2軸で分類した図

頭痛ダイアリー・頭痛ろぐ・頭痛記録アプリ・ミグルは、記録のしやすさを最優先したシンプル記録型で、まず記録を習慣化させたい場合の入り口として適しています。頭痛ーるとBearableは、気圧や複数の健康指標との相関を分析する高機能型で、原因を多角的に把握したい人に向きます。ズツノートは軽量な記録操作を保ちながら主治医との共有を実現している点が独自の位置づけです。N1-HeadacheとManage My Painは、統計分析や臨床研究に基づく検証を伴う臨床グレード型で、産業医面談や医療機関との連携を前提とする場合に検討する価値があります。

Q. 頭痛管理アプリはどのタイプを選べばいいですか?

まず記録を習慣化したいだけならシンプル記録型、原因を多角的に分析したいなら高機能型、産業医や医療機関との連携を前提にするなら臨床グレード型が向いています。社内で複数タイプを併用して案内する企業もあります。

頭痛と生産性|プレゼンティーズム対策としての位置づけ

頭痛管理アプリの社内案内は、単なる福利厚生の一環ではなく、見えにくい生産性損失を可視化する健康経営施策の一部として位置づけられます。ウェルビーイングとは?施策が失敗する理由と設計法で扱っている「制度は作ったが使われない」という失敗パターンは、頭痛対策のような個人の体調管理にも起こりやすく、既存の健康経営施策との接続を意識した設計が欠かせません。

実務としては、アプリの紹介自体を目的化せず、産業医面談や健康相談窓口への導線と組み合わせることが重要です。記録データがあれば、面談時に「いつ・どのくらいの頻度で・どんな条件のときに」頭痛が起きているかを具体的に伝えられ、対応の精度が上がります。社内展開までの一般的な流れを整理すると、次のようになります。

頭痛管理アプリを社内展開する4ステップのフロー図

今週から始める社内展開の3ステップ|健康経営担当者のアクションプラン

頭痛管理アプリを社内で活かすには、アプリを紹介するだけでなく、既存の健康管理の仕組みに組み込む手順が必要です。前段の分類やプレゼンティーズムとの接続を踏まえ、実際に展開する際の3ステップを紹介します。

ステップ1|対象部署と展開時期を先に決める

全社一斉ではなく、まずは頭痛の相談が多い部署や、外勤・出張が多く体調管理が難しい部署から案内を始めると、効果を確認しやすくなります。座り仕事が中心で緊張型頭痛が起きやすい部署では、座りすぎ・座位行動を防ぐアプリ比較とあわせて案内するのも一案です。

ステップ2|1〜2種類のアプリに絞って案内する

前段で紹介した10製品をすべて並べて紹介すると選択肢が多すぎて誰も使わなくなります。シンプル記録型から1つ、医療連携型または臨床グレード型から1つというように、目的別に1〜2種類へ絞って社内報や社内チャットで案内するのが現実的です。

ステップ3|産業医・健康相談窓口との連携先を明記する

アプリで記録するだけで終わらせず、症状が重い社員が産業医面談や医療機関につながる導線を同時に案内します。記録機能で頭痛の推移を可視化できれば、面談時の会話も具体的になります。

Q. 頭痛管理アプリの記録は健康経営優良法人の申請に使えますか?

記録データの提出自体が直接の加点項目になるわけではありませんが、プレゼンティーズム対策や従業員の健康課題把握の取り組みとして、申請書類の中で説明材料に使える場合があります。詳細は経済産業省の健康投資管理会計ガイドラインを確認してください。

まとめ|頭痛管理アプリは目的別に絞って社内展開する

  • 片頭痛の有病率は成人の約8.4%(頭痛診療ガイドライン2021)で、出勤していても生産性が落ちるプレゼンティーズムの一因になりうる
  • 頭痛管理アプリは「記録の手軽さ」と「医療連携の深さ」の2軸で、シンプル記録型・高機能型・医療連携型・臨床グレード型に分類できる
  • 紹介した10製品は、いずれも公式サイト・アプリストアで機能を確認できるものに絞った
  • 導入時は目的(記録の習慣化か、原因分析か、医療連携か)を先に整理してから製品を絞り込むとよい
  • 社内展開では全製品を並べず、対象部署・展開時期を決めたうえで1〜2種類に絞り、産業医との連携導線も同時に案内するのが現実的

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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