立ち仕事の腰痛対策|厚労省の指針とスポーツのケアに学ぶ

立ち仕事の腰痛対策|厚労省の指針とスポーツのケアに学ぶ スポーツウェルビーイング

立ち仕事の腰痛対策は、片足を台に乗せて姿勢を変える、1時間に1〜2回休む、クッション性のある靴やマットを使う、の3つが基本です。いずれも厚生労働省の腰痛予防の指針に書かれています。スポーツのケアの考え方も取り入れ、仕事の後にほぐす習慣を加えます。

夕方になると腰が重く、帰り道がつらい。販売、調理、組立など、立ち仕事では腰の悩みをよく聞きます。靴を変えればよいのか、ストレッチがよいのか、何から試せばよいのか迷うところです。

この記事では、立ち仕事で腰に負担がかかる理由、指針が示す6つの対策、靴とマットの選び方、スポーツに学ぶケア、会社としてできることを順に整理します。

立ち仕事の腰痛対策は厚労省の指針に6つ示されている

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」は、立ち作業の対策を挙げています。長時間の連続した立位や、前かがみの姿勢が腰に負担をかけるためです。主な内容は次のとおりです。

対策 指針の内容 職場での例
作業台の配置 体型を考えて不自然な姿勢を避ける 台の高さを調整する
他の作業との組合せ 連続した立位を避ける 座る作業を間に入れる
椅子の配置 腰掛けて休めるようにする 近くに椅子を置く
片足置き台 作業に応じて使う レジの足元に台を置く
小休止・休息 おおむね1時間に1〜2回 屈伸やマッサージをする
床と靴 硬い床はクッション性のある靴やマット マットを敷く

出典:厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針及び解説」をもとに本記事で表にしました。職場での例は本記事の提案です。

(参考)職場における腰痛予防対策指針及び解説 – 厚生労働省

Q. 立ち仕事の腰痛はどう防げばよいですか?

厚生労働省の指針は、長時間の連続した立位を避け、おおむね1時間に1〜2回の小休止をとり、硬い床ではクッション性のある靴やマットを使うことを示しています。片足を台に乗せて姿勢を変える方法も有効です。

片足を台に乗せるだけでも腰の負担を減らせる

すぐにできる順に試す|立ち仕事の腰痛の対策

すぐに試しやすいのが片足置き台です。指針の解説は、片足置き台に左右の足を交互に乗せて姿勢に変化をつけることが、腰の負担の軽減に有効としています。専用の台がなければ、安全な箱などで代用できる職場もあります。

作業台は前かがみにならない高さにする

台が低いと前かがみが続きます。解説は、作業面を身長に合わせる簡単な方法として足台の使用を挙げています。体格の違う人が同じ台を使うなら、調整できる方法を考えます。

(参考)職場における腰痛予防対策指針及び解説 – 厚生労働省

休憩では屈伸やマッサージをする

指針は、小休止の間に下肢の屈伸運動やマッサージを行うことが望ましいとしています。座って休むだけでなく、足を動かします。ふくらはぎをほぐすのも一つの方法です。

(参考)職場における腰痛予防対策指針及び解説 – 厚生労働省

靴とマットは硬い床への対策として選ぶ

床が硬いと、立っているだけでも腰への衝撃が大きくなります。指針はクッション性のある作業靴やマットを使うとしています。靴だけで腰痛が治ると考えず、姿勢や休憩と組み合わせます。

中敷きで調整する方法もありますが、痛みが強いときは自己判断で続けず受診します。冬は足元が冷えると筋肉が緊張しやすいので、指針は足元の温度にも配慮するよう示しています。

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(参考)職場における腰痛予防対策指針及び解説 – 厚生労働省

Q. 立ち仕事で腰痛になりにくい靴はありますか?

厚生労働省の指針は、硬い床ではクッション性のある作業靴やマットで衝撃を和らげるとしています。特定の靴が腰痛を防ぐと示す公的な基準は確認できませんでした。安全靴が必要な職場では、その条件の中で選んでください。

スポーツのケアに学び仕事の後にほぐす習慣をつくる

仕事の後に伸ばす部位|立ち仕事の腰痛の対策

スポーツ選手は、運動の後に体をほぐす時間を取ります。立ち仕事も同じ考え方が使えます。厚生労働省の健康情報サイトは、静的なストレッチは20秒以上かけて伸ばし、痛いほど伸ばさないことを勧めています。もも裏、お尻、ふくらはぎなどを中心に行います。組み合わせは本記事の提案です。

筋力をつけることも役立つ可能性があります。身体活動ガイドは成人に週2〜3日の筋力トレーニングを勧めています。腰が痛いときに無理をしないことが前提です。ストレッチのやり方はオフィスストレッチの記事で紹介しています。

(参考)ストレッチングの実際 – 厚生労働省 健康情報サイト

(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 – 厚生労働省

会社は作業の組合せと休憩の決まりで支える

厚生労働省によると、令和6年の労働災害で、腰痛などの「動作の反動・無理な動作」による休業4日以上の死傷者は22,218人でした。立ち仕事に限った数字ではありませんが、職場の課題であることが分かります。

会社にできるのは、連続した立位を避ける順番を組む、休憩の取り方を決める、椅子やマットを用意することです。腰痛の予防教育も指針に含まれています。座る作業が多い人には座り仕事の腰痛対策も案内します。社員の健康施策の全体はウェルビーイングの施策の考え方で説明しています。

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(参考)令和6年の労働災害発生状況を公表 – 厚生労働省

(参考)職場における腰痛予防対策指針及び解説 – 厚生労働省

Q. 立ち仕事の腰痛で病院に行く目安はありますか?

痛みが強い、足にしびれや力の入りにくさがある、排尿の異常がある、数週間たっても良くならないといった場合は、医療機関に相談してください。仕事が原因と思われるときは、会社にも伝えます。

立ち仕事の腰痛対策の要点

  • 長時間の連続した立位を避け、1時間に1〜2回休む
  • 片足を台に乗せて姿勢を変える
  • 硬い床ではクッション性のある靴やマットを使う
  • 仕事の後に20秒以上のストレッチをする
  • 会社は作業の順番と休憩の決まりで支える

まずは明日の仕事で、1時間に1回、足の屈伸をする時間を取ってみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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