ストレスチェックの高ストレス者とは、心身のストレス反応の点数が高い人、または反応が一定以上で仕事のストレス要因と周囲のサポートの点数が著しく悪い人のことです。厚生労働省の評価基準の例では、57項目の調査票なら反応が77点以上の人などが該当し、全体の10%程度が選ばれるように作られています。高ストレスと判定されると、実施者から本人に結果が通知され、本人が申し出れば会社は医師による面接指導を行わなければなりません。申し出なければ、本人の同意なしに結果が会社へ伝わることはありません。
ストレスチェックが終わり、委託先から部署ごとの集計が届いた。けれど、だれが高ストレスと判定されたのかは会社には分からない。面談を勧めたほうがいいのか、本人の申出を待つべきなのか、そもそも何点で高ストレスになるのかもはっきりしない。ここでは、高ストレス者の判定基準と点数、割合の実態、判定された後に何が起きるのか、会社が守るべき決まりを、厚生労働省の資料に沿って整理します。後半では、高ストレス者を出しにくい職場づくりとして運動・スポーツを取り入れる根拠も紹介します。
ストレスチェックの高ストレス者とは|2つの要件のどちらかに当てはまる人

高ストレス者は、ストレスチェックの調査票のうち「心身のストレス反応」の点数を軸に、2つの要件のどちらかに当てはまる人として選ばれます。この選び方は、厚生労働省のストレスチェック指針に定められ、実施マニュアルで解説されています。
調査票は、仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポートの3つの領域でできています。労働安全衛生規則第52条の9が、検査の項目としてこの3つを定めています。
心身のストレス反応の点数が高い人
1つ目の要件は、心身のストレス反応の評価点数の合計が高い人です。ストレス反応とは、活気の低下、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、体の不調(身体愁訴)のことで、すでに心身に変化が出ている人を拾うための要件です。
実施マニュアルは、抑うつ感がストレスの程度の最も高い段階で見られる症状だとして、不安感と抑うつ感の高い人に特に注意するよう求めています。
あわせて読みたいストレスチェック実施者の要件|企業が選ぶ6職種とチーム分析›
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省
反応が一定以上で仕事の負担と支えの点数が著しく悪い人
2つ目の要件は、心身のストレス反応の点数が一定以上で、かつ仕事のストレス要因と周囲のサポートの点数の合計が著しく高い(悪い)人です。反応の点数だけで選ぶと、まだ症状は目立たないものの、仕事の量が非常に多い人や、周囲の支えをまったく感じていない人を見逃すおそれがあるため、この要件が置かれています。
こうして選ばれた高ストレス者のうち、医師による面接指導を受ける必要があると実施者が認めた人が、面接指導の対象になります(労働安全衛生規則第52条の15)。高ストレス者と面接指導の対象者は、厳密には同じではありません。
Q. ストレスチェックの高ストレス者とはどんな人ですか?
心身のストレス反応の点数が高い人、または反応の点数が一定以上で、仕事のストレス要因と周囲のサポートの点数が著しく悪い人のことです。どちらかに当てはまれば高ストレス者として選ばれます。具体的な点数の基準は、実施者の意見と衛生委員会などの審議を踏まえて会社が決めます。
高ストレス者の判定基準と点数|57項目なら反応77点以上が目安
高ストレス者を何点で判定するかは法令で決まっておらず、実施者の意見と衛生委員会などの審議を踏まえて会社が決めます。多くの会社が参考にするのが、実施マニュアルにある2つの評価基準の例です。
| 方法 | 57項目の調査票 | 23項目の調査票(簡略版) |
|---|---|---|
| 評価基準の例(その1) 回答の点数を単純に合計する |
㋐心身のストレス反応(29項目)が77点以上 ㋑仕事のストレス要因(17項目)と周囲のサポート(9項目)の合計が76点以上で、かつ反応が63点以上 |
㋐心身のストレス反応(11項目)が31点以上 ㋑仕事のストレス要因(6項目)と周囲のサポート(6項目)の合計が39点以上で、かつ反応が23点以上 |
| 評価基準の例(その2) 素点換算表で尺度ごとに5段階評価する |
㋐反応の6尺度の合計が12点以下 ㋑要因とサポートの12尺度の合計が26点以下で、かつ反応の6尺度の合計が17点以下 |
㋐反応の5尺度の合計が11点以下 ㋑要因とサポートの4尺度の合計が8点以下で、かつ反応の5尺度の合計が16点以下 |
出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」の評価基準の例(その1・その2)をもとに Human Soar 作成。㋐か㋑のどちらかに当てはまれば高ストレス者。仕事や生活の満足度の回答は評価に含まない
評価基準の例(その1)|回答の点数を単純に合計する
その1は、各質問の回答を、ストレスが高い方を4点、低い方を1点として単純に足し上げる方法です。特別な計算の道具がなくても算出できます。57項目の調査票なら、心身のストレス反応(29項目)が77点以上の人か、仕事のストレス要因(17項目)と周囲のサポート(9項目)の合計が76点以上で、かつ反応が63点以上の人が高ストレス者です。
23項目の簡略版では、反応(11項目)が31点以上の人か、要因(6項目)とサポート(6項目)の合計が39点以上で、かつ反応が23点以上の人になります。
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省
評価基準の例(その2)|素点換算表で尺度ごとに評価する
その2は、回答を素点換算表で尺度ごとの5段階評価に換算し、その合計点で判定する方法です。この方法ではストレスが高い方が1点、低い方が5点になるため、点数が低いほど高ストレスです。57項目なら、反応の6尺度の合計が12点以下の人などが該当します。
分析のための道具が必要ですが、個人のストレスプロフィールとの関係が分かりやすい方法です。厚生労働省は、高ストレス者を選定できる「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」を無料で配っています。
どちらの例も、㋐と㋑の比率を8対2とし、高ストレス者が全体の10%程度になるように点数を置いたものです。実施マニュアルは、この比率や割合は事業場の状況に応じて変えてよいとしています。
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省
Q. ストレスチェックでは何点から高ストレス者になりますか?
厚生労働省の評価基準の例では、57項目の調査票を使い合計点数で判定する場合、心身のストレス反応が77点以上の人が高ストレス者です。反応が63点以上で、仕事のストレス要因と周囲のサポートの合計が76点以上の人も含まれます。ただし基準は会社ごとに決めるもので、この点数は例として示されたものです。
高ストレス者の割合|基準の例は約1割で多くの事業場は5〜20%
高ストレス者の割合は、評価基準の例では全体の10%程度を想定しており、実際の事業場では5%以上20%未満に収まるところが半数を超えます。一方で、高ストレス者のうち医師の面接指導まで進む人はごく少数です。
| 項目 | 割合 | 対象・時点 |
|---|---|---|
| 評価基準の例で選ばれる高ストレス者の割合 | 全体の10%程度 | 実施マニュアルの設定例(㋐と㋑の比率は8対2) |
| 高ストレス者の割合が5%未満の事業場 | 28.1% | 令和3年8〜9月調査(集計対象3,115事業場) |
| 高ストレス者の割合が5%以上10%未満の事業場 | 24.3% | 同上 |
| 高ストレス者の割合が10%以上20%未満の事業場 | 33.4% | 同上 |
| 高ストレス者の割合が20%以上の事業場 | 7.7% | 同上 |
| 面接指導を申し出る人の割合が5%未満の事業場 | 76.8% | 同上 |
| 受検した労働者のうち医師の面接指導を受けた人 | 0.6% | 平成28年1〜12月実施分、全国 |
| 面接指導実施率 | 0.49% | 令和7年1〜12月、全国の全業種(令和8年3月末時点) |
出典:厚生労働省「ストレスチェック制度実施マニュアル」「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて」、岐阜労働局・静岡労働局の公表資料をもとに Human Soar 作成。事業場の割合は、集計対象の3,115事業場に占める割合(無回答を含めて100%)
基準の例は全体の約1割が選ばれるように作られている
実施マニュアルの評価基準の例は、高ストレス者の割合を全体の10%程度とした場合の点数を示したものです。ストレスチェックを受けた人が100人なら、この例どおりの基準で約10人が高ストレス者になる計算です。
なお、厚生労働省の公表資料で、高ストレス者の割合の全国平均を示したものは見当たりませんでした。全国平均として出回っている数字を使うときは、どの調査の、誰を対象にした数字なのかを確かめてから使う必要があります。
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省
事業場ごとの実態は5%以上20%未満が中心
厚生労働省が令和3年8〜9月に行ったアンケート調査では、集計対象の3,115事業場のうち、受検者に占める高ストレス者の割合が5%以上10%未満の事業場が24.3%、10%以上20%未満の事業場が33.4%でした。合わせると57.7%で、半数を超えます。5%未満は28.1%、20%以上は7.7%です。
同じ資料は、高ストレス者は大半の事業場で5〜20%であり、一定の割合で存在しているとまとめています。自社の割合が1割前後でも、それだけで特別に悪いとは言えません。経年で増えているか、部署によって偏りがないかを見るほうが手がかりになります。
(参考)ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて(令和4年3月) – 厚生労働省
医師の面接指導まで進む人はごく一部にとどまる
同じ調査で、高ストレス者のうち面接指導を申し出る人の割合が5%未満という事業場は76.8%でした。全国の実施状況を見ても、制度が始まって最初の平成28年(1〜12月実施分)は、受検した労働者のうち医師の面接指導を受けた人は0.6%でした。
静岡労働局がまとめた令和7年(1〜12月)の実施状況でも、全国の全業種の面接指導実施率は0.49%で、高ストレス者と選ばれても面接指導を受ける割合が低いと指摘されています。基準の例どおり約1割が高ストレス者だとすると、面接指導を受けているのはそのうちのごく一部です。
参考までに、令和7年の労働安全衛生調査(実態調査)では、仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある労働者は67.5%でした。これは本人の自己申告を聞いた別の調査で、ストレスチェックの高ストレス者の割合とは比べられません。
(参考)ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて(令和4年3月) – 厚生労働省
(参考)事業場におけるメンタルヘルス対策の取組状況について(平成29年9月28日) – 厚生労働省 岐阜労働局
(参考)令和7年 ストレスチェックの実施状況 – 厚生労働省 静岡労働局
(参考)令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況 – 厚生労働省
Q. ストレスチェックの高ストレス者の割合に全国平均はありますか?
厚生労働省の公表資料で、高ストレス者の割合の全国平均を示したものは見当たりません。手がかりになるのは2つで、実施マニュアルの評価基準の例は全体の10%程度が選ばれるように作られています。また令和3年の厚生労働省の調査では、高ストレス者の割合が5%以上20%未満の事業場が、集計対象の事業場の半数を超えていました。
高ストレスと判定された後に起きること|通知から面接指導の申出まで

高ストレスと判定されると、実施者から本人に結果が通知され、本人が会社に申し出た場合にだけ医師による面接指導に進みます。会社が先に結果を知って呼び出す仕組みではない点が、健康診断との大きな違いです。
結果は実施者から本人に直接通知される
会社は、検査を受けた人に、実施した医師などから遅滞なく結果が通知されるようにしなければなりません(労働安全衛生規則第52条の12)。ストレスチェック指針は、通知の際に、セルフケアの助言、面接指導の対象者には申出の窓口と方法、ほかの相談窓口の情報もあわせて伝えることが望ましいとしています。
実施者は、高ストレス者を含む受検者全員について、医師の面接指導が必要かどうかを確かめます。ここで必要と認められた人が、面接指導の対象者として案内を受けます。
申出の勧奨は実施者が行う
面接指導の申出は、結果の通知を受けた後、遅滞なく行うものとされています(労働安全衛生規則第52条の16)。厚生労働省の通達は、この「遅滞なく」を概ね1か月以内としています。
申し出ない人には、実施者が申出を勧めることができます。実施マニュアルは、通知のときに面接指導の対象であることを伝えて勧める方法や、一定期間後に封書やメールで状況を確かめて勧める方法を挙げています。実施者以外が勧めることができるのは、原則として実施の事務に携わる人に限られます。本人の同意で結果を会社が把握している人には、申出の強要にならないよう注意しながら会社が勧めることもできます。
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省
申し出ると高ストレスであることが会社に伝わる
労働安全衛生法第66条の10第2項は、実施した医師などが本人の同意を得ずに結果を会社へ渡すことを禁じています。ただし本人が会社に面接指導を申し出た場合は、その申出をもって結果の提供に同意したとみなして差し支えないとされています。この扱いをするときは、結果の通知の際に本人へ知らせておく必要があります。
面談を申し出ると会社に知られることが、申出をためらう理由になっていると厚生労働省の資料も推測しています。会議室からオンラインで面接を受けられるようにして周囲に気づかれにくくした例も紹介されています。同意を得て会社に渡った結果をだれと共有するかは、衛生委員会などで審議して事業場のルールを決め、周知しておくものとされています。
(参考)ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて(令和4年3月) – 厚生労働省
申し出ない人も相談先につなぐ
面接指導を受けるかどうかは本人が選ぶことで、申し出なくても違反にはなりません。小規模事業場向けの実施マニュアルは、面接指導を選ばなかった人も高ストレスの状態で放置されないよう、面接指導以外の相談窓口を案内することが重要だとしています。たとえば厚生労働省の「こころの耳」は、電話、SNS、メールで無料の相談に応じています。
面接指導の当日に医師が何を確かめるかや、面談後のフォローの進め方は、別の記事で扱っています。面談後にスポーツ心理学の技法を使う方法は次の記事が参考になります。
あわせて読みたいストレスチェックにスポーツ心理学|フォロー面談の4つの視点›
(参考)小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月) – 厚生労働省
Q. 高ストレス者と判定されたことは会社に知られますか?
本人の同意がなければ、会社には伝わりません。労働安全衛生法は、実施した医師などが本人の同意を得ずに結果を会社に渡すことを禁じています。ただし本人が医師の面接指導を申し出た場合は、その申出をもって結果の提供に同意したとみなす扱いが認められています。
高ストレス者への会社の対応|面接指導の義務と不利益取扱いの禁止
高ストレス者への対応で会社に課される決まりは、申出があれば医師の面接指導を行うこと、そして申出や結果を理由に不利益な扱いをしないことの2つが柱です。50人未満の事業場は今は努力義務ですが、令和10年4月1日から義務になります。
申出があれば医師の面接指導は会社の義務
労働安全衛生法第66条の10第3項により、要件に当てはまる人から申出があったとき、会社は医師による面接指導を行わなければなりません。面接指導は申出から概ね1か月以内に行い、その結果を5年間保存します。面接後には医師の意見を聴き、必要があれば就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置をとります。
面談を受けるかどうかは本人の選択で、本人の義務ではありません。実施マニュアルは、会社が申出を勧める場合も、申出の強要にならないよう留意するよう求めています。
申出や結果を理由にした不利益な取扱いは禁止されている
同じ条文は、申出をしたことを理由に不利益な扱いをすることを禁じています。実施マニュアルの社内規程の例は、結果を理由にした不利益な扱い、申出をしないことを理由にした不利益な扱い、面接指導の結果にもとづく解雇、退職勧奨、不当な動機による配置転換なども、してはならない行為として挙げています。
どこまでが許される就業上の措置かの線引きに迷うときは、医師の意見をよく確かめたうえで、労働基準監督署や産業保健総合支援センター、社会保険労務士に相談してください。
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省
50人未満の事業場は令和10年4月から同じ扱いになる
現在、労働者数50人未満の事業場では、ストレスチェックの実施は当分の間の努力義務です。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、令和10年4月1日から50人未満の事業場にも実施が義務づけられます。改正の全体像はストレスチェック義務化の時期と50人未満の施行日で解説しています。
50人未満の事業場は、医師の面接指導を最寄りの地域産業保健センターに依頼すれば無料で受けられます。全国350か所に置かれ、面接指導の対象者が決まった時点で申し込みます。無料で使える公的な支援は中小企業のメンタルヘルス対策と助成金にまとめています。
(参考)ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策 – 厚生労働省
(参考)小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月) – 厚生労働省
高ストレス者を出しにくい職場へ|運動とスポーツで一次予防する
ストレスチェックの本来の目的は、不調になる前に気づいて手を打つ一次予防です。高ストレス者への個別の対応と並行して、職場全体で体を動かす機会を増やすことは、厚生労働省の身体活動ガイドが根拠を示している方法の1つです。
身体活動が多い人はうつ病のリスクが低いと報告されている
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、身体活動・運動の量が多い人は少ない人に比べて、うつ病などの発症のリスクが低いことが報告されているとしています。成人には、歩行やそれと同等以上の身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上行うことを推奨しています。
ただし、運動をすればストレスチェックの点数が下がるといった因果は示されていません。高ストレスと判定された人に運動を勧める場合も、面接指導を行った医師の意見を優先します。職場で運動を取り入れる進め方はメンタルヘルスと運動|企業の一次予防の施策で詳しく扱っています。
あわせて読みたい運動でストレス解消できるのはなぜ|効く強度・時間と続け方›
(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 – 厚生労働省
昼休みの職場単位の運動で対人ストレスが改善した例がある
同じガイドは、日本の11の職場の労働者59人を対象に、昼休みに週3回の運動指導を職場単位で10週間行った研究を紹介しています。運動指導をしなかった群と比べて、活力、対人ストレス、ソーシャルサポート、仕事の満足度などに改善が見られました。
ストレスチェックの調査票にも、活気や周囲のサポートを尋ねる項目があります。同僚と一緒に体を動かす時間は、個人のセルフケアにとどまらず、職場の支え合いを増やす施策として位置づけられます。
(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 – 厚生労働省
スポーツエールカンパニーの認定で取り組みを続ける形にする
スポーツ庁は、従業員のスポーツ活動の促進に積極的に取り組む団体を「スポーツエールカンパニー」として認定しています。2026年の認定は過去最多の1,635団体で、認定団体へのアンケートでは「職場のコミュニケーションがよくなった」などの回答が多く寄せられました。
単発のイベントで終わらせず、毎年の認定を目標に置くと、ストレスチェックと同じ年1回のサイクルで取り組みを見直せます。ウェルビーイング施策全体の組み立て方はウェルビーイング施策が失敗する理由と設計法で整理しています。
(参考)「スポーツエールカンパニー2026」過去最多の1,635団体を認定 – スポーツ庁
ストレスチェックの高ストレス者のまとめ
高ストレス者の判定は会社が決めた基準で行われ、判定後の面接指導は本人の申出で始まります。数字の出典は本文の各セクションに記載しています。
- 高ストレス者は、心身のストレス反応が高い人か、反応が一定以上で仕事のストレス要因と周囲のサポートが著しく悪い人
- 厚生労働省の評価基準の例では、57項目の合計点数なら反応77点以上などが目安で、全体の10%程度が選ばれる
- 令和3年の調査では、高ストレス者が5%以上20%未満の事業場が57.7%、面接指導の申出が5%未満の事業場が76.8%
- 結果は本人に通知され、本人の同意なしに会社へは渡らない。申し出れば会社は医師の面接指導を行う義務がある
- 申出や結果を理由にした不利益な扱いは禁止。職場全体で体を動かす機会を増やすことも一次予防になる
まずは自社の高ストレス者の選定基準が、実施マニュアルのどの例をもとにしているかを委託先か実施者に確かめ、結果の通知文に申出の窓口と相談先が書かれているかを見直してみてください。
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