ストレスチェックの集団分析は、個人の結果を部や課などの集団ごとに集計し、職場のストレスの特徴をつかんで職場環境の改善に使う仕組みです。実施は事業者の努力義務で、集計の単位が10人を下回る場合は原則として行いません。結果は「仕事のストレス判定図」で全国平均を100とした健康リスクとして読み、120を超えると職場に何らかの問題が生じている場合が多いとされています。
受検が終わり、委託先から部署別の集計表が届いた。数字と図は並んでいるけれど、どこを見て、誰に見せて、次に何をすればよいのかが分からない。ここでは厚生労働省の指針と実施マニュアルをもとに、集団分析の人数の決まり、判定図の読み方、結果の開示範囲を整理し、職場の運動・スポーツ施策につなげる方法までを扱います。
ストレスチェックの集団分析とは|部署ごとの結果を職場改善に使う仕組み
集団分析とは、ストレスチェックの結果を部や課などの一定規模の集団ごとに集計し、その集団のストレスの特徴と傾向を分析することです。ストレスチェック指針はこれを「集団ごとの集計・分析」と呼び、事業場内の部又は課等ごとに集計して分析することと定義しています。
個人の結果は本人に直接通知され、本人の同意がなければ事業者は見られません。一方で集団分析の結果は個人の結果を特定できないため、労働者の同意を取らずに実施者から事業者へ渡せます。事業者はこの集団の結果を、職場環境の改善に組織として使います。
集団分析は事業者の努力義務|50人未満の義務化後も同じ
労働安全衛生規則第52条の14は、事業者が検査を行った医師等に、結果を集団ごとに集計・分析させるよう努めなければならないと定めています。分析の結果を踏まえて、その集団の労働者の心理的な負担を軽減する措置を講じることも、同じ条の第2項で努力義務とされています。
2025年5月公布の改正法で、50人未満の事業場もストレスチェックの実施が義務になります(施行は令和10年4月1日)。ただし義務になるのは検査や面接指導で、集団分析と職場環境の改善は努力義務のままです。小規模事業場向けの実施マニュアル(令和8年2月)も、集団分析を「努めなければなりません」と書いています。
国会の附帯決議では、参議院厚生労働委員会(令和7年4月10日)が、集団分析・職場環境改善の在り方について義務化の可否を含めて検討を進めるよう求めました。今後の検討で扱いが変わる可能性があるため、厚生労働省の発表を確認しておくと安心です。施行日までの流れはストレスチェック義務化はいつからかで整理しています。
なお、50人以上の事業場が労働基準監督署に出す報告書の様式(様式第6号の3)には「集団ごとの分析の実施の有無」の欄があり、分析を行ったかどうかを記入します。
(参考)小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月) – 厚生労働省
(参考)労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について(報告) – 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課
2027年4月から「個人を識別できない方法」が条文に入る
令和8年6月30日に公布された改正省令(令和8年厚生労働省令第112号)により、第52条の14に「特定の個人を識別することができない方法で」という文言が加わります。施行期日は令和9年4月1日です。
施行通達は、これは従来の解釈を明文化したもので、運用に変更を加えるものではないと説明しています。そのうえで、個人が識別できる方法で集団分析を行っても努力義務を果たしたことにはならないとも書いています。委託先の集計の仕様を、この機会に確かめておくとよいでしょう。
あわせて読みたいストレスチェック実施者の要件|企業が選ぶ6職種とチーム分析›
(参考)労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について(令和8年6月30日付け基発0630第2号) – 厚生労働省
Q. ストレスチェックの集団分析は義務ですか?
集団分析は義務ではなく、事業者の努力義務です。労働安全衛生規則第52条の14が、実施者に結果を集団ごとに集計・分析させるよう努めなければならないと定めています。50人未満の事業場でストレスチェックが義務になる令和10年4月1日以降も、集団分析は努力義務のままです。
ストレスチェックの集団分析は何人から|10人未満は合算か全員の同意

集団分析は、集計の単位が10人以上なら同意なしで事業者に結果を渡せます。10人を下回る場合は個人が特定されるおそれがあるため、原則として、対象の労働者全員の同意がない限り、実施者は結果を事業者に渡してはいけません。10人未満の集団には、合算する、全員の同意を得る、個人が特定されない方法で分析する、の3つの進め方があります。
10人は在籍者ではなく受検者の数で数える
実施マニュアルは、下限の10人を在籍労働者数ではなく、実際の受検者数(有効なデータ数)で数えるとしています。12人の課でも、受検したのが9人なら10人未満として扱います。
受検率が低い部署ほど、この下限に引っかかりやすくなります。「一定規模の集団」は、職場環境を共有し、業務内容に一定のまとまりがある部や課などで、具体的な単位は事業者が業務の実態に応じて決めます。
10人未満の部署は上位の集団と合算する
最も使いやすいのは、同じ部門の他の課と合わせて10人以上の集団をつくる方法です。実施マニュアルの社内規程の例も、原則は課ごとに分析し、10人未満の課は同じ部門の他の課と合算するとしています。厚生労働省のQ&Aでも、すべての部署が10人以下の会社について、いくつかの部署を合わせて分析できると答えています。
小規模事業場向けのマニュアルの規程例は、原則として会社単位で分析する形になっています。事業場自体が小さい場合は、10人以上のより大きな集団をつくる工夫をしたうえで分析するよう、厚生労働省のリーフレットも求めています。
(参考)ストレスチェック制度 Q&A(令和3年改訂) – 厚生労働省
合計点の平均や判定図なら10人未満でも分析できる
10人未満でも、個人が特定されない方法なら同意なしで分析できます。例として示されているのは、職業性ストレス簡易調査票の57項目の合計点について集団の平均値だけを求める方法と、「仕事のストレス判定図」を使う方法です。
ただしこれらの方法でも、極端に少人数の集団を対象にするのは個人の特定につながるため不適切とされています。10人未満の単位で分析する場合は、その方法を衛生委員会等で審議したうえで社内規程に定め、労働者に周知する必要があります。小規模事業場で自社内で集計する場合は、社内の人間関係が近く個人が特定されやすい点にも注意が必要です。
(参考)ストレスチェックの「集団分析」を適切に実施しましょう! – 厚生労働省
(参考)心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針 – 厚生労働省
Q. 10人未満の部署で集団分析をするには同意書が必要ですか?
原則として、その集団の全員の同意がない限り、実施者は10人未満の集団の分析結果を事業者に渡せません。同意を集めない方法として、同じ部門の他の課と合算して10人以上にする方法と、57項目の合計点の平均や仕事のストレス判定図のように個人が特定されない方法で分析する方法があります。後者を使う場合は、衛生委員会等で審議して社内規程に定め、労働者に知らせておく必要があります。
ストレスチェックの集団分析結果の見方|仕事のストレス判定図を読む

集団分析の結果は、多くの場合「仕事のストレス判定図」で示され、全国平均を100とした健康リスクとして読みます。厚生労働省の標準的な57項目または簡略版の23項目を使う場合、集団分析はこの判定図によるのが適当だと実施マニュアルは書いています。独自の項目を使う場合も、判定図を参考に集計方法を決めます。
4つの尺度を2枚の判定図に置く
判定図は、「仕事の量的負担」「仕事のコントロール(裁量権)」「上司の支援」「同僚の支援」の4つの尺度を使います。各3項目、合計12項目の回答を1人ずつ点数にし、集団で平均を出します。
平均値は2枚の図に置きます。1枚は量的負担とコントロールで位置が決まる「量-コントロール判定図」、もう1枚は上司の支援と同僚の支援で位置が決まる「職場の支援判定図」です。図には全国平均の位置も示されているので、自分の集団がどの方向にずれているかを比べられます。
健康リスクは全国平均を100として読む
判定図の斜めの線は、仕事のストレス要因から予想される疾病休業などの健康問題のリスクを、全国平均を100として表したものです。ある集団が120の線上にあれば、健康問題が起きる可能性が全国平均より20%高いと判断します。
実施マニュアルは、これまでの調査事例では健康リスクが120を超える場合に何らかの仕事のストレスに関する問題が職場で生じている場合が多いとし、評価の参考になるとしています。120は合否の線ではなく、職場の状況を詳しく見に行く目安として使います。
総合健康リスクは2つの値を掛けて100で割る
2枚の判定図から読み取った健康リスクを掛け合わせ、100で割ったものが総合健康リスクです。実施マニュアルの例では、対象20人の経理課で量的負担8.5、コントロール6.4、上司の支援6.0、同僚の支援8.8という平均値が出ています。
この課は量-コントロール判定図で108、職場の支援判定図で112と読み取り、108×112÷100で総合健康リスクは121になります。仕事のストレスによって健康リスクが通常より約2割増えていると推定される職場です。
判定図は他の情報と合わせて評価する
判定図が見ているのは仕事のストレスの4つの側面だけで、図に取り上げられていない要因もあります。結果は労働者の主観的な評価の平均なので、実際の職場環境をそのまま映しているとは限りません。健康診断の集計、職場巡視、管理監督者や労働者からの聞き取りと合わせて評価します。
判定図は男女別に用意されていますが、性別を調べない場合や分けると人数が少なくなる場合は、男女を区別せず男性の判定図を使います。このとき女性のデータを男性の図に当てはめると、量-コントロールの健康リスクがやや高めに出る可能性がある点も覚えておきます。
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂) – 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室
Q. 総合健康リスクはどう計算しますか?
量-コントロール判定図から読み取った健康リスクと、職場の支援判定図から読み取った健康リスクを掛け、100で割って求めます。実施マニュアルの例では108と112を掛けて100で割り、約121になります。全国平均を100としているので、121なら健康問題が起きる可能性が全国平均より約2割高いと読みます。
集団分析の結果の開示範囲|管理者に不利益が出ないよう規程で決める
集団分析の結果を社内の誰に、どこまで見せるかは、衛生委員会で審議したうえで事業場ごとの社内規程として決めます。結果がその集団の責任者の評価につながり得る情報だからです。
共有は必要な人と範囲に絞る
ストレスチェック指針は、集団分析の結果は対象集団の管理者等にとって事業場内での評価等につながり得る情報で、無制限に共有すると管理者等に不利益が生じるおそれがあるとしています。そのため事業者は、結果を事業場内で制限なく共有してはならないとされています。
指針は一方で、管理者に不利益が生じないよう取扱いに注意しつつ、管理監督者向け研修や衛生委員会での職場環境の改善方法の検討に使うことが望ましいとも書いています。見せないことが目的ではなく、改善に使う人に、使う範囲で渡すことが求められています。
共有する相手と使い道を衛生委員会で決めて規程にする
実施マニュアルは、集団分析の方法と分析結果の利用方法(共有範囲を含む)を衛生委員会で審議し、あらかじめ社内規程として定めることが必要だとしています。小規模事業場向けマニュアルの規程例では、実施者から提供された集計・分析結果を人事労務部門で保有し、社内で5年間保存する形になっています。
保存期間について指針は、集団分析を行った場合は記録を作成して5年間保存することが望ましいとしています。経年変化を見るためにも、毎年の結果を同じ形で残しておくと比較しやすくなります。
集団の中の高ストレス者の人数は個人情報には当たりませんが、小さな集団の内数など個人が特定されるおそれがある場合は取得が望ましくないと、厚生労働省のQ&Aは答えています。取得するなら、目的と共有範囲を衛生委員会等で審議し、労働者に周知しておきます。
部署に返すときは「強みを伸ばすヒント」として伝える
厚生労働省の事例集「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて」(令和4年3月)は、各職場に結果を説明するときは、管理監督者への批評や批判と受け取られないよう注意し、職場の強みを伸ばすためのヒントだと説明すると効果的だとしています。
結果が全国平均や自社平均より良かった部署についても、その理由を分析すると、他部署に広げられる工夫が見つかるとしています。悪い部署だけに返すのではなく、良い部署の理由もあわせて共有すると、結果を受け取る側の構えが変わります。
(参考)ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて(令和4年3月) – 厚生労働省
Q. 集団分析の結果は社内の誰まで見せてよいですか?
共有する範囲は、衛生委員会で審議したうえで社内規程として事業場ごとに決めます。指針は、集団分析の結果がその集団の管理者の評価につながり得るため、事業場内で制限なく共有してはならないとしています。たとえば人事労務部門で保有し、各部署の責任者には自部署の結果だけを返すといった線引きを規程に書いておきます。
集団分析の活用方法|分析から活用まで進む事業所は約6割
厚生労働省の令和6年労働安全衛生調査(実態調査)によると、ストレスチェックを実施した事業所のうち集団分析を行ったのは75.4%で、そのうち分析結果を活用したのは76.8%でした。2つを掛け合わせると、ストレスチェックを実施した事業所のうち、分析して活用まで進んだのは約58%と計算できます。事業所の規模別に見ると、次のとおりです。
| 事業所規模 | 集団分析を実施 | うち結果を活用 | 実施事業所のうち分析して活用(計算値) | 分析したが特に活用していない |
|---|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 96.7% | 93.0% | 約90% | 4.6% |
| 500〜999人 | 87.8% | 88.8% | 約78% | 11.1% |
| 300〜499人 | 83.8% | 81.0% | 約68% | 18.3% |
| 100〜299人 | 79.2% | 84.4% | 約67% | 14.8% |
| 50〜99人 | 79.3% | 80.3% | 約64% | 16.4% |
| 30〜49人 | 72.9% | 75.2% | 約55% | 24.3% |
| 10〜29人 | 73.5% | 73.9% | 約54% | 20.7% |
| 合計 | 75.4% | 76.8% | 約58% | 19.5% |
出典:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」第3表・第4表をもとに Human Soar 作成。調査は常用労働者10人以上の民営事業所が対象で、時点は令和6年10月31日。「集団分析を実施」はストレスチェックを実施した事業所を100、「うち結果を活用」「特に活用していない」は集団分析を実施した事業所を100とした割合。計算値は2つの割合を掛けて四捨五入した
1,000人以上の事業所では、実施事業所の約90%が分析から活用まで進んでいる一方、30〜49人と10〜29人の事業所では約55%前後にとどまります。前年の令和5年調査では、集団分析を行った割合は69.2%、そのうち活用した割合は78.0%で、分析する事業所は増えたものの、活用の割合はほぼ横ばいです。
小さな事業所でも、10人未満の課を合算したり会社単位で分析したりすれば、集団分析の結果を手元に置くところまでは進められます。そこから活用につなげるには、次に見る活用内容のどれから手を付けるかを決めておくことが近道です。
活用の中心は残業削減と相談窓口
分析結果を活用した事業所の活用内容(複数回答)は、「残業時間削減、休暇取得に向けた取組」が48.5%で最も多く、「相談窓口の設置」41.2%、「上司・同僚に支援を求めやすい環境の整備」36.7%、「業務配分の見直し」34.8%、「人員体制・組織の見直し」33.8%と続きます。
判定図の4つの尺度に照らすと、残業削減や業務配分は「仕事の量的負担」に、支援を求めやすい環境づくりは「上司の支援」「同僚の支援」に向けた打ち手です。自社の判定図でどの尺度が全国平均から離れているかを先に確かめると、どの打ち手から始めるかを選びやすくなります。効果の測り方はメンタルヘルス施策の効果測定方法でも整理しています。
最も効果があるとされる従業員参加型は9.4%
実施マニュアルは、職場環境改善の進め方のうち、管理監督者が従業員と話し合いながら改善計画をつくる従業員参加型を、もっとも効果がある方法とされていると紹介しています。ところが同じ調査で「従業員参加型の職場環境改善、ワークショップの実施」を挙げた事業所は、活用した事業所の9.4%でした。
小規模事業場向けマニュアルには、同僚のサポート等が低かった26名の開発部門で、2時間のグループ討議から情報交換会などの改善策が生まれ、その後の調査で職場の一体感とワーク・エンゲイジメントの点数が上昇した事例が載っています。最初から大がかりにせず、既存の職場の会合を使うことも実施マニュアルは勧めています。
(参考)令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況 – 厚生労働省
集団分析の結果を運動・スポーツ施策につなげる|支援の尺度から入る
集団分析の結果を職場の運動・スポーツ施策につなげるときは、判定図のうち「上司の支援」「同僚の支援」が低い職場から検討すると、目的と手段が合いやすくなります。運動の機会は仕事の量そのものを減らしませんが、職場の人どうしが関わる機会をつくれるからです。
上司・同僚の支援が低い職場は交流の機会として使う
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、日本の11の職場の労働者59人を対象に、昼休みに週3回の運動指導を職場単位で10週間行った研究を紹介しています。運動指導を受けなかった群と比べて、活力、対人ストレス、ソーシャルサポート、仕事の満足度などに改善が見られたとされています。
スポーツ庁が「スポーツエールカンパニー2026」に認定した1,635団体に行ったアンケートでも、多くの団体が「職場のコミュニケーションがよくなった」と回答しています。こうした取り組みは、集団分析の活用内容の「上司・同僚に支援を求めやすい環境の整備」の一つの形として位置づけられます。
ただし研究で測ったソーシャルサポートと、判定図の「上司の支援」「同僚の支援」は同じ物差しとは限りません。運動の機会を設けたことで判定図の数字が良くなるとは言い切れないため、効果は翌年の集団分析で確かめます。
(参考)「スポーツエールカンパニー2026」過去最多の1,635団体を認定 – スポーツ庁
仕事の量的負担が高い職場では業務時間内に組み込む
量的負担が高い職場で、終業後や休日のスポーツイベントへの参加を募ると、かえって時間の負担を増やすことになりかねません。同じガイドは、働く人が職場で活動的に過ごすには個人の努力だけでは難しい面があり、職場など組織のレベルで対策を講じることで集団全体への効果が高まるとしています。
ガイドが示す対策の例には、勤務時間、職場主導の運動教室、階段の場所、スタンディングデスクなどが並んでいます。量的負担の高い職場では、まず残業削減や業務配分の見直しを優先し、運動は先の研究のように昼休みを使うなど、業務時間の中で負担にならない形で取り入れるのが現実的です。小さな会社で運動を予防策に組み込む考え方は中小企業のメンタルヘルス対策とスポーツ活用でも触れています。
あわせて読みたい運動でストレス解消できるのはなぜ|効く強度・時間と続け方›
(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 – 厚生労働省
翌年の集団分析で同じ尺度を比べる
運動・スポーツ施策を職場環境改善として行うなら、始める前の年の集団分析の値を控えておき、翌年に同じ尺度で比べます。集団分析の結果は経年変化を見るために5年間保存することが望ましいとされているので、その記録をそのまま効果の確認に使えます。
比べるときは、施策を行った部署と行っていない部署を並べると、全社的な変化と施策による変化を区別しやすくなります。高ストレス者への個別のフォローはストレスチェック後のフォロー面談にスポーツ心理学を活かす視点で扱っています。
ストレスチェックの集団分析のまとめ
集団分析は努力義務ですが、ストレスチェックを個人のセルフケアだけで終わらせず、職場の改善につなげるための仕組みです。数値の出典は本文の各セクションに記載しています。従業員の健康と職場づくりの全体像はウェルビーイングの施策が失敗する理由と設計法にまとめています。
- 集団分析は労働安全衛生規則第52条の14に基づく努力義務で、50人未満の義務化後も変わらない
- 10人は受検者数で数え、10人未満は合算するか、全員の同意を得るか、個人が特定されない方法で分析する
- 判定図は全国平均を100とした健康リスクで読み、総合健康リスクは2つの値を掛けて100で割る
- 結果の共有範囲は衛生委員会で審議して規程にし、制限なく社内に広げない
- 運動・スポーツ施策は支援の尺度が低い職場から検討し、翌年の集団分析で同じ尺度を比べる
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