福利厚生の会社負担は月5.5万円|中小企業のスポーツ施策予算

福利厚生の会社負担と中小企業のスポーツ施策の予算を解説する記事のアイキャッチ スポーツウェルビーイング

福利厚生の会社負担は、従業員1人あたり月5万5,165円です(厚生労働省の令和3年就労条件総合調査の計算値)。その9割超は法律で決まる保険料で、会社が自由に決められる法定外福利費は月4,882円、運動や娯楽に回っているのは月163円でした。

来期の予算表を前に「ジムの補助を入れたい」と相談され、いくらなら妥当なのか答えに詰まる。月給30万円の社員1人の保険料だけで会社は毎月5万円近く払っているのに、追加の数百円や数千円を出す根拠が見つからない。福利厚生の見直しでは、こうした場面がよく起きます。

この記事では、会社負担の全体像と負担割合を公的な料率で計算し、スポーツ施策にいくら出すかを1人あたりの月額で比べられるようにしました。読み終えたときに、自社の予算の叩き台を作れる状態を目指します。

  1. 福利厚生の会社負担は月5万5,165円|9割超が法定福利費
  2. 法定福利費の負担割合は制度ごとに決まっている|月給30万円で月4万9,530円
    1. 医療・介護は標準報酬の約5.85%を会社が負担する
    2. 年金は半分負担に加えて拠出金を全額負担する
    3. 労働保険は業種で料率が変わる
  3. 法定外の負担割合は自社で決める|税務で確かめる3つの分かれ目
    1. 食事補助は本人が半分以上を負担する
    2. 役員だけの制度と著しく多額な負担は課税される
    3. 現金に換わる補助は給与として課税される
  4. 法定外福利費の内訳で見ると体育・娯楽は月163円
    1. 住居の費用は1,000人以上で月3,974円
    2. 食事の費用は30〜99人で月849円
    3. 私的保険への拠出は30〜99人で月1,027円
    4. 文化・体育・娯楽は30〜99人で月183円
  5. 会社側のメリットは4つの指標で測る
    1. 週1回以上のスポーツ実施率で全国の51.7%と比べる
    2. 健診の質問票で運動習慣の変化を見る
    3. 離職率は全国の14.2%と前年の自社を比べる
    4. 利用率と1人あたり費用で続けるかを決める
  6. スポーツ施策にかかる費用の目安|1人月67円から3,333円
    1. 就業中の体操は現金ゼロでも時間の費用がかかる
    2. ジムの半額補助は月1,639円で利用者分だけ発生する
    3. 公共施設の利用補助は月700円から始められる
    4. 社内サークルの保険は年800円からで掛金が読みやすい
  7. 従業員30人の予算は年6万5,880円が基準|決めるための3手順
    1. 手順1|今の法定外福利費を1人あたりの月額にする
    2. 手順2|利用率を仮置きして年額を出す
    3. 手順3|認定の要件に合わせて社内ルールを書く
  8. まとめ

福利厚生の会社負担は月5万5,165円|9割超が法定福利費

福利厚生の会社負担を法定福利費と法定外福利費に分解した図

会社負担は「法定福利費」と「法定外福利費」の2つに分けると整理できます。法定福利費は社会保険料などの法律で決まった負担で、法定外福利費は住宅手当や食事補助など会社が任意で出す費用です。

厚生労働省の令和3年就労条件総合調査によると、常用労働者1人1か月あたりの法定福利費は50,283円、法定外福利費は4,882円でした。計算すると、合計は55,165円で、法定福利費が91.2%を占めます。同調査は常用労働者30人以上の民営企業が対象で、数字は令和2年(平成31・令和元会計年度)の実績です。

平成28年調査と比べると、法定福利費は47,693円から5.4%増え、法定外福利費は6,528円から25.2%減りました。法律で決まる負担は増え、任意で出す負担は減っています。だからこそ、任意の部分は「何となく続ける」より、目的を決めて配分したほうが納得を得やすくなります。

(参考)令和3年就労条件総合調査の概況 労働費用 – 厚生労働省

(参考)令和3年就労条件総合調査 調査の概要 – 厚生労働省

Q. 福利厚生の会社負担はいくらですか?

従業員1人あたり月5万5,165円です。厚生労働省の令和3年就労条件総合調査の法定福利費50,283円と法定外福利費4,882円を足した計算値で、常用労働者30人以上の民営企業が対象です。30〜99人の会社では月5万233円でした。

法定福利費の負担割合は制度ごとに決まっている|月給30万円で月4万9,530円

法定福利費の負担割合は、制度ごとに法律や公的な料率で決まっています。月給30万円、40歳以上、東京都の協会けんぽ加入、一般の事業で労災保険率が1,000分の3の会社を例に、2026年度の料率で計算すると、会社負担は月49,530円でした。

分類 制度と料率(2026年度) 会社の負担割合 会社負担の月額
医療・介護 健康保険9.85%、介護保険1.62%、子ども・子育て支援金0.23% いずれも半分 17,550円
年金・子育て 厚生年金18.3%、子ども・子育て拠出金0.36% 厚生年金は半分、拠出金は全額 28,530円
労働保険 雇用保険1,000分の13.5、労災保険1,000分の3 雇用保険は1,000分の8.5、労災は全額 3,450円

出典:協会けんぽ、日本年金機構、こども家庭庁、厚生労働省の2026年度の料率をもとに本記事で計算。標準報酬月額と賃金を30万円とし、賞与は含めていません。合計は49,530円です。

医療・介護は標準報酬の約5.85%を会社が負担する

協会けんぽ東京支部の2026年度の健康保険料率は9.85%、介護保険料率は全国一律で1.62%です。介護保険料は40歳から64歳の人だけが対象なので、39歳以下の従業員なら会社負担はこの計算より月2,430円少なくなります。

2026年4月分からは、子ども・子育て支援金0.23%も加わりました。支援金額の半分は企業の負担です。健康保険料率は都道府県で異なり、健康保険組合に加入している会社は料率も負担割合も組合の規約で変わるので、自社の保険料額表で確かめてください。

(参考)令和8年度の協会けんぽの保険料率 – 全国健康保険協会

(参考)子ども・子育て支援金制度について – こども家庭庁

年金は半分負担に加えて拠出金を全額負担する

厚生年金保険料率は18.3%で固定されており、事業主と被保険者が半分ずつ負担します。月給30万円なら、会社負担は月27,450円です。法定福利費のなかで最も大きな項目で、就労条件総合調査でも構成割合の55.5%を占めています。

見落としやすいのが子ども・子育て拠出金です。率は0.36%で、事業主が全額を負担します。従業員の負担がない費用なので、見積もりから漏れないよう注意しましょう。月給30万円なら月1,080円です。

(参考)厚生年金保険の保険料 – 日本年金機構

(参考)厚生年金保険料額表(令和8年度版) – 日本年金機構

労働保険は業種で料率が変わる

雇用保険料率は一般の事業で1,000分の13.5で、このうち1,000分の8.5が事業主の負担です。労災保険料は全額を事業主が負担し、率は業種ごとに決まっています。「その他の各種事業」は1,000分の3です。

月給30万円なら雇用保険の会社負担は月2,550円、労災保険は月900円で、合わせて月3,450円です。農林水産・清酒製造や建設の事業は雇用保険料率が高く、労災保険率も業種で大きく違うので、製造や建設の現場を持つ会社はこの例より負担が増える場合があります。

(参考)令和8年度 雇用保険料率のご案内 – 厚生労働省 愛媛労働局

(参考)令和8年度の労災保険率等について – 厚生労働省

(参考)労働保険とは – 厚生労働省

法定外の負担割合は自社で決める|税務で確かめる3つの分かれ目

福利厚生のスポーツ施策の費用が対象と渡し方で税務上どう分かれるかを示した図

法定外福利費の負担割合に、法律で決まった一律の基準はありません。全額を会社が持つか、一部を本人負担にするかは自社で決められます。ただし設計によっては従業員の給与として課税されるので、国税庁の通達と質疑応答事例で次の3点を確かめておきます。

食事補助は本人が半分以上を負担する

国税庁が負担割合をはっきり示している代表例が食事の支給です。役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担し、会社の負担額が月7,500円(税抜)以下であれば、給与として課税されません。どちらかを満たさないと課税の対象になります。

スポーツ栄養を踏まえた補食を置く場合も、この基準が設計の出発点になります。詳しくは企業の食事補助と月7,500円の非課税枠で整理しています。

(参考)No.2594 食事を支給したとき – 国税庁

役員だけの制度と著しく多額な負担は課税される

福利厚生施設の運営費などを会社が負担した場合、経済的利益が著しく多額な場合と、役員だけを対象とする場合を除いて課税しなくて差し支えないとされています。運動会などのレクリエーション行事でも、役員だけを対象に費用を負担すれば同じく課税の対象です。

裏返すと、スポーツ施策は「全従業員が使える形にする」ことが基本になります。実際に使う人が少なくても、制度として誰でも使えるかどうかを先に確かめておくと、税務の確認がしやすくなります。

あわせて読みたいスポーツジムは法人の経費になる?|福利厚生費・給与の分かれ目›

(参考)所得税基本通達36-29・36-30 課税しない経済的利益 – 国税庁

現金に換わる補助は給与として課税される

国税庁の質疑応答事例は、課税されない経済的利益は現物給付の形で支給されるものに限られるとしています。ポイント制の福利厚生でも、現金に換えられる制度は全体が課税対象です。行事に参加しなかった人へ代わりに金銭を渡す場合も、給与として課税されます。

ジムの利用料を毎月の給与に上乗せして渡す形は、この点で確認が欠かせません。判断に迷う設計は、導入前に顧問税理士か所轄の税務署へ、対象者・金額・支給方法を示して相談してください。

(参考)カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合 – 国税庁

Q. 福利厚生の負担割合は決まっていますか?

法定福利費は制度ごとに決まっていますが、法定外福利費に一律の基準はありません。健康保険や厚生年金は会社と本人で半分ずつ、労災保険と子ども・子育て拠出金は会社が全額を負担します。法定外は自社で決められますが、食事補助のように本人が半分以上を負担しないと課税される例があります。

法定外福利費の内訳で見ると体育・娯楽は月163円

文化・体育・娯楽に関する費用は、法定外福利費4,882円のうち163円で、構成割合は3.3%でした。企業規模で並べると、大企業ほど住居に、小さな会社ほど食事や保険に厚く出している違いがはっきり見えます。

費用(1人1か月) 30〜99人 100〜299人 300〜999人 1,000人以上
住居 960円 1,832円 2,506円 3,974円
食事 849円 690円 427円 174円
私的保険制度への拠出金 1,027円 367円 157円 111円
文化・体育・娯楽 183円 176円 161円 141円

出典:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」第19表から4費目を抜き出して作成。法定外福利費の合計は30〜99人が4,414円、1,000人以上が5,639円です。

住居の費用は1,000人以上で月3,974円

住居は法定外福利費で最も大きな費目で、全体の51.4%を占めます。計算すると、1,000人以上の会社では月3,974円と、30〜99人の960円の約4.1倍でした。規模が大きい会社の負担が、全体の平均を押し上げています。

そのため、平均の4,882円をそのまま自社の目標にすると実態からずれます。比べるなら、自社と同じ規模の列を使ってください。

食事の費用は30〜99人で月849円

計算すると、食事の費用は企業規模が小さいほど高く、30〜99人の月849円は1,000人以上の174円の約4.9倍です。計算すると、法定外福利費の合計に占める割合も、30〜99人では19.2%と高く、規模の小さな会社ほど食事への配分が厚くなっています。

従業員が実際に何を望むかは会社ごとに違います。人気の傾向は福利厚生の人気ランキングとスポーツ施策の選び方で確かめられます。

私的保険への拠出は30〜99人で月1,027円

私的保険制度への拠出金は、30〜99人で月1,027円と、この規模の法定外福利費で最も大きな費目です。1,000人以上の111円と比べると約9.3倍で、4費目のなかで規模による差が最も大きくなりました。

今の配分を変えるときは、この費目に何が含まれているかを最初に確かめましょう。すでに払っている費用を把握すると、新しい施策に回せる余地があるかどうかが分かります。

文化・体育・娯楽は30〜99人で月183円

体育や娯楽の費用は、30〜99人の月183円が最も高く、1,000人以上の141円を上回りました。年額にすると1人あたり2,196円です。他の費目と比べて規模の差が小さく、どの規模でも少額にとどまっています。

平成28年調査の383円と比べると57.4%減りました。数字の対象は令和2年(平成31・令和元会計年度)で、減った理由までは調査から読み取れません。いずれにしても、スポーツ施策の予算を月数百円から考えても、平均と比べて小さすぎることはない水準です。

あわせて読みたい福利厚生にスポーツクラブ導入|企業の選び方と費用相場›

(参考)令和3年就労条件総合調査の概況 法定外福利費 – 厚生労働省

会社側のメリットは4つの指標で測る

福利厚生の会社側のメリットは、従業員の健康状態の改善、定着、社外への取り組みの提示にあります。ただし導入すれば自動的に出るものではないので、導入前の数字を控え、同じ指標を毎年比べられるようにしておきます。

週1回以上のスポーツ実施率で全国の51.7%と比べる

スポーツ庁の令和7年度調査では、20歳以上の週1日以上のスポーツ実施率は51.7%で、20代から50代の働き盛り世代で低い傾向が続いています。自社の従業員に同じ問いで尋ねれば、全国の水準と比べられます。

スポーツエールカンパニーでは、週1回以上の実施率が70%以上の団体に「+(プラス)」の呼称が付きます。全国平均の51.7%と認定の70%は、社内で目標を置くときの分かりやすい物差しになります。職場で取り組む意味はスポーツ実施率の年齢別の値と企業の取り組みにもまとめています。

(参考)令和7年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」 – スポーツ庁

健診の質問票で運動習慣の変化を見る

新たにアンケートを作らなくても使えるのが、特定健診の質問票です。スポーツエールカンパニー2027の募集要項では、「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」の回答結果を、実施率の資料の代替にできるとしています。

毎年同じ設問で集まるので、施策の前後を比べる材料として扱いやすいデータです。健診の扱いを整理したいときは健康診断と福利厚生の関係も参考になります。

(参考)スポーツエールカンパニー2027 募集要項 – スポーツ庁

離職率は全国の14.2%と前年の自社を比べる

経済産業省の健康投資管理会計ガイドラインでは、離職率がアブセンティーイズムやプレゼンティーイズムと並ぶ就業関係の指標に挙げられています。厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、年初の常用労働者数に対する離職率は14.2%、一般労働者に限ると11.5%でした。

離職の理由は賃金や働き方など多岐にわたるので、「施策を入れたから下がった」とは言い切れません。自社の前年との比較を基本にし、退職面談の理由と合わせて読むと、施策との関係を説明しやすくなります。

(参考)健康投資管理会計ガイドライン – 経済産業省

(参考)令和6年雇用動向調査結果の概況 – 厚生労働省

利用率と1人あたり費用で続けるかを決める

最も早く動く指標が利用率です。対象者のうち何人が使ったかと、使った人1人あたりの費用を毎月控えると、半年ほどで続けるかどうかを判断する材料がそろいます。利用が一部の人に偏っていないかも、部署別に見ておきます。

利用率が伸びないときは、施策の種類より先に目的と対象を見直します。設計の考え方はウェルビーイング施策が失敗する理由と設計法で解説しています。

あわせて読みたいスポーツ福利厚生の効果|離職率と生産性で見る投資対効果›

Q. 福利厚生の会社側のメリットは何ですか?

従業員の健康状態の改善、定着、社外への取り組みの提示です。ただし導入だけで成果が出るわけではないので、スポーツ実施率、健診の運動習慣、離職率、利用率を導入前から記録して比べます。

スポーツ施策にかかる費用の目安|1人月67円から3,333円

スポーツ施策の費用は、公開されている料金をもとにすると1人あたり月67円から3,333円の幅があります。下の表は公式サイトなどで確かめた料金と計算の前提を並べ、30〜99人の会社の平均183円と比べたものです。

施策 計算の前提 1人の月額 平均183円との比
就業中の体操 1日5分×月20日、時給2,000円と仮定 3,333円 約18.2倍
ジム月額の半額補助 chocoZAPの月額3,278円の半額 1,639円 約9.0倍
公共施設の利用補助 東京体育館の共通利用券700円を月1回 700円 約3.8倍
社内サークルの保険 スポーツ安全保険の年額800円〜 67円〜 約0.4倍

出典:各運営者の公開情報と厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」をもとに本記事で計算(2026年11月確認)。特定のサービスを勧めるものではなく、料金は変わることがあります。

就業中の体操は現金ゼロでも時間の費用がかかる

朝や就業中の体操は、スポーツエールカンパニーの募集要項にも取組例として挙がる定番です。道具代はほぼかかりませんが、1日5分を月20日行うと100分ぶんの賃金が発生します。時給2,000円と仮定すれば月3,333円で、表のなかで最も大きな数字になりました。

ただし、この費用は新たな現金の支出ではなく、すでに払っている賃金の使い道です。稟議で説明するときは現金の支出と分けて示し、全員に届くことを利点として伝えると話が通りやすくなります。

(参考)スポーツエールカンパニー – スポーツ庁 Sport in Life

ジムの半額補助は月1,639円で利用者分だけ発生する

chocoZAPの公式サイトでは月額3,278円(税込)と案内されています。半額を会社が持つと月1,639円で、使う人の分だけ費用が発生します。前の章のとおり、現金で本人に渡す形は給与として課税される可能性があるので、支給方法は税務の確認が先です。

法人契約の料金は、公開されていないサービスが多く、見積もりで確かめることになります。複数の会社を比べるときは、最低契約人数と契約期間も一緒に確認してください。

(参考)chocoZAP 公式サイト – RIZAP

公共施設の利用補助は月700円から始められる

東京体育館の案内では、一般のプール・トレーニングルーム共通利用券は700円で、2時間30分使えます。月1回ぶんを会社が持つと1人月700円で、民間ジムの半額補助の半分以下です。自治体の施設は地域ごとに料金が違うので、事業所の近くの施設で確かめてください。

公共施設は入会の手続きがなく、運動の習慣がない人でも試しやすい点が利点です。一方で、回数券やチケットをどう配るかを決めておかないと、利用の実績が残りません。

(参考)東京体育館 利用案内 – 東京都スポーツ文化事業団

社内サークルの保険は年800円からで掛金が読みやすい

社内でサークルや部活動を作る場合、費用の中心は会場代と用具代で、活動内容で大きく変わります。金額を先に決めやすいのが保険です。スポーツ安全保険は、4名以上のアマチュアの団体やグループが対象で、年額800円からと案内されています。

年800円は月に直すと約67円で、平均の183円に収まります。社内サークルが加入できるかどうかと、活動内容に応じた区分は、加入前にスポーツ安全協会で確かめてください。

(参考)スポーツ安全保険 – スポーツ安全協会

Q. スポーツ施策の費用はいくらが目安ですか?

公開料金で見ると1人あたり月67円から3,333円の幅があります。比較の基準は、30〜99人の会社の体育・娯楽の平均である月183円です。施策の単価に人数と利用率を掛けて年額を出すと、予算を判断しやすくなります。

従業員30人の予算は年6万5,880円が基準|決めるための3手順

福利厚生のスポーツ施策を参加の広がりと1人あたり費用で分類した図

スポーツ施策の予算は、平均値を基準に置き、参加の広がりと費用で施策を並べると決めやすくなります。上の図は本記事の整理です。階段利用や徒歩通勤の推奨は安く全員に届き、就業中の体操は時間の費用がかかるものの全員に届きます。公共施設の補助と社内サークルは費用を抑えて希望者に、ジムの補助は費用をかけて希望者に届く施策です。

手順1|今の法定外福利費を1人あたりの月額にする

最初に、昨年度の福利厚生費のうち法定外の分を費目ごとに集計し、従業員数と12か月で割ります。比べる相手は、自社と同じ規模の列です。30〜99人なら法定外福利費の平均は月4,414円、体育・娯楽は月183円でした。

この数字を出すだけで、「うちは平均より多いのか」「どの費目を動かせるのか」という議論の土台ができます。金額の大小を見る前に、費目ごとの目的を1行で書いておくと、見直しの理由も説明しやすくなります。

手順2|利用率を仮置きして年額を出す

次に、施策の単価に人数と利用率を掛けて年額を出します。従業員30人の会社で平均の183円を出すと年65,880円です。公共施設の補助を月700円とすると、全員が毎月使えば年252,000円、3割が使うなら年75,600円になります(いずれも計算による)。

3割が使う想定なら、平均に近い予算で始められます。稟議には「全員が使った場合の上限」と「想定する利用率での見込み」を両方書き、上限を超えない仕組みを添えると判断してもらいやすくなります。

手順3|認定の要件に合わせて社内ルールを書く

最後に、制度を社内の文書にします。スポーツエールカンパニーの要件は、団体や事業所の全体で推進していること、経営者等の理解を得て取組が明確になっていること、社内に周知され実績があることなどです。社内ルールをこの順に書くと、税務で確かめた「全員が使える形」とも一致します。

FAQでは、実施頻度の基準は設けず、社内のクラブ・サークル活動や年1回の運動会開催も申請できるとしています。一方で募集要項は、従業員のスポーツ観戦を支援する取組を対象外としています。申請の流れはスポーツエールカンパニー2027の認定基準と申請期限で確かめられます。

(参考)スポーツエールカンパニー認定制度FAQ – スポーツ庁

まとめ

福利厚生の会社負担は、公的な数字と料率を使えば自社の場合で計算できます。要点を振り返ります。

  • 福利厚生の会社負担は1人月55,165円で、91.2%が法定福利費です。
  • 月給30万円の例では、法定福利費の会社負担は月49,530円(40歳以上)でした。
  • 法定外の負担割合は自社で決められますが、役員だけの制度、著しく多額な負担、現金に換わる補助は課税の対象になります。
  • 体育・娯楽の費用は月163円で、30〜99人でも月183円です。公開料金で見たスポーツ施策は月67円から3,333円の幅があります。
  • まず自社の法定外福利費を1人月額にし、利用率を仮置きして年額を出すと、稟議に書ける予算の叩き台ができます。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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