人気の福利厚生は、働く人3,000人への調査で「必要だと思う」が多い順に、人間ドックの補助38.8%、慶弔見舞金33.8%、住宅手当32.6%、食事手当31.8%でした。導入を考えるなら、順位だけでなく、実際に使われているかも一緒に見ます。スポーツの制度は順位こそ高くありませんが、健康の施策と組み合わせると活かしやすくなります。
福利厚生を見直すことになり、「人気ランキング」を調べてみた。けれど、サイトごとに順位が違い、どれを信じてよいのか分からない。サービス会社の調査も多く、自社に合う制度を選ぶ根拠としては少し心もとないものです。
この記事では、労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査をもとに、必要とされる制度、実際に使われる制度、足りない制度を整理し、スポーツの制度の位置づけまで説明します。
必要だと思う福利厚生の1位は人間ドック受診の補助で38.8%
JILPTは2025年9月、15〜79歳の雇用労働者3,000人にインターネットで調査しました。「必要だと思う制度」を多い順に並べると次のとおりです。
| 順位 | 制度 | 必要だと思う | 勤務先にある |
|---|---|---|---|
| 1 | 人間ドック受診の補助 | 38.8% | 35.2% |
| 2 | 慶弔見舞金制度 | 33.8% | 42.1% |
| 3 | 家賃補助や住宅手当 | 32.6% | 25.4% |
| 4 | 食事手当 | 31.8% | 14.6% |
| 5 | 永年勤続表彰 | 30.4% | 32.9% |
| 6 | 労災補償給付の付加給付 | 26.5% | 20.4% |
| 7 | 財形貯蓄制度 | 23.4% | 20.6% |
出典:JILPT調査シリーズNo.263。順位は本記事が上位を抜き出して付けたものです。
「必要だと思う施策はない」も26.0%ありました。人気の制度を入れれば全員が喜ぶわけではありません。また、正規雇用では慶弔見舞金が35.7%、永年勤続表彰が34.2%、食事手当が34.1%で、正規雇用以外では「ない」が30.4%と、働き方で答えが変わります。自社の社員の構成で読み替えます。
(参考)調査シリーズNo.263「福利厚生に関する労働者調査」(2026年3月) – 労働政策研究・研修機構
Q. 福利厚生で一番人気なのは何ですか?
JILPTの2025年の調査では、必要だと思う制度の1位は人間ドック受診の補助で38.8%でした。続いて慶弔見舞金が33.8%、家賃補助や住宅手当が32.6%です。調査によって対象や質問が違うので、順位が変わることがあります。
差が一番大きいのは食事手当で必要31.8%に対し導入は14.6%

必要だと思う割合から勤務先にある割合を引くと、足りていない制度が見えます。計算は本記事によるものです。食事手当は17.2ポイントの差があり、上位の制度の中で最も開いています。住宅手当は7.2ポイント、人間ドックは3.6ポイント、慶弔見舞金はマイナス8.3ポイントでした。
ただし、必要と答えた人と制度のない会社の人が同じとは限りません。差は、社内で聞いてみる候補を絞る材料として使います。食事手当の税の扱いは福利厚生の食事補助の記事で整理しています。
(参考)調査シリーズNo.263「福利厚生に関する労働者調査」(2026年3月) – 労働政策研究・研修機構
使われる福利厚生は食堂69.2%と食事手当62.9%が上位
導入しても使われなければ、人気とは言えません。同じ調査で、制度が「ある」と答えた人のうち、利用した経験がある人の割合は次のとおりです。
| 制度 | 利用したことがある |
|---|---|
| 食堂 | 69.2% |
| 食事手当 | 62.9% |
| 社員旅行の実施、補助 | 53.8% |
| 人間ドック受診の補助 | 50.2% |
| 家賃補助や住宅手当 | 46.0% |
| 慶弔見舞金制度 | 34.7% |
| 運動施設・フィットネスクラブの利用補助 | 24.4% |
| 運動施設の設置 | 16.3% |
出典:JILPT調査シリーズNo.263。制度が「ある」と答えた人のうちの割合です。
食事の制度は毎日使えるので利用が多い
食堂や食事手当は、働く日ならいつでも使えます。一方で慶弔見舞金は、結婚や不幸といった出来事がないと使いません。利用の割合が低いから不要というわけではなく、制度の性質が違うと考えます。
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スポーツの制度は導入と利用の両方がまだ少ない
フィットネスの利用補助は、勤務先にあるが10.9%、必要だと思うが10.0%で、利用したことがある人は24.4%でした。人気の上位とは言えません。導入するなら、使う人を増やす仕掛けまでセットで考えます。
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Q. 福利厚生のランキングはどれを信じればよいですか?
誰に何を聞いた調査かを確かめます。サービスの満足度や資料請求の数を集計したものと、働く人に制度の必要性を聞いたものでは意味が違います。導入の判断には、公的機関の調査に加えて、自社の社員へのアンケートを組み合わせてください。
スポーツの施策は人気の制度と組み合わせると活きる

スポーツの制度だけを単独で入れても、使う人は限られがちです。必要とされている健康や食事の制度と組み合わせる形が考えられます。組み合わせは本記事の提案です。
人間ドックの結果と運動の機会をつなぐ
人間ドックの補助は最も必要とされています。結果が返ってきた時期に、運動の取り組みや施設の補助を案内すると、健診で終わらずに次の行動へつなげられます。効果の考え方はスポーツの福利厚生の効果の記事で説明しています。
食事手当にスポーツ栄養の考え方を添える
食事の制度はよく使われるので、栄養の案内を添える場として向いています。主食、主菜、副菜をそろえるといったスポーツ栄養の基本を伝えると、手当が健康の施策にもなります。
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運動会などの行事はレクリエーションとして位置づける
運動会などのレクリエーションは、勤務先にあるが11.1%で、利用した人は29.9%でした。全員参加を前提にせず、見る人や運営する人の役割も作ると参加しやすくなります。スポーツ庁のスポーツエールカンパニーには、従業員の運動を促す企業の取り組み例がまとめられています。
(参考)スポーツエールカンパニー2024 特徴ある取組例 – スポーツ庁
Q. スポーツの福利厚生は人気がありますか?
JILPTの調査で、運動施設やフィットネスの利用補助を必要だと思う人は10.0%で、上位ではありません。ただ、運動をしたい人には役立ちます。単独で入れるより、健診や食事の制度と組み合わせて案内すると、使う人を増やしやすくなります。
自社の福利厚生は3つの質問で選ぶ

ランキングをそのまま当てはめず、社内で確かめます。国の調査と同じ聞き方にすると、比べやすくなります。手順は本記事の提案です。
- 制度があることを社員が知っているか
- 必要だと思うか
- 実際に使ったことがあるか、使わない理由は何か
費用をかけない方法から試したいときは無料でできる福利厚生も参考になります。施策の全体はウェルビーイングの施策の考え方で説明しています。
人気の福利厚生の要点
- 必要だと思う制度の1位は人間ドック受診の補助で38.8%
- 必要と導入の差が大きいのは食事手当で17.2ポイント
- 使われているのは食堂と食事手当で、毎日使える制度が上位
- スポーツの制度は、健診や食事の制度と組み合わせる
- 26.0%は必要な制度はないと答えており、社内の確認が欠かせない
まずは同じ3つの質問を、社員に短いアンケートで聞いてみてください。
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