試合の1か月前から始まる減量、2〜3日間の絶食、うがいで我慢する喉の渇き。井上尚弥の体重の話は、数字の裏に具体的な苦しさがあります。
確認できる数字を並べると、計量の体重はライトフライ級の48.97kgからスーパーバンタム級の55.3kgまで上がりました。計算すると、ライトフライ級の時代の通常体重は60kgで、差は11.03kgです。一方で、2024年のドヘニー戦の当日は過去最重量の62.7kgでした。階級ごとの数字と本人の言葉から、体重の管理を整理します。
井上尚弥の体重の推移|階級別に4つの時点を比較
計算すると、井上尚弥の体重は、計量ではライトフライ級の48.97kgからスーパーバンタム級の55.3kgへ6.33kg増えました。4つの時点を比べると、計量日の体重と普段の体重が別物であることが分かります。
| 時点 | 階級・場面 | 確認できる体重 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 2012〜2014年 | ライトフライ級 | リミット48.97kg | 通常体重60kg |
| 2019年11月 | バンタム級 | リミット53.5kg | 計量の3日前に到達 |
| 2021年2月 | エキシビション | 約62kg | 減量なしで出場 |
| 2024年9月 | スーパーバンタム級 | 計量55.3kg | 当日は過去最重量の62.7kg |
出典:東洋経済オンライン(2020年)、デイリースポーツ(2019年・2021年)、SPREAD(2024年)、Sports Graphic Number Webをもとに本記事で作成
ライトフライ級は48.97kgまで落としていた
著書『勝ちスイッチ』の抜粋によると、2012年10月のデビュー戦から2014年9月の初防衛戦までのライトフライ級の時代は、「通常体重60キロからリミットの48.97キロまで落とさねばならなかった」といいます。本人はこの時期を、調整の99%を減量が占める苦しい時代と振り返っています。
(参考)井上尚弥が語る「ボクサーの驚くべき減量事情」(2020年1月3日・『勝ちスイッチ』より抜粋) – 東洋経済オンライン
バンタム級は計量の3日前に53.5kgへ到達した
デイリースポーツによると、2019年11月のWBSS決勝前は、計量の3日前にあたる日にバンタム級のリミット53.5kgへ到達し、自己最速とも言える仕上がりでした。本人は「やり残したことはない」と語っています。
(参考)井上尚弥が最速仕上げ 計量3日前にリミット到達(2019年11月5日) – デイリースポーツ
2021年のエキシビションは約62kgで出場した
減量のない2021年2月のエキシビションでは、本人が「今日は62キロくらい(笑)」と話しました。さらに「いつもは絞った体なので」とも語っており、試合時の体つきとの違いに本人も照れていた様子です。
(参考)井上尚弥、貴重な減量なしファイト(2021年2月11日) – デイリースポーツ
2024年は55.3kgで計量を通過し当日は62.7kgだった
2024年9月のドヘニー戦では、55.3kgで計量を通過し、「仕上がりバッチリ」とコメントしました(SPREAD)。Sports Graphic Number Webの写真説明によると、当日の体重は過去最重量の62.7kgです。計算すると、計量から当日までの差は7.4kgになります。
(参考)井上尚弥、55.3kgで計量パス(2024年9月) – SPREAD
(参考)井上尚弥の試合写真ギャラリー(2024年の試合のキャプション) – Sports Graphic Number Web
Q. 井上尚弥の身長と試合の体重はどれくらいですか?
身長はSports Graphic Number Webのプロフィールで165cmと紹介されています。スーパーバンタム級の2024年9月の計量は55.3kgでした。同じ試合の当日は過去最重量の62.7kgと伝えられており、計量と試合当日の体重は大きく異なります。
(参考)井上尚弥のプロフィール – Sports Graphic Number Web
井上尚弥の普段の体重はライトフライ級の時代で60kg

本人の記述で確認できる普段の体重は、ライトフライ級の時代の60kgです。リミットとの差は11.03kgで、通常体重の約18%を落としていた計算になります。
現在の普段の体重やオフの体重を本人が明言した記事は、今回の調査では確認できていません。手がかりになるのは2021年の約62kgですが、これは試合に向けて調整した日の発言であり、オフの数字そのものではない点に注意が必要です。
身長165cmで62kgなら、BMIは約22.8です。とはいえ、BMIは筋肉量を区別しないので、競技者の体を評価する指標としては参考程度に見てください。
(参考)井上尚弥が語る「ボクサーの驚くべき減量事情」(2020年1月3日・『勝ちスイッチ』より抜粋) – 東洋経済オンライン
(参考)井上尚弥、貴重な減量なしファイト(2021年2月11日) – デイリースポーツ
Q. 井上尚弥のオフの体重は何kgですか?
オフの体重を本人が明言した記事は確認できていません。確認できるのはライトフライ級の時代の通常体重60kgと、2021年の減量なしのエキシビションでの約62kgです。オフの体重として断定せず、目安として見るのが正確です。
井上尚弥の減量は試合の1か月前から本格化する
井上尚弥の減量は、試合の1か月前を境に本格的に始まります。本人は著書の抜粋で「減量はボクサーにとって避けて通れない仕事である。」と書いています。
始まる日にも決まりがあります。その日を大好きな焼き肉の「食い納めの日」とし、翌日から前日計量まで節制を続けるそうです。つらい時期の始まりを、楽しみの日にしている点が印象的です。
ライトフライ級の時代は、試合前に2〜3日絶食するという厳しい方法でした。本人は「何も食べない、何も飲まないのだ。口の渇きは、うがいで我慢する。」と書き、「命を削る減量方法である。」と評しています。プロの過去の例として読むもので、一般の人がまねしてはいけません。減量期の献立は井上尚弥の食事の記事で詳しく解説しています。
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(参考)井上尚弥が語る「ボクサーの驚くべき減量事情」(2020年1月3日・『勝ちスイッチ』より抜粋) – 東洋経済オンライン
井上尚弥は階級を上げて減量の負担を変えてきた

井上尚弥は階級を上げることで、減量に体を削られる時期から抜け出してきました。本人は「確かにせっかくの筋肉やトレーニングで積み重ねたものを減量で削り取ってしまっていた時代があった。」と書いています。
バンタム級転向後の早期KOを「減量からの解放」と結びつける論調があることにも触れています。計量の体重が上がれば、同じ普段の体重でも減らす幅は小さくなります。体重は、減らすほど良いものではありません。
2024年には、相手の大幅な減量について「10kgも戻したらボクシングできない」「体重があればいいわけじゃない」と指摘したことが、SPREADの見出しで報じられています。重さだけでは動きの質は決まらない、という見方です。同じ減量の悩みは、減量に頼らない身体づくりの記事でも扱っています。
(参考)井上尚弥が語る「ボクサーの驚くべき減量事情」(2020年1月3日・『勝ちスイッチ』より抜粋) – 東洋経済オンライン
(参考)井上尚弥「10kgも戻したらボクシングできない」(2024年9月2日) – SPREAD
井上尚弥の体重管理から現場で考えたい3つの視点
まねしたいのは減量の幅ではなく、体重との向き合い方です。職場の健康づくりや部活動の体重管理にも使える視点は、次の3つです。
期日から逆算して始める
井上尚弥は1か月前を区切りにしています。何かの目標に向けて体重を整えるなら、直前に慌てるのではなく、期日から逆算して無理のない幅を決めます。急な減量は体調を崩す原因になりかねません。
本番の体重と普段の体重を分ける
計量の数字だけを見ると、普段からその体重だと誤解しがちです。目標の数字と普段の数字を分けて考えると、一時的な増減に振り回されにくくなります。三宅宏実の体重管理の記事も、長く続ける視点として参考になります。
無理な減量を選ばない判断を持つ
階級を上げるように、目標そのものを見直すという選択肢を持っておくことも大切です。成長期の子どもや持病のある方の体重管理は、医師や管理栄養士に相談してください。全体の整え方は一流アスリートのコンディショニング完全ガイドで紹介しています。
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Q. 井上尚弥のような減量は一般の人でもできますか?
絶食や水分を控えるような方法は、一般の人が行うべきではありません。本人自身が「命を削る減量方法」と評しています。取り入れるなら、期日から逆算して無理のない目標を立てるといった考え方だけにしてください。
井上尚弥の体重のまとめ
井上尚弥の体重で押さえたい点は次の5つです。
- 計量の体重は、ライトフライ級の48.97kgからスーパーバンタム級の55.3kgへ変わった
- ライトフライ級の時代の通常体重は60kgで、差は11.03kgだった
- 2024年のドヘニー戦は55.3kgで計量を通過し、当日は過去最重量の62.7kgだった
- 減量は試合の1か月前から本格化し、その日を焼き肉の「食い納めの日」にしている
- 現在の普段やオフの体重は公表が確認できないので、断定せず目安として見る
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