パデルとは|スポーツ施設と協賛の実例で見る企業の入り口

パデルとは|スポーツ施設と協賛の実例で見る企業の入り口 スポーツビジネス

商業施設の屋上や駅前の空き区画の使い道を検討する会議で、「パデルのコートを入れたい」という提案が出る。協賛の窓口には、聞き慣れない競技の大会から依頼が届く。どちらも、まずその競技が何で、国内にどれくらい広がっているのかが分からないと、判断の入り口に立てないはずです。

パデルは、壁に囲まれた20m×10mのコートで行う、2人対2人のラケットスポーツです。国際パデル連盟は世界の競技人口を3,500万人超と発表し、日本パデル協会は国内の競技人口を6万人、施設を28施設・57コートと公表しています。企業の関わり方は、施設を開く、協賛する、施工や用品を供給する、社員がチームで出る、の4つに分かれます。

この記事では、国際パデル連盟と日本パデル協会の公式資料、施設の運営会社と協賛企業の発表をもとに、競技の基本、国内の施設と企業の実例、ピックルボールとの違い、関わる前に確かめる点を整理します。資料はいずれも2026年10月11日に原典を確認しました。

  1. パデルとは壁に囲まれたコートで行うダブルスのラケットスポーツ
    1. コートは20m×10mで全面を壁と金網で囲う
    2. 得点はテニスと同じで壁に当たった球も返せる
    3. ラケットは板状でボールは反発が小さい
  2. パデルの競技人口は世界3,500万人超で日本は6万人
    1. 世界は150の国に77,300コートがある
    2. 日本は28施設57コートで日本パデル協会が統括する
    3. アジア競技大会で初めて実施され日本女子が金メダルを取った
  3. 国内のパデル施設は高架下と屋上と公園に広がっている
    1. 駅前と高架下|東武鉄道の商業施設に屋外3面
    2. 商業施設の屋上と敷地|堺と名古屋と福岡の例
    3. 専用施設とリゾート|調布と尼崎とニセコの例
    4. 公園|京田辺市がくじの助成金で初の公設コートを整備
  4. パデルに協賛や参入をしている企業は4つの立場に分かれる
    1. 協会の協賛|シンプレクスは2022年度から日本代表を支援
    2. 大会の協賛|全日本選手権はダンロップの名前が付く
    3. リーグの協賛|チャリチャリが団体戦のタイトルパートナー
    4. 用品と施設づくり|メーカーと施工会社が協会の事業者パートナーに並ぶ
  5. パデルとピックルボールの違いは壁と専用コートにある
    1. パデルは囲った専用コートを設置する
    2. ピックルボールは既存のコートの線を引き直して使える
  6. 企業がパデルに関わる4つの入り口
    1. 入り口① 土地や建物があるなら施設を開くか誘致する
    2. 入り口② 資金があるなら協会か大会かリーグに協賛する
    3. 入り口③ 商品や技術があるなら施工と用品で入る
    4. 入り口④ 社員がいるなら企業リーグにチームで出る
  7. パデルに関わる前に確かめる3つの点
    1. 数字は発表した団体と年を添えて読む
    2. 場所は広さと高さと囲いの3条件で見る
    3. 費用と協賛の権利は見積りと書面で確かめる
  8. まとめ|パデルは発表元を確かめてから入り口を選ぶ

パデルとは壁に囲まれたコートで行うダブルスのラケットスポーツ

パデルは、テニスとスカッシュの要素を持つラケットスポーツです。日本パデル協会は「1970年代に誕生した」競技と紹介しています。基本を、コート、ルール、用具の3点で表にまとめました。

項目 内容 企業が見るところ
コート 内寸20m×10m。全面を強化ガラスの壁と金網で囲う 専用コートの設置が要る
ルール 2人対2人のダブルス。得点の数え方はテニスと同じで、壁に当たった球も返せる 4人で1面を使う
用具 ガットのない板状のラケットと、反発の小さいボール 専用の用品が要る

パデルの基本(出典:日本パデル協会「魅力」「ルール」、国際パデル連盟「Rules of Padel」。右列は本記事の整理)

コートは20m×10mで全面を壁と金網で囲う

国際パデル連盟の規則は、コートを幅10m、長さ20mの長方形(内寸)と定め、全面を囲うことを求めています。両端は高さ4mで、下の3mが壁、上の1mが金網です。日本パデル協会は、壁の材料を強化ガラスと紹介しています。

高さにも決まりがあります。規則は、コートの上に6m以上の何もない空間を求め、新しい施設には8m以上を勧めています。屋内に置くなら、床の広さだけでなく天井の高さが条件になります。

(参考)Rules of Padel – International Padel Federation(国際パデル連盟)

(参考)魅力(パデルとは) – 一般社団法人日本パデル協会

得点はテニスと同じで壁に当たった球も返せる

試合は2人対2人のダブルスで行います。日本パデル協会のルール紹介によると、ポイントの数え方と試合の進め方はテニスと同じです。違うのは、自分のコートで1回弾んだあとに強化ガラスや金網に当たった球も、打ち返せる点です。

サーブは球を1回弾ませてから、腰より低い位置で打ちます。協会は、動く範囲がテニスより狭く、子どもから年配の人まで楽しめる競技だと説明しています。

(参考)ルール – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)魅力(パデルとは) – 一般社団法人日本パデル協会

ラケットは板状でボールは反発が小さい

用具もテニスとは別のものです。日本パデル協会によると、パデルのラケットは柄がテニスより短く、ガットのない板状です。ボールは色と形がテニスボールに似ていますが、空気圧が低く、反発が小さくなっています。

用品の会社にとっては、ラケット、ボール、シューズ、ウェアがそろって新しい商品群になります。協会の事業者パートナーには、ラケットを販売する国内外のブランドの日本法人が並んでいます。

(参考)魅力(パデルとは) – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)パートナー・会員 – 一般社団法人日本パデル協会

パデルの競技人口は世界3,500万人超で日本は6万人

パデルの組織の図解。国際パデル連盟、日本パデル協会、国内28施設57コート、競技人口6万人の4層でつながる

規模の数字は、国際パデル連盟(FIP)と日本パデル協会(JPA)がそれぞれ発表しています。世界は3,500万人超、日本は6万人です。どちらも団体が自ら集計した数字なので、発表した主体と年を添えて読むのが安全です。

世界は150の国に77,300コートがある

国際パデル連盟は2025年12月、年次報告「FIP World Padel Report 2025」の公表にあわせて、世界の数字を発表しました。活動している競技者は3,500万人を超え、コートは77,300面、クラブは24,600を超えています。コートがあるのは150の国と20の属領です。

発表によると、2025年に新しく作られたコートは14,355面でした。この報告は各国の連盟への調査をもとに連盟がまとめたもので、今回が2回目の発行です。

(参考)Online the FIP World Padel Report 2025, a comprehensive analysis of a sport in constant growth(2025年12月) – International Padel Federation(国際パデル連盟)

日本は28施設57コートで日本パデル協会が統括する

国内の数字は、日本パデル協会が発表資料の末尾に載せています。2026年5月13日の発表では、国内の施設は28施設・57コート、競技人口は6万人、選手登録者は約1,600名でした。2024年11月の発表では21施設・44コート、競技人口42,000人でしたから、1年半で7施設・13コート増えたことになります。

協会は2016年6月に設立された一般社団法人で、2017年7月に国際パデル連盟へ加盟しました。国際パデル連盟には100の国内連盟が加盟し、規則と世界ランキングを管理しています。協会は「2030年までに競技人口100万人」を目標に掲げていますが、これは目標であって実績ではありません。

2026年には、日本スポーツ協会の承認団体にもなりました。日本スポーツ協会は8月6日に加盟承認書を手渡したと発表し、日本パデル協会を「国内統轄団体」と紹介しています。

(参考)シンプレクス・ホールディングス、ダイヤモンドスポンサーとして日本パデル協会とのパートナーシップを継続(2026年5月13日) – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)JPAについて – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)About – Premier Padel

(参考)一般社団法人日本パデル協会 加盟団体承認書手交式の実施について(2026年8月7日) – 公益財団法人日本スポーツ協会

アジア競技大会で初めて実施され日本女子が金メダルを取った

2026年は、パデルが国内で広く知られる機会になった年です。国際パデル連盟は2026年3月、愛知・名古屋で開かれる第20回アジア競技大会で、パデルがメダル競技になることが確定したと発表しました。アジア競技大会でパデルが実施されるのは初めてです。

競技は9月28日から10月3日まで、名古屋市東スポーツセンターで行われました。日本パデル協会によると、女子は徳本佳恵選手と塚本早紀選手のペアが決勝でインドネシアのペアを6-3、6-4で破り、金メダルを獲得しました。

オリンピックについては、協会のサイトは正式種目になることが「期待されています」と書くにとどめています。社内の資料に「五輪競技」と書くのは避け、アジア競技大会で実施された競技、と書くのが正確です。

(参考)Padel Confirmed as Medal Sport at the Aichi-Nagoya 2026 Asian Games – International Padel Federation(国際パデル連盟)

(参考)【第20回アジア競技大会】パデル女子日本代表、金メダル獲得!(2026年10月4日) – 一般社団法人日本パデル協会

Q. パデルの競技人口は何人ですか?

国際パデル連盟の2025年12月の発表では、世界で3,500万人を超えています。日本は、日本パデル協会が2026年5月の発表で6万人と公表しています。どちらも団体が自ら集計した数字です。

国内のパデル施設は高架下と屋上と公園に広がっている

国内の施設は、置かれている場所で4つの型に分けられます。運営会社と自治体の発表で確認できた8施設を、場所の型で表にしました。型の分け方は本記事の整理です。

場所の型 施設(所在地) 開業と面数 運営・設置
駅前・高架下 パデル東京ミズマチ(東京都墨田区) 2023年1月・屋外3面 株式会社Padel Asia
商業施設の屋上・敷地 パデルワンしんかな(堺市)、パデル名古屋(名古屋市)、パデル福岡(福岡市) 2020年11月・3面/屋上2面/2024年6月・2面 清立商工、Padel Asia、Crossroad・Hometown・Sports
専用施設・リゾート キャプテン翼パデル調布(東京都調布市)、PADEL DOJO(兵庫県尼崎市)、ニセコHANAZONOリゾート(北海道倶知安町) 2023年9月に4面/2026年3月・4面/2025年6月 TSUBASA、アンモールジェムス、日本ハーモニー・リゾート
公園(公設) 田辺公園パデルコート(京都府京田辺市) 2025年4月・1面 京田辺市

国内のパデル施設の例(出典:各運営会社・京田辺市・日本パデル協会の発表。記載を確認できなかった開業年と面数は省略)

駅前と高架下|東武鉄道の商業施設に屋外3面

駅に近い場所の例が、東京都墨田区の「パデル東京ミズマチ」です。東武鉄道と東武タウンソラマチは2022年12月、鉄道の高架下にある商業施設「東京ミズマチ」の新しい区画に、パデルの専用施設を2023年1月21日に開くと発表しました。運営は株式会社Padel Asiaで、設備は屋外コート3面と更衣室、シャワー室です。

発表は、スポーツを通じた新しい交流が生まれることを期待する、と出店の狙いを書いています。商業施設の側から見ると、物販や飲食ではなく、体験型のテナントを入れた例です。発表時点の国内の施設数は20施設・37コートでした。

(参考)東京ミズマチに新エリア登場!スペイン発祥のラケットスポーツ「パデル」専用施設「パデル東京ミズマチ」2023年1月21日オープン!(2022年12月16日) – 東武鉄道株式会社・東武タウンソラマチ株式会社

商業施設の屋上と敷地|堺と名古屋と福岡の例

屋上を使った例は2つあります。大阪府堺市の「パデルワンしんかな」は、商業施設「フレスポしんかな」の屋上で2020年11月22日に開業し、日本パデル協会のコート一覧は3面と紹介しています。名古屋市中区の「パデル名古屋」は、ビルの3階に受付、屋上にコート2面を置いています。

福岡市東区の「パデル福岡」は、イオンモール香椎浜の前にある「香椎いーなテラス」の中に、2024年6月20日に開業しました。屋根の付いた全天候型で、コートは2面です。運営するCrossroad・Hometown・Sports株式会社は、フットサルコートなどを運営する会社です。

(参考)パデルワンしんかな – パデルワン

(参考)パデル名古屋 – 株式会社Padel Asia

(参考)九州初上陸!!全天候型パデルコート「パデル福岡」がイオンモール香椎浜前にオープン – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)コート一覧 – 一般社団法人日本パデル協会

専用施設とリゾート|調布と尼崎とニセコの例

面数の多い専用施設も出てきました。東京都調布市の「キャプテン翼パデル調布」は、株式会社TSUBASAが2022年8月に開き、2023年9月16日に2面を増やして屋外4面にしました。兵庫県尼崎市の「PADEL DOJO」は、有限会社アンモールジェムスが2026年3月28日に開業した施設で、屋根付き2面と屋外2面の計4面です。

リゾートの例は北海道のニセコです。日本ハーモニー・リゾート株式会社は、ニセコHANAZONOリゾートに専用コートを新設し、2025年6月1日から一般の利用を始めました。香港を拠点とするパデル事業者との提携による施設で、スキー場が夏の集客に使う例にあたります。

(参考)漫画家の高橋陽一氏が手掛ける『キャプテン翼パデル調布』 9月16日 調布にグランドオープン – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)日本最大級4面のパデル専用施設「PADEL DOJO」が尼崎に誕生(2026年2月20日) – 有限会社アンモールジェムス

(参考)北海道初上陸!世界が熱狂するラケットスポーツ「パデル」ニセコHANAZONOリゾートに本格コート誕生 – 日本ハーモニー・リゾート株式会社

公園|京田辺市がくじの助成金で初の公設コートを整備

自治体が自ら整備した例もあります。京都府京田辺市は、田辺公園のテニスコートの横にパデルコートを整備し、令和7年4月1日から利用できるようにしました。市は、公園の魅力の向上、地域の収益性の向上、にぎわいの創出、健康促進を目的に挙げています。

市によると、整備には日本スポーツ振興センターの「スポーツ振興くじ助成金」を使いました。市は6月のオープニングイベントの案内で、このコートを「日本初の公設」のパデル専用コートと紹介しています。自治体の公園でも整備の例ができたことは、公園の管理や整備を請ける会社にとって提案の材料になります。

計画の段階の話もあります。コートの設計と施工を手がけるProPadel Japan株式会社は2026年4月、横須賀市の浦賀で進む工場跡地の再開発に事業者の一員として加わり、パデルのクラブやアカデミーの設立を進める予定だと発表しました。地域の開発にスポーツ施設を組み込む動きは、スポーツによるまちづくりの型と事例で整理しています。

(参考)【スポーツ振興くじ(toto)助成事業】田辺公園パデルコートが完成しました – 京田辺市

(参考)田辺公園パデルコートオープニングイベントを開催します。 – 京田辺市

(参考)「第二の開国」横須賀・浦賀の大規模再開発プロジェクトに、ProPadel Japanが参画(2026年4月10日) – ProPadel Japan株式会社

パデルに協賛や参入をしている企業は4つの立場に分かれる

国内でパデルに関わっている企業は、協会の協賛、大会の協賛、リーグの協賛、用品と施設づくりの4つの立場に分かれます。金融のシステム会社から自動車の販売会社、シェアサイクルの会社まで、業種はさまざまです。いずれも各社と協会の発表で確認できた事実だけを挙げます。

協会の協賛|シンプレクスは2022年度から日本代表を支援

日本パデル協会のパートナー一覧は、先頭に「ダイヤモンドパートナー」の区分を置いています。シンプレクス・ホールディングスは2022年度から協会に協賛し、5期目となる2026年度もダイヤモンドスポンサーとして、日本代表の強化と育成、選手の交流を支援すると発表しました。同社グループの社員が日本代表のコーチを務めています。

地域の会社の例もあります。愛知県で自動車の販売店を100店舗以上展開するGo Too Group株式会社は2026年7月、協会とパートナーシップを結び、「パデルを通じた地域共創プロジェクト」を始めると発表しました。代表選手が店舗を訪れる交流から始め、体験できる場をつくることを掲げています。

(参考)シンプレクス・ホールディングス、ダイヤモンドスポンサーとして日本パデル協会とのパートナーシップを継続(2026年5月13日) – シンプレクス・ホールディングス株式会社

(参考)パートナー・会員 – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)Go Too! Group、日本パデル協会と連携し「パデルを通じた地域共創プロジェクト」を始動(2026年7月28日) – Go Too Group株式会社

大会の協賛|全日本選手権はダンロップの名前が付く

大会では、用品のブランドが冠に付いています。住友ゴム工業は2019年4月、協会と最上位の協賛契約を結び、国内ツアー「ジャパンパデルツアー」の全大会がダンロップの冠大会になり、公式球にダンロップのボールが採用されたと発表しました。国内最高峰の大会は「ダンロップ全日本パデル選手権」の名前で開かれています。

2025年12月の第9回大会は、特別協賛が株式会社ダンロップスポーツマーケティングで、賞金総額は110万円でした。国際大会では、ホテルを運営するホスピタリティオペレーションズが、2026年6月に尼崎市で開く国際パデル連盟の公認大会の特別協賛になったと発表されています。冠の付き方と費用の考え方は冠スポンサーの解説にまとめています。

(参考)日本パデル協会とのプラチナスポンサー契約を締結(2019年4月11日) – 住友ゴム工業株式会社

(参考)第9回ダンロップ全日本パデル選手権を12月18日(木)~12月21日(日)、パデル&フットサル 晴れのち晴れで開催!(2025年11月20日) – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)世界基準のパデル「FIP BRONZE HIGH VELOCITY OSAKA」の特別協賛として、「スマイルホテル」を展開するホスピタリティオペレーションズとパートナー契約を締結(2026年6月5日) – 一般社団法人日本パデル協会

リーグの協賛|チャリチャリが団体戦のタイトルパートナー

団体戦のリーグにも協賛の例があります。協会が2024年に立ち上げたジャパンパデルリーグは、全国7チームが団体戦で日本一を争う大会です。シェアサイクルのチャリチャリ株式会社は、2024-25年シーズンのタイトルパートナーになりました。発表は、同社の展開地域である福岡市、名古屋市、東京都墨田区、三重県桑名市にパデル施設があることを理由に挙げています。

放送局の関わり方もあります。KBCグループホールディングスは同じシーズンのオフィシャルパートナーになり、2025年3月20日に福岡で開かれた決勝大会をグループの制作でライブ配信しました。お金を出すだけでなく、自社の事業そのものを提供した例です。

あわせて読みたいスポーツスポンサーになるメリット|企業が得るものと協賛先の選び方›

(参考)【ジャパンパデルリーグ】チャリチャリ株式会社とタイトルパートナー契約締結のお知らせ(2025年2月4日) – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)【ジャパンパデルリーグ】KBCグループホールディングス株式会社とオフィシャルパートナー締結のお知らせ(2025年3月19日) – 一般社団法人日本パデル協会

用品と施設づくり|メーカーと施工会社が協会の事業者パートナーに並ぶ

協賛ではなく、本業として参入している会社もあります。協会の「施設/事業者パートナー」の欄には、ラケットや用品を販売する会社に加えて、コートの設計と施工を行う会社が載っています。清立商工株式会社はコートの設計・施工・販売と施設の運営、太陽工業株式会社は大型の膜構造の建築物とパデルコートの設計施工を事業内容に挙げています。

用品のブランドが代表チームを支える例もあります。スペインのパデル専門ブランドBullpadelは、2025年度の日本代表のユニフォームスポンサーになりました。予約システムを提供するIT企業も事業者パートナーに入っており、競技が広がると周辺の仕事が生まれることが分かります。

(参考)パートナー・会員 – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)2025年度、各カテゴリーにおけるパデル日本代表チームのユニフォームスポンサーとしてBullpadel(ブルパデル)と契約を締結(2025年8月15日) – 一般社団法人日本パデル協会

パデルとピックルボールの違いは壁と専用コートにある

パデルとピックルボールの違いの図解。パデルは20m×10mの囲った専用コートで壁を使い、ピックルボールは13.41m×6.1mで既存のコートを転用できる。共通点はダブルスでできること

パデルとピックルボールは、どちらもテニスより小さいコートで行うラケット競技ですが、場所の作り方が違います。パデルは囲った専用コートを設置する競技で、ピックルボールは既存のコートに線を引いて使える競技です。優劣ではなく、使える場所と目的で選ぶものです。

パデルは囲った専用コートを設置する

パデルのコートは内寸20m×10mで、面積は200平方メートルです。壁に当たった球を返すルールなので、強化ガラスの壁と金網の囲いが無ければ試合になりません。つまり、施設をつくる側の初期投資が前提になる競技です。

その代わり、囲いのあるコートは場所の目印になります。国内の例に駅前や商業施設の屋上が並ぶのは先に見たとおりで、商業施設の側は体験型のテナントとして迎えています。

(参考)Rules of Padel – International Padel Federation(国際パデル連盟)

(参考)魅力(パデルとは) – 一般社団法人日本パデル協会

ピックルボールは既存のコートの線を引き直して使える

ピックルボールのコートは全長13.41m、全幅6.1mで、ピックルボール日本連盟はバドミントンのダブルスコートと同じ広さだと説明しています。面積は約82平方メートルで、パデルはその約2.4倍です。連盟は、既存のテニスコートやバドミントンコートの線を引き直すだけで転用できる、と書いています。

用具も違います。ピックルボールはパドルと呼ぶ専用のラケットで、穴のあいたプラスチックのボールを打ちます。体育館を借りて社内の大会を開くなら、ピックルボールのほうが準備は軽くなります。

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(参考)コート – ピックルボール日本連盟(Pickleball Japan)

(参考)ピックルボールとは – ピックルボール日本連盟(Pickleball Japan)

Q. パデルとピックルボールの違いは何ですか?

いちばんの違いは壁と専用コートです。パデルは強化ガラスと金網で囲った20m×10mの専用コートで行い、壁に当たった球も返せます。ピックルボールは13.41m×6.1mのコートで壁を使わず、既存のテニスコートやバドミントンコートに線を引いて使えます。

企業がパデルに関わる4つの入り口

企業がパデルに関わる入り口の図解。土地や建物は施設の開設と誘致、資金は協賛、商品や技術は施工と用品の供給、社員は企業リーグへの参加を通じて、運営会社や協会、大会、リーグにつながる

企業の入り口は、自社が出せるもので決まります。土地や建物があれば施設、資金があれば協賛、商品や技術があれば供給、社員がいればチームでの参加です。4つの分け方は、前の章までの実例をもとにした本記事の整理です。

入り口① 土地や建物があるなら施設を開くか誘致する

屋上、高架下、駐車場の一角、使っていない運動場を持つ会社は、コートを置く場所を出せます。やり方は2つで、自社で運営するか、運営会社をテナントとして入れるかです。東京ミズマチは後者で、施設の持ち主と運営会社が分かれています。

場所の条件は規則から読めます。内寸20m×10mが1面で、周りに囲いと出入りの余白が要り、上には6m以上の空間が要ります。施設の運営を事業として考える場合は、テニススクール運営会社の事業モデルが近い参考になります。

(参考)Rules of Padel – International Padel Federation(国際パデル連盟)

(参考)東京ミズマチに新エリア登場!スペイン発祥のラケットスポーツ「パデル」専用施設「パデル東京ミズマチ」2023年1月21日オープン!(2022年12月16日) – 東武鉄道株式会社・東武タウンソラマチ株式会社

入り口② 資金があるなら協会か大会かリーグに協賛する

協賛の相手は、協会、大会、リーグの3つです。協会の協賛は日本代表の支援が中心で、大会とリーグは名前に社名やブランドが付きます。協会は2026年6月、日本スポーツ協会への加盟によって、協賛企業にとっても競技団体の継続性と透明性がより明確になる、と説明しています。

協賛金の額は、協会の公開ページには載っていません。規模の目安として言えるのは、国内最高峰の大会の賞金総額が110万円という事実までです。金額は見積りを取り、何の権利が付くのかを書面で確かめる進め方になります。

(参考)公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)承認団体加盟のお知らせ(2026年6月24日) – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)第9回ダンロップ全日本パデル選手権を12月18日(木)~12月21日(日)、パデル&フットサル 晴れのち晴れで開催!(2025年11月20日) – 一般社団法人日本パデル協会

入り口③ 商品や技術があるなら施工と用品で入る

建設、膜構造、電気設備、予約システムなどの技術を持つ会社は、施設が増えるほど仕事が生まれます。協会の事業者パートナーに施工会社や設備の会社が並んでいるのは、その表れです。用品の会社は、大会の公式球や代表のユニフォームという形で競技の中に入っています。

国内の施設は28施設・57コートで、市場としてはまだ小さい段階です。大きな売上を見込むより、自治体の公園や商業施設の改修の提案に組み込める選択肢の1つとして持っておく、という位置づけが現実的です。

(参考)パートナー・会員 – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)シンプレクス・ホールディングス、ダイヤモンドスポンサーとして日本パデル協会とのパートナーシップを継続(2026年5月13日) – 一般社団法人日本パデル協会

入り口④ 社員がいるなら企業リーグにチームで出る

社員が選手として出る場もできました。Japan Padel Corporate League(JPCL)は、企業がチームを持ち、社員が年間を通して参加するシーズン制の企業リーグです。日本パデル協会が後援し、2026年5月の発表は、企業どうしの交流と採用でのイメージづくりを特徴に挙げています。

協会とリーグの3者は同じ月に連携を始め、パデルを企業間の交流、健康経営、チームづくりのきっかけに使うと発表しました。1日だけの大会もあり、リゾートを運営する株式会社クラブメッドは、2026年9月6日に東京ミズマチでアマチュア向けの大会を開くと発表しました。社内の催しとして企画するなら、スポーツイベント運営会社の選び方も参考になります。

(参考)【企業がパデルチームを持つ時代へ】新たなパデル普及モデル「JPCL(Japan Padel Corporate League:日本パデル企業リーグ)」始動!(2026年5月12日) – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)日本パデル協会、JPL、JPCLが三者連携を開始(2026年5月27日) – 一般社団法人日本パデル協会

(参考)クラブメッド、日本初となる「パデルカップ 2026 東京大会」を開催(2026年7月31日) – 株式会社クラブメッド

Q. パデルコートを作るにはどのくらいの広さが必要ですか?

コートの内寸は幅10m、長さ20mで、面積は200平方メートルです。国際パデル連盟の規則は、全面を壁と金網で囲うことと、コートの上に6m以上の空間を確保することを定めています。周りの余白や建設費は場所によって変わるので、施工会社に見積りを取って確かめます。

パデルに関わる前に確かめる3つの点

判断の前に確かめるのは、数字の出どころ、場所の条件、費用と権利の中身の3つです。新しい競技は資料が少ないぶん、発表された数字がそのまま社内の資料に写されがちです。順に見ていきます。

数字は発表した団体と年を添えて読む

世界の3,500万人は国際パデル連盟、国内の6万人は日本パデル協会の発表で、どちらも第三者の統計ではありません。国内の数字は調べ方が公表されておらず、協会のコート一覧に載っている施設の数も、発表の28施設とは一致しません。

社内の資料では、「日本パデル協会の2026年5月の発表で6万人」のように、主体と時点を添えて書くのが安全です。スポーツ産業全体の規模や課題と並べて見るときは、日本のスポーツ業界の課題と市場規模の整理が土台になります。

(参考)Online the FIP World Padel Report 2025, a comprehensive analysis of a sport in constant growth(2025年12月) – International Padel Federation(国際パデル連盟)

(参考)コート一覧 – 一般社団法人日本パデル協会

場所は広さと高さと囲いの3条件で見る

候補地は、内寸20m×10mが取れるか、上に6m以上の空間があるか、強化ガラスの壁と金網を立てられるかで絞れます。屋上なら重さと風、屋内なら天井の高さが論点になります。

建物や屋上に設置する場合の建築や防火、看板の扱いは、場所ごとに適用される決まりが違います。この記事は競技の規則を紹介するもので、個別の可否は建築士や自治体の窓口、契約は弁護士などの専門家に確かめてください。

(参考)Rules of Padel – International Padel Federation(国際パデル連盟)

費用と協賛の権利は見積りと書面で確かめる

コートの建設費、施設の収支、協賛金の額について、相場を示す公的な資料は見当たりません。施工会社と協会にそれぞれ見積りを取り、複数を比べるのが唯一の方法です。公設の例では、京田辺市がくじの助成金を使っています。

協賛では、名前の出る場所、期間、同じ業種の他社が入るかどうかを書面で確かめます。協賛金の経理や税務の扱いは目的と内容で変わるので、一般的な考え方を押さえたうえで、個別の判断は税理士に相談してください。

(参考)【スポーツ振興くじ(toto)助成事業】田辺公園パデルコートが完成しました – 京田辺市

まとめ|パデルは発表元を確かめてから入り口を選ぶ

パデルは、国内ではまだ施設の少ない競技ですが、統括団体と大会、企業の関わり方がそろい始めています。要点を振り返ります。

  • パデルは壁に囲まれた20m×10mのコートで行うダブルスの競技。得点の数え方はテニスと同じ
  • 世界の競技人口は3,500万人超(国際パデル連盟、2025年12月)。日本は6万人、28施設・57コート(日本パデル協会、2026年5月)
  • 国内の施設は、高架下、商業施設の屋上、専用施設、リゾート、公園に広がっている
  • 企業は、協会・大会・リーグへの協賛と、用品や施工の供給で関わっている
  • ピックルボールとの違いは壁と専用コート。社内の大会を体育館で開くならピックルボールが軽い

最初の一歩として、自社が出せるものを土地や建物、資金、商品や技術、社員の4つに分けて書き出してみてください。そのうえで、近くの施設を1つ訪ねて運営会社の話を聞くと、どの入り口が自社に合うのかが見えてきます。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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