スポーツ庁の資料によると、2026年1月時点で全国には新スタジアム・新アリーナの計画が76件あります。内訳はスタジアム36件、アリーナ40件で、開業予定年が出ている設計・建設段階の27件は、2026年から2033年にかけて順に完成していきます。サッカーを想定した新スタジアムでは、モンテディオ山形が2028年8月の開業に向けて建設中で、清水エスパルスの本拠地は静岡市が2026年度中に結論を出す予定です。
地元に新しいスタジアムができると聞き、命名権や出店、工事の受注で関われないか考え始めた。けれど、どこでどんな計画が動いていて、いつ開業するのかを一覧で確かめられる場所が分からない。ここでは国の一覧をもとに全国の計画を整理し、計画の段階ごとに企業が関われる入り口をまとめます。
新スタジアム・アリーナの計画は全国76件|2026年1月時点

スポーツ庁は、全国のスタジアム・アリーナの新設・建替の計画を1枚の資料にまとめて公表しています。2026年1月時点の版では、スタジアム36件、アリーナ40件の計76件が載っています。日本政策投資銀行(DBJ)の資料をもとにスポーツ庁が作ったもので、新設だけでなく既存施設の改修や建て替えも含みます。
載っているのは、規模が一定の基準を満たし、プロスポーツなどの興行で数千人から数万人規模の定期的な集客を想定する施設です。計画は「構想・計画」と「設計・建設」の2段階に分けられていて、構想・計画が49件、設計・建設が27件です。全体の約64%はまだ構想・計画の段階にあり、場所や事業の形が決まっていないものも含まれます(本記事の計算値)。
地域別では南関東が23件で最も多く、東京都の新神宮球場や新秩父宮ラグビー場、川崎市の等々力緑地の再整備などが並びます。国が施設を核にしたまちづくりを進めている背景は、スタジアム・アリーナ改革の記事で整理しています。
(参考)スタジアム・アリーナの新設・建替構想の現状 – スポーツ庁
(参考)全国のスタジアム・アリーナの新設・建替構想(2026年1月時点) – スポーツ庁
Q. 新スタジアムの計画は全国でいくつありますか?
スポーツ庁の資料では、2026年1月時点で全国にスタジアム36件、アリーナ40件、合わせて76件の新設・建替の計画があります。このうち49件は構想・計画の段階で、27件は設計・建設の段階に進んでいます。
開業時期が出ている27件の一覧|2026年から2033年まで
設計・建設の段階に進んだ27件を、資料に書かれた完成または開業予定年の順に並べました。最も多いのは2026年の8件で、最も遅いのは2033年の新神宮球場です。
| 開業予定年 | 施設 | 都道府県 | 種類 | 想定する競技 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年 | 松江市総合体育館改修 | 島根 | アリーナ | バスケットボール |
| 2026年 | アスリートタウン延岡アリーナ | 宮崎 | アリーナ | — |
| 2026年 | ホワイトリング改修 | 長野 | アリーナ | バスケットボール |
| 2026年 | 長野運動公園総合体育館整備 | 長野 | アリーナ | バレーボール・フットサル |
| 2026年 | YKK AP ARENA | 富山 | アリーナ | バスケットボール |
| 2026年 | セコムラグビースタジアム(仮称) | 埼玉 | スタジアム | ラグビー |
| 2026年 | パロマ瑞穂スタジアム改修 | 愛知 | スタジアム | サッカー |
| 2026年 | 大和工業アリーナ姫路 | 兵庫 | アリーナ | — |
| 2027年 | 米子アリーナ | 鳥取 | アリーナ | — |
| 2027年 | 東京ヤクルトスワローズ二軍施設整備計画 | 茨城 | スタジアム | プロ野球 |
| 2027年 | (仮称)名古屋アリーナ | 愛知 | アリーナ | バスケットボール |
| 2027年 | 滋賀ダイハツアリーナ改修 | 滋賀 | アリーナ | バスケットボール |
| 2027年 | おおきにアリーナ舞洲改修 | 大阪 | アリーナ | バスケットボール |
| 2028年 | 福井アリーナ(仮称) | 福井 | アリーナ | バスケットボール |
| 2028年 | 新秋田県立体育館 | 秋田 | アリーナ | バスケットボール |
| 2028年 | モンテディオ山形新スタジアム | 山形 | スタジアム | サッカー |
| 2028年 | 三河安城交流拠点アリーナ | 愛知 | アリーナ | バスケットボール・バレーボール |
| 2028年 | 京都アリーナ(仮称) | 京都 | アリーナ | バスケットボール |
| 2028年 | 花園ラグビー場第2グラウンド改修 | 大阪 | スタジアム | サッカー |
| 2029年 | 新秩父宮ラグビー場 | 東京 | スタジアム | ラグビー |
| 2029年 | 豊橋市多目的屋内施設整備 | 愛知 | アリーナ | バスケットボール |
| 2030年 | Kawasaki Arena-City Project | 神奈川 | アリーナ | バスケットボール |
| 2030年 | 等々力緑地球技専用スタジアム | 神奈川 | スタジアム | サッカー |
| 2030年 | 等々力緑地新とどろきアリーナ | 神奈川 | アリーナ | バスケットボール・バレーボール |
| 2030年 | OSAKA ARENA | 大阪 | アリーナ | — |
| 2031年 | いわきFC新スタジアム | 福島 | スタジアム | サッカー |
| 2033年 | 新神宮球場 | 東京 | スタジアム | プロ野球 |
出典:スポーツ庁「全国のスタジアム・アリーナの新設・建替構想(2026年1月時点)」をもとに Human Soar 作成。開業予定年は資料に記載の「完成または開業予定年」。想定する競技は資料の「主たる想定スポーツコンテンツ」で、— は記載なし
年ごとの件数は、2026年が8件、2027年が5件、2028年が6件、2029年が2件、2030年が4件、2031年と2033年が各1件です。アリーナが18件と多く、想定する競技ではバスケットボールが目立ちます。
サッカーを想定した施設は、モンテディオ山形新スタジアム(2028年)、いわきFC新スタジアム(2031年)、等々力緑地球技専用スタジアム(2030年)など5件です。資料は2026年1月時点のものなので、2026年の開業予定のうちすでに開業した施設や、時期が変わった施設もありえます。最新の状況は自治体や事業者の発表で確かめてください。
(参考)全国のスタジアム・アリーナの新設・建替構想(2026年1月時点) – スポーツ庁
サッカーの新スタジアム計画は構想段階に22件
開業予定年がまだ出ていない構想・計画の段階のうち、サッカー(Jリーグなど)を想定したスタジアムは22件あります。新設の構想だけでなく、既存スタジアムの改修や公園の再整備も含みます。
| 地域 | 都道府県 | 計画 | 想定する競技 |
|---|---|---|---|
| 中国 | 広島 | 福山市スポーツ&ウェルネスパーク構想 | サッカー |
| 中国 | 山口 | レノファ山口サッカー専用スタジアム構想 | サッカー |
| 四国 | 愛媛 | 愛媛FC新スタジアム整備 | サッカー |
| 九州・沖縄 | 大分 | ジェイリーススタジアム改修 | サッカー |
| 九州・沖縄 | 鹿児島 | 鹿児島市多機能複合型スタジアム整備 | サッカー・ラグビー |
| 九州・沖縄 | 沖縄 | 沖縄県Jリーグ規格スタジアム整備 | サッカー |
| 東北 | 岩手 | いわぎんスタジアム改修 | サッカー |
| 東北 | 秋田 | ブラウブリッツ秋田新スタジアム構想 | サッカー |
| 東北 | 宮城 | ベガルタ仙台スタジアムパーク構想 | サッカー |
| 東北 | 福島 | 福島ユナイテッドFC新スタジアム構想 | サッカー |
| 北関東・甲信越 | 長野 | 松本山雅FC新スタジアム構想 | サッカー |
| 北関東・甲信越 | 茨城 | 鹿島アントラーズ新スタジアム構想 | サッカー |
| 北関東・甲信越 | 茨城 | 水戸ホーリーホック新スタジアム構想 | サッカー |
| 南関東 | 埼玉 | 大宮スーパー・ボールパーク構想 | サッカー |
| 南関東 | 東京 | Jリーグ東京23区スタジアム構想 | サッカー |
| 南関東 | 東京 | 南葛SC新スタジアム構想 | サッカー |
| 南関東 | 東京 | (仮称)江戸川区球技場 | サッカー・ラグビー |
| 南関東 | 神奈川 | SC相模原新スタジアム構想 | サッカー |
| 南関東 | 神奈川 | 湘南ベルマーレ新スタジアム構想 | サッカー |
| 南関東 | 神奈川 | 三ツ沢公園再整備 | サッカー |
| 東海 | 静岡 | 清水エスパルス新スタジアム構想 | サッカー |
| 北陸 | 富山 | とやまスタジアムランドプロジェクト | サッカー |
出典:スポーツ庁「全国のスタジアム・アリーナの新設・建替構想(2026年1月時点)」をもとに Human Soar 作成。開業予定年は資料に記載の「完成または開業予定年」。想定する競技は資料の「主たる想定スポーツコンテンツ」で、— は記載なし。構想・計画の段階のスタジアムのうち、想定する競技にサッカーを含むものを抜き出した
東北では秋田・仙台・福島、関東では鹿島・水戸・大宮・相模原・湘南、東京23区のJリーグ用スタジアムなど、クラブ名を冠した構想が多く並びます。中国・四国・九州でも、レノファ山口、愛媛FC、沖縄県のJリーグ規格スタジアムなどが載っています。
構想の段階は、建設地や事業費、誰が建てて誰が運営するかがまだ固まっていないことが多い段階です。一方で、まちづくりの方向や官民連携の形を自治体が検討している時期でもあるので、企業が意見や提案を伝えやすい段階といえます。なお、柏レイソルの本拠地について、2026年1月時点の一覧に計画は載っていません。
(参考)全国のスタジアム・アリーナの新設・建替構想(2026年1月時点) – スポーツ庁
Q. 柏レイソルの新スタジアム計画は一覧に載っていますか?
2026年1月時点のスポーツ庁の一覧には、柏市の新設・建替の計画は載っていません。本記事の調査でも、柏市やクラブの公式発表で新スタジアムの計画は確認できなかったため、最新の動きは柏市と柏レイソルの発表で確かめてください。
公式発表で追う山形・清水・山口の新スタジアム計画
一覧で段階が分かったら、クラブや自治体の公式発表で中身を確かめます。ここでは検索されることの多いモンテディオ山形、清水エスパルス、レノファ山口の計画を、公式に発表された内容だけで整理します。
モンテディオ山形は2028年8月の開業に向けて建設中
モンテディオ山形の新スタジアムは、クラブの子会社として2024年に設立された株式会社モンテディオフットボールパークが建設と運営を進めています。計画地は天童市内の山形県総合運動公園の特設駐車場内で、開業は2028年8月の予定です。天童市は、民設民営で建設が計画されている施設だと説明しています。
不動産会社のエスコンは2026年2月26日、この事業会社に最大50億円を出資し、モンテディオ山形を連結子会社にする方針を発表しました。同年6月の共同記者会見では、新スタジアムが2026年3月に着工したことが説明されています。建設資金には企業版ふるさと納税も使われ、山形県・天童市・西川町が寄附を募っています。天童市は寄附した企業の名前を銘板に刻んで掲げるとしていて、100万円を超える寄附は大きい銘板になります。
(参考)Jリーグ「モンテディオ山形」新スタジアム構想への出資および同クラブ運営会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ(2026年2月26日) – 株式会社エスコン
(参考)エスコンとモンテディオ山形 「新スタジアム構想への出資決定について」の共同記者会見を実施(2026年6月19日) – 株式会社エスコン
(参考)企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を活用した寄附の募集について【モンテディオ山形新スタジアム建設支援等事業】 – 山形県
(参考)モンテディオ山形新スタジアムに関する企業版ふるさと納税 – 天童市
清水エスパルスの新スタジアムは静岡市が2026年度中に結論を出す
清水エスパルスの新スタジアムは、JR清水駅東口の旧製油所跡地が候補になっています。静岡市は2026年2月、ENEOSが持つ土地のうち約7.9haを購入し、土地区画整理事業に地権者として参加することを決めました。あわせて、この「地域づくりエリア」の中核施設として多目的スタジアムが最も有力だと示しています。
新スタジアムが実現できるかどうかは、これから行う実現可能性調査で判断し、2026年度中に最終結論をまとめる予定です。調査では、官民共創による整備の手法や経済効果も検討します。市は「清水駅東口地区新スタジアム実現可能性調査業務」の契約候補者にボストン・コンサルティング・グループ合同会社を選んでいて、業務期間は2027年3月19日までです。
(参考)JR清水駅東口地域づくりエリアの土地利活用方針<第2部 ~まちづくりの方向性~>(2026年2月17日市長定例記者会見 資料4-3) – 静岡市
(参考)【特定結果の公表】公募型プロポーザル「清水駅東口地区新スタジアム実現可能性調査業務」 – 静岡市
レノファ山口はサッカー専用スタジアムの実現を市に要望
レノファ山口の計画は、スポーツ庁の一覧に「レノファ山口サッカー専用スタジアム構想」として構想・計画の段階で載っています。山口市の公表では、2023年11月29日に山口商工会議所と株式会社レノファ山口が、山口市でのサッカーJ1専用スタジアムの実現を要望しました。市は文書による回答はしていないとしています。クラブを支える企業の顔ぶれは、レノファ山口のスポンサー一覧で確かめられます。
(参考)レノファ山口FC応援促進について(山口商工会議所、株式会社レノファ山口からの提出) – 山口市
Q. モンテディオ山形の新スタジアムはいつできますか?
2028年8月の開業を予定しています。天童市の山形県総合運動公園の特設駐車場内に建てる計画で、エスコンとモンテディオ山形の発表では2026年3月に着工しました。
企業が新スタジアム計画に関わる入り口は段階で変わる

新スタジアムの計画に企業が関わる方法は、計画がどの段階にあるかで変わります。一覧で段階を確かめてから、次の3つの段階に合わせて入り口を選びます。
構想・計画の段階は提案と寄附で関わる
構想・計画の段階では、自治体が建設地や事業の形を検討しています。静岡市のように実現可能性調査で官民共創の手法を探っている時期は、まちづくりや施設の使い方について企業が提案を持ち込める時期です。建設資金を集める段階では、山形県や天童市のように企業版ふるさと納税で寄附を募る例もあります。
設計・建設の段階は受注と出資で関わる
設計・建設の段階では、工事や設備、通信などの発注が動きます。通信やキャッシュレス決済などの設備も発注の対象になり、国内の導入例はスマートスタジアムの記事で紹介しています。エスコンがモンテディオ山形の事業会社に出資したように、資金を出して事業そのものに加わる形もあります。
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開業後は命名権と出店と運営で関わる
開業が近づくと、施設の名前を買う命名権(ネーミングライツ)や、場内の看板、飲食などの出店、施設の運営に関わる募集が始まります。運営を担う会社の顔ぶれはスタジアム・アリーナ運営の主要企業の記事、看板の料金の目安はスタジアム広告の料金の記事で確かめられます。
Q. 企業が新スタジアム計画に関わるにはどうすればよいですか?
計画の段階に合わせて入り口を選びます。構想・計画の段階なら自治体への提案や企業版ふるさと納税、設計・建設の段階なら工事や設備の受注と出資、開業後なら命名権や出店、運営への参加が入り口になります。
新スタジアム計画の一覧のまとめ
新スタジアムの計画は全国で動いていて、段階を見れば企業が関われる時期が分かります。スポーツ業界全体の動きは日本スポーツ業界の8つの課題で整理しています。この記事の要点を振り返ります。
- 2026年1月時点で、全国の新スタジアム・新アリーナの計画はスタジアム36件、アリーナ40件の計76件
- 開業予定年が出ている設計・建設段階の27件は、2026年から2033年にかけて完成する予定
- サッカーを想定した構想・計画段階のスタジアムは22件
- モンテディオ山形は2028年8月開業予定、清水エスパルスの新スタジアムは静岡市が2026年度中に結論
- 企業の入り口は、構想では提案と寄附、建設では受注と出資、開業後は命名権・出店・運営
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